| ○松井孝治君
民主党の松井孝治でございます。
本日は、関係議員の御配慮もあって、この委員会での質疑を許していただきましたことにつきまして、まず最初に感謝を申し上げます。
本日は、石原国務大臣が御出席でございます。石原大臣を中心に御質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、これはもう通告するまでもございませんので、通告外の質問でございますが、そもそもこの小泉内閣における特殊法人改革あるいはその中におけるこの道路公団改革、この問題が小泉内閣の一つの大きな政策の柱に掲げておられます。このことについて、本質的に小泉内閣が行おうとしている改革の中で、特殊法人改革というのはどういう位置付けを与えられているのか、道路公団改革によってどのような改革を行おうとしておられるのか、その点について、簡単で結構でございますので、石原大臣から一言、この改革のそもそもの目的は何なのか、理念をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君)
ただいまの松井委員の御質問は、話せば一時間ぐらい話せるテーマだと思いますが、やはり特殊法人改革は、これも先般の当委員会で御議論いただいたところでございますが、国民の皆様方の預貯金、保険、すなわち郵便貯金、簡易保険という形で集められたお金が、これまでは、昨年まででございますけれども、財政投融資という形で中をつないで川の下にあります特殊法人の事業費に充てられていると。さらに、国の一般会計の中からも補助金の形で防衛費よりも巨額の資金が特殊法人に流れていくと。
これまでは有効に機能してきたものも、特殊法人という、言葉を換えますと国営企業体であることによって、無駄や非効率やあるいはやらなくてもいい事業まで行っていると。そういうことが民間の事業を阻害していたり、様々な諸規制を生んでいると。こういうものを改めていこうということで、この特殊法人改革がスタートをしたものだと承知をしているところでございます。
その中でも、この特殊法人の非常に象徴的であります道路公団、日本全国の高速有料道路網を整備してきたこの道路公団、これまで有効に機能している中にあっても、路線によってはもう採算性が全く度外視されているものや、巨額の損失、欠損金という形で、言うならば現在のところは道路公団を始めとする三公団は欠損金を発生しておりませんけれども、将来発生するおそれがあるのではないかという指摘も出てくる一方、本四公団に至っては巨額の欠損金を計上していると。
こういうような問題に対してピリオドを打って、二十一世紀の日本の有料高速道路網の整備はかくあるべきか、またその運営主体は何が適切なのかと、こういうことでこの改革がスタートし、現在この民営化推進委員会の法案の御審議が当委員会で行われているものと理解をさせていただいているところでございます。
○松井孝治君
おっしゃるとおりだと思うんですね。午前中の質疑においても石原大臣が明確におっしゃいましたけれども、やはりこれから従来の発想を変えて、かつては正しかった原理というものも見直して、官から民へ、民間にできることはできる限り民間の活力を生かしてというのが、この道路公団の改革に当たっても基本理念とすべきものであると思うわけであります。
そこで、石原大臣にお尋ねしたいんですけれども、本日、理事会の御了承を得まして、お手元に資料を配らせていただいております。二枚紙の資料でございます。
簡単にこの資料を御説明させていただきたいと思います。これは民間団体、衆議院の内閣委員会でも参考人として招致された構想日本の加藤秀樹さんという方が参考人で呼ばれたわけですが、その方がこれは衆議院の内閣委員会でも提出された資料でございます。もう関係者の方々は一々これ、この資料について私が御説明申し上げるまでもないかもしれませんが、簡単に資料を御説明しておきたいと思います。
御承知のように、これまでの高速道路の整備というのはプール制そして償還主義という原理にのっとって整備されてきたんだと思います。それをじゃ具体的にどういうことが起こっているのかということをある意味ではシンボリックに示しているのがこの表でございまして、この一ページ目の表にありますように、基本的にはある道路を整備するその借入金の残高を縦軸に取って、横軸でその償還期間を取っている。徐々に借入金の償還をしていくというカーブがこの最初の一番上のカーブでございます。
ところが、この道路公団問題、しばしば指摘されますように、この投資の金額、これがしばしば過小に見積もられている。そして、実際の交通需要、この収入の見通しがしばしば過大、現実より過大なものになっているということで、よく起こりますのは一ページ目の二つ目の表にあるように、この償還というものが順調に進まずに上方に修正されてしまう、下手するとこれは発散する。
そうなってきたときに、これはしばしば言われていますのは、最初の道路、A道路の償還が順調に進まない、そのときにある時点でそのA道路の先にB道路がつながる。つながることによって当然借入金の残高が増えて、そこからまた新しくA道路とB道路がつながったところから償還のカーブが始まる。
そして、二ページ目に移っていただいて、そのA道路とB道路がつながった償還カーブが、これがまた需要の見通しあるいはコストの見通しの狂いによって、このカーブ、予定したカーブのとおりに進まない。そうなってきたときに、またA道路、B道路の先にC道路がつながるということで、更に投資が行われて、そこから先、償還がされるという予定が書かれるわけであります。
そういうような流れの中で、実際三十年償還というのが四十年、五十年償還になってくる。そして、いずれは償還されますよ、五十年以内で償還されますよということ、そういうフィクションの下でいろんな計画が決定されていくわけですが、実はこれがどんどんどんどんつながっても、結局のところ、将来見通しというのは狂ってしまう。
これは簡易にするために三十年、四十年、五十年としていますが、実際は五十年償還という今回の小泉内閣における大きな方針、五十年以内に、償還期限を五十年以内にするということにしても、実はこの償還期限というのは重心がどんどんどんどん先にずれていきますから、今年が二〇〇二年で二〇五二年には全部償還されるということは必ずしも実現されないわけですね、重心が先にずれますから。そうすると、どんどんどんどん先に道路計画が作られて、その道路まで含めて交通網が一体的に整備されたときには交通量が伸びますよという、そういう見積りの下でこの道路整備計画というのがどんどん先に延びていく、こういう矛盾を何とか解消しなければいけないということで、この道路公団改革というものが始まったんだと私は認識をいたしております。
その意味で、今回、民営化という、道路公団の民営化という形でマーケットにある程度歯止めを期待するというのは、私は考え方として正しいことだと思いますけれども、この償還主義あるいはこのプール制というもの、いっときまでこのプール制と償還主義というのが日本の高速道路整備について果たしてきた役割を私も認めるものですが、今どんどんどんどん道路がつながって、どうしても最初はドル箱路線のような基幹路線、そういうものを整備する、どんどん地方に行くに従ってその交通量というのは一般的に言えば徐々に下がってくる、そして建設費というのもどんどんむしろ上がってくる、こうした中でこのプール制と償還主義というものでは、今後の道路整備というのは、本当に高速道路整備というのがこの従来の考え方にのっとって続けられるのかどうか。
