| ○松井孝治君
民主党の松井孝治でございます。
本日は、片山総務大臣を中心に、片山大臣は中央人事行政機関の長であられますので、公務員制度改革についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
昨年の十二月二十五日に公務員制度改革大綱というものが閣議決定をされておられます。これも一読させていただきました。いろんなこの公務員制度改革についての議論、こういうことについてもいろいろ調べさせていただきましたし、関係者から御意見を聴取させていただきましたが、いろんな評価がこの公務員制度改革大綱にはあるようでございます。政府部内あるいは人事院も交えた関係者の間での若干の不協和音も残っているように仄聞をいたしております。
そこで、この公務員制度改革はどうあるべきか。特に、この公務員制度改革が中核に据えている対象というのはいわゆるT種公務員、この処遇の在り方、あるいはその評価の在り方、その公務を終えられた後のいわゆる天下りの問題、その他の問題について各界からいろんな意見が寄せられていると思います。
まず最初に、片山大臣にお尋ねしたいんですけれども、片山大臣はノーブレスオブリージュという言葉を聞かれたことがあるんではないかと思います。この言葉の意味を、片山大臣、どういうふうに理解しておられるか。また、その言葉の意味との関係で、公務員、特に国家公務員、それも今回の公務員制度改革大綱が中核的に対象にしている、いわゆる現在の制度でいうとT種の国家公務員の人事制度の在り方についての片山大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君)
ノーブレスオブリージュの話がありましたが、私もかつて何度か質問で、そのときは質問する側ですから、政府側にこの言葉を使って質問したことがありますけれども、意味は、やっぱり高い地位にある者はそれだけの道徳的、精神的義務を伴うと、こういうことであると思いますね。
私自身も、この言葉の持つ歴史的ないろいろな背景があると思いますけれども、大変いい言葉だと、こういうふうに思っておりまして、特にT種の公務員というのは、やっぱりエリートなんですね、公務員の中でも、特別に採用されて以降、幹部として育てられるわけですから。そういう、それだけの高い、皆から見て、地位、身分が約束されている者はそれだけのいろんな規制があり、義務があって、それにこたえなきゃいかぬと、こういうように思うわけでございまして。
日本の公務員制度は、釈迦に説法でしょうけれども、アメリカなんかと違ってメリットシステムですよね。能力に応じ、成績に応じ、業績に応じて採用され、任用されて昇進していくと、こういうことでございまして、だから、しっかりしたメリットを自分で持ってということが必要だと思いますので、そういう意味では日本の公務員制度はそれなりに私は意味がある、今までも機能してきたと。ただ、このところいろいろなことがちょっと起きておりまして、その点が残念でございますけれども、本来の我が国の特種の公務員制度としての良さを今後とも生かしていかなければならないと。
ただ、T種、U種、V種という区分がありまして、私は、U種、V種とT種の入れ替わりというのはあってもいいと思うんですよ。もういつまでも、最後までT種はT種、U種はU種、V種はV種じゃおかしいんで、やっぱりこれはまたメリットシステムなんですから、メリットに応じてU種がT種になったり、場合によってはT種がU種になったり、将棋でもA級、B級、C級があって入れ替わるんですから、是非そういうことを含めて弾力的なこのメリットシステム、公務員制度というのを今後検討していったらどうかなと、こういうふうに思っております。
○松井孝治君
私も基本的に、正にノーブレスオブリージュ、位高ければ徳高かるべしとでもいうんでしょうか、そういう考え方にのっとって今の中央官僚が誇りを持って仕事をしていただくような、そういう体制にしなければならないと思っています。それに対して、現状がそれにほど遠い状況に今なりつつある、どんどん悪化しているということは、恐らく世論各般疑いのないところではないかと思います。
そういう観点に立って、今回の公務員制度改革がこれでいいのかどうか、今日は政府側、そして人事院総裁にもおいでいただいていますので、人事院総裁にも御見解を賜りたいと思います。
まず、マスコミなどで一番今回の公務員制度改革について批判を浴びているのは、いわゆる天下りの規制の考え方だと思います。従来は、今日、総裁お見えですけれども、ある程度第三者機関である人事院がそれをコントロールしようという発想があった。今回もそれを完全に取り除くということではないのかもしれませんが、この大綱を見ますと、各省大臣の判断に基本的にゆだねていこうじゃないか、そういう姿勢が見えます。
この各省大臣に判断をゆだねるということになりますと、最近、大臣と官僚との関係というのはいろいろなところで問題になっておりますが、大臣が非常に不慣れな方であると非常に官僚主導で物事が運ぶ可能性がある。他方で、大臣と官僚が非常に密接に、ある意味では長い関係があると、大臣が官僚の人心を掌握している場合には逆に政治的な介入が行われる可能性もあると、そういう両面のリスクがあると思いますけれども、こういう大臣承認で天下りを認めていくという仕組み、これが非常に政治的裁量を招かないか、あるいは逆に官僚の独善を招かないか。
こういう制度に変更することについて、従来の天下りについての規制を担っておられた人事院総裁、お見えでございますので、人事院総裁、人事院もこの大綱には非公式には相談を受けられて協議をされた上で大綱がまとめられているとは伺っておりますが、形式的には人事院は政府、内閣の外にある組織でございます。この大綱について、特にこの天下り規制の従来の考え方の転換について人事院総裁はどのようにお考えか、御見解を承りたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君)
天下り規制というのは、御存じのように公務の公正な執行というものを確保するためにそういう規制があるわけでございます。したがいまして、天下りをさせる側のトップが天下りの審査権を持っておる、最終的な審査権を持っておるというのは、やはり制度としては理論的に不都合だろうというふうに思います。
その上に、現在、年間にどの程度の公務員が天下りをしているかといいますと、民間企業に天下りしているのが年間九百人でございます。そして、特殊法人、認可法人等に天下りしているのが三百人でございまして、合計千二百人の公務員がいわゆる天下りをしているわけでございますけれども、その人たちを大臣が承認するというのは実務的にも恐らく不可能だろうというふうに思います。
