2001年11月19日 

参議院 行政監視委員会 議事録

行政改革について               
              
     松井孝治 部分掲載


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○松井孝治君 

民主党・新緑風会の松井孝治でございます。
 本日は、特殊法人問題、なかんずく道路公団の問題を石原大臣を中心に御答弁いただきたいと思っております。そのほかの問題もございますが、まずは、石原大臣御出席でございますので、特殊法人改革。

 小泉政権が発足してから約七カ月たちましたけれども、小泉さんの構造改革の一つの目玉が特殊法人改革であろうと思います。そして、きょうも新聞各紙の一面トップに躍っておりましたが、道路公団の問題というのはその特殊法人の問題の中でもやはりシンボルのような存在になっている問題であると思います。

 昨日のタウンミーティングで小泉総理は、みずからの持論であろうと思いますが、高速道路計画についての見直し、道路四公団の民営化、そして道路公団ほかの特殊法人への国費の出捐の見直しというようなことを、思い切った御発言をされました。

 この道路公団問題について言うと、先週来、どうも自民党内部で、小泉さんの改革に対して、反小泉議員連盟というふうにマスコミが通称するようなそういう議連もできているようでございます。また、そういう議連の動きのみならず、いわゆる道路族というふうに世間で言われているような議員さんたちが非常に活発に動いておられるように仄聞いたしておりまして、私もそんなに週刊誌を読む方じゃございませんが、週刊誌とかあるいは新聞紙上、きょうの新聞でも石原大臣のお立場が、非常に板挟みになっておられて苦悶しておられるというような報道もなされておるところでございます。

 この際、非常にきのうのタウンミーティングで小泉さんが思い切った御発言をされたと。基本的に道路公団初めとして四団体を民営化するんだという見解、そして国費の投入をもう打ち切るんだ、もう来年度から打ち切るんだという考え方、さらには高速道路整備計画というようなものを見直す。我々民主党は、全面的に凍結する、もちろんそれは凍結した上で白紙で見直すのが筋だと思っておりますけれども、これを全面的に見直すというようなことも含めて小泉さんは発言しておられます。

 石原行革担当大臣は、行政改革について小泉さんを補佐するお立場におありになられる。同時に、党内の調整等でいろいろ大変なお立場でもあろうとは思いますが、この際、やはり国民の間で、石原さん、ちょっとぐらついているんじゃないかというような見方が広がりつつございますが、昨日のタウンミーティングにおける小泉さんの発言、これを行革担当大臣として強く支持するんだというようなお立場、これをぜひ私はこの場をかりて確認させていただきたいと思いますが、御答弁をお願いいたします。

○国務大臣(石原伸晃君)

 冒頭、松井委員から私のことに大変御心配をいただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。

 言うまでもなく、内閣は一体でございますので、総理が私に御指示されたことを私は的確に受けとめ、当初からの考え、全然ぐらつきもしておりませんし、ただ、委員も御指摘されましたように、関係者が多数、役所も多数ございますので、国土交通省を初めとする関係各位の皆さん方と議論を深めて、総理の指示どおり、月内に方向性を明示できるように今鋭意検討を進めているということでございます。さらに、年内の整理合理化計画にはすべての法人の方向性を明示すべく最大限の努力を今現在傾注させていただいておりますので、格段の御支持をよろしくお願いを申し上げます。

○松井孝治君

 ただいま大臣から、総理の方針を基本的に通すように努力するという明確なお立場の表明があったと思います。

 やはり行革担当大臣でいらっしゃいますから、いわゆるいろんなところの抵抗勢力が反発をすると思います。私も過去に橋本元総理のもとで行革に携わった経験がございますが、橋本元総理が描かれた行革像というものを、非常にそれに対する反発というのが、あれは九七年の秋だったと思いますが、非常に激しい自民党内の反発があって後退を余儀なくされたという思い出がよみがえってまいります。ぜひここは石原担当大臣にはお立場を明確にして、先ほどの御答弁にありましたように、総理の基本的な方針というものを堅持するんだというお立場で御努力をいただきたい。そのことを私からもお願いしておきたいと思います。

 さて、少し各論に入りたいと思います。

 道路公団の改革の前提としては、私はプール制の問題というのが非常に大きな問題だと思います。道路は非常に長期間を整備にも要するし、その後供用されるのも長期間に及びますから、私はその償還制、プロジェクトファイナンスという考え方自体は否定しない立場にいるんですけれども、それとプール制というものが導入されることによって、ある時期の計画というのでその収益の見積もりがある、そしてあるいはそのコストの見積もりがある、償還計画が立てられる。ところが、ある時期になるとまたその道路が延長されてつながってしまう、そうするとまた収益性の見通しが変わってくる。そうする中で、非常にどの道路がどれだけの収益性があるのか、その時間時間ごとの収益性の見通し、それから個別の道路道路の収益性の見通し、そしてコストの見通し、そこが極めてあいまいになっている、どんぶり勘定になっている、俗な言葉で言いますと。それが、言ってみればこの道路公団問題の一つの大きな諸悪の根源ではないかと思っているわけでございます。

