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2002年07月23日 154回

参議院 総務委員会   議事録

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○松井孝治君

 民主党・新緑風会の松井でございます。

 質疑も大分、回を重ねていろんな論点が出ておりますが、私は基本的なことについて、大臣を中心に御質問をしていきたいと思います。

 衆議院以来、本委員会でもあるいは衆議院の委員会でも、大臣の発言は機関の長としての、機関としての発言か政治家の思いとしての発言かという議論がありましたが、私は余り国会の議論を、法律や政令ではありませんからしゃくし定規にとらえるつもりはございません、御発言の物事にもよりますけれども。どうか大臣におかれましては、率直な政治家としての思いも含めて御答弁をいただければ有り難いと思っております。
   〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕

 さて、私は、まず最初に自分の立場を申し上げておきますと、郵政三事業あるいは郵便局の業務というものは、やっぱり地域、私も田舎の方までいろいろ回らせていただいていますが、地域の生活にとってやっぱり必要不可欠の部分がある。そういう意味では郵便局のサービス、これはユニバーサルサービスということを含めて、ある程度地域社会に根付かせていかなければいけないし、もっと住民本位のサービスが提供されていかなければいけないという考え方を持っております。

 しかし、この郵政の民営化あるいは郵政改革ということで議論が数年来行われてきて、非常に分かりづらいことがございます。それは、何ゆえに、今回も郵政公社という組織、国家公務員身分を郵政公社に与えるということになったのか、これが大体、基本法、中央省庁改革基本法でそうなったとか、行政改革会議、今日も松田局長がお見えでございますが、そういう経緯で語られることが多いんですが、どうして郵政公社の業務ということについて公務員身分を与えると、役職員に公務員身分を与えるのか、これはやっぱりこの委員会において、参議院において、政策論としてどうして公務員身分を与えなければいけないかということをきちんと御説明いただいた方が良いのではないかと思いますが、片山大臣の方から御答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(片山虎之助君)

 今、松井委員言われましたように、基本法の中で国家公務員の身分を与えると、こう書いているんですね。しかし、それは法律で決まっているからそうなったということだけでは説明できませんし、恐らくその基本法を決めるときには大議論が、法律を出す前にも法律を出した後、国会でも私はあったと思います。思いますけれども、何で公務員かと、今までの公社は公務員でなかったわけですから、みなし公務員でございますから、それまでの公社は。

 恐らく、このユニバーサルサービスを確保するということ、しかもその確保すべきサービスが国民の生活保障といいますか生活基盤といいますか、そういうサービスであること、そういうことからいうと、職員については守秘義務をしっかり守ってもらう、あるいは政治的行為では中立でやってもらう等の、やっぱり公務員のそういう制約を掛けたままにする。現在は国の事業として国家公務員でございますが、そういう仕事の性格等からいってそのまま国家公務員の身分は残した方がいいと、こういう私は考え方だと思います。

 しかし、国家公務員にしますけれども、それまでも、今も現業でございますが、もっと弾力的な国家公務員にしようと。例えば、何度も言いますけれども、任用だとか処遇、特に給与だとかについてはある程度、余りほかの公務員と違っちゃ困りますけれども、むちゃくちゃ違っちゃ困りますけれども、ある程度は公社の経営にリンクしたような、そういう自由度を与えて頑張ってもらおうと、こういうことであろうと思っております。

○松井孝治君

 中立性とかあるいは守秘義務というお話がありました。しかし、この委員会でも若干議論出ていますけれども、中立性とか守秘義務といっても、例えばこれはこういう審議を聞いていただいている方、あるいは後で議事録を読まれる方によく考えてほしいんですけれども、電力会社というのがありますね。これは供給義務がございますね。それから、例えば総務委員会ですから大臣もよく御存じの通信会社、NTTであるとかあるいはサービスプロバイダーと言われるようなインターネットのプロバイダーですね、こういったところはみんな通信の機密を扱っているわけですね、国民のやり取りを。しかも、最近、サーバーに過去のログが山のようにありますから、信書のいついつのバッチ処理じゃなくて、もうストックがあるわけですね。こういう方々は当然のことながらやっぱりその業務を行う上で中立性も求められる、あるいは通信の機密を保持しなければいけない。
   〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕

 そうすると、これは民間企業で個別に行為規制を掛けて、法律でそれは罰則付きの法律をきちんと義務を課して通信の機密なら機密を守っている。あるいは電力会社がこの人は気に入らないからといって電力供給しないというようなことがあってはいけないから供給義務が課されている。こういうものは現実に民間企業に対して規制を掛けるというような形で確保されているんですね。

 何でそれでは駄目で、今回の郵政公社は国家公務員の身分を与えることになったのか、もう一度、大臣、御答弁をお願いします。

○国務大臣(片山虎之助君)