既に衆議院の内閣委員会や本委員会においてもこの問題については何度か触れられていると思いますけれども、簡潔で結構でございます、石原大臣としてそもそも何でこの道路公団問題、こうした形で取り上げることになったのかということを原点に立ち返っていただいて、果たしてこのプール制あるいは償還主義というものを見直すおつもりがあるのかどうか。あるいは、それはこの民営化委員会において議論すべきということかもしれませんけれども、石原大臣、政治家として、このプール制と償還主義の組み合わさった現在の高速道路整備の在り方についてメスを入れるというおつもりがあるかどうか、端的にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君)
ただいま松井委員もお認めになりましたように、私も高速自動車国道整備の中で、償還主義とこの全国プール制というものが、少ない国費で着実に道路を整備してくるという意味で意味を持っていたと認識を私もしております。
しかしながら、その一方で、今、委員は図を、A道路、B道路、C道路というふうに図をもって分かりやすく御説明いただきましたように、プール制の範囲を拡大していけば、償還期限が順次延長されていつまでも無料開放されない。あるいは、ここはポイントで、この委員会が設立させていただいた暁には十分御議論いただきたい点なんですが、どうも交通量の予想というものを過大に見積もって費用を安く見積もるが、現実は交通量が少なくて費用が多いという、全く逆のことになっていますんで、この償還計画というものが償還できなくなるんじゃないかといったような問題点が指摘されているわけであります。
そこで、今回の整理合理化計画においては、新たな組織が債務を着実に償還し採算性を確保できるように、これは初めてだと思うんですけれども、新規投資に一定の歯止めを掛ける観点から、今回はもう国費の投入はゼロとすると。そして、これもこれまで委員御指摘のとおり、償還期間も当初は三十年だったもんが四十年、四十五年、五十年と延びてきましたけれども、五十年を上限としてその短縮を目指すというような縛りを掛けさせていただいて、この縛りの中でどういうふうにこれから有料道路、高速道路網を整備していくかということを議論していかなければならないという問題意識の下、この民営化推進委員会ができましたら、今、委員御指摘のとおり、このプール制の問題についても、償還主義についても、大所高所から御議論をいただき、問題点、改めるべきものは改めていくものと認識をしているところでございます。
○松井孝治君
今、その償還期限の五十年を上限とする、その範囲内でできるだけ短くするという歯止めを掛けたと。私も、それは非常に重要な歯止めであると思います。その五十年というのが十分であるかどうかは分かりませんが、歯止めであることは認めたいと思います。
この本法案の第二条に、採算性の確保という規定がございます。私は、この五十年償還というのが歯止めとして十分であったかどうか、十分であるのかどうかということを申し上げれば、これは全然十分でないと思うんです。それは、今後、道路公団を民営組織に移行するわけですね。民営化を前提として新たな組織に移行する。そのときに、この民営化組織というのはどういう組織なんだろうかということを考えてみなければいけないのではないか。すなわち、その民営化組織の採算性ということを考えなければ、この道路公団改革の意味はないわけであります。
その際に、じゃ、五十年で償還できればどのような計画でも認められるのかということになると、これは到底認められないわけであります。五十年後に元が取れたとしても、民営化組織、その民営化組織が経営上堪えられないような投資案件というのは、これが採択されるということになっては大問題であると思います。
その意味で、個別の路線、どのような路線に対して投資をするのかという判断、これをだれが行うのかということが、この民営化組織の将来の経営の在り方を考えたときに非常に大事になってくると思うわけであります。
この委員会でも既にいろいろ議論が行われております。午前中の審議においても、路線採択について石原大臣から、国幹会議の議を経て国土交通大臣が決めるというような、そういうふうに考えますというような御答弁があったように伺いましたけれども、私は、この路線採択をどうするかというのは極めて重要な問題であると思います。
先ほどおっしゃった五十年償還主義というようなものはある種の歯止めであって、その上でどういうものに投資をするかということについて更に厳しいスクリーニングが必要ではないかと。その厳しいスクリーニングを担うのは民営化企業でなければいけないのではないか。
その際に、いろんな主体が、この民営化推進委員会がその基準を決めるであるとか、あるいは今後の国幹会議の位置付けをどうするかと、いろんな議論がありますけれども、民営化する以上、私は、この道路公団が民営化された組織が一義的に投資判断について判断をできる、そういう形にしていかなければ意味がないのではないかと思いますが、石原大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君)
結論から申しますと、委員の御指摘のとおり、できる限り自主的に投資判断を新しい組織が行っていくということが私は重要なポイントであると認識をしております。
道路四公団の改革については、その民営化の推進によりまして、委員が既に御指摘のように、民間の、民間という新しい組織であることが意義があるとおっしゃられておられますように、その理由は、やはりコスト意識というものが徹底され、採算性を重視した事業運営が行われという当たり前なメリットが生じるという考えに立ちまして、そしてもう一つ重要なことは、先ほども御答弁させていただきましたように、新たな組織が確実に過去に背負った借金、債務というものを償還できるように、新規投資に一定の歯止めを掛ける観点から、整理合理化計画では民営化を前提とする、国費を投入しないと。償還期限は、これは委員は五十年では十分ではないということでございますが、整理合理化計画では五十年を上限としてその短縮を目指すという基本方針を示させていただいて、この基本方針の下に、現在御議論いただいている民営化推進委員会が具体的な、今、委員が御指摘されましたような点に立脚して、どうあるべきかということを検討していただくこととしたところでございます。
この委員会の意見を踏まえまして、事業の自立的な運営、経営の効率化や利用者サービスの向上等々、もう民営化のメリットというものを国民の皆様、高速道路を利用するユーザーの皆様方が享受できるような改革の具体化というものに取り組んでいかなければならないと考えているところでございます。
○松井孝治君
今、端的な御答弁をいただきました。私がきょうの質疑で伺いたかったことの一番重要なポイントはその点でございまして、これまで、今後の、どのような路線採択をするのか、これについては昔の国幹審、国幹会議の議を経て国土交通大臣が決めると、そういう御答弁が政府側からなされてきたというふうに認識しておりまして、私は、これは基本的に論外な話だというふうに思っておりました。