 その意味で、少し各論にわたりますけれども、このプール制というものをどうお考えなのか、この際道路公団の改革に当たってプール制というものを廃止すると、そういうおつもりがあるかどうか、石原大臣の御見解を承りたいと思います。

○国務大臣(石原伸晃君)

 日本道路公団の改革につきましては、先ほど申し述べましたように、総理の指示に基づきまして今月末に実質的な結論を得るべく今現在検討中でございますが、こうした検討の過程の中で、ただいま委員御指摘になりました現行のプール制の問題点、このプール制があることによって全国の道路の整備が、高速道路の整備が行われたという成果もございますけれども、その反面、委員が御指摘されましたような、委員はいわゆるどんぶり勘定というお言葉を使われたわけでございますけれども、その言葉に象徴されるような問題が出ているということも十分認識させていただきまして、現行プール制による整備のあり方を含めて十分検討してまいりたいと考えております。

○松井孝治君

 ぜひともこの問題はプール制廃止という方向で議論をしていただきたいと思っております。といいますのも、すべての道路そうですけれども、後でまた御質問いたしますけれども、需要の見通しをどうとるか、そこのところについての甘さ、それをまたあいまいに隠してしまう今の制度的な枠組みというものがやはり根っこにある大きな問題点だと思うからであります。

 さらに、道路公団問題を議論しますときに大きな論点が、総理が民営化という方向を打ち出されたわけですが、その民営化の内容をどういうふうに受け取るかということでございます。

 新聞報道等拝見をいたしますと、これは国民の方々も言葉は聞いていても中身をよく知らないという方も多いと思うんですが、上下一体とか上下分離というような言葉が新聞の紙面を躍っております。今、私ども、先週の新聞報道で一部これは自民党案とも言われて報道されておりましたけれども、道路の保有は独立行政法人が行うと、そして建設、そして管理をいわゆる特殊会社、民間会社ですね、これも特殊会社ですから厳密な意味での民間会社ではないと思うんですが、そういう上下分離でこの民営化を行うという記事を拝見いたしました。

 私はこれは非常に危険な発想だと思っておりまして、その記事の解説によれば、実際の道路を保有する独立行政法人というのは今の道路公団の事務を極めて濃厚に引き継いで、そこについては国の意思が強く働く。要するに、道路を保有するといいながら、実際どこにどういう道路をつくって保有するかは、それは国の意思が働く存在であると。そして、その上物を管理する、あるいは建設発注を行う特殊会社というのは、言ってみればトンネル会社のような存在になってしまう、そんな解説が行われているわけでございまして、上下一体、上下分離というのは、今いろいろ御検討されているところだとは思いますけれども、今の道路公団をそのままいわば衣がえをして存続させるような、そういう案で上下分離案というようなものをとらえるというのは私はいかがなものかと思いますが、この上下分離案についての石原大臣の見解を問うておきたいと思います。

○国務大臣(石原伸晃君)

 もう冒頭にもお答えさせていただいておりますけれども、道路四公団の改革については、昨日のタウンミーティングで小泉総理がお話をされるなどいろいろ示唆に富んだ御意見が出ておりますけれども、私といたしましては、総理を中心に内閣ができている以上、総理の意思に沿って成案を得るべく現在も努力をしている最中でございます。

 今、委員御指摘の点は、上下分離して、建設、管理を特殊会社、保有を独立行政法人が行うという案の場合は、これは決まったわけでも、案として出ているわけですけれども、実際にはこの建設判断を独立行政法人が行って、地域に分割されたいわゆる特殊会社は発注の仕事だけを行って、これじゃよくないというのが委員の御指摘だと思いますけれども、私も委員の御指摘は的を射ている部分が十分あると思うのは、決まったわけではありませんけれども今御質問ですのでお答えいたしますと、仮に地域の特殊会社が発注をするとすると、この地域の会社がどういうふうに分割されるかによって、また地域がどうなるかは別としても、かなり地域に近いものになってしまいますと、どうしても地域の建設主体と距離が近づいてしまうというような問題も仮定の上では考えられる。

 道路公団の組織形態のあり方については、委員御指摘の上下一体方式や上下分離方式、さまざまな意見が出ておりますが、総理も申されているように、どの組織形態が国民のために一番よいのかという観点から検討させていただきたいと考えております。

○松井孝治君

 ただいまの大臣の御発言というのは私の認識と基本的に軌を一にするものでございまして、はっきり今の独立行政法人と特殊会社の上下分離というものの問題点を御指摘いただいたというのは率直に評価させていただきたいと思います。

 その上で、次に、先ほど需要の問題を申し上げました。これはいわゆる高速道路ではなくて一般有料ですが、東京湾アクアラインの需要見積もりがいかに行われたか、そういうようなことをもう具体例を出すまでもなく、非常に従来の計画の前提となる需要見通しがずさんであったということは多くの方が今認めておられることだと思います。

 そういう意味で、今回の高速道路整備計画、九千三百四十二キロでございまして、既に約七千キロが供用されているわけでございますので、残り二千数百キロを今後どういうふうに建設していくかというところを、総理は見直すというふうにおっしゃっております。この九千三百四十二キロという高速道路整備計画の前提となるのは一万一千五百二十キロという数字でございまして、その一万一千五百二十キロ以外にも一般有料道路を含めて一万四千キロという数字、高規格幹線道というものが四全総で決められております。