 委員言われるとおりですよ。法律で書けばいいんです。法律で書いて、個別に義務を課せればいいんです。だから、昔の公社の職員は、ある部分は公務員とみなして、公務員と同じような規制を掛けたんですよ。だから、今言われるように、電力会社や電気通信事業者や、法律に書いておればそれはそれで守られるわけですけれども、そういう議論もあったと思いますが、私は今のままで、今の現業の国家公務員の上で丸ごと公務員として残した方がトータルではメリットが大きいと、こういう私は議論だったと思います。

 議論としてはいろいろありますよ。しかし、そういうことで国会で基本法の中でしっかり決まったわけですから、我々としてはそれを尊重してやると、こういう立場でございます。

○松井孝治君

 そこのトータルとして公務員の方がいいと、ここをもう少し聞きたいんですよ、非常に大事なポイントですから。

 国民から見たら郵政公社と名前が付く、正に大臣おっしゃったように、過去の国鉄でも電電公社でもみなし公務員であって、公務員じゃないんですよ。何で今回の郵政公社は公務員なのか。今、大臣自らおっしゃったように、法律で規制すれば民間だってできる。おっしゃったような中立性とかあるいは機密の保持、民間でもできるとおっしゃった。

 にもかかわらず、何でそれを公務員でやろうとしているのか。これはひょっとしたらやっぱり職員のことを考えているんじゃないかと、公務員の身分を保持してやりたいと思っているんじゃないか。あるいは、もっとうがって言えば、総務省の中央官僚が、公務員という身分だったら人事異動で幾らでも枢要なポストを占められますから、それを保持するために公務員組織にしているんじゃないかと、そういう見方だって国民にはあるかもしれない。

 この際、やっぱりきちっと、何でトータルとして見て公務員の身分を保っているのか。いや、それは中央省庁基本法に書いてあると、改革基本法に書いてある、そうかもしれないですけれども、別の国会での話でありまして、今やっぱりここの国会として、郵政公社、その身分は公務員とするというふうに法律で書いているんだから、その政策論としての必要性、何で公務員でなければいけないのか、トータルとしての御判断を是非大臣から明らかにしていただきたいと思います。

○国務大臣(片山虎之助君)

 ぎりぎり言えば、立法政策の問題なんですよ。だから、公務員にせずに公務員的な制約を幾つか掛けていく方法を取るか、公務員にしておいて民間的なやり方を導入するか。

 今回のこの郵政公社の職員については公務員にしておいて、あなたが言いましたように、人事異動をやりやすいとか給与がどうだとかということじゃないんですよ、これは公社に任せるんですから。総務省がやるわけじゃないんですよ、任命権は公社の総裁にあるんですから。そこで自由にやらせようと。

 公務員にしておいて、普通の公務員じゃないような特別の公務員としてのやり方をやろうと、こういう立法政策上の判断でこういう形にしたわけでありまして、それはあなたが言われるように、公務員に、そうでないと公務員のことをわっと法律で書いていく、こういうやり方もありますよ。しかし、総合的にはこのやり方の方がメリットがあると我々も思っておりますし、当時の国会もそうお考えになったわけでありまして、それは皆さんで決めたんですから、私どもで決めたわけじゃないんですよ。国会で国民の意思でお決めになったんですよ。それを尊重しないというのはおかしいですよ。

○松井孝治君

 いや、それは国会で決めたんです、そのときの判断として。だけれども、今また国会に出されているんですよ。

○国務大臣(片山虎之助君)

 だから、今いろいろ判断だと。

○松井孝治君

 だから、その立法政策を今お伺いしているわけですよ。でも、今のお話を聞く限りにおいては、やっぱり民間で一生懸命やっているそういう立場の方々からいえば、何で国家公務員なのか釈然たる説明ではないと思いますよ。

 立法政策の問題だ、そういう考え方もあるけれどもこういう考え方もあるということであれば、逆に言うと、今、小泉さんがおっしゃっているような私的な懇談会でやっておられるようなところで公務員身分を外すということがあっても、それは立法政策ということで別の考え方もあり得るというふうに大臣はおっしゃっているように聞こえますけれども、そのように解釈してよろしいですか。

○国務大臣(片山虎之助君)

 最終的には国権の最高機関である国会でお決めになるんですよ。だから、我々はこういうことが正しいと思い、基本法を受けてこういう案を出しておりますけれども、いや、それは違うんだと。国会の意思としては別だというなら、どうぞそういうふうに国会でお決めになればいいんです。国会が決めるんですよ、国権の最高機関ですから。

○松井孝治君

 そんなことを言ったら、当然そうなんですよ。国権の最高機関であり、だから議論をしているわけですよ。

 余りこれで押し問答していてもしようがないですから、もう一点それに関連して、これ、十六日の同僚の浅尾委員の御質問の中で、人事院総裁が浅尾委員の、小泉さんはどんどん民間と競争させるんだと。しかし、そういう民間と競争させるような仕事を本当に公務員に就かせていいのかという質問がありました。