といいますのは、もっと正確に申し上げますと、そのことだけでは全く民営化の意味はない。要するに、個別にどの路線に投資するかということについてそれを国土交通大臣が決める、それはどういう会議の議を経ているかどうかは知りませんけれども、それだけで投資判断がなされているんであれば民営化の組織の意味がないわけであります。したがって、正に民営化の、民営化された、総理は衆議院の内閣委員会の質疑の締めくくりの質疑において明確にこの民営化組織は上場を目指すんだと、最終的に上場するんだということを何度も繰り返しておっしゃっておられます。
上場するというのは大変なことであります。先ほど来、午前中の質疑でも、同僚議員から御質問があって、民営化組織とは何なのかという議論がございました。恐らくは、普通の考え方だったら、最初特殊会社から入って、その特殊会社の政府が持った株式というものをきちんと、東証になるのか分かりませんけれども上場していく。その上場基準というのは非常に厳しい基準があるわけでありまして、一般的な金融マーケットからいうと厳し過ぎるという議論もあるぐらい厳しい条件があって、きちんとした利益が上がらなければいけないし、その株主の数あるいはその構成というようなものについても基準があるわけでありまして、そうした民営化の株式会社を作っていく。まあ株式会社と決まったわけではないという議論かもしれませんが、総理が上場を目指すというふうにおっしゃっている限りにおいては、商法か特別法かはともかくとして、株式会社がその主体となっていくんだと私は理解をしておりますが。
整備を行う以上、国幹審の議を経て国土交通大臣がどの路線を整備しろというふうに決める、この発想は、ある意味ではその大枠の部分はあったとしても、少なくともどの路線を実際に投資するのかということについては、個別企業の同意なくその工事が行われるというようなことでは何のための改革か分からないわけであります。
その意味で、私が今、石原大臣にお伺いさせていただいたのは、これまでの委員会においてしばしば、この第三者機関、民営化推進委員会が決めるのかあるいは国土交通大臣が決めるのか、国土交通省が路線を決めるのかこの委員会が決めるのかということが議論をなされてまいりました。それが物事の本質であるかといえば、私は全くそのことは物事の本質外であると思っていまして、最終的にどのような計画が行われるにしろ、この投資主体である民営化された道路公団が投資判断を、最終的にその諾否についてきちんとした判断を行い得るような仕組みにしていかないと意味がないと思っておりまして、今の石原大臣の御答弁は、正にこの民営化された道路公団、新しい組織がその個別の路線の投資についての判断権を握っているんだということをお認めに、認めていただいたという意味で画期的な答弁であったと思いますが、石原大臣、私の今のような理解でよろしゅうございますでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君)
これも再三再四、熊代副大臣の方から御答弁をさせていただいておるんでございますが、この民営化の推進委員会は個別路線についてどこをどうするべきだというようなことを決めるわけではございません。これはあくまで、採算性の確保あるいは費用対効果分析、また金利の動向、需要見通しを、ニュートラルな、客観的な立場から見ていただいて、大原則を、どうあるべきかという大原則を総理に御答申をいただくと。そして、今の国土交通自動車の法によりますところは、国幹会議の議を経て個別路線を決定すると。これは法律上そうなっておりますので、副大臣からそうなっているという、今も法律を変えているわけじゃございませんので、今もそうなっていると。
そこで、私が申し上げたかったのは、委員の御質問のとおり、新たな組織ができる限り主体的に投資判断ができなければ何のための民営化かと、裏を返せば委員の御指摘はそういうことでありますので、私もそのように考えると。新しい組織がそういうことができるようにしなかったら何のための民営化なのかというふうに御答弁をさせていただきましたので、法律上は、熊代副大臣から申し述べさせていただいておりますように、最終的には国幹会議の議を経て政府として正式にどうするかということを責任を持って決めさせていただくということを御答弁、ずっとこの委員会で答弁させていただいていると御理解をいただきたいと思います。
○松井孝治君
ありがとうございます。
私が申し上げたいのは、正に新たなこの道路整備の主体として民営化された組織ができ上がる、そうしたときの、その組織が投資主体として自らの判断を持って投資を行い得る、そういう仕組みにしなければ意味がないということを申し上げたわけでございます。
そうなってきますと、従来の道路整備の、高速道路整備の枠組みというものは、これは手を付けざるを得ない。今正に石原大臣から御丁寧に御説明をいただきましたように、従来の高速道路整備の考え方というのは、これは国幹審、国幹会議はまだ道路整備について、具体的な整備計画について審議していないと思いますので、国幹審が議論をして、内閣として、国土交通大臣としてその整備区間という路線を決めて、それについて施行命令というものを掛ける。国土交通省、従来であれば建設省が施行命令を掛けて、その施行命令を受けて道路公団は、言われた、命ぜられたものを整備するというのが基本的な考え方であったと思います。
今正に石原大臣から御答弁いただきました内容を考えますと、そのやり方について、この新しい民間主体が投資判断について自分がある程度責任持って判断をする、そういうことになってきますと、この従来の国幹審、今でいう国幹会議が議論をして、そして国土交通大臣が路線を決める、それを言われたものをそのまま施行命令という形で新しい民営化組織が、その言われた、命ぜられたままに工事をする、この仕組みは当然変えなければいけないということに論理必然になると思うんですが、石原大臣、そのような考え方でいいでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君)
くどいようですけれども、現在の法律では、国土交通自動車法の下で国幹会議の議を経て政府が責任を持って決めるというふうになっているということはそのとおりでございまして、それを今変えようという法案は提出しておりません。
現在御審議をいただいているのは、民営化推進委員会の設立に関する法律案を当委員会で御議論いただいておりますので、その変更があるのかないのか、また今後はどうなるのかという点につきましては、国交省の方から詳しく御説明をちょうだいしたいと思うんですけれども、この今御議論をいただいている民営化推進委員会においては、新たな組織に対する国の関与の在り方を含めて、特殊法人整理合理化計画で示された方向性にのっとって調査審議されることになると私は考えております。
○松井孝治君
今のこの委員会の所掌事務であるとか構成であるとか、そういうことを議論するのがこの法律の審議の目的でありますから、その限りにおいては石原大臣がおっしゃったとおりであろうと思います。