 これは、皆さん御承知だと思いますが、昭和六十二年に決まった計画でございます。その昭和六十二年とこの今日に至るまでの経済社会環境の変化を私どもが一々今言うまでもないわけでございまして、総理は見直すとおっしゃいましたけれども、私は、ぜひ九千三百四十二キロだけじゃなくてこの一万四千キロ、四全総で決まったこの全体の高規格幹線道の計画自身をこの際見直さなければいけないんじゃないか。私どもも、道路は全然要らないなんてことを言っているつもりはない。ただ、バブル前の時期に決められた計画というものを、本当にそれを後生大事に持っていくというのが国民との約束ということなのか。それとも、それを今の経済社会状況あるいは財政状況に照らして見直すというのが国民に対する誠意ある態度だと思います。

 その意味で、九千三百四十二キロあるいはそれを含んだ一万四千キロという高規格幹線道の計画、四全総の計画自身を私はこの後早急に見直していかなければいけない。例えば、半年とか一年の間で、その一万四千キロを含めた、とりあえず、当面高速自動車道路として整備する九千三百四十二キロのうち、どの部分を工事を行い、どの部分は全くそれは白紙に戻すのか、その判断をしていかなければいけないというふうにかたく信じておるんですが、石原大臣の道路整備計画の見直しについての、あるいは凍結見直しについての御見解を賜りたいと思います。

○国務大臣(石原伸晃君)

 松井委員の質問は、今二つに分かれているんじゃないかと聞かせていただきました。いわゆる九三四二と言われる整備計画について凍結も考えろという御質問と、そこから先の一万四千キロ、四全総等で決まっている全体のものについてどう考えるかという二つだと思うんですけれども、これも総理が再三再四おっしゃられておりますように、九千三百四十二キロの整備計画については見直すとはっきりと言及されておりまして、委員御指摘の将来予測が、アクアラインを例にとられておりましたけれども、全然当たっていないじゃないか、変動リスクを含めさまざまな観点から検討していかなければならないというような御指摘のように聞かせていただきましたが、まさにそこの点については同感であります。

 私どもの方でちょっと分析をさせていただきましたいわゆる道路四公団の未償還となるおそれがある額の試算、これを公表させていただきましたが、試算は、現在の需要見通しが年二%という仮定のもとで、仮にその一割、〇・二%交通量が落ちるとどういうふうになるかというようなことを指摘させていただいたわけですけれども、それによりますと、一割、伸びる率の一割が落ちただけで四公団合わせまして五兆八千億、これは償還期間がありますので現在価値でいいますと大体半分以下になると思いますが、それでも数兆円穴があく、こういう試算があるわけでございます。そういうことを考え合わせますと、委員の御指摘というものは的を射ているし、総理も同じ観点から私は御発言をされているのではないかと思います。

 そして、後段の部分の質問なんですけれども、いわゆる四全総や過去に決まった大きな計画、これについてどう考えるかという質問に対してなんですが、私は行政改革担当大臣でございまして、特殊法人である道路公団においてどのような高速道路を整備していくのかの観点から実は検討をしているので、九三四二についても総理も具体的な言及をしておりますし、私も整備計画を見直すべきではないかと発言をさせていただいているんであって、四全総とか予定道路といったような見直しは、実はこれを行う立場にはないということは御理解いただきたいと思います。

○松井孝治君

 前段の答弁は率直に私としても評価させていただきたいんですが、後段の答弁はちょっと私納得いかないところがございまして、石原大臣は国務大臣でいらっしゃいますし、やはり行革という思想の中には、従来の過去の政策、この過ちを認めて、それを素直に評価をして新しくよりよいものにしていくというのはこの行革という言葉の意味に入っていると私は理解しておりまして、そこは今のようなお立場で御発言されるんではなく、そこをメスで切り込んでいく。むしろ、逆に言えば、国土交通大臣というのは、国土交通省という大きなマシンを抱えている中で、そこをなかなか自分からは見直すというふうに言えない。その中で石原大臣が、それはおかしいんじゃないか、前提がおかしいんじゃないかというようなことをむしろ舌鋒鋭く攻め込んでいただきたい。私はそれが国民の石原大臣に対する期待だと思いますし、そこはぜひ裏切らないでいただきたいと思います。
 それとも関係するんですが、今、第三者機関という言葉が新聞紙上でも報道されています。要するに、整備計画の見直しというのを国土交通省に任せていたんでは、しょせんお手盛りで大した見直しはしないんじゃないか、これはもうマスコミ、言論界通じた大体コンセンサスです。そうじゃなくて、第三者を入れて、まさに石原大臣は今私的な諮問機関として行革断行評議会というものをつくっておられますが、有識者を入れ込んで、第三者機関がその一万四千キロあるいは九千三百四十二キロというものを個別に精査すべきじゃないか。そのとき、国土交通省の傘下で今も在り方研究会と称されているものがあります。そこのメンバーの方々がどうかというようなことではなくて、しょせんやっぱり国土交通省のもとに置かれた研究会では、私は客観的な過去の国土交通省の政策の過ちを糾弾できるようなものにはならないと思います。その意味で、今後、高速道路の整備計画、これを見直す際に、ぜひとも私は石原大臣のもとに第三者機関を置く、あるいは小泉内閣総理大臣直属で第三者機関を置いて、関係者の利害というものにとらわれないで思い切った改革を行っていただきたいと思うんですが、石原大臣の御見解を賜りたいと思います。