 それに対して人事院総裁は、郵便法の第一条において「公共の福祉を増進する」という規定がある。郵便貯金法、簡易生命保険法では「国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進する」という規定がある。そういう意味で、公社の業務の公共性が非常に高いと考えられる。こうした職務を公務員と位置付けることは戦後の時期にあったので、特別に公務員身分を付するということは、そういう考え方は理論的に整合性が取れないわけではない、非常に微妙な答弁をしておられます。

 そこで、じゃ、そうなのかなと、何となくもっともらしい、総裁の第三者的なお立場ですから、そうなのかなと思われる方も多いかもしれません。しかし、今、先ほど来の話につながるんですけれども、電気通信事業法第一条、これはですから通信事業者ですね、「公共の福祉を増進することを目的とする。」と書いている。電気事業法、電力会社、これも「公共の安全を確保し、及び環境の保全を図ることを目的とする。」と書いてある。ほかのものもありますよ。社会福祉法では、第一条では「社会福祉の増進に資することを目的とする。」と書いてある。医療法の第一条には「国民の健康の保持に寄与することを目的とする。」と書いてある。
 要するに、公共性というのはいろんな職種にあるんです。いろんな職種にあるけれども、じゃ、それをすべて公共性のある職種を公務員とするなんということを考えていたら、これはとんでもない社会主義の国家になってしまいます。我々の考え方は、そういう公共性があるからといって、それを全部役所がやらなければいけない、公務員でやらなければいけない、もうそういう考え方をそろそろ卒業しなきゃいかぬのじゃないか。

 そういう意味では、片山大臣も、私に対する答弁で、決して別に行為規制において縛って、民間事業者、それがその役割を担うということは否定されていないと思いますけれども、片山大臣、そもそも公共性のあるものについて公務員身分を持った者がやらなければいけない、そういう考え方にとらわれて今回、国家公務員身分を公社の職員に与えているわけではないということは御答弁いただけますか。

○国務大臣(片山虎之助君)

 それは公共性の程度によるんですよ。公共性の濃いものは公務員にした方がよろしい、公共性があるけれどもそれがやや薄いものは公務員でなくてもいい、そういう最終的には判断なんですね。

 そして、何度も言いますけれども、中央省庁改革基本法でそういう判断をされて国会がお決めになって、我々もそれが正しいと思って、こういうことで法案を提案させていただいて、衆議院は通していただいたわけでありますけれども、しかし委員のような意見があっても一つも構わない。それはもういろんな意見があっていいんですよ。その意見が多数を取ればいいわけでございまして、私は公共性の程度からいって公務員が適当だと、こう考えております。

○松井孝治君

 今の郵便局の具体的な業務、サービスについて、少し観点を変えてお尋ねしたいと思います。

 今回、公社化されたわけでありますが、地域、特に過疎地域、山村などにおいて郵便局が果たしている役割というのはもう参考人の質疑でも明らかになったと思います。私は、やはり郵便局がもっと多様なサービスを提供していかなければいけない、地域に密着したサービスを提供していかなきゃいけない、そういうふうに考えています。この話は片山大臣からも前向きな御答弁がこの委員会においてもあったと思います。

 今の現実の姿は、昨日、総務省の方においでいただいて確認もさせていただきましたけれども、やはりいまだに、例えば郵便を扱っているけれども封書は販売しておられない、現金書留封筒のような特別なものを除いて。ボールペンのような文房具も販売しておられないし、便せんも販売しておられない。

 もっと言うと、官署法が通りましたけれども、例えば地域の方々からいえば、パスポート、民間の旅行社か何かに頼めば手数料を払ってでも取ってくれる。しかし、郵便局に行ってもパスポートぐらい、それこそ公務員身分なんだったらパスポートの申請ぐらい受け付けてくれてもいい、若干の手数料を払ったっていいから、そういう声はあるわけですよ。

 しかし、結局のところ、聞いてみると、例えば法律上、この公社化法の実際の郵便局の事務の中の附帯業務でそれを読めるのか読めないのかという話を聞きましたら、それは読める可能性はあると。読める可能性はあるけれども、やっぱり結局、官が、そういう地域には文房具屋さんもあると、あるいはいろんなサービスを提供しておられるところがあると。そうすると、官業が、官がそれを圧迫してはいけないということで、むしろ自粛しておられるというようなお話を伺いました。

 私が言いたいのは、単に公務員の身分を捨てろとか付与するのがおかしいとかいうことじゃなくて、もっと地域のサービスを考えたときに、やっぱり職員が公務員であることによって、公社の方々自身もあるいは総務省の方々自身もやっぱり官がそこまでやってはいけないというブレーキが掛かってしまうじゃないか。それは本当の意味での地域が欲する、地域のニーズのあるサービスを提供するという本来の今回の郵政改革の本旨からいっても外れるということになっていないか、それを伺いたいわけですが、大臣の見解を承りたいと思います。