そうしますと、どうしても内部委任ということになるでしょうから、官僚が天下りを審査するという実態になりがちでございますので、そういう意味からいいましても、やはり大臣承認制というのには多くの問題があると。これはすべてのマスコミが批判しておりますし、非常に多くの評論家もそういう指摘をしております。
したがいまして、十二月の二十五日の大綱が出ました後も同じような論調でございますので、そういうところをやはり私たちは謙虚に受け止めて考えるべきだというふうに考えております。
○松井孝治君
この公務員制度大綱については確かに人事院はきちんと法的に協議を受けたものではないし、したがって私も今も御質問をしたわけであります。
しかし、今のお考えですと、明確にこの閣議決定の考え方に対して人事院は若干の疑念を持っておられる、若干のという言葉ではなくて、大いに疑念を持っておられるというふうに今の御答弁を伺って私は感じました。
そのことについて、そしてまた、今、私が申し上げましたこの天下り承認を各省大臣が行うということについて、非常に恣意的な判断が行われるんじゃないかという批判が各方面で行われていますね。
この案をまとめられた事務的責任者、今日、熊代副大臣に御出席いただきたいと申し上げたんですが、ほかの委員会との関係で御出席がかないませんでした。政府として、実務的な責任者であられる西村局長さんの方から、今の人事院総裁の御見解も踏まえて、本当に各省大臣がきちんと恣意的に流れることなく実質的にコントロールできるのかどうか、今、人事院総裁はちょっと実質的に各省大臣がそこまでコントロールするというのは難しいんじゃないかという御意見がありましたけれども、御見解を伺っておきたいと思います。
○政府参考人(西村正紀君)
昨年の十二月に定めました公務員制度改革大綱の天下りの規制の基本的考え方でございますが、この公務員制度改革大綱と申しますものは、全体として主務大臣の主体的な人事管理の機能強化ということがございます。
そういう一環から、再就職につきましても主務大臣が承認を行うということになっておるわけでございますけれども、天下り、再就職につきましては確かに今までいろいろな御批判があるわけでございまして、大臣の承認だけでいいということではございませんでして、その承認の際には、内閣で運用について必要な総合調整を行うということも決めておりますし、また承認の基準を政令等で具体的に定めることにしております。
その承認基準につきましては、人事院の意見の申出や承認の事務についての改善勧告を行うということも併せて決めておるわけでございます。そして、承認の手続だけではなくて、再就職についてできるだけその資料等を情報公開するということ、それから就職した後の行為規制についても罰則等を含めた制裁措置を導入するというようなことも決めておりまして、いろいろな批判に対して適切に対応できるような制度に仕組んでいきたいと考えております。
○松井孝治君
今、規則、基準を明確に定めるというお話がございましたが、端的にお答えいただきたいんですが、従来の人事院規則とはどこが違うんでしょうか。
○政府参考人(西村正紀君)
行革大綱で今のところ定めておりますのは、再就職の承認基準を政令で定めると。その定める内容でございますけれども、不承認とすべき権限、予算関係を明確に列挙するなど、人事管理権者が行う承認審査の統一的で客観的な運用が確保がされるような、そういう政令にしたいと考えております。
○松井孝治君
今、その基準が私どものところにはまだございませんので、余り抽象的なやり取りをしていてもしようがないと思います。
しかし、これは衆議院の予算委員会、平成十四年二月十八日に、我が党の枝野幸男予算委員が石原伸晃国務大臣とのやり取りにおきまして、正にその天下り規制の基準について質問をさせていただいております。
その際に、石原国務大臣の方からは、その基準、政省令については国会できちんと議論をします、極めて明確な基準を作ります、したがって各省大臣が政治的な裁量によって変な人事、変な天下りを承認する、あるいは変な形でそれを承認しないということはないと、後段は私の解釈ですが、きちんと政省令を国会で議論をされるというふうに発言を明確にされております。
これについては当委員会でも確認をさせていただきたいと思うんですが、そのとおりでよろしゅうございますね。
○政府参考人(西村正紀君)
石原大臣の答弁は国家公務員法の改正の法案をお出しするときにということだと思いますが、大綱では、国家公務員法を来年に法律として準備して提出したいという方向で今検討を進めておるわけでございまして、その法案を提出し御審議をいただく際には、当然、承認基準の考え方、政令は法律が通りましてから定めるものでございますので政令そのものではございませんけれども、承認基準の考え方、政令で考えようとしているものについては御説明を申し上げることになると考えております。
○松井孝治君
当委員会でも確認を今の御答弁でされたと思います。
通常、政省令というのは、皆さん、委員各位御存じのとおり、これは行政で決めるものであって国会審議は制度的には不要なものですが、今回は、国務大臣の国会における答弁でそれを、その政省令、天下りの承認基準については国会で議論をするというふうに明確に国会において答弁をされていますので、これは当委員会が担当になるかどうか分かりませんけれども、是非きちんと、本来は法案が出されてから議論をするべきものか、あるいは公務員制度改革の流れの中で本当に天下り基準というものは国家公務員法の改正を待たずに僕は議論をしてもいいんではないかと思いますけれども、いずれにしても国会で厳正な議論が行われることを私たちとしても強く確信をしております。
さて、今とにかく基準は明確に決める、後は人事権者、要するに各省において天下りについては承認にする、それでいいんだという話がありましたけれども、ちょっとこれは大臣に伺いたいんですけれども、そもそもこの一連の行政改革というものがやっぱり各省の縦割りがひどいんじゃないか、そこを、公務員というのは全体の奉仕者でありますから、その各省の縦割りを排除して、本当の国益を追求するような公務員の姿であるべきだということで行革が始まっていると思うんですね。
そのときに、基準は明確にします、それも国会で議論します、したがっておかしなことはありませんという答弁で、それはそれで議論をさせていただくにして、本当にこの天下り規制というものを各省が一義的に判断するという形でいいのか、全体の行革の流れの中で、片山大臣、どう思われるか御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君)