○国務大臣(石原伸晃君)

 前段の激励は激励として感謝申し上げたいと思います。松井委員の側からばっかり激励されますと私の立場も微妙でございますので、ほどほどに激励をお願いを申し上げたいと思うんですが。

 高速道路の整備のあり方をめぐりましては、総理も再三再四、第三者機関云々という御発言をされております。その御発言の本当の趣旨というものがどの辺にあるのかということは推測の域を実は出ないわけでございますけれども、日本道路公団の改革の中でその総理の趣旨というものを十分踏まえて検討していきたいと考えております。

 委員は今、行革担当大臣のもとに第三者機関を置けばどうかという御指摘でございましたが、これは非常に、委員ももう過去の行政改革で実際御経験されたことでございますが、私は実は規制改革担当大臣と行政改革担当ということで二つの辞令をちょうだいしているんですが、行政改革の方は実は無任所でございまして、私のスタッフは実は内閣官房の人間であると、規制改革の方は内閣府のスタッフという、非常にかなり設置に実は無理がある部分もございまして、そんな中で委員の御指摘を仮に実現するとすると、多分内閣府に第三者機関を設置するということになるのではないか。今の段階ではこんなふうに考えております。

○松井孝治君

 ただいま内閣府に設置するという具体案が石原大臣みずからの口から示されたというのは、私は非常に有意義なことだと思います。ぜひそういう方向で御議論いただきたい。

 そして、今無任所の担当大臣だとおっしゃったことについては、ちょっと後ほど私として石原大臣に御見解を問いたいと思います。

 さて、最近の特殊法人改革あるいは道路公団の改革において余り報ぜられていない問題が一つございます。それは道路特定財源の見直しということでございます。幾ら道路公団への国庫支出金をなくしても、あるいは道路公団を民営化し高速道路整備計画を見直したとしても、国費で例えば一般有料道路、現実に今一般有料道路はほとんど大部分が合併工事になっていて国費投入されているわけですね。こういう一般有料道路をさらに国費を投入して整備をし続ける、あるいは高速道路について言っても国費投入でこれを賄う、その際の財源は道路特定財源を従来の三千億円ということじゃなくてもっと突っ込むというようなことが検討されては、本来の小泉総理の行政改革あるいは道路公団改革の趣旨にもとると思うわけですが、ここで一つお伺いしておきたいのは、道路特定財源を一般財源化するんだということが小泉総理の政権発足当初からの一つの大きな公約であり、現実に私も今回参議院選挙を戦ってまいりましたが、その際の自民党の公約であったというふうに認識しておるわけでございますが、この問題について石原大臣はどうお考えなのか、お答えを聞かせていただきたいと思います。

○国務大臣(石原伸晃君)

 道路特定財源の今後のあり方については、私が行革相として申し上げる立場にはございませんが、一議員として言わせていただくならば、財政の硬直化の観点から、目的税というものはある程度のボリュームでなければならない、そんな中で、かなりのウエートを占めるこの目的税である道路特定財源は、全部とは申しませんけれども、ある程度は一般財源化するというのが好ましい方向ではないかと考えております。

 さらに、政府においても、実は、六月二十六日に閣議決定しておりますいわゆる骨太の方針と言われる中で、今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針、重たい言葉で言うと骨太の方針というのはこれになるんですけれども、「税収の使途を特定することは、資源の適正な配分を歪め、財政の硬直化を招く傾向があることから、そのあり方を見直す。」と閣議決定されていると私も承知しております。

○松井孝治君

 明快な御答弁、ありがとうございました。

 次に、ちょっと道路公団の問題ばかりを行っていましたのでバランスを欠きますので、特殊法人改革全体についての今後の進め方について一つお伺いしておきたいと思います。

 私も霞が関に多くの知り合いもいます。今の霞が関の雰囲気は、特殊法人改革、鳴り物入りでスタートしたけれども、ちょうどいいことに、国土交通省関係の道路公団を初めとする幾つかの団体の問題でこの問題が非常にストップしていると。これは非常に困難な問題ですから時間がかかるのはわかるんですが、やれやれ、これで自分のところには回ってこない、今回の恐らく行革の波も、悪いけれども道路公団に犠牲になってもらえばこれはやり過ごせるというような安堵の声が聞こえてまいります。

 私は、その原因の一つは、余りにも道路公団問題に議論が集中し過ぎて、住宅公団とか国土交通関係の問題に議論が集中し過ぎて、もう一つ大きな柱があるじゃないかと。例えば、財投の大きな受け皿になっている政府系金融機関の問題、これは政府系金融機関と一口に言ってもいろんな、中小関係の金融機関からあるいは政策投資銀行のような大きな機関まであるわけですが、ここにほとんど議論、スポットライトが当たっていない。こういうことでは、とてもじゃないけれども、特殊法人改革について自分たちが真剣に議論をする必要はない。東の横綱が道路公団だとすれば、西の横綱で本当は日本政策投資銀行がある、昔の開発銀行ですね、ここら辺にスポットライトが当たらないで、何が特殊法人改革かという議論もあるわけですが、むしろ端的に伺いましょう。