ただ、私は、この民営化組織のそもそもの役割ということを議論するときに、この民営化組織だけ作って従来の道路整備についての枠組みを見直さないということになると、とんでもない組織を作ることになってしまう。要するに、株式会社で上場を目指すと言いながら、国が、政府が、国土交通大臣が国幹会議の議を経て決めた計画は全部それはこの株式会社にやれということになってくるのであれば、およそ上場どころか、この株式会社の主体的判断というのは全くなくなってしまうわけでありまして、その意味で少し関連して御質問をしたいんですけれども、この道路公団の民営化を議論するに当たってしばしば一つの比較として出されるのが日本国有鉄道の民営化であります。これは、いろいろな方々の御苦労があって、今JR各社として基本的にはその民営化は成功した。まだまだ課題は残されているというようなことはありますけれども、基本的には成功している事例だと思うんですけれども。
これは確認的に、今日、鉄道局長にもおいでいただいておりますので、確認的に御答弁いただきたいんですけれども、JR各社の投資判断、これがどういうことになっているのか。特に、そのシンボリックな問題としては、新幹線というのは鉄道の中でも最も幹線的な鉄道であって、これについては国が相当整備計画について関与しているわけですが、例えばこの新幹線の整備について、国はどのような計画を作り、その国とJR各社の判断というのはどのような関係になっているのか、具体的な投資判断について、それについて簡単に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(石川裕己君)
まず、JRの投資判断でございますが、JRは、他の鉄道事業者と同様に、事業に関する投資判断というものはその会社自らが行っているところでございます。
それから、整備新幹線につきましては、これは現在どういう形で建設を行っているかと申しますと、整備新幹線につきましては、国の計画で、整備計画に基づきまして鉄道建設公団がこれを建設をし、保有をし、JRがそれを利用するという形になってございます。
したがいまして、整備新幹線を新たに着工する場合には、当然のことながら、収支採算性や投資効果等を厳密に検証いたしますけれども、併せましてJRの同意というものを確認した上で、財源等の手当ても確認した上で着工することとしてございます。
○松井孝治君
鉄建公団の議論をいたしますとまた上下分離のような議論になりまして、ここの委員会でその上下分離の議論をしてもなかなか議論が煮詰まらないと思いますのでその話はやめますが、私が伺いたかったポイントは、JR各社には投資についての少なくとも同意、JR各社の同意がなければそれは、投資は進められない、これが当然の考え方であると思います。
石原大臣、ここから先の話はあるいは大臣としては御答弁されにくいお話かもしれませんけれども、この民営化された組織、道路公団の民営化された株式会社などができましたときに、国が何らかの計画を作ることについて私はそれを否定するものではありませんが、国が例えば国幹会議を経て何らかの整備計画を作った、作るにしても、その実際の投資判断についてこの民営化組織が同意しない限りは投資判断を行えない、そういうスキームにするべきだと思われませんか。そういうスキームにしない限り、この民営化組織の在り方を考えて、何のための民営化か分からなくなってしまうとは思われませんか。
○国務大臣(石原伸晃君)
松井委員の御指摘は一つの、見識ある一つの意見であると拝聴しておりました。
○松井孝治君
今の大臣のお立場ですと、それ以上の御答弁は難しいのかもしれませんけれども、是非、今日この委員会における議論で大臣が今のような御答弁をされたわけですから、この法律が通りまして、我々会派としての賛否は別といたしまして、この法律が成立いたしました後の、この民営化組織の在り方だけではなくて、従来の高速道路整備のスキームを見直さないとこの民営化組織が生きた形にならないということは是非委員各位にも御理解をいただいて、また行政の関係者にも御理解をいただいて、新しい制度設計をしていただきたいと思います。
そこで、若干関連して、話題を変えますけれども、鉄道局長から今御答弁いただきましたけれども、今日は自動車交通局長にもおいでをいただいております。
現在、道路というのは、皆様御承知のように、いろんな法律に基づく道路があるわけでございまして、道路運送法上の道路というものがございます。有名なところでは関東では箱根ターンパイクなんというのがありますけれども、相当の路線が全国にあって、全部で全国で、私の知識が間違っていなければ四百キロメートルぐらいの供用がなされていると思います。
これは、簡単に言えば、株式会社が道路を建設し管理をする。そして、それについてのいろんな、当然、道路ですから、一般道路についていうと、いろんな方の利用を排除しないとかいろんな規則はありますし、その管理の安全性についてのチェックも当然掛かるわけでありますが、この道路運送法上の道路、要するに株式会社が建設して運営するような道路があって、それについて具体的な投資判断、あるいは安全の確保、これについて今どのような株式会社と行政の関係があるのかについて、自動車交通局長の方から簡単な御説明をいただけますでしょうか。
○政府参考人(洞駿君)
道路運送法上の自動車道というのがございますが、これは昭和三十年代から四十年代に整備されたものが多く、現在は、先生今おっしゃいましたとおり、全国で三十三事業者四十四路線、総延長にして四百十二キロが供用されております。この道路は、道路法上の道路以外の道路でございまして、道路法上の道路ではございませんで、主として観光道路等の性格を有するものが多いというのが特徴であります。
自動車道事業にかかわります施設管理や投資判断というのは、当然のことながら経営主体でございます自動車道事業者が行っております。国といたしましては、道路運送法に基づきまして、自動車道の技術向上基準等に適合するよう、工事の施行に当たっては、国の認可、あるいは供用前に完成検査等を行って安全性をチェックする、供用中におきましては、適切な維持管理及び検査を行うことを自動車道事業者に義務付けて安全の確保というものをチェックしているというところでございます。
○松井孝治君
道路局長にお伺いしたいんですが、今、一般の、道路局長所管の道路行政では道路は公的主体の管理になっていますね。今、自動車交通局長、同じ国土交通省の中の自動車交通局長さんの方から御説明があったんですが、この道路の管理について、今、自動車交通局長さんが認められたような、現実に存在するような法体系ですね、民間事業者が建設し管理をする、公的部門はそれに対して必要なチェックを行っていく、こういう管理手法を導入するということについて、道路局長としてはどのようにお考えでしょうか。端的に、いろんな背景はもう結構でございますので。
○政府参考人(大石久和君)
今、自動車交通局長から御説明いたしましたように、一般自動車道、運送法の道路は延長は全国で四百キロ、一般の自動車あるいは道路ネットワークを補完するごく一部のネットワークでございまして、このような形で整備する手法を取っておるわけでございますが、一般の道路は地域の利用でありますとか、あるいは国土の開発といった観点に極めて大きく影響を及ぼすものでございまして、したがって公物ということになっておるわけでございます。