今の我が国は、縦割り行政といってかねてから指摘されておりまして、国益よりも省益を考えたり、省益よりも局益を考えたり、公務員が間々おると、こういうお話がありますけれども、やっぱりこれからは、今、松井委員も言われましたように、国益を中心に考えるような公務員にしていかなければならないと、基本的にはそういうように思っております。
そこで、今の天下り問題ですけれども、今までは人事院がやっている、今度の公務員制度改革大綱では人事権者にやらせると、こういうことですけれども、今言ったように、はっきりした基準を作るということは一つ要ると思いますね。だれが見ても納得できるような明確な基準を作ると。政令で作るようなお話ですけれども、恐らく国家公務員法等の改正案を国会に出したときに基準はこうですという説明をされると、こういうように私は思っておりますが。
それからもう一つは、基準だけじゃ駄目なんで、基準をチェックする、総合調整をしてチェックする機能が要るんですよ。それをどこがどう持つか。これは内閣といっても、これは内閣というのは閣僚がおるだけですから、どこでどうやるのかということですね。
今、統一的な人事管理については、人事院が労働基本権制約の代償機関として、第三者機関としてありますよね、一つ。それから、雇用者、使用主との関係では、私どもの方の人事局が、内閣総理大臣の補佐ということで私や人事局がそれを補佐していると、こういう仕組みになっておりまして、これを今回の公務員制度改革ではどういうふうに直していくかということが一つあるので、この辺はまだ決まっているようで決まっていないんですよ。
だから、これから大いに基本的には議論していきたいと思いますけれども、やっぱり明確な基準と、その基準を担保する調整機能、チェック機能というのが、これが備わらなければ今の人事院でやってもらった方がいいということになりますから、そこのところはこれから大いに議論していきたいと、こういうふうに思っております。
○松井孝治君
大臣の今の御答弁ですと、そのチェック機関というものを政府部内に置くとした場合には、それはやはり、今の大臣の個人的見解でいいです、まだ政府としては決まっていないんでしょうから、それは総務省に置かれるべきとお考えですか。それとも、内閣官房、この案件は内閣府、知恵の場内閣府にはふさわしくないんだろうと思うんですが、内閣官房か総務省か、どちらに置くべきだとお考えですか。
○国務大臣(片山虎之助君)
今の仕組みは総務省なんですよ。総務省の人事・恩給局ですよね。恩給局と人事局、一緒になりましたから。ただ、この公務員制度全体の改革の中で位置付けを考えた方がいいと思いますけれども、内閣官房ということはならぬかもしれませんね。ただ、これが内閣官房と内閣府といってもややこしいんですよ、内閣官房と内閣府というのは。それから、総務省もやっぱりこれは総理の補佐的な機能を営んでいるんですよね。これが中央省庁再編のとき大変議論になったんです。そこで、今のような分け方にこうなったんですけれども。
もう一遍公務員制度全般を見直す中で、内閣官房なのか内閣府なのか総務省なのか、これは議論していきたいと、こう思います。今の仕組みでは総務省の人事・恩給局です。
○松井孝治君
そこで、仮に総務省とした場合、従来も総務省人事局という組織があって、そこが政府側の中央人事行政機関であったわけですね。それと、第三者機関である人事院の関係というのは、これ各省から見ると非常に、ある意味では混然一体としているという議論もあったわけです、制度的には性格は明らかに違うわけですが。そこについて、今、大臣は、総務省かもしれない、それは内閣として決めていくというお話をされました。
大臣としては、それとは別に、やっぱり第三者機関としての人事院、その機能の在り方についてはいろいろ議論があるかもしれませんが、そこのダブルチェックが必要だと考えておられますか。
○国務大臣(片山虎之助君)
公務員の地位の特殊性、職務の公共性からいきますと、労働基本権を丸々与えるということには私はならないと思います。ならないと思う。そうなると、労働基本権制約の代償機関要るんで、私は人事院の存在意義はあると思います、これは。ただ、その人事院にどこまで第三者機関としてやってもらうかですね。雇用主である各省の人事管理、人事権者というんでしょうか、そことの調整は私はあるんではなかろうかと思います。
ちょっと似たようなことをやっていますから。例えば、研修も私の方がやっているんですよ。私の人事局もやっている。人事院もやっていまして、何かやや分かりにくいところがあるので、整理は、今度公務員制度改革をやるんなら整理する必要はあるいはあるかもしれませんね。しかし、今の法律上は、中央人事行政機関というのは人事院と人事・恩給局と、こういうことになっております。
○松井孝治君
今のお話、人事院そのものの第三者機関としての代償機関としての存立について僕は伺ったわけではなくて、天下り規制についてのチェック機関として、人事院がそのチェック機関としての権能を今後も果たすのか、それともそれは政府の中の中央人事行政機関が果たすのか、両方なのか、そこについてのお考えを端的にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君)
今度の公務員制度改革大綱では政府側がやろうと、こういうことでこれは閣議決定しましたから、考え方。法律はこれからですよ。しかし、考え方はそうしましたから、その考え方の方が適当かと、こういうことであります。
○松井孝治君
人事院総裁にお尋ねしたいと思います。
今、大臣から、中央人事行政機関の長ですから、御答弁がございました。それを受けて、今の第三者機関を預かっておられる総裁として、基本的にこの制度改正後は政府側がそのチェック機関も担うと、各省があり、なおかつ中央人事行政機関があるという御判断、それで基本的にいいという御判断が示されましたが、人事院総裁としてのお考えを伺いたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君)
人事院といいますと給与勧告というのが非常に有名でございますので、労働基本権制約の代償機関だというふうにすぐ言われますけれども、それ以前に、中立公正な人事行政をやる機関として非常に重要な機能を担っております。したがって、この天下り規制というのも中立公正な人事行政機関としての機能の一つでございます。その点を一つ御認識をいただきたいというふうにあらかじめ申し上げておきたいと思います。
