松井こうじが考えるマンションへの取り組み
第2回 マンションをどーする!公開討論会での発言より
管対協(マンション管理対策協議会)は昨年の衆議院選挙に引き続き、第2回マンションをどーする公開討論会を、去る5月26日に開催しました。年末のマンション管理適正化法の成立、今年に入ってからの京都市によるマンション実態調査の実施、さらには法務省における区分所有法改正の審議会のスタートなどを受けて開催された今回の公開討論会は、昨年にも増して、活発な議論が展開されました。
昨年と様相を異にしたのは、政党間、候補者間の政策の違いがかなり鮮明になってきたという点です。討論では、特に適正化法をめぐる行政の指導・規制と住民自治の問題がク□一ズアップされました。また建替えについては、建替え優先政策をとる政党と長命化優先の政党に分岐してきました。
1.マンション政策説明(抜粋) ◆民主党・松井
マンションに住み続けてきた人間として語りたい。マンションは、日本のコミュニティの一部をなしておリ、住民自治のかたまリといえる。今後のマンション政策を考える上で、マンションが一つのコミュニティであると考えなくてはならない。マンションが、計画され建設され分譲され入居する、そしてその後、老朽化して維持修繕の問題が出てくる、最終的には建替えも含めてどうするかという問題が出てくる。
<計画段階の問題・・・・・町家型共同住宅の検討>
各ステージごとでいくと、最初は計画段階である。京都市の中心部では、マンションの計画についての様々な反対運動がある。マンションと周辺環境との適合化は全国的にも京都が最も課題が多い。その意味では、以前に京都市で提案されていた「町家型共同住宅」等についても真剣に考えていかなければならない。周辺との環境の調和は重要な課題である。<分譲段階の問題・・・・・チェックシステムの導入>
分譲・供給というステージでは、現在の販売方法で長いのかという問題がある。青田売りについては、あとあとのトラプルにつながっている。同時にマンション購入者に対して、その居住、管理についての情報提供システムも必要である。また、供給サイド・購入者サイドの双方で標準的な管理規約をつくっていく体制やそれをチェックしていくシステムも必要。<入居・管理段階の問題・・・・・相談体制の構築>
ここでは、管理組合や居住者に対する相談体制の問題が出てくる。すでに公の相談体制が出来ているが、そこに専門家やNPOが加わることによって管理組合や居住者の問題に対応していくことが必要。このような相談体制の中で、実際に管理組合で活動されてきた右の知恵を生かして社会的に相談に乗れる人の層を厚くすることが重要。
これについては、計画的な修繕を支援していく、修繕のための判断指標を作成していく。また、鉄筋コンクリートのマンションは、適切なメンテナンスが行われておれば、長い耐用年数を持つことができると言われている。具体的に既存のマンションを長命化させるための技術開発も必要である。そして、技術開発の結果を受けて、具体的な修繕方法を管理組合に啓発・普及していくことも必要。そのように管理してきたマンションを転売していく中古マンション市場も、改革される必要がある。中古マンションの管理状況を、業者がいかに的確に把握し、それを市場での適正な評価に充てていくのか、そのための管理組合と業者との情報交換は大変重要である。今後、マンション市場で新築・中古の区分がなくなリ、流通情報が一元化されて消費者に提供されることが必要になってくる。
マンションは日本型の新しいコミュニティ。京都では、マンションと周辺の町内会の関係が断絶しているケースもあるが、逆に、マンションが町内会を引っ張って住民自治が活性化しているケースも多々ある。マンションの居住者が、いかに地域の人々と一体化していけるか、京都の町衆の心意気は、行政に頼るのではなく、自助・共助の精神でコミュニティをつくりあげようというものである。その前提のもとで、行政がサポートしなければならない点はする、ということが、京都で求められるマンション政策の基本的な考え方である。
民主党・鈴木
京都のまち中のコミュニティに、マンションがどのように位置づけられていくかが大きな問題。現在、マンション政策については、与野党関係ない状態。皆さんが提言されていることを、我々が行政にどう働きかけていくのかが問題である。
2.マンション管理適正化法への取リ組み(抜粋) 管対協・山本
マンション管理適正化法に対しては、法案段階で、我々は全管連意見書という形で、管理組合としての意見をこの法案の提案者である自民党、公明党をはじめとする各政党に提出している。ここで問題にしたいのは、マンシヨン菅理において、その主体は誰なのか?ということである。適正化法ではこの点が明確になっていない。さらに、この法律の第3条に基づいて定められる管理適正化指針の素案第1案においても「管理の主体は管理組合である」ことが基本的方向性の中に明確に記載されていたにも拘らず、第2案以降はそれが削除されてしまった。区分所有法第3条においても「管理の主体は管理組合である」ことが明確にうたわれている。しかし、適正化法においては、この点が明確になっていない。現在、高層住宅菅理業協会の資格である区分所有管理士が干数百名いる。多分この方々は、マンション管理士の試験を受けるだろう。しかし、この人達の独立性はどうなのか?これらの人達が管理会社の所属であれば、当然ながら管理会社ベ一スで、ことは進むという恐れを我々は感じている。マンション管理士を束ねる形で専門家派遣という制度が、行政側でも考えられているが、これが、管理組合の主体性を損ねないという保証はない。これまで、管理会社に対して「おんぶにだっこ」という形で来たことが、現在のような状態を招いた。したがって、あくまでも我々は「管理の主体は管理組合である」ということを主張したい。行政や菅理会社などは、管理組合が主体であることを踏まえたうえで、それをサポートしていくというスタンスで関わるべきである。