公物ということになりますと、その計画や運営の在り方、あるいは整備手法の種々の具体的な方法について公が関与しないというようなことはないのではないかというように考えてございまして、現に、現在御議論いただいております高速自動車国道等につきましても、償還主義という考え方を裏返って見ますると、公的な関与というものを当然のことながら前提としている、我々もそのような考え方を持っておるということでございます。
○松井孝治君
私は、公の管理をなくせなんということは一言も申しておりません。今、自動車交通局長さんからお話があったように、道路運送法上でも公の関与はあるわけであります。
問題は、これはもう時間の関係で確認をいたしませんけれども、一般の鉄道事業者についていっても、その軌道、一部の、さっきの鉄建公団が所有しているというのがありますけれども、一般の鉄道事業でも、これは鉄道の軌道というのは、これはJRであったりあるいは民鉄が保有しているわけですね。今おっしゃったように、道路運送法上の道路、箱根ターンパイクはその株式会社、保有している株式会社がその管理をしているわけです。もちろん公のチェックは入ります。公のチェックは入りますが、そういう形態で、世間一般でいうところの公共物だと民間の一般人は思っていますが、そういったものが管理をされている。
じゃ、鉄道あるいは箱根ターンパイクに代表されるような一般自動車道、これが非常に危なくて事故が非常に多くて困ったものだと、もっと規制を強化しなければいけないという議論は、私は一般人としては聞いたことがない。そういう状況にある中で、今回、日本道路公団を民営化組織にする、しかも上場していく、こういう方針が政府として表明されているわけであります。
当然のことながら、整備の在り方、先ほど、私の理解するところでは、石原大臣の御答弁は、この高速道路の整備の在り方についても変えていかなければいけないのではないかということを示唆される答弁であったというふうに思いますが、この道路、高速道路の管理の在り方についても、鉄道の例とかあるいは道路運送法上の道路、いわゆる民間の株式会社が建設、保有する道路というもの、こういうものが存在している。しかも今や、従来であれば運輸省と建設省で分かれていたわけですが、同じ国土交通省の中にそういう交通ネットワーク、交通インフラの管理について新しい考え方がもう既に取り入れられている部分があるわけでありまして、これについて、やはり民営化組織の今後の在り方を考えたときに、この道路の管理の在り方についても、従来の、これは道路というのは公共のものであって国が全部管理をするんだ、建設については国が全部命令するんだ、管理も国が責任を負わなければいけないんだという考え方はそろそろ見直していく必要があるんじゃないかと思うわけであります。
この点について、石原大臣、どのように、鉄道局長の御答弁、あるいは自動車交通局長の御答弁を踏まえて、そして今の道路局長の御答弁を踏まえて、この道路管理の在り方について、本当に従来のまま一切変えないという考え方なのか。
それは民営化組織が今後どのような活動をするのか、これは大きく影響しますね。例えば、道路というものをこの民営化された日本道路公団が本当に所有するということになれば、それは税金の問題もいろいろかかわってきます。減価償却をどう考えていくかにもかかわってきます。この民営化組織の在り方と密接不可分の問題だと思いますが、この問題について、従来の考え方、先ほど道路局長が御答弁された考え方についてもこれを一切変えないということではなくて、この考え方の変更も含めて、この委員会で、あるいは将来的には政府部内で検討するべきだとお考えかどうかについて、石原大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君)
ちょっと幅広い将来的な御質問だったというふうに感じるんですけれども、旧運輸省の道路運送法上の自動車道ですか、それと道路局の、建設省の道路局であったところの道路法上の道路というものは、両局長から答弁されたように、営利事業として民間が管理している道路と公共公物としての管理されている道路と性格が異なるから所管部局が分かれているという御説明であったと思うんですね。これは説明としては理解できることだと思います。
委員の説明、質問は、将来的に民営化の組織、民営化された組織、どういう組織になるか分かりませんけれども、その組織が管理、運営するようなものがこれから出てくるんだから、そのときこのままでいいのかと、鉄道との対比からどう考えるかというのが御質問の趣旨だったと思うんですけれども、私は国交大臣ではないんで、行革の立場からいえば、将来的には、ただいま委員が御指摘にされましたような道路管理の切り口というものは、将来的には検討に値する一つの考え方ではあるんではないかと考えております。
○松井孝治君
私が申し上げたいのは、この民営化推進委員会において、この民営化される道路公団、新しい道路整備を行う、高速道路整備を行う株式会社になろうと思いますが、そこがどこまでのことを行うのかということはやはり議論をしていただく必要があるんじゃないかと。そのときに、正に投資判断として、従来の国が決める、そして道路公団に命令するというこの道路整備の考え方、これについては恐らく見直すんだろうなと、その見直しについてこの委員会で議論をされるんだろうなということは、石原大臣の御答弁で私はそう感じました。それに加えて、道路の管理、保有の在り方についてもこれは議論をしておかないと、この新しい民営化組織がどこまでのミッションを負うのかということをはっきり議論をしておかなければしようがないんじゃないか。
今申し上げたことは、要するに鉄道の、あるいは道路運送法上のその施設の整備主体、この主体の在り方、それと公的、国の役割分担というものを参考に、この民営化組織と国の関係、道路管理についても従来の国の考え方、道路法上の考え方ではなくて新しい管理の考え方、例えばこの民営化組織が道路を保有する、所有するということまで含めてこの委員会で議論をしておかないといけないんではないかと私は思うんです。それを今、石原大臣のお立場でどう変えろというところまでは言えないというのは分かりますけれども、この委員会での審議事項については、従来の道路法上の道路管理の考え方を変えると、変えるのかどうかということも含めて議論をするというふうに理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君)
そこは委員の、選任された委員の方の御議論に、御議論をまつことになるのは当然だと思うんですけれども、論理的には、民営化される組織がどういう形で民営化されるのか、それによりまして保有と管理がどうあるのかということも変わってまいりますが、一般論として言わせていただくならば、もう現に今日ここで、内閣委員会でこういう御議論があったということは議事録にも残りますので、熊代大臣が再三答弁さしていただきましたように、改革意欲に富んだ見識のある方、一辺一党に属さない方でありますので、この議論を必ずや見ていただいて、そういうところにも踏み込んで議論がなされるのではないかなと思いますが、いずれにいたしましても委員の議論をまつとしか今の段階では申し述べることができないのではないかとも感じております。
○松井孝治君
分かりました。