○国務大臣(片山虎之助君)

 基本的には総理がいつも言われるように、民ができることは民でやってもらう、民ができないことを官がやる、民業の補完ですね。私は、郵便局で、便せんを売ったり、封筒を売ったり、ボールペンを売ったりするところがなきゃ郵便局で売ったらいいと思いますよ。今は国そのものですから、そこは今、委員が言われるような遠慮があったかもしれませんけれども、今度は公社ですから。

 地域の状況によりますよ。そういう店が一杯あるのに郵便局が割り込んでいって競争するというのは私いかがかと思いますけれども、そういうところがずっと離れたところしかないようなところで私は郵便局がやるということについて、郵便局もやりたいと、今度の公社の経営陣もそれは是非やらせようと、地域は大歓迎だと、こういうんなら大いにやってもらったらいい。

 もうできることは何でもやったらいいと私言っているんですよ。コンビニもやったらいいと言っているんですよ。いやいや、弁当を売ってもいいんですよ。ただ、しかし、それは公社の自主性は尊重しますよ。そういうふうに私はこの法律は運用していくべきだと、こう考えております。
 それから、パスポートは我々はやりたいんですよ。しかし、これは外務省の方が、やっぱり今パスポートの偽造や何かが多いんですよね、だから本人確認をしっかりしなければなかなか難しいというお話ですから、我々は、郵便局でできる公共サービスはできるだけ増やしていきたい、しかし、取りあえずは今の証明書の申請交付の六業種を中心にやろうと、それ以外は、独り暮らしのお年寄りなんかのケアをやろうと、日用品の搬送や。あるいは、いろんな、これは事実上の協定でやるわけでありますが、例えば廃棄物の投棄の現状の通報だとか、災害現場の通報だとか、道路の損傷だとか、あるいはごみ袋を、この特定のごみ袋でごみを収集したいので、そのごみ袋の販売を市町村に頼まれて郵便局がやるとか、今一杯やっていますよ。

 私は、そういうことで郵便局がお役に立つのなら──もちろん、経費の問題はありますよ。だから、ワンストップサービスは市町村から委託料をもらうんです、機械も市町村に置いてもらうんですね。だから、それ以上お金が掛かるなら話合いでもらってもいいんです。

 そういうふうに、コストの問題もありますし、要員の数の問題はありますけれども、できるだけ地域のお役に立つような公共サービスは、民を圧迫しない限り私はやってもらう方が適当だと、こう考えております。


○松井孝治君

 分かりました。それは是非そのような形で、これは郵政公社全体がやるかやらないかということではなくて、地域の実情に応じて、附帯業務で読んでいいんじゃないかという判断を弾力的にやってほしいと思うんですね。

 今でも、例えば自動販売機なんかを構内に置いたりしておられるケースはありますけれども、どうも、これ聞いてみると、賃貸料を取れない。そうじゃなくて、スペースがあったら、多少賃貸料を取ったって、別にコンビニが中に出店したっていいわけですし、やっぱり住民本位のサービスを提供してほしい。

 その上で私の意見を申し上げれば、そういうことをやるためにもやっぱり公務員身分というものは、今回はこういう法案を出されていますが、今回、この法案を今直ちに修正してくれというふうに言えませんけれども、議事運営上、しかしながら、やはり今後はそういうことも含めて検討をしていただきたい。

 たしか、行政改革会議の最終局面においては、これは、今回のは、郵政は国営の公社でありますが、私の記憶が間違っていなければ、国有の公社という案もあったように思っております。そういう意味では、いきなり民営化というのが一足飛びにできるのかどうかは別としても、例えば国有民営という発想があってもいい、必要な職員に対してはみなし公務員の縛りを掛ければいいし、個別の行為規制を掛ければいい、そういうふうに私は率直に言って考えているわけです。

 今の大臣のお話を伺いますと、私の発想と、郵便局が担うべき業務あるいはそのフレキシビリティーという意味では近いようにも受け止められるんですが、これは政治家としての思いでも結構です、今のこの、公社化後の話になりますけれども、例えば国有民営というようなステップというのは将来的に考えられないのかどうか、これ、ちょっと大臣の政治家の思いで結構ですので、御答弁いただけないでしょうか。

○国務大臣(片山虎之助君)

 今回は国営公社です。御承知のように、国有公社という議論も議論としてはございました。

 だから、国有民営という、この民営ということで公務員の身分を外すということに御主眼があるのかもしれませんが、そこを置けば、私は、経営は民営の精神でやるということで、実質民営でやると、そういうことでございまして、ただ、公務員の身分を外せというところにもし委員のポイントがおありになるなら、そこは私は公務員の方がいいと考えております。