それで、今お尋ねの件でございますけれども、お尋ねの件につきましては非常に難しい問題があるなと。実は、総務省というのはかなりの天下り官僚というものを抱えておる役所でございますので、そこがチェック機能を果たすというのはいかがなものだろうかという議論があるだろうと思います。国会で十分その点は議論していただきたいというふうに思います。
したがいまして、これをどこがチェック機能を果たすかということについてはこれからの議論として、ひとつ私も国会で議論していただくまでの間にしっかり考えを固めて申し上げたいというふうに思います。
○松井孝治君
これは、委員長そして本日いらっしゃる委員の方々に申し上げたいんですが、お聞きいただいて分かるように、今この公務員制度改革大綱がまとめられましたけれども、例えば天下り規制一つを取ってみても、総務大臣のお考え方と、それと独立機関、独立の第三者機関ですから意見が違っていていわゆる閣内不一致とかそういう問題ではないんですけれども、政府の見解と第三者機関の見解というのは明らかに違うんですね。
ですから、これは、この大綱は閣議決定ベースですが、いずれ法案が出てきます。法案が出てきたときに、どこで議論をするのか分かりませんけれども、この総務委員会というのは正に中央人事行政機関の長である総務大臣をお招きして公務員人事制度について議論をし得る立場であります。ですから、ここはきちんとした議論を行わなければいけないのではないか、そのことを委員各位にも問題提起を私の方からさせていただきたいと思います。
そして、この問題についての大体の論点は分かっていただきましたと思いますし、今の人事院総裁の言葉にもありますように、総務省は中央人事行政機関であるとともに具体的な仕事を持っておられるわけですね。そこが本当に役所の中で監督できるのかどうか。チェック機関としての機能を担い得るのかどうか。また、逆に言うと、内閣全体の総合調整というものをどう担うのか。これは、はっきり言って中央省庁再編のときの総務省という位置付けがいろんな要素を持っているというところがここに現れている、一つの矛盾の現れみたいなところだと思うんです。
ですから、別に片山大臣の責任というよりは、この制度的に総務省という役所をどう組んでいくのかということになってくると思います。公正取引委員会というような組織が総務省の中にあるということも同じような問題を惹起するものだと思いますので、私としてはここで問題提起はしておきたいと思います。
その上で、少し観点を変えまして、今回の天下りの問題について、公務員の人事体系をどういうふうに今後組み替えるかということについて御質問をしていきたいと思います。
今回の大綱を読ませていただきました限り、従来の、役所でいわゆるキャリア官僚というのを五十歳ぐらいから勧奨退職をしていくと。勧奨退職をしていて、事務次官をピラミッドの長にして、同じ年代の人間が上に上がっていくにつれ、徐々に間引いていく。そうすると、間引かれた人たちが勧奨退職で外の天下りポストを処遇されて、人事上あっせんされていく。そういう仕組みというものは引き続き残るように私には見えるわけであります。この従来の人事のピラミッド構造というものを残そうとしているのか。
それとも、よく言われますように、もっと人事というのは円筒型にしていくべきだと。ただし、ずっと高い給料をそのまま持つのではなくて、複線型人事といいましょうか、同期の中でだれかが事務次官になったって、別に課長でいたっていいと。定年までそういう方々を、別に早く辞めさせる、勧奨退職するという慣行を見直して、むしろそういう方はそれなりのポジションとして、専門的能力もある方が多いわけですが、処遇していくべきじゃないか、こういう考え方があります。これについては、いや、そういう人たちを処遇していくと組織の活力が失われる。非常に高齢化が進んで組織の活力が失われるとか、あるいは人件費だけでも、本来外に行っている方々の人件費を国で持たなければいけないので、これは国費負担だけでも相当なもので、行政改革に反するというような反論が行われていると思います。
しかし、逆に考えれば、さっき総裁もおっしゃいましたけれども、年間ですよね、千何百人、これは公益法人は含まない数字でございますよね。
○政府特別補佐人(中島忠能君)
含んでおります。
○松井孝治君
含んでいますか。公益法人を含んで千二百人ですか。
○政府特別補佐人(中島忠能君)
千二百人。
〔松井孝治君「千二百人。その千二百人もの方々と」と述ぶ〕
○委員長(田村公平君)
ちょっと勝手に、委員長の許可を得てから質疑をやってくださいよ。駄目だよ。
○松井孝治君
失礼しました。
公益法人を含んでということかもしれませんが、千何百人という方々が実際は処遇、天下りということで外部に出ていっておられる。これが社会全体に及ぼすコストというものを考えていったときに、確かにその分の給与は、早期勧奨退職ですから国が持たなくていいのかもしれませんが、このコスト、人件費を、天下りでいろんな形でそれが国の補助金が回り回って使われている。
あるいは、それが政官業の癒着の言ってみれば温床になっているという批判もあるわけで、これについて、従来型のピラミッド構造で早期勧奨退職をして、五十歳ぐらいからどんどん辞めさせていって、回りに、社会に全体を受け入れさせているという考え方を改めて、むしろ、それは官庁の中でしかるべきポジションで処遇する。その代わり、給与等は場合によっては降任というんでしょうかね、しかるべく、例えば局長を一回やったとしても、民間でもそうであるように、場合によってはその後課長をやってもらう、専門職をやってもらう。その中で、定年までいてもらうというような考え方で、全体の総人件費は抑制していくと、そういう考え方というのは十分あり得ると思うんですが、これについて大臣はどうお考えになられますでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君)
さきの答弁で、人事院総裁が、総務省は天下りを抱えているから今のいろいろなチェック機能が適当でない的な発言がありましたが、これは一つも物が分かっていない発言なんですよ。中央人事行政機関としての機能がきっちり担保できればいいんで、どういうセクションがあろうがこれは省庁のくくり具合なんで、そういうことを言うから駄目なんですよ。だから、人事院はもう代償機能だけに限ればいいんですよ、その意味では。私はそう思いますよ。機能の担保がきっちりできる仕組みにさえすればいいので、どこにどうくっ付けようかどうしようかそれはまた別の話で、天下りを抱えていますよ。それは内閣府だって抱えている。人事院も抱えているかもしれぬ。抱えているから駄目だなんというのはこれは妙な話で、こんなことを言うようだから駄目なんですよ、人事院は、と思いますよ。