石原大臣は行革担当大臣でありますから、若干行政組織についての御見解を承っておきたいんですけれども、今、国土交通省という組織が発足して一年余りたちました。従来の運輸省と建設省が一緒になったわけですが、例えば新しい民営化された組織、これが本当にどこの部局の所管であるのかというのは、この民営化組織の性格がはっきりした段階で議論をされるんだと思います。
私は一つここで問題提起をしておきたいんですが、本当に鉄道局、そして自動車交通局、そして道路局、こういった縦割りでいいのかどうか。あるいは、例えば民営化された道路公団というのは自動車交通局の、今の所掌事務でいえば自動車交通局の所管であっても全然おかしくないんではないか。別に自動車交通局に所管を移せと言っているわけではありません。ただ、そこは道路行政の見直し、先ほど来私が議論をしております道路整備についての基本的なフレームワークをどう見直すのか、あるいは道路管理の在り方をどう見直すのかということがこの委員会で議論されますならば、その結果も受けて、本当に道路局というのはどういう存在なのか、道路局とこの民営化された道路公団、新たな整備主体との関係をどういうふうにとらえるのか、そこに何らかの利益相反なりがあるのかないのか。
あるいは、鉄道局や自動車交通局の所掌事務との関係ということを含めて、やはり私は、そもそもの国土交通省を一つにしたというのは、総合的な交通体系をいかに整備するかということがその大きな目的であったところでありまして、これは坂野室長が一番お詳しいわけでありますが、その国土交通省の統合目的、再編目的ということに照らして、私は道路局、自動車交通局、そして鉄道局まで含めてその組織の在り方あるいは行政手法の転換について議論をなすべきであると、そのように考えておりますが、行革担当大臣としての私の今申し上げたことについての感想を賜れば有り難いと思います。
○国務大臣(石原伸晃君)
ただいまの松井委員の御質問にお答えする前に、これだけちょっと言わせていただきたいんですが、道路というのはやっぱり基本的には無料が大原則だと思うんですね。じゃ、なぜ有料道路が、道路公団という公団が昭和三十一年にできて、これだけ高速道路網を整備してきたかということは、やっぱり財政事情が一つあったんだと思います。そして、日本の国力、やっぱり先週、前回の委員会でも御議論が出て私もなるほどなと思ったんですが、世銀から二五%借りてこないと名神も造れなかったと。しかし、世銀から二五%の建設資金、当時のお金で二百数十億だったと思いますけれども、整備しなきゃいけないほどこのモータリゼーションの発展、急速な発展というものがあったんだと思うんです。
そこで、原則ただなものに例外を作って、道路公団がお金を借りてきて、料金収入で管理や金利を補いつつ建設費を、借りたお金を返していくというこの制度が設けられたと。そういう意味でいうならば、この有料高速道路というものの所管は、本来であるならば、本来どおり、これまでどおりというんですか、道路局であるというふうに私は考えます。
しかし、今の委員の御質問は、省庁再編によってこれらが分かれている必要はないんじゃないかと、そういうことも議論の対象とすべきではないかという御指摘であったと思うんですが、行革相の立場からいえば、はい、そのとおりです、やるべきだと申したいと思っておりますが、いずれにいたしましても、ここは、先ほど、国交大臣ではないのでと、一回、前の質問のときに前置きをいたしましたように、その所管が一つの役所の中で縦割りに分かれているということについて、新しい事態を迎えてどうしようかということをまず決めるのは国交大臣であると思っております。
○松井孝治君
今、道路がただであるべきだというお話をされました。私も本当にそのとおりだと思います。しかし、現実には、高速道路がただになるのかということについて多くの国民は、その何年後、五十年後ただになる、その説明について全くの現実性を持っていません。例えば関門トンネル一つを取りましても、これ完全に償還終わっているんですね。償還終わってもただにならないんですね。要するに、ただにするというのはフィクションではないのかと。
むしろ、ただにするならただにするでもいいですよ。それは例えば民間主体がきちんと効率的に整備を行って、しかるべき料金を取って効率的に整備を行う。その後、五十年後なら五十年後に国が買い取ったっていいわけです。それが税金の使い道として一番効率的で、国民の、納税者の負担を小さくする、利便を一番大きくする道を選ぶべきであろうと思うんです。
ですから、私はただであるべきだ、そのことについて異を唱えるわけでありません。将来的にはただにこしたものはないと思いますが、しかしながら、だからといって従来の道路局の道路の整備の仕方、これが現実に、今、二〇〇二年のこの日本の現状の中でそれが正しいかといえば、そうではない。かつて正しかったときもあるだろう。私は、それについてはきちっと見直しをしていかなければいけない。
同時に、総合交通体系の整備ということを考えたときに、何のために国土交通省という役所を作ったんだということで、単に縦割りあるいは重複というようなことで整理するんではなくて、今後の交通体系の整備の在り方をどう考えるのか。これは高速道路も、例えば将来の、今の償還主義を取っていたとしても、いずれ、日本の場合トンネルや高架が多いわけですから、その償還した後、本当にメンテナンスをするだけで、ずっと将来無料でやれるのかどうか、いずれ再投資をしなければいけないというような判断があるときに、その問題についてだれも答えを出していないわけですね。ですからそこは、縦割りの、鉄道局とか自動車交通局とか道路局とかいうようなその縦割り排除という問題ではなくて、総合交通体系をどう整備していくのか、その中で民間主体の能力というのをどう活用していくのかを総合的に検討していただきたいということを私はお願いをした。それは、国土交通省の第一義的には任務であると同時に、行革大臣がやはり役所を横断した見方で論議をされていくべき問題ではないかと思うわけであります。
少し予定した時間よりも遅れておりますので、これについての御答弁は求めずに、少し話題を変えて議論を続けていきたいと思います。
私は、この委員会についても、委員会の構成についても御質問をさせていただきたいと思います。
今日は鉄道局長もお見えでございますが、国鉄再建監理委員会というものができ上がって、そしてそれが国鉄の分割・民営化というものに非常に大きな役割を果たしました。これは、その委員会だけではなくて、当時の政治家であるとかあるいは運輸省のお役人、あるいは国鉄の中の改革派の方々、さらにはそのいろんな審議会にかかわった財界人、いろんな方々がある意味では必死の努力をされた結果が今日につながっているんだと思います。その意味で、今回の道路公団の民営化推進委員会も、正にどういう人を得るのかということによって正否が決まるかと言っても過言ではないと思います。
この委員会で、あるいは衆議院の委員会で全く別の観点から議論をされた方も、そういう議員、委員もいらっしゃるというふうには承知しておりますが、私は、委員会の人選、ここで細かい、どなたを選ぶんですか、あるいは密約があるんではないですか、その議論はもう繰り返しません。