 日本政策投資銀行、このあり方について言えば、民間有識者からも、もう使命は終わっているんじゃないかと。この手の地域開発的なことを特殊法人として行うというのは、もうドイツにおいても、東ドイツの開発の一部にそういう資金が流れているのは事実ですが、旧西ドイツの部分には全然そういうものは流れていませんし、アメリカに至ってはそもそもそういうものを公的金融で見るという考え方がない。そうした中で、日本政策投資銀行、旧開発銀行の見直しについて大臣の見解をお尋ねしたいと思います。

○国務大臣(石原伸晃君)

 委員御指摘の点は私もかねがね問題であると認識している点でございまして、政投銀を初め政府系の金融機関、八銀行・公庫あるわけでございますけれども、これの総与信額は二百兆円弱、民間金融機関、すなわち労金、信組、信金まで全部含めての総融資残高も実は八百兆円弱、単純割り算すると二十数%、比率でいいますと一対三、三割近くあると。このように政府系金融機関が総与信に対して大きなボリュームを持っているということは、世界じゅうの国、今、委員はドイツの例を出されましたけれども、私も各国調べてみましたけれども、OECD加盟国の中では残念ながらほとんどない、ないと言っても過言じゃないと思います。

 そういう中で、政府系金融機関、特に政投銀、じゃぶじゃぶ貸し付けを行っているというような表現が適切かどうかわかりませんけれども、そういうふうに見られても仕方ないような状態、こういうものをどう考えるかという御質問だと思うんですけれども、経済財政諮問会議の改革先行プログラムの中で、実は、政投銀等の政府系金融機関の活用、こちらで行革をやっているんですが、その一方で経済情勢にかんがみて活用しろという指摘もあります。そして、中小企業者に対する円滑な資金の供給の確保に留意すべきである、こういう意見もあるわけでございます。

 こういうものを十分に、十分にというか、そういう意見もあるということにも耳を傾けつつ、政投銀、政府系金融機関の取り扱いについては、経済財政諮問会議でも政策金融全般について徹底的な議論を行うということを聞いておりますので、今後の議論を踏まえながら、適切に対処していくことは言うまでもございませんが、昨年十二月に閣議決定されました行政改革大綱、あるいはさきの通常国会で成立いたしました特殊法人等改革基本法に基づきますと、この政投銀も含めましてすべての特殊法人等の事業、組織全般について抜本的な改革に取り組んで整理合理化計画をまとめろということになっておりますので、その線に乗りまして、鋭意これから議論を深めてまいりたいと考えております。

○松井孝治君

 明快な御答弁いただいたと思います。

 ぜひ、今の石原大臣の御答弁に沿って、政策金融機関が特殊法人改革の例外にならない、そこに切り込まれないというようなことにならないように、そこに切り込まなければ、各省庁の特殊法人というものについて各省庁自身が本当にやる気にならない。今、ちょうど財務大臣お見えになりましたが、この件について財務大臣に御質問するつもりはございませんでしたが、ぜひとも財務大臣も、単に財務省を所管しておられるというだけではなくて、小泉改革のいわば御意見番という役割を担っておられると思います。政策系金融機関について、特殊法人改革ということで、特に私は、日本政策投資銀行のあり方についてきちんとメスが入らないと特殊法人改革全体が進まないと思いますので、この場をかりて財務大臣にもお願いをしておきたいと思います。答弁は要りません。

 さて、ちょっと特殊法人改革ばかりをお尋ねをいたしましたが、せっかく石原大臣お見えでございますので、公務員制度改革について一つだけ伺っておきたいと思います。

 私が過去に行政改革を多少なりともお手伝いをさせていただいた中で、やはり随分不十分だと思うのは公務員制度改革の問題であります。

 省庁再編をやって、いわば役所のハードウエアの改革というのは一定進んだわけです。これとて私は特に分権の部分等は不十分だと思っておりますが、しかしながら、そのソフトウエアというのはやっぱりその上に乗っかっている人の問題でございます。今までの公務員制度というのは、非常に中立公正という名のもとに、実際は横並びあるいは縦割り、そしてとにかく純血、民間人との交流というのが極めて少ない、純血というよりは閉鎖的な人事、そして一生ついて回るキャリア制度、非常に不透明な部分があったと思うんですね。

 この十二月に向けて、特殊法人と同様に公務員制度改革の大綱を石原大臣のもとでおまとめになるというふうに聞いておりますけれども、やっぱりもっとリボルビングドアといいますか、官民交流をきちっとやっていく、そういう人事制度をつくっていく。あるいは国家T種、U種、V種という三つの職分があるわけですが、ここが壁を越えてもっと競争的に人材が活用できるような制度をつくっていけないか。あるいは省庁ごとに機構定員要求があって査定があるというような仕組みを従来とっているわけですが、もっと省庁間の壁を越えて、どう考えたって環境省の定員なんというのは少ないわけですね、そういうところに余っている役所から定員を思い切って移すんだというような、インナーソーシングというんでしょうか、そうした思い切った改革をぜひとも石原大臣のイニシアチブで進めていただきたいと思いますけれども、今申し上げたようなことを含めまして、石原大臣の公務員制度改革についてのお取り組みを伺っておきたいと思います。