それから、今の話なんですけれども、今はピラミッド型ですよ。これは、今の一種の、何といいますか、ポストの調整の関係でそういうことになっているけれども、私は、円筒型があってもいいと思うんですよ。ゼネラリストは数が減っていくので、これはしようがありません。ただ、スペシャリストは、これはそれだけの給与や処遇をやって専門的な知識や能力や経験を生かしてもらえればいいので、そういう円筒型の人事管理制度にするということは考えてもいいと、私はこう思いますよ。
そういうことも今回の公務員制度改革大綱の中には示唆しておりますよ。私は、そういうことは松井委員が言われるように大いに研究したらいい。ピラミッド型はもったいないですよ。若いときから勧奨退職で間引いていって、今は年齢掛ける〇・八だと私はいつも言っているので、六十でも四十八ぐらいのそれだけの若さや能力がある人が大勢おるので、是非、そういう意味では高齢社会にふさわしいような人事管理、公務員制度というのは私はあると、こういうように思っておりまして、これは十分今後検討していきます。
○委員長(田村公平君)
人事院総裁、何かありますか。
○政府特別補佐人(中島忠能君)
総務大臣から御意見がございましたけれども、いろいろな立場でいろいろな御意見があるんでしょう。
いずれにしても、どういう仕組みにするのが国民が一番納得するかという話だというふうに思います。
○松井孝治君
今、質問を続けようと思ったんですが、総務大臣から非常にある種強烈な問題提起が人事院総裁に対してもありましたけれども、そこは非常に本質的なところだと思うんです。
ですから、要するに、確かに総務省というのは中央人事行政機関でもあり、なおかつ別の行政分野を、現業的な部分も含めて今は抱えておられる、そういう役所ですね。そういう役所が、これは正に今、総務大臣がおっしゃったように、各省というのはそういうものなんですね。内閣府だってそういう部分がある。あるいは個別の役所もそういう部分がある。突き詰めていくと、さっきの総裁のお話だと、各省に天下りの承認をさせるというのは基本的にお手盛りになってしまうんじゃないか、そういうふうに考えておられるというふうに理解してよろしいですか。総裁、いかがですか。
○政府特別補佐人(中島忠能君)
そのおそれがあるということでございます。
○松井孝治君
そのおそれがあるということは、やはりそれは、第三者機関である人事院が天下り承認はきちんとチェックをしないとやはり不公正な天下りが行われる可能性があるという御見解と考えていいですね。
○政府特別補佐人(中島忠能君)
詳しく申し上げますと、私たちは、この天下りの問題というのは非常に大きな今国政上の問題になっておると。したがいまして、民間企業に対する天下りも特殊法人、認可法人に対する天下りも内閣で一括して所管なさるのがいいだろうということで、昨年の四月に既にそういう意見を提出しております。
したがいまして、私たちはどうしても人事院でなければならないというふうには考えておりません。やはりこれだけ大きな問題になってきますと、政治の責任といいますか、内閣の責任でお決めいただくのがいいだろうということでそういう意見を提出しているわけでございます。
○松井孝治君
ちょっと話が分からなくなってきました。
総務大臣は先ほどから一貫しておっしゃっていると思いますし、むしろはっきりした言葉で、代償機関としての役割を人事院は果たしていただければいい、天下りのある種チェックというのは服務の一環として少なくとも行政府である内閣が責任を負うべきだ、そこの中でどこが負うべきかは別として内閣が負うべきだと。今の総裁の御答弁は、その考え方でいいというふうにお考えになられているということでしょうか。
○政府特別補佐人(中島忠能君)
天下りの問題については、先ほど申し上げましたように、最終的にはやはり内閣ですべての天下りをお決めになるシステムが一番いいんじゃないかというふうに考えております。
○松井孝治君
そうすると、先ほどおっしゃったお手盛りのリスクがある、お手盛りになってしまう危険がある、これをどういうふうに担保していくのが国民に対する説明責任だと思われますか。
○政府特別補佐人(中島忠能君)
それは内閣でお決めいただくということでそういう担保ができるんじゃないかというふうに思います。
○松井孝治君
これは重要な御発言でして、第三者機関の長である人事院総裁が天下りの承認そしてそのチェック、これは内閣の判断でお決めいただければいい、あとはチェックまで含めて内閣の判断で決めればいい、そういう制度を決めればいいというふうにおっしゃったと解してよろしいですね。もう一度確認させてください。
○政府特別補佐人(中島忠能君)
天下りのチェックというのは天下りした後のチェックの話でございますか。
○松井孝治君
天下りをした後のチェックも含めて、その天下りが適切であったかどうかということも含めた監視ということであります。
○政府特別補佐人(中島忠能君)
内閣の責任でおやりいただければいいと思います。
○松井孝治君
そうだとすると、これは議論は、お二方の議論はかみ合ってくるわけで、あとは内閣の中で各省と中央人事行政機関、これが相談をしてその承認及びチェックの仕組みを作ればいい、そういうふうに解していいかと思いますが、よろしゅうございますね。
○政府特別補佐人(中島忠能君)
私が申し上げている内閣というのは、内閣府ないし内閣官房のことでございます。
○松井孝治君
それは私も一つのお考えだと思います。ですから、最初に総務大臣に、内閣官房も含めて中央人事行政機関をどこに置くのか、特に天下りの問題についてのチェック機関、承認機関を、内閣全体の承認機関をどこに置くかということについてお尋ねしたわけでございます。
総務大臣、今のやり取りも聞かれていて、やはり総務省ではなくて内閣官房に置くべきではないか、あるいは内閣府に置くべきではないか。私は、内閣府と内閣官房は大分違うような気がいたしますが、それについての総務大臣の御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君)
何でも内閣府に集め過ぎるというので分かれたんですよ。例えば公取なんかもいろんな議論があったんですよ。ただ、公取は独立して準司法的な、裁判所と同じような機能をやって、職務が独立していますからね、権限上も。