ただ、一つ伺いたいのは、この審議会委員に地方公共団体の長を任用すべきではないかという議論が午前中の審議の中でもありました。これについて端的に坂野室長に事実関係確認をいたしたいんですが、平成十一年に審議会の整理合理化に関する基本計画というのが作られています。その中に組織に関する指針や運営に関する指針というものがあったと思います。その指針に基づいて御説明いただきたいんですが、この政府の審議会にいわゆる地方代表として、個人の識見とかそういうことではないですよ、地方代表として委員に、地方公共団体の長を委員にすることについてどのような規定がありますでしょうか。
○政府参考人(坂野泰治君)
委員御指摘のとおり、平成十一年四月に閣議決定をされております審議会等の整理合理化に関する基本的計画というものがございます。これは、中央省庁等の再編の一環として定められた方針でございます。この中に、審議会等の組織に関する指針というもののうち、委員などの資格要件に関する方針がございます。
委員等については、行政への民意の反映の観点から、原則として民間有識者から選ぶものとする。国会議員、国務大臣、国の行政機関職員、地方公共団体又は地方議会の代表等は、当該審議会等の不可欠の構成要素である場合を除き委員等としないものとする。なお、国の行政機関職員、地方公共団体又は地方議会の代表等である者を、属人的な専門知識及び経験に着目して委員等とすることは排除しないものとする。このような方針が定められておるわけでございます。
現に政府の審議会等で地方公共団体の代表等を委員としている審議会、私ども網羅的にまだ調べ切っておるわけでございませんけれども、数審議会ございます。ただ、その審議会に入っておられる資格が不可欠の構成要素であるのか属人的な理由で入っておられるのか、その点もまだ私つまびらかにする状況にございませんけれども、入っておりますものの例を申し上げれば、地方分権の改革推進会議というものが現在ございますが、ここのこの会議には神奈川県知事の岡崎さん、それから鹿児島市長の赤崎さんが現に委員として入っておられますし、またそのほか、地方制度調査会、社会保障審議会、林政審議会などについても、自治体の首長あるいは自治体の議長の方が入っておられるものと承知をいたしております。
○松井孝治君
御丁寧な説明、ありがとうございました。
私は、この高速道路整備について、今この改革が必要だという問題意識を総理なり内閣として持たれる、それに至った現状というのは多くの方々の問題だと思っています。決して、国土交通省、建設省、道路局の問題だけではなくて、我々政治家、そしていろんな首長さん、この方々も入った大きな複合的な問題が背景にあったと思います。
地方公共団体について言うと、基本的に、道路公団が建設する高速道路、これについて地方負担ありません。当然それは、私も交通の不便な地域を選挙区に抱えています。高速道路が延びてくれれば有り難いと思うのは、それは人情であります。しかし、そのことと、納税者の負担、将来世代の負担ということを考えたときにどのような道路整備が必要かということを今や客観的に議論しなければいけない時期だと思っています。そのときに私は、今の高速道路整備について、阪神とか首都高とかそういう例外はありますけれども、負担をしない地方公共団体の首長さんが委員に入られるというのは、今の平成十一年に閣議決定された審議会見直しについての中央省庁改革の理念に照らしてもふさわしくないという意見を私はこの際述べさせていただきたいと思います。
言わずもがなですが、その平成十一年の閣議決定のされた審議会見直し、これについて言うと、先ほど午前中の審議で御説明がありましたが、この法律、この法律の中で内閣総理大臣の意見の遵守の義務が入っていないという御指摘が同僚議員からありました。それに対して政府側の御説明では、これは、この中央省庁改革の中でそういう当たり前の規定はもう排除しましょうということで審議会の規定について全部見直したというお話がありました。実は、その見直しというのは、この閣議決定された審議会の整理合理化にも入っていない見直しであります、そういう無駄な規定を省こうというのは。ましてや、そういう規定に基づいて、今回の道路公団の民営化推進委員会についても、無駄な規定は廃しましょう、必要不可欠なもの以外の規定は、当然のことはもう規定廃しましょうというふうに運営がなされているわけです。その行政改革、中央省庁改革の精神というのがこの法案の中にも入っているわけでありますね。
ましてや、平成十一年にこの審議会の在り方の見直し、組織、運営の見直しについて、明確に地方公共団体の首長は入れるのはやめよう、あるいは官僚経験者、官僚OBも入れるのはやめましょう、国会議員も入れるのをやめましょうということを明確に閣議決定されている。この精神は、私はこの委員の人選においても是非ともこの精神を守っていただきたい、そのようにこれは石原大臣にお願いをしておきたいと思います。
質疑を続けます。
この委員の問題に加えて非常に私重要なのは、その事務局のスタッフだと思います。
この来年度の予算書を見させていただきましたら、事務局のスタッフの人件費が入っていません。これは恐らく各省庁の出向者あるいは民間からの手弁当での出向というものを前提に事務局が構成されるということだと私は理解しております。
各省からの出向者が悪いとか手弁当だからまともな議論ができないとか、私はそんな表面的なことを申し上げようとは思いません。しかしながら、やはりこの事務局、この種のプロジェクトチームを作るに当たって非常に重要なことは、その構成員が本当に日本の将来の高速道路整備の在り方をどう考えるかということについて、いわゆる親元の利益とか個別企業の利益に左右されずに将来の在り方を議論することだと思っています。
そういう意味で、私、これ是非石原大臣にお願いをしておきたいんですが、この事務局には是非とも、今も多くの方が出向されていますが、既存の利益にとらわれないような若手を起用していただきたい、そして、できれば、民営化の議論をするわけですから、財務のこととか経営のことに明るい民間人を登用していただきたい。そして、更に言うと、そこで、当然今もそうですが、国土交通省から大勢の方が出向されるんでしょう、現実の姿を見れば。しかし、その出向元の利益に反するようなことをこの委員会では議論しなければいけないということが多数あると思うんです。そのときに出向元の顔色を見ながら議論をする、そういうばかげたことにならないように、きちんとその出向された職員の方々の処遇、その後の処遇まで含めて考えていただきたいということを私は石原大臣に特にお願いをしたいわけであります。
どなたが事務局長になられるのか分かりませんが、その事務局長さんは非常に大変な任務を負われると思います。その事務局長さんが、霞が関の従来の論理からいうと、どうしてもどこかの役所の権限や利益を削ってしまうということになるかもしれません。しかし、そういう事務局長なしにはこの種の改革は成功しないのは、過去の国鉄再建監理委員会のケースを見ても明らかであります。
是非、石原大臣に、事務局の構成、あるいは事務局に出向された方々の将来の処遇、場合によっては事務局長は内閣官房なり内閣府できちっとその後引き取るんだというぐらいの気持ちでこの改革に臨んでいただきたいと思うわけですが、大臣の御見解、いかがでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君)
松井委員の御指摘を踏まえて対処させていただきたいと思います。
○松井孝治君
ありがとうございます。是非そのようにしていただきたいと思います。