○松井孝治君

 そこの実質民営というところが、ちょっとこの後聞かせていただきますが、やや紛らわしいところがありまして、お話を続けていきたいと思います。

 出資規定の問題に移らせていただきたいと思います。

 今日、松田局長おいでいただいておりますが、今回の法案では、衆議院における修正によりまして、公務員組織である郵政公社が営利企業に出資ができる、これは子会社を作れる、そういう規定があります。これまで、職員が公務員であるような組織であって営利企業に出資ができる、子会社を作れるというような、そういう法人はございましたでしょうか。

○政府参考人(松田隆利君)

 お尋ねの趣旨は、国とは別の法人格を持つ組織でということであろうかと存じますが、職員が国家公務員の身分を有するもの、そういうものが民間の営利企業への出資について規定を持っているというものはこれまであったのかということでございますが、現在までのところそういうものはございませんと認識いたしております。

 ちょっと敷衍させていただきますと、こういういわゆる特別の法律に基づきます法人、いわゆる特殊法人等があるわけでございますが、職員が国家公務員の身分を有しているものが、戦後の一時期、配給公団等ですとかあるいは発足時の住宅金融公庫あるいは国民金融公庫は国家公務員の身分を有しておりましたが、その後はそういう国家公務員の身分を有するそういう特殊法人というのはございませんでした。

 ただ、今御議論をいただいております日本郵政公社は、国家公務員の身分を有するということになっておりますほか、先生御存じのように、独立行政法人につきまして非公務員型のものとそれから公務員型のもの、両方を認める制度になっておるわけでございます。

 既存の独法、独立行政法人ではこういう民間への出資規定を持っておるものはございません。しかし、今後、今回の国会で成立いたしました石油公団とそれから金属鉱業事業団を改組いたしまして石油天然ガス・金属機構という独立行政法人ができますが、これが出資規定を持っております。しかし、これは非公務員型でございます。

 しかしながら、今後、公務員型のものにつきまして全く出資規定を持たないものがあり得ないかといいますと、そういうことではございませんで、中央省庁等改革の推進に関する方針、これは中央省庁等改革推進本部決定でございますが、平成十一年四月に全閣僚をメンバーとして決定されているものでございますが、ここで決められた方針におきまして、「独立行政法人による出資等は、独立行政法人の本来業務及びそれに附帯する業務に係るもの以外には認めないものとし、」、そして、「個別法令に定めがある場合に限る」ということにいたしておりまして、個別法令で規定をすれば公務員型の独立行政法人についても出資規定を有する可能性が今後出てまいることはあり得るものと考えております。

○松井孝治君

 御丁寧な答弁、ありがとうございました。もう松田局長結構でございます、お忙しいでしょうから。

 要するに、いろいろおっしゃいましたけれども、ないんです。公務員身分を持っているこういう法人でそれが出資規定を持っているものはないんです。じゃ、ないからこれは非常に問題かというと、ほかにも今後あり得るよということを今、松田局長がおっしゃったんだと思いますが、それは役所同士の、大臣の部下ですから、そういうことも含めて御丁寧な答弁を、端的にお答えいただければそれでよかったんですが、いただいたんだと思いますが、要するに、ないんですね。やっぱりちょっと異例ではあるんです。これが法律的におかしいということかどうかは別として、異例ではあるんです。

 そこで、ちょっと人事院総裁にお尋ねしたいんですけれども、今の国家公務員法、特に百三条は、公務員の私企業からの隔離という規定がございますね。ところが、これ、そもそも公務員の組織が組織としてその中核業務に密接に関連するものを、今回の郵政公社の出資規定というのはそうなんですが、子会社として持つということになれば、国家公務員がその職務上その業務に密接に関連して私企業と様々な接触を持たざるを得なくなる。しかも、それはいわゆるアウトソースとか契約とかいう関係ではなくて、当該民間企業と公務員組織の間には出資という支配的な関係が成立するわけなんですね。

 これが適法か違法かということは別として、国家公務員法、例えば百三条もそうですが、国家公務員法というのは、そもそもこういう公務員組織が自ら株式会社を設立し得るというようなもの、そういうものをそもそも想定していたというふうに総裁はお考えになりますでしょうか。

○政府特別補佐人(中島忠能君)

 公務員法上の議論として申し上げますと、ちょっとそこは擦れ違いがあるんじゃないかというふうに思います。

 もう少し具体的に申し上げますと、国家公務員法というのは一般職国家公務員の採用とかあるいは給与を始めとする処遇とかあるいは身分保障とか服務というものを規定する法律でございます。公務組織の仕事の仕方ということについて規定している法律ではございませんので、出資をするということについての是非の判断というのは公務員法上の問題ではないというふうに思います。