そこで、何でも内閣府に置いて内閣府をごみためみたいにしていいのかという議論が出て、ごみためとは言いませんよ、公取はごみじゃありませんよ、卑近な例えで言っているので。そこで、総務省も内閣府的な機能があるからということで、私が決めたわけじゃありませんがね、そういうことで、例えば公取委員会だとか公害紛争処理委員会だとか日本学術会議だとか、そういうものが私どもの方に割にまとまったものが所属になったんですよね。
中央人事行政機関というのは総務庁ですよ。総務庁の人事局からそのままそれが総務省に統合になりましたから移ってまいりまして、国家公務員の人事管理と地方公務員の人事管理を統一してやった方がいいという観点なんですよ。そういうことで中央人事行政機関になったので、だから国家公務員法は私どもが所管し、地方公務員法は私どもが所管して、これは統一的にやっているんですよ。
ただ、天下りの再就職のルールだとかこのチェックだとかというのは、公務員法に関係ないことはないけれどもそのものじゃありませんから、これはどこでやるかというのはいろんな議論があっても私はいいと思っているんですよ。だから、内閣府でもいいし、総務省でもいいし、あるいは内閣官房という議論があるかもしれませんが、それはこれから内閣の中で大いに議論して決めさせていただくので、よその人からとやかくどこがいいなんと言われるいわれはないので、我々がきっちり内閣の中で議論して決めていきます。
○松井孝治君
私は、今の大臣の発言はちょっと行き過ぎだと思いますよ。よその人といっても、それは今正に第三者機関として公務員人事制度を扱っておられるわけで、正にそれを人事院規則というもので公務員の天下りについても今かかわっておられる第三者機関の長ですから、それは僕はちょっと言い過ぎだと思います、正直言って。
ですが、おっしゃることは分かりました。それを内閣の中のどこの部署に置くかというのは恐らく、是非この次の国家公務員法及びその関係法案の審議の中で国会においても議論をさせていただきたいと思います。
さて、次に移りたいと思います。
先ほど円筒型の人事の問題がございました。私思うに、この国家公務員の人事システムを作るに当たって、その円筒型をもっと細くしていくんじゃないかというふうに思うわけです。どういう意味かといいますと、やっぱりこういう時代ですから、もっと外部から専門家を登用すべきだ。私はその登用だけじゃなくて、もっと本当の意味での人事交流が行われてしかるべきだと思います。諸外国の人事制度を見ても、日本ほど生え抜きの役人がずっと閉鎖的な空間を保っているというのは珍しいんではないかと思うんです。
ですから、この際、私は二つのことを提案したいと思います。
一つは、T種、U種、V種という国家公務員の分類が、さっき正に大臣はそれをT種、U種、V種の垣根を越えて処遇、登用すべきではないかとおっしゃいましたが、この公務員制度改革に当たって、T種、U種、V種という垣根をもっと取り払って、場合によっては企画職と執行職ということでもいいかもしれません、そういうことを考えられたのかどうか。正に考えるべきであったと思います。
それともう一つは、公務員のポジションと実際の採用人数に比較して、やっぱり今一杯一杯採っているんですね。そうじゃなくて、むしろ外から採るんだ、専門家を採ってくるんだと。場合によってはリボルビングドアというんでしょうか、そういう制度を作っていく。要するに、公務員から民間に行く、また民間から公務員に入ってくる、そういうことがもっと伸びやかに行えるような仕組みにしていかないと、今のキャリア官僚の意識改革を行う上でもうまくいかないんじゃないか、私はそういうふうに思うわけですが、局長、簡単に御答弁いただいて、ちょっと大臣の御見解も聞きたいと思います。
○政府参考人(西村正紀君)
大綱では、まず採用につきましては、T種、U種、V種という現在の採用区分につきましては、これはそれなりに必要があると。例えば、幹部候補を計画的に確保育成するとか、それぞれの大学、高校等の卒業に応じた人材の効率的な確保育成という観点から必要だと。しかし、その採用は区分はありましても、この人たちの育成、昇進ということにつきましては、幹部候補生についてもU種、V種の人を登用するような仕組みを作っていくべきだということを大綱の中では言っております。
それから、採用数の話でございますけれども、採用数につきましては、基本的にはそれぞれの省で、将来のニーズ、現在の職員数等を前提に適切な採用をすべきだと思います。ただ、公務員制度改革の検討の中で、各省庁からいろいろお話を聞きましたが、やはり生え抜きの人じゃなくて、途中から民間等の経験のある人が欲しいというようなことを言う省庁もございます。恐らくそういう形での採用というのはこれから増えてくるのだろうと思っております。
○国務大臣(片山虎之助君)
今、西村局長から話したことに私も大体賛成でございますけれども、T種、U種、V種というのはメリットシステムである以上、これはしようがない区分だと、こういうふうに思います、入口は。しかし、入った後は本来のメリットに応じて相互乗り入れがあってもいいと。しかし、大きな人事構成、いろんなこと、ほかの考え方がありますから、それはそれでなきゃいかぬと私は思いますけれども、入った後はU種の人がT種になる、先ほど言いましたが、場合によってはV種の人がU種になりT種になるという道も残したらいいと思う。キャリア、ノンキャリアなんという言葉は大体余りいい言葉では私はないと思っているので、今後は努力次第で、頑張り次第でT種の扱いになりU種の扱いになるという道が私は開かれて一向差し支えないと。そういうことも今後の公務員制度の中では必要ではなかろうかと、こういうふうに基本的には考えておりまして、今の改革大綱についてほぼ私も同じ意見であります。
○松井孝治君
これは大臣の、総務大臣としての、地方行政も担当しておられるお立場から伺いたいんですが、これ、どんどん地方分権を進めていかなきゃいかぬわけですね。そうしたときに、今の中央官僚の職務分担というのはやや見直しが必要でして、やっぱり中央官僚として政策の企画立案に当たる役人が必要なのは事実ですね。ところが、その執行部分ということになってきますと、今、U種、V種の方々のうち相当程度、いろんな国の予算の執行とかも含めて当たっておられる方が多いですね。そういう方々というのは、ある意味では地方分権していくとそういう仕事が地方に行くわけですね。
そうなってくると、今のT種、U種、V種という分類というのは、国の事務の企画立案とその執行、この分類と、この再整理をするのと相まって、もう一回再整理していかなければいけないんじゃないかと思うんですよ。その中で本当にT、U、Vというのを、この区分を維持する必然性というのは私ないんじゃないかと。むしろ、U種、V種の中の一部の方々は、中央ではなくて地方行政の一線を担っていただくような方々がたくさんいらっしゃるんじゃないかと。