坂野室長、何か御意見がございましたら伺いたいと思います。
○政府参考人(坂野泰治君)
特にございません。
○松井孝治君
ありがとうございます。
時間が大分限られてまいりました。一つ石原大臣に伺っておきたいんですが、もう端的に伺わせていただきたいんですが、この委員会にも関連はするんですが、小泉内閣の非常に大きな公約として道路特定財源、これの一般財源化ということが公約であったと思います。一部それが導入されているのは認識しておるところでございますが、肝心かなめの揮発油税の取扱いをどうするかについてはまだ手が付いていません。経済財政諮問会議や税調での議論を待つという御答弁ではなくて、この道路特定財源の一般財源化について端的に大臣の御意見を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君)
内閣の一員でございますので、税調やあるいは経済財政諮問会議の議論というものをこれ待たずして、こうすべきであるというようなことはなかなか申すことはできませんが、これはやはり、目的税が税の中でその割合を占めていくとにっちもさっちもいかなくなる、そういう観点からも議論をしていっていただきたいと個人的には考えております。
○松井孝治君
この民営化推進委員会において将来の道路整備の在り方、先ほど、民間主体と政府の関係も含めてそれは検討の対象になり得るというお話がございましたが、道路特定財源の在り方についてはフリーディスカッションでもこの委員会においてなされる予定はありますでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君)
先ほども申しましたように、経済財政諮問会議、税制調査会等々でこの道路特定財源の問題についてはもう御議論が始まっております。委員の方が改革意欲に富んだ方でございますので、そういう分野についての見識をお持ちの方がいらっしゃればそういう議論もあるものかなと考えております。
○松井孝治君
分かりました。是非幅広く、今後の道路行政についての大きな見直しにつながるような議論をしていただきたい、しかし、時間がないわけですからそれを濃密に議論をしていただきたいと思うわけであります。
さて、先ほどの道路整備の在り方を議論いたしますときに一番大きな問題は、実は私は、国幹審、従来の国土開発幹線自動車建設会議ですね、今の国幹会議、ここに問題が集約されているような気がいたします。
それは、私が申し上げたいのは、要するに、どういう高速道路を引くかということについて、これ異例ですが、従来は、主要閣僚が並び、そしてそこに国会議員、各会派を代表する国会議員が並び、そしてその国幹会議においてどこにどういうどれだけの総延長の高速道路を作るのかを決める、そしてそれを国土交通大臣が、その国幹審の審議を経てその路線を決定して道路公団にこれを作れということを命令する、その結果として、今、高速道路のこの現状があるわけで、将来の、このままこの道路公団の整備を続けるならば将来の破綻は免れない、そういうことで今回の改革につながったんだと思っております。
その意味では、私は、この枠組み、この審議会についてメスを入れないと、もう将来の高速道路整備の在り方というのは変わらないと思います。
これは、私が知る限り、この国土開発幹線自動車道建設法というのは議員立法であると承知しております。なかなか行政庁の方からは議員立法の法案の枠組みをどう変えろというのは言い出しにくい、これは我々政治家がきちんと議論をして変えていかなければいけない問題だと思っています。
そもそも、坂野室長、今日お見えですが、坂野さんが橋本行革で行政改革会議の事務局の中核的な役割を担われていたときに、我々は政策の企画立案と実施を分離しなければいけないという議論をしたはずであります。そのときに、私は当然、政府が将来の高規格幹線道の整備計画について何らかのビジョンを持つということは当然のことだと思います。しかしながら、どこにどういう路線を建設するかということまで含めて、少なくともこの民営化組織を導入したときに、整備主体として導入したときに、それを政府が決める、全部決めるというやり方がおかしい。それに加えて、立法府の各会派の代表までが加わって、具体的に言うと、政策の企画立案というよりは個別の路線の採択について立法府の意思を反映させて、そこで決めてしまうというのは、どう見ても私は、二十一世紀の行政の在り方としてはおかしいとしか言いようがないわけであります。
この国幹審、国幹会議、この見直しについて石原大臣は政治家としてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君)
ただいま松井委員がるる御指摘されましたような指摘というものがあるということは承知しておりますが、旧国幹審のときは内閣総理大臣が会長で、各党各会派の代表、衆参議員等々、また担当大臣等も入っておりました。国幹会議に変わりまして、国幹会議の会長は互選で選ばれると、そういうふうに大きく変わっているわけでございます。
そして、一度も実はまだ開かれていないんだと思うんで、一度も開かれていない以上はやっぱり一回ぐらい開かれて、どれだけ濃密な議論がなされるかということを見ないと、問題だとか問題じゃないとかというのはなかなか言いづらいのではないかと思いますが、やはり今の委員の御指摘のような指摘をされる方がいらっしゃるということも十分考えて、国幹会議が公平公正な、そして二十一世紀の日本の有料高速道路網の整備等々に対して適切な御判断をしていっていただくように希望するものであります。
○松井孝治君
もう時間がなくなってまいりましたので、最後の質問というか意見になりますけれども、私は是非、この一度も開かれていない、一度も開かれていないから一度ぐらい開いてということではなくて、申し訳ないですけれども、いわゆる政官業癒着という言葉があります。ある意味では、ある時期までどうだったか分かりません。ある意味では、この国幹審、国幹会議というのがそのシンボリックな位置付けに今なろうとしているんじゃないか。もうこの会議の在り方も含めて一度これは国会議員が提案するしかありません。行政府の方からは、なかなかこの議員立法で全会一致で決まっているものについて直すということは言えないわけでありまして、この国土開発幹線自動車道建設会議というものの存在、もうこれが要るのか要らないのか、そういうことも含めて、是非これは、今、政府・与党、自民党が中心として政権を担われているわけです。民主党が政権を担えば、これは是非とも変えていきたいと思いますけれども、政府・与党の内部でも、今日御臨席の熊代副大臣、誠に御質問させていただく機会がなくて恐縮に存じますけれども、こういう改革派の方々が議論をし始めて、国土交通省からはなかなか国幹会議つぶせとは言えないんです。この国幹会議の位置付け、これを是非見直さないと、幾ら民営化のための組織を作っても本質的な議論に及ばないんではないか、結局、国幹会議の議を経て政府が決定するという図式が守られてしまうんじゃないか、そのことを是非、再認識し、検討していただきたいことを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
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