○松井孝治君

 そういう御答弁でしたらちょっと角度を変えますけれども、例えば郵政職員、総務省の職員が、あるいは郵政公社の職員が、公務員ですね、その出資会社に天下りする場合、これは前回の委員会での御質問にもあったかもしれませんが、子会社の設立というのは公社法の二十一条にありますけれども、郵政業務に密接に関連する事業を行うものでありまして、出資を行う以上、その経営に影響力を行使することは明らかであります。したがって、百三条の二項にある郵政公社と密接な関係にあるものには就いてはならないというそういう規定、改正後の百三条第二項ということになろうかと思いますが、それに該当して、公社から出資会社への天下り、再就職は、原則すべて国公法百三条第一項、第二項、これ私企業からの隔離という規定でございますが、その対象、すなわち人事院の天下りの承認対象になるということは確認させていただきたいんですが、そのとおりでよろしいでしょうか。

○政府特別補佐人(中島忠能君)

 今、先生が質問の中でお述べになったような意味においてやはり密接な関係にあるというふうに認識いたしますので、人事院の承認対象になるというふうにお考えいただいて結構だと思います。

○松井孝治君

 そこで、内閣官房からおいでいただいておりますので、伺いたいんですけれども、天下り規制、今、公務員制度改革大綱において、天下り規制について、これは人事院が今個別に今の承認などを行っているわけですが、そこから、基準づくりは内閣でと、そして個別の天下り、再就職は各省の責任、人事権者の責任という改革の方向が出されています。これ、今、室長の下でその法案の準備、法改正の準備が行われていると思うんですけれども、そういう大綱に基づいて法律改正が行われるということになると、国家公務員法百三条は当然改正されるということになろうと思いますけれども、この百三条の第一項、第二項に規定するような私企業からの隔離の基準は、今後より強化されることになるんでしょうか。具体的にどのような基準を内閣として今作ろうとしておられるんでしょうか。具体的に官民の遮断というのはどういう形で行われようとしているのか、今現在で御答弁できる内容があれば教えていただきたいと思います。

○政府参考人(春田謙君)

 お答え申し上げます。

 再就職の問題につきましては国民の大きな関心の対象になっているということ、十分に受け止める必要があると考えております。

 今回の改革におきましては、第三者機関であります人事院に承認基準の設定あるいは承認をゆだねるという現行の制度を改めまして、内閣自身が厳格でかつ明確な承認基準を定め、内閣自身の総合調整の下に各大臣が責任を持って再就職の承認を行うということによりまして、国民に対して責任の所在を明確にした仕組みを整備するということにしたところでございます。

 今お尋ねの承認基準の内容につきましては、不承認とすべき権限あるいは予算関係、こういったものを明確に列挙するということなど、各大臣が行う承認審査におきまして統一的で客観的な判断の下に適正な運用が確保されるようなものとするということにしております。具体的内容につきましては現在検討中でございます。

 この承認基準につきましては詳細なものとするということが必要になると考えておりますが、その関係では政令に委任するということを考えておるところでございますが、私ども、平成十五年中に取りまとめをいたしまして、国会に提出することに予定をしております国家公務員法の改正案の法案の審議におきまして、承認基準の考え方についても御説明申し上げることになると考えております。

○松井孝治君

 要するに、まだ細かいことは決まっていないということだと思うんですね。

 そこで、これ総裁にお尋ねしたいんですけれども、これ、今のような形で大綱によって、天下り規制が内閣に移される、そして個別の承認、不承認が各省に移される、そういう状況が近い将来想定されるわけですね、大綱が現実に立法化されれば。

 そういう中で、今回の法律では、総務大臣が郵政公社がどういう子会社を作るかということについての許認可権限を持つわけですね。そして、その同じ総務大臣が、この公務員制度が変われば、その郵政公社の職員が、その郵政公社が作った、要するに総務大臣が許可した子会社に天下りをする、その承認、不承認の判断も総務大臣が行う、あるいは郵政公社が行うのかもしれません、ひょっとしたら人事権者というのは郵政公社かもしれませんね、総裁かもしれませんね。そういうことになるわけですね。

 こういうことになったときに、子会社を作るのも総務相が判断する、そしてその子会社に郵政公社の職員が天下りをするというのも総務大臣あるいは郵政公社の総裁が判断権を持ってしまう、人事院は蚊帳の外に置かれてしまうということが、今の大綱が現実に立法化されればそういう可能性が相当あるわけですが、果たしてこれで官民のしかるべき関係というものが維持できるかどうか。これは総裁の率直な御感想を伺いたいと思います。

○政府特別補佐人(中島忠能君)