そこについて、地方行政まで視野に入れて、こういう執行部分を担っておられる公務員の方々の処遇の在り方を含めて人事制度はどうあるべきか、そこについて私は大臣としての御見解を賜りたいんです。
○国務大臣(片山虎之助君)
そのT種、U種、V種とこういうのが、T種は企画立案だけということでもないんですよね。それぞれの役所の幹部になっていく大卒で試験に受かったと。U種は短大卒が大体のイメージですよね。V種は高卒と。こういうことでございまして、必ず企画立案と執行部門ということでもないと思いますけれども、地方分権をして、地方で物が決まったり、地方で決まったことをそのままやれるようになりますと、それはそういう時代にふさわしい公務員制度はあるいはあるのかもしれませんね。
今、やっぱり我々が見て一番の問題は、やっぱり人材がもっと地方に行ってもらわなきゃいかぬと思っているんですよ。都道府県や市町村に本当の人材が自ら志願して行ってくれるような魅力ある地方自治にしないと、地方自治がなかなか伸びませんよね。やっぱり県の言うことを聞いておくのが無難だと、国の言うことに従う方が正しいんだと、こういうことでは困るので、そういう意味では、我々が今地方分権を推し進め、あるいは市町村合併で基礎的な自治体である市町村を強くしようというのは、やっぱり人材ももっと地方を目指してもらいたいと、こういう考え方でございまして、もしそういう仮に時代になるなら、私はその時代にふさわしい公務員制度というのが国、地方を通じてあるのかなと、こういうふうに思っております。
○松井孝治君
正におっしゃるとおりで、だからこそ私はもうT種、U種、V種とかいう分類やめてしまって、もっと違う新しい区分で、幅広い人たちが、ある意味ではイコールフッティングで実力のある人たちが登用される仕組みにした方がいいんじゃないか、そういうことを提案したいわけでありまして、今回まだ閣議決定をされただけですから、是非法案を立案されるプロセスでそういう考え方も含めて検討していただきたいと思います。
それに関連もするんですけれども、中央官僚の地方自治体への天下り、天下りというか出向ですね、これについて私、大臣の見解を伺っておきたいと思います。
これはかつての、この公務員制度改革は橋本元内閣総理大臣の下でのいわゆる橋本行革の流れを引いているというふうにいろんなところの経緯文書に書いてありますけれども、橋本さんがまとめられた行政改革会議の最終報告にも、今の国の中央官僚が地方の枢要なポジションを支配しているというのはおかしいと、それについて検討が必要だという規定がございます。そういう流れも踏まえて、大臣はいろいろ御経験も豊富なわけですから、中央官僚がいろんな地方の自治体の、例えば県や府やそういうところの部長ポストを独占している、それについて、確かに刺激になっている事例もありますけれども、非常に中央官庁の方を、出身官庁の方を見て仕事をしている、何とかいじめられずに過ぎ去ってほしいというような地方自治体の方々の悲鳴もあるわけですね。この見直しについてどう考えられるのか。
特に旧自治省は、旧自治省、今総務省になりましたけれども、そのポジションに比較して明らかに大勢のいわゆるT種の官僚を採っておられるわけですね。これは要するに地方に出向しないと人事上、昔の自治省の人事って回らない仕組みになっているんですね、正直に申し上げて、認めておられると思いますけれども。こういう在り方というのは本当にいいんでしょうかね。
この国と地方の出向人事の関係について、大臣、どういうふうに見直すべきだと思われますか。
○国務大臣(片山虎之助君)
国と地方の人事交流につきましては、今、松井委員言われるように、やや片道風で、国が出すだけで、いいポストを独占してと、こういう御指摘もありますが、基本的には国、地方の人事交流は対等で相互交流、相互乗り入れが私は正しいんだろうと、こう思いますけれども、地方の方にはなかなか専門家がいないんですよ、特に技術関係では。そういう意味で、土木部長が中央の人が多いというのは、一つはそういうこともありますね。あるいは環境衛生だとか医療だとか、そういう関係も割に専門家が少ないものですから、そういうのは中央から来てもらうと。こういうことはあったと思いますし、私は昨日も千葉県の知事が来られたので言ったんですけれども、中央の人が行って二年なり三年なり思い切ってやるというのは、その土地でのしがらみもなく、いろんなかかわり、因縁もなくて、思い切ってやるということは大変私は地方自治にとって刺激にもなるし、いいことだと、こういうふうに思っておりますので。
ただ、それは、国が押し付けるとか、国が一方的にこのポストとかというのはいけません。やっぱり、地方から是非こういう人を何年かよこしてこういう仕事をやってほしいということに応じるというのが基本的には正しいんでしょうね。そう思っておりますし、余りモンロー主義で都道府県や市町村、まあ市町村は別にしまして、都道府県は余りモンロー主義でやるのもどうかなと。これもほどだと思っていますね。余り中央ばかり呼んでくるのも問題だし、しかし、全くモンロー主義でやるのも問題で、そこで必要な人はスカウトするというのか、来てもらってやると。その代わり、地方の人も中央に行って、中央でそれぞれのポストを経験する、こういう相互交流というんでしょうかね、対等の人事交流、こういうことが私は望ましいと、こう考えておりますけれども、中央から呼ばなくてもちゃんと専門家が入ってくる、人材が育っていくという仕組みにすることが基本的には一番私は正しいと、こう思っておりますけれども、もう少しそれには私は時間が必要かなと、こういうふうに思っております。
○松井孝治君
もちろん、自治体の中では、それは大変立派な人を受け入れて本当に刺激になって良かったとか、いろんな自治体の中にはいない人材をもらって良かったという声もたくさんあると思います。でも、やはりそれよりも数の多いやっぱり苦情、本当に本音のところでそれは大臣に知事はなかなかおっしゃらないと思いますよ。大臣自身も副知事として岡山県に行かれていますしね、大臣にはなかなかおっしゃりにくいかもしれないけれども、本当の意味でやっぱり地方自治体の職員の方々は何でこういう形で中央の人が来るのかと。