○国務大臣(石原伸晃君)

 松井委員は公務員時代に中央省庁改革について取り組まれて、この一月六日に中央省庁の再編がなされた。これがいわゆる委員御指摘のハードウエアの部分ではないかと思うんですが、その一方で、ソフト面、いわゆるソフトウエアの部分として公務員制度改革が急務であるということはもう委員の御指摘のとおりだと思います。

 平たい言葉で言えば車の両輪のような関係にあるもので、両者が相まちまして中央省庁改革の達成が図られるということはだれもが共通の認識を持っているところでございまして、この公務員制度改革の実現というものは今余り表には出てきていないんですが、実は非常に、特殊法人改革と、またそれ以上と言ってもいいくらい重要なポイントではないかと実は私も考えているところでございます。

 そこで、今、委員御指摘の定員管理の機動性、環境省を例にとって言われたわけでございますが、また官民の人材交流、これも実は官と民が交わることは悪であるというのがこれまでの基本理念であったと思いますけれども、これを大胆に促進すること、これはもう公務員制度改革の目指すものであると私も共通認識を持っております。

 このほか、具体的にどんなことを考えているかということをこの場をおかりして若干お話をさせていただきたいんですが、年功序列型に代表されるようなものを改めて能力等級制度を設けて、これを活用することで能力本位の任用と給与の実現を図りまして、キャリア制度、U種、V種採用といったような区分にとらわれない任用を推進することが肝要ではないかと考えております。そして、もう委員も御指摘のとおり、官民の人材交流を積極的に行う。現行のような厳格な官民の区分に基づいた制約というものは時代の流れからいったら見直すべきものであると考えております。

 あと、委員御指摘の人員の機動的、弾力的配置、組織・定員管理を行うような仕組みを構築するということ、これはもうまさに各府省がみずからの判断と責任においてできるようにするというのが今の時代に私はマッチしていると思っております。

 こういうものを盛り込んで、この十二月に公務員制度改革大綱、仮称ですけれども、こういうものを取りまとめるべく努力もさせていただいております。

○松井孝治君

 ぜひ、今おっしゃったような考え方で取り組んでいただきたいと思います。

 特に、各省にある程度の例えば定員管理あるいは機構の管理というものを任せていく、そういう方針もさることながら、各省の枠を越えた人員の異動というのを、これはどんなに今各省にやれと言ったってそんなものはできるわけがないので、そこは各省またがって石原大臣のリーダーシップで思い切って、ある役所を巨大な官庁から小さな、しかし重要な任務を帯びているような役所に対して定員の再配置をというものを行う。それは従来の総務省の行政管理局の機構・定員管理というものではなかなか行えていなかった問題でございます。ここはぜひともよろしくお願いをしたいと思いますし、財務大臣もお見えですから、財務大臣にもそういう思い切った役所の配置がえというようなものをぜひ御協力いただきたい、そのように思うわけであります。

 それともう一点、やはりもっともっと、石原大臣、先ほどおっしゃいましたが、石原大臣のような特命大臣に対して民間から思い切った人員の起用が行える、そういうやり方をとっていかないと、これからダイナミックな時代になかなかついていけないんじゃないかと思います。

 アメリカが何でもいいというわけではありませんが、アメリカのように、政権交代が起こったら三千人ほど公務員の、日本で言えば霞が関に相当する職員が異動すると。そこまではできないかもしれませんが、やはりもっと思い切ったポリティカルアポインティーの活用というようなものを今後考えていっていただきたい。それは要望でございます。

 もう財務大臣もお見えでございますし、時間も限られておりますので、石原大臣に最後の御質問をさせていただきたいと思います。

 私、きょうの石原大臣の御答弁を伺っておって安心したんですけれども、やはりこれまでややもすれば特殊法人改革を初めとした行財政改革について小泉さん一人が気を吐いておられて、どうも自民党内の抵抗勢力が非常に強固な岩盤を形成してこれをぶち抜けない。石原大臣自身もちょっとお元気がないんじゃないかなと私、正直言って思っておりました。これ、やはりさっき石原大臣が、四全総の見直しを石原大臣のもとで行えないのかというふうに私申し上げたら、それはちょっと無理ですというふうにおっしゃったこと、何がその理由になっているのかなと思います。