 日本というのはG5の国の中でも非常に珍しい国でございまして、官庁が再就職のあっせんをするという唯一の国でございます。したがいまして、再就職をあっせんする最高責任者、その最高責任者が再就職の是非を判断する最終責任者というのは、それは駄目だろうということを、この案が公表されるとともに、もうすべてのジャーナリズムあるいはすべての評論家、最近は違った観点からですが学者の先生までもそうおっしゃっているということでございますので、今、先生が具体的に郵政公社の総裁が郵政公社の職員が出資先企業に再就職する場合に承認するというのはやはりおかしいじゃないかというのはごもっともな御意見だというふうに思います。

 この問題は何回も議論されまして、そして行政改革推進本部の事務局の方あるいはまた責任者の方が、承認基準を厳しくするとかあるいは更に詳細な公表をするとか、いろいろ御説明されますけれども、それで納得したという声は全然出てきておりませんから、やはり世の中はそれを支持していないというふうに考えてもいいんじゃないかというふうに思います。

○松井孝治君

 大臣、今非常に総裁から今の内閣の方針に対して厳しい指摘がございました。正にその郵政公社の、この法案に基づいていくと、正に大臣がその子会社を作るという責任者にもなり、そして大臣あるいは大臣の下に置かれる総裁がその天下りの審査権も持つと、やっぱりこれは世間が納得しないんじゃないか。人事院総裁が第三者機関の長としてそういう御発言が今ありましたが、どういうふうに考えられますか。

○国務大臣(片山虎之助君)

 この問題はいろんな意見があるんですよ。世間というのは何かよく分かりませんでしょう、この場合。どうもジャーナリズムが世間みたいなことを言われているかもしれませんが。大いに議論をして、一番いい方法を取ればいいんですよ。まだ決まったわけじゃないんです、これは。

 それから、我々の郵政公社の方も、全体の今の公務員の再就職、退職管理の問題の方向が決まってから適切な対応を考えようと、こう思っておりますし、それから、すぐ委員は子会社、子会社と言って、これはそんな勝手に作れるものじゃないですよ。どういうものを作れるかは政令で書くんです、ぴしゃっと。しかも、一件審査で個別の認可をして、国民が納得できるようにやりますよ。しかも財務省とも相談するんです、出資ですから。

 そういうことで、全部オープンにしていきますから、勝手に子会社を作ってどうにかやって天下りのところ、そんなことは一切考えておりません。また、この再就職についてもしっかりした基準を作って、皆さんから見ても国民から見ても、それはおかしくない、もっともだと、こういうふうにいたします。

○松井孝治君

 力強い答弁をいただいたので、これはきちんとした基準ができるものだと本当に期待をしております。

 ただ、大臣、やっぱり総裁はこの問題についてしかるべき権限を持たれた第三者機関の長ですから、その総裁の発言というのはそんなに軽んじてはいけないものじゃないかなと私は思いますよ。どうか、ジャーナリストの声が国民の声と、ジャーナリストの声も国民の声の一つですし、それを踏まえて総裁が御発言しているんですから、そこはやっぱりきちんと大臣耳を傾けていただいて、李下に冠を正さずというような運営をきちんと行ってほしいことを申し上げておきます。

 私がこういうふうに公務員の身分に何でこだわるのかというと、やっぱり従来、中央省庁を頂点とした、大臣も私も経験がありますから大臣も分かっておられると思いますが、そういう官僚の組織が政策の企画立案もやる、同時に、いろんな行政サービスの提供というような政策の実施まで全部やるという発想がやっぱりそもそも、この郵政の改革の原点であった行政改革会議でもそれはおかしいと、それは両方にとっておかしいと。

 行政サービスを提供している現場からいうと、そんな頭でっかちなことばかり言われても、国民に対していいサービスを提供しなきゃいかぬのだという部分もある。逆にいうと、郵政の場合がそうかどうか分かりませんけれども、政策の企画立案が非常にいろんな行政の実施の部分のしがらみにとらわれてしまって、伸びやかな国民本位の政策の企画立案ができない、だからこれをきちっと分離をしなければいけない。分離をした上で、政策評価などの形でそれがきちんとフィードバックできるような形にしなければいけないというのが根本だったわけですよ。

 しかし、今のこの公務員組織ということにしてしまうと、結局、今現場の声でも一番不安がっておられるのは、中央官僚がどんどんどんどん天下りをする、あるいは天下りという定義に入らないかもしれないけれども、総務省のお役人が実際の現場に来てパラシュートのように中枢を担われる、こういう形で本当に国民本意の行政サービスが提供できるのか、こういう不安が一番現場にはあると思うんです。これ、現場というのは労働組合の人という意味じゃありません。労働組合の人もそうかもしれないし、本当に地域でまじめに郵便サービスを担っておられる皆さん方から見てそういう不安がある。だから、そこの部分をきちんと明らかにしなければいけないという意味で私は公務員身分ということについて伺いをしているんです。何もだれかから公務員身分を引きはがすということに喜びを感じる、そういう議論をしているわけではないので、是非そこは御理解いただきたいと思います。