それなりの能力の人はたくさん今育っていますよ、戦後のいっときのようなことはないわけですから。僕はそれは、なかなか人がいないから、あるいは自治体側が喜ぶからといって今の制度をそのまま続けていたんではいつまでたっても地域に人材も育ってこないし、地域の、地方の方々のモラールが上がっていかないと思うんです。ですからここは、大臣、両方お分かりなんですから、是非とも大臣の在任中に思い切った改革を打ち出していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
さて、先ほど私は官民のリボルビングドアのような仕組みを作ることが必要だということを申し上げました。現実には、民間の方々が中途採用、最近、中途採用あるいは任期付出向みたいな制度は徐々に充実していますし、今回の大綱の中でもそういう制度改善は触れられていますが、やっぱり民間の方が実際中央官庁に出向しようとすると、いろんなしがらみといいましょうか、いろんな問題点があります。
一つには、その後戻ろうとしたときに、変な形で天下り規制が掛かってしまって自分の会社とか関連業界に戻れない。例えば、金融行政で金融関係の知識を持った人はもっともっと必要だ、しかし、金融関係の知識を持った人に役所に来てもらう、そうすると、その後、じゃ、また金融関係のビジネスに戻ろうとすると天下り規制に引っ掛かってしまって戻れない。これは本来の天下り規制の趣旨とはちょっと違うところで規制が引っ掛かってしまう部分もある。また逆に、民間のビジネスマンとしては非常に優秀であっても行政マンとしての基礎知識がないからなかなか同列に溶け込めない、そういう不安もあります。こういう問題を改善するために天下り規制の考え方を、これは将来は内閣で決めるということかもしれませんが、今第三者機関の長としてどう考えておられるのか。
さらには、そういう民間人が若干のトレーニングをミッドキャリアで行って、もっと中央官僚に参入しやすいような仕組みを作れないか。
法曹の世界ではロースクール構想というのがありますけれども、アメリカなどにはガバメントスクールというのもたくさんあります。アメリカの中央官庁なんかへ行くと、ガバメントスクールを卒業してパブリックマネジメントの学位を持ったような人たちがどんどんミッドキャリアで入ってくるような仕組みがあります。こういう制度をもっと行政に関連する分野で、それは大学も含めて、整備していくべきではないかと私は思うんですが、併せて人事院総裁の御見解を伺っておきたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君)
官民交流法に基づいて官庁の方にお見えになった方がまた企業に帰られるというときには、現在、天下り規制に関する法律の適用除外を法文上措置しております。したがいまして、基本的にそういう問題が起こらないというふうに思います。
もう一つは、任期付任用法に基づいて官庁の方に来て仕事をなさる方がまた企業にお帰りになるときには、現在のいわゆる天下り規制の運用というものをかなり弾力化して適用しておりますので、その面において任期付任用法に基づいて官庁に来た方が再び企業に帰られるときに、現在非常に窮屈だという話を聞いておりませんので、私たちは現在の運用の仕方でおおむねいいんじゃないかというふうに考えております。
もう一つのいわゆる公共政策大学院関連の受入れの話でございますけれども、公務員の世界でどういう資質、どういう能力を持った人が必要なのかということと関連する話でございますので、公共政策大学院でどういうことを教えるか、どういうカリキュラムでその大学院構想を固めるかということとも歩調を合わせながら、どういう受入れ方をするのがいいのかということを検討していかなきゃならないというふうに思います。現在、大学側とも、また文部科学省の方とも意見を交換しております。
○松井孝治君
今の前段の問題、後段の問題は私はそれで結構だと思うんです。前段の問題について言うと、ある企業から出向して、よくある今の官庁との人事交流、ある企業が例えば東京三菱銀行からどこどこ省に出向して、また東京三菱銀行に戻る、これはいいんですよ。ただ、東京三菱銀行で培った経験を行政のどこかで生かして、じゃ、今度はシティバンクに戻ろうというような場合に天下り規制が実際適用されてしまうという部分がありまして、本当の意味でのいわゆるジョブホッピングといいますか、官民の交流という意味では、そこら辺の在り方をどう考えるか、これはいろいろ難しい面もありますが、これは今措置されてすべて済んでいるというふうには私は思っていません。
時間がありませんので最後に一つだけ、これ、聞いておきたいと思いますが、今回の天下り規制の中で公益法人についての提言が若干出ています。再就職ルールを決めておられます。しかしながら、私はこれは極めて不十分だと思います。実際の天下りの実例で言うと、公益法人が天下りの受入先になっている部分が極めて多いと思います。その天下り、これは国費で補助金を出している、人件費を出しているものについては制限が掛かるという考え方を取っておられますけれども、実際は国費で人件費を予算措置しているなんというケースはほとんど少ないわけですね。別の事業費とか委託費を出している。ところが、その玉突きで天下りを受け入れているというケースが非常に多い。これについて本当にほっておいていいのか。あるいは、その国費だけじゃなくて、認可法人のようなところ、例えば公営競技団体などが、委託費とか補助金を出しているところにどこかのその関係する役所のOBが天下りをしている。こういう実例についてやっぱりきちんと網を掛けていかないと、本当の意味での公正な人事が行われないんじゃないかと。
このことについて、もう時間がありませんので大臣に一言御答弁をいただいて、私の質問を終わります。じゃ、一言ずついただけますか。
○政府参考人(西村正紀君)
大綱では、公益法人につきましても再就職についてのルールを定めるように決めております。国と特に密接な関係を持つ公益法人に対しましては、役員の報酬、退職金について公務員の水準と比べて不当に高額に過ぎないように指導すると。また、公的部門における高齢役員に関する対応状況、これはまあ高齢役員の就職の規制でございますが、そういうものも踏まえまして役員の退職年齢について公益法人で適切な内部規定を整備すると。こういう形で、いろんな批判がないような形にするように決め、これを具体的に措置することにしております。
○国務大臣(片山虎之助君)
今、石原大臣のところと私どもの方で連携をして、公益法人等、特殊法人を含めまして、今のような御指摘についても問題意識を持って対応していこうと、こういうことでいろいろ検討いたしております。
○松井孝治君 終わります。
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