 一つは、私もこの金曜日に答弁の事前通告をしているときにその事実を知らされたわけですが、法的に石原大臣が、規制改革の部分は内閣府に置かれた特命大臣、しかしながらこの特命大臣というのは制度的にも非常に強い権限がありまして、勧告権とか報告徴収権とか、最終的には総理大臣の内閣法六条に基づく各大臣に対する指揮監督権の発動を促すという、そういう権限があるわけですね。規制改革については、実は大臣はその特命大臣ですからそういう権限がある。しかし、行政改革については、言っちゃ悪いですが単なる担当大臣ということで、それだけの権限の裏づけがないということも実は私、金曜日に初めて知って愕然としたところであります。
 そうした権限の問題、あるいはさっきスタッフは実は自前のスタッフではなくて内閣官房からお借りしているような形になっているんだという話もございましたが、今後、行政改革を思い切って進めるに当たっての、石原大臣、従来の担当大臣あるいは特命大臣制度を実際運用してみられてどういう点が必要だと考えられるのか、最後に感想を伺っておきたいと思います。

○国務大臣(石原伸晃君)

 感想といたしましては、もう委員が御指摘されたとおりに、行政改革はいわゆる無任所大臣で官房も持たないと。ですから、スタッフも実は私が参りましたときは七十名しかおりませんでした。人をよこせといいましても、内閣官房の話でございますので他の役所からそこに人を連れてくることになるんですが、それもままならないということで民間にお願いしまして、私が就任させていただいて二十数名、民間の方、お手伝いに来ていただいています。しかし、これも官民交流の壁がございまして、御自分の会社を一応休職した形でおいでいただいて、給与の差額がある場合のみこちらで出すという形でやっております。

 ですから、特殊法人改革のチームは二十三、四名しかおりませんし、公務員制度改革も同じく二十三、四名しかいないと。やはり、そこだけの人間で国会の質問、あるいは国会の質問書の作成から各省庁との折衝、また内部の討論等をやりますと、かなりの部分でスタッフに負担がかかっていることもまた事実でございますし、この公務員制度改革の中でぜひ御議論いただきたいんですが、若い方々、いわゆる残業代がほとんど日曜日出てこられても払われていないのが私、現状だと思います。しかし、管理職は別としても、若い方々、国のために公務員の方は働いているのに残業代も払えない。これはぜひ財務大臣に私からもお願いしようと思っているんですけれども、やはり残業代はしっかり払うと。そういう公務員制度改革もなされていかないと、さっき委員御指摘のように、仏つくって魂入れず、これも月並みな言葉ですけれども、そういう中で公務員の方々も頑張っていると。

 そして、やはりこれからは行政の内外から、内閣の重要政策の企画立案や総合調整に従事する職員を、やはり誇りを持って自分たちが国家運営やっているんだというような、そういうところに機動的かつ柔軟に任用できるような仕組みをやっぱりつくっていかないとなかなか正論も通らない。それにはやはり基本的な公務員制度改革というものが実は非常に重要じゃないのかということを認識しております。
 感想にかえさせていただきます。

○松井孝治君

 ありがとうございました。
 ぜひ、石原大臣には今の御感想を具体的な公務員制度改革につなげていただきたい、あるいは内閣府設置法、少し手を入れて行革特命大臣というものがきちんとした権限を持てるような、そういう内閣府設置法改正というものも御検討いただきたい。そのことをお願いしておきたいと思います。

 もう時間も大分経過いたしました。石原大臣、ありがとうございました。御退席いただいて結構でございます。

 残りの時間を、ちょっと趣が変わりますが、国有財産管理の問題について、財務大臣もおいでいただきましたので、御質問させていただきたいと思います。

 まず最初に、総務省の政府参考人においでいただきました。国の政党の助成に政党交付金以外のものが存在するのか、あるいは仮に国が特定の法令上の根拠なく国有財産、これを無償ないし時価に比して極めて低廉な価格で特定の政党に貸し付けた場合、政党助成法あるいは政治資金規正法の理念に照らしてその行為をどのように判断するのか。あくまで一般論で結構です。個別論を一切念頭に置いていただかなくて、一般論で簡潔にお答えいただけますでしょうか。

○政府参考人(高部正男君)

 私どもの選挙とか政治資金の制度に絡めて申し上げますと、国から政党に対する助成とか公費負担の制度といたしましては、先生御指摘ございました政党助成法に基づきまして交付される政党交付金のほかに、選挙の際に公職選挙法に基づいて負担がされます選挙のいわゆる公営制度、こういうもので政党に対する助成がなされているものはあろうかと思っております。

 それから、こういう政党助成法なり政治資金規正法の体系の中で、今二点目にお話がありましたような低廉な貸し付けということをどう考えるかということでございますが、現行の政治資金規正法につきましては寄附の量的制限とか質的制限といったものはございませんので、私どもの立場で、それぞれどういう目的でなされるか我々の方で把握しようもありませんので、私どもの立場から特段申し上げることはないというふうに思っております。

○松井孝治君

 結構でございます。寄附という扱いになるというような御答弁、御趣旨を包含していた御答弁だったというふうに理解します。

 時間がありませんから、私の方から一方的に事実関係について、これは財務省さんの事務方から伺ったことに基づいて御説明いたします。

 財務省の国有財産管理は、非常に今財政が逼迫している中で一生懸命国有財産を有効活用しておられるということを私認識しております。十二年度で二千億円の国有財産の売却収入、約四百四十億円の貸付収入を得ておられます。言うまでもなく、国有財産というのは国民共有の財産ですから、財務当局としては最大限その有効活用を図って、現下の財政状況をかんがみれば、公共活用の場合以外は売却等の形で国庫収入の増大に取り組むのが当然の姿勢だと思っております。私はそれは今の財務省の姿勢は間違っていないと思います。