コーディネーター・谷垣
与党側も管理組合が主体であると認識して、この法律をつくったことを確認しておきたい。
◆民主党 松井
第一は、マンション管理士のような国家資格制度をつくると、一般的に官僚の天下リも含めて、不透明な運用がなされることに注意しなければならない。第二は、主体は管理組合であるという、そこが主権者であることを確認しておかなければならない。
第三に区分所有者の多くが不在で実質上、管理組合が機能していないようなマンションと、皆さんのところのように区分所有者が居住して管理組合もきちんと機能しているようなマンションを、十ば一からげにしてよいのかという疑問を持っている。この法律が、管理会社の管理士にすべてを、お任せするようなことを助長するようなことがあってはならない。大事なことは、管理組合役員の経験者やNPOなどがチェックして、管理組合主体という原則をはずさないようにすることである。
公明党 山名
管理業務主任者と菅理士が一緒に資格を取る可能性は当然出てくる。そうなると、管理会社と管理士が一体になって管理組合に入ってくる、しかし、その場合に、その管理士を受け入れるかどうかを決定するのは管理組合である。管理士が菅理会社と癒着したりする場合は罰則規定もあるので、管理士や管理会社が好き放題するという心配はない。
住民自治の問題についても、それはマンション管理の鉄則なので、行政等がそれを侵すようなことは一切ない。天下リについても国会で議論になった。我々もその点はもっとも懸念しているところなので、そうならないように十分チェックしていきたい。
◆民主党 松井
この法律で制度上の担保ができていることは理解しているが、大事なことはその運用である。制度的には管理組合が管理士を選べる、また変なことをすれば罰則もあり担保されている。しかし、実際の運用において、そのようなことがスムーズにいくか、これが問題であリ、したがって3年後の見直し規定も入れられたと思う。
公明党・山名管理委託の件もあリましたね。
コーディネーター・谷垣
それは、菅理業の定義に関わる間題で、法第2条の六、七に関するところ。七号で菅理事務を業として行うものを管理業と定義し、さらに六号で管理事務とは基幹事務を含むものをいう、となっている。その基幹事務とは「管理組合の会計の収入及び支出の調定及び出納並びに専有部分を除くマンションの維持又は修繕に関する企画又は実施の調整をいう」となっているが、このようなことは、当然管理組合が行うべきことであって、たとえば大規模修繕の工事計画や業者選定の調整などを管理会社が行えば、これはインサイダー取引にあたるのではないか。さらに、このように管理業を定義づけておいて「管理の主体は管理組合である」という原則を法律上に明記しないとなれば、当然、管理会社による管理支配ということが起こる危険性が出てくる。
公明党・山名
決めるのは管理組合であるということは問違いないので、何でもかんでも管理会社がタッチしていくことにはならない。管理組合がすべて任せるということであれば、問題は別であるが・・・。
コーディネーター・谷垣
その心配に拍車をかけたのが、5月9日付けの朝日新聞1面の記事であった。要するに「住民自治からの転換か」という記事が出たことによって、管理会社支配を心配する管理組合が多数出てきたということである。
◆民主党 松井
個人的見解ではあるが、この法律は、マンション管理業イコール基幹事務としているが、つまリ饅頭の一番アンコの部分をやるのがマンション管理業だと規定しているのは、本来、管理組合がやるド真中の部分までマンション管理業が請け負うということになり、先ほどから言われている(組合主体という)法律の精神とズレるのではないか。
3.建替え問題への取リ組み(抜粋) コーディネーター・谷垣
京都のマンシヨンも今後、高経年化、老朽化していくが、それに対して政策的に建替えという方向を優先するのか、それとも長命化という方向を優先するのか。
◆民主党・松井
今の経済状況や築年数の多いマンションに高齢者が多いことを考えると、行政が安易に建替えを促進するよリ、きちんとメンテナンスすれば、マンションは耐用年数の長い建物だから、まずは長命化の研究開発がなされるべきである。建替えの問題も避けて通れないが、建替えよリ先に長命化についての対策を講じるべきである。
主催: NP0法人京滋マンシヨン管理対策協議会
日時: 2001年5月26日(土)午後1100〜5100
会場: 京都テルサ出席者:
自民党 西田 吉宏氏
民主党 松井 孝治氏
公明党 山名 靖英氏
共産党 河上 洋子氏
三双 順子氏
無所属 笹野 貞子氏加藤 盛司氏(京都市会議員)
錆木 正穂氏(京都市会議員)
大道 義知氏(京都市会議員)
佐藤 和夫氏(京都市会議員)
曽我千代子氏(加茂町議会議員)質問者:
山本 好二(NPO法人京滋マンション菅理対策協議会代表幹事)
市吉 淳子(NP0法人京滋マンション管理対策協議会副代表幹事)
山崎 賢二(NP0法人京滋マンション管理対策協議会副代表幹事)コーディネーター:
谷垣 千秋(NP0法人京滋マンション管理対策協議会事務局長)