 そうした中で、私が調べたところでは、昭和三十年代末から自民党、これは社民党もそうなんですが、国有地が非常に低廉な価格で提供されています。

 自民党の党本部の用地は約三千三百平米でございますが、これは国有地の貸し付けであります。普通の民間の不動産業者の相場でございますと、時価の三%から四%で年間貸し付けるというのが相場でございます。九四年の自民党本部前の路線価は五百四十三万円で、時価は平米当たり六百八十万円。そうすると、三千三百平米ありますので時価は約二百二十四億円。もしその三%が適切な民間の価格とすれば、本来賃貸料というのは年間六・七億円程度必要であるという計算になります。現実に幾らで貸されていたか。約五千万円でございます。その後、地価の下落もあって若干変わっておりますけれども、今路線価が平米当たり二百二十一万円、時価にして約二百七十六万円相当。民間基準で、先ほどの基準、これは私も不動産業者からヒアリングしたものですが、約二億七千万円というのが民間の国有財産の賃借料の相場ということになりますが、現在は約七千万円。それでも、やっぱり財務省は低過ぎたと思っておられるのか、少しずつ高めておられるようでございますが、七千万円で貸しておられます。

 これは、もともと東京オリンピックのときの道路計画に基づいて移転されたという過去の経緯はわかります。知っております。そしてまた、東京オリンピック当初の話ですから、いわゆる五五年体制のもとでのいろんな経緯があったということは私も理解できます。

 しかしながら、今、もう五五年体制が崩壊して、しかもオリンピックからもう何十年もたって、相変わらずこういう低廉な価格で大自民党の本部が貸し出されているということについて、財務大臣、これは国有財産管理担当大臣としてだけではなくて、自民党の幹部でおられる財務大臣は、これについて国民の皆さんに、ほかの、実際、大地主が相続税を物納で納めて、その上に借家を借りている、あるいは借地を持っている。その人たちが国有財産の上に住んでおられるわけですね。その人たちが国から幾ら請求されているかという価格に比しても、著しく低い価格で自民党本部には国有財産が貸し付けられているわけです。

 過去の経緯は経緯としても、今、政治家としての塩川財務大臣、この事実、恐らくブリーフィングを事前に事務方から受けておられますが、率直にどう思われますでしょうか。

○国務大臣(塩川正十郎君)

 これは、過去のいきさつはもう既に御存じいただいておると思いますので率直に申し上げますと、毎年、この価格が適正であるかどうかということは鑑定いたしておりまして、鑑定を依頼した鑑定人の方から評価が出まして、それに基づきまして支払いをいたしております。

 最近の実例を申しますと、平成十三年十月一日から平成十四年九月三十日まで、本年度分になるわけでございますが、これが七千三十三万九千円ちょっととなっておりまして、その前年、すなわち十二年の十月一日から十三年の九月三十日までのこの一年間を見ますと、六千六百九十九万円となっておりまして、そういたしますとこの一年間で約四百万円近く値上がりしておる、こういうことでございます。そしてさらに、その前を見まして、平成十一年十月一日から十二年の九月三十日までのこの一年間を見ますと、六千三百八十万円でございますので、現在の時点、つまり現在は七千三十三万円でございますが、それから見まして七百万円近く十一年度より上がっておるということでございまして、毎年の評価を鑑定いたしまして、これによって契約を進めて支払いをしておるという状況でございます。

 この鑑定はそれじゃどこでとるのかといいましたら、政府の方で、決められた所定の手続に基づきまして鑑定人に依頼しておるというところでございまして、ちょうどこれと、対象物が、自由民主党の会館と同時に社会民主党の本部の敷地も同様に、一緒に鑑定しておるという事実でございます。

○松井孝治君

 もう時間がありませんので、きょうは議論を終えることができません。この問題については、私は今の財務大臣の答弁では納得できないということだけ申し上げたいと思います。そして、やはり政治家として、今、政府参考人が答弁なさったらこういう答弁かなというような答弁をなさいましたけれども、ぜひ政治家としてバランス感覚を持っていただきたい。

 それから、今鑑定という言葉がございましたが、随意契約で鑑定。ところが、民間の不動産業者に聞いたところ、余りに数字に乖離があるので、私も別に不動産鑑定士じゃありません、しかしながら、余りに乖離があるので一般常識としてどうかなというふうに私は思ったわけです。

 また、国有財産には無償貸し付けあるいは低廉貸し付けというのが法律上の制度としてございます。ある意味では、政党についてあまねくその公共性に着目して低廉貸し付けをするということであれば、それは透明な議論として国民も納得されるかもしれません。場合によっては、それは政党交付金が行われているのでそれでカバーすべきだという議論もあるかもしれません。

 しかし、五五年体制が終わったという中で、自民党、社民党に対して引き続き、これは見解が分かれるところでありますが、一部の民間業者の見解では明らかに相場より安い金額で貸し付けられているということについては、今の大臣の答弁では私納得できないところですし、また違う場でこの議論は継続させていただきたいと思います。
 以上でございます。


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