 そこで、せっかく人事院総裁においでいただきましたので、一つ、ちょっと郵政からは外れるんですが、お尋ねをしたいことがございます。

 それは、そもそもこの公務員制度全般、この郵政の問題もそうですけれども、私は、役人がいったん何とか省、総務省であるとか郵政省であるとか、そこに入省したら一生その省のために働く、その省はその働きに応じて処遇する、天下りも含めて、こういう気風が現実にあるわけですね。しかし、こういうことがある意味では国益よりも省益を前に置いてしまうという今の公務員のモラルの低下につながっているんではないかと思うわけであります。

 郵政関連でも、総務省の職員の方が公社に出向しても、結局、総務省の監督部局の顔色ばかり見ているということになったら、何のためにこの郵政改革を行っているのか、これだけ労力を費やしているのか分からなくなってしまうと思います。

 そういう意味では、もう何か学校を卒業したらすぐにある役所に勤めて一生そこに働くんだという考え方はちょっと見直して、外部の方を、例えば郵政でも例えば金融関係の仕事をした人が郵政公社に入ってくる、あるいは一般的な公務員制度で外部のしかるべき経験した人が途中から公務員の世界に入ってくるということを、もっと官民交流を、本当の意味での官民交流を、リボルビングドアという言い方もしますけれども、そういうことを、健全なものを促進していかなきゃいかぬのじゃないか。

 そのためには、やっぱり私ハードルが高いと思うんですね、今。やっぱり私も民間の方と、出向されてこられた方なんかとも一緒に仕事をしたことがありますけれども、役所の仕事の仕方というのは民間とは大分違います。その中で、役所の仕事の仕方を覚えるのに一年二年すぐ掛かってしまう。そうすると、せっかく能力は非常にあるけれどもその役所の仕事に生かせない。したがって、民間から役所に途中で中途で入ろうと思っても、役所側もそういうなかなかすぐ即戦力にならないと言うし、民間側も役所に行ってもうまく能力を発揮できるかどうか自信がないという方が多いですね。

 そうした中で、今後の人事院、公務員制度改革の中で人事院の役割についても随分触れられていますが、一つの機能として、外部から中途採用する、そのときに、中途採用されるとき、例えばアメリカだったらいろんなガバメントスクールというのがあって、そこでミッドキャリアでいろんな政府における仕事の仕方みたいなことをトレーニングを積んで、プロフェッショナルスクール、大学院レベルのプロフェッショナルスクールがあってそこを経た人が途中から各省に入るなんということがたくさんあるわけですが、そういう研修組織のようなものを例えば人事院の今後の一つの機能として設置するというようなお考えはございませんでしょうか。

○政府特別補佐人(中島忠能君)

 御提案は非常に重要な御提案だというふうに思います。

 また、官民交流といいましても、実は日本の場合にはそれぞれの省庁の政策形成の中枢部にまで外部の人が実は入ってくるというのは非常に少のうございますので、本当の意味の官民交流というのはまだまだだという感じがいたしますけれども、しょせんは、それぞれの幹部公務員の皆様方の意識改革の問題だというふうに思います。

 ただ、最近、随分官民交流が進んでおりますので、意識改革というのは私たちが想像しているよりも早く進んでいくだろうという気がいたします。その場合に、公務員として仕事をしていただくわけでございますので、公務員としての基本的な心構え、仕事の仕方も含めまして、そういうことを徐々に研修していくということは大変大切なことでございますし、努めていかなきゃならないというふうに思います。今、そのための特別な組織を作るとか研修所を作るとかというところまでいかないと思いますけれども、そういう中途採用者に対する研修というものをやはり今の人事院の研修施設というものを使いまして徐々に拡充していきたいというふうに思います。

○松井孝治君

 是非その辺りは、人事院の役割がどうせ大綱をどう具体化するかにおいて問われていくと思いますが、一つの重点分野としてやっぱり民間から公務に入ってきていただきやすいような環境を整えていただきたい、そのことはお願いをさせていただきたいと思います。

 次の話題に移りたいと思います。

 人事交流の問題でございます。この委員会でもファイアウオールをどう設けるかという議論が随分行われてございますが、郵政公社が設立された後、公社が実務を担う、そしてその監督官庁であり制度企画官庁は総務省の郵政企画管理局が担われるというふうに考えています。

 これ、諸外国の例を見ますと、事業主体とその監督官庁の関係を言いますと、そもそも、これEUの資料があるんですけれども、EUでいうと多くの国はセパレートレギュレーター、別の規制権限者がミニストリーとは別にあるというところが多数を占めています。これは郵政事業に関してでありますが。

 やはり私、この郵政事業について、監督官庁と郵政公社の関係をどう整理するかというのは非常に重要な問題だと思います。人事交流というものを、この委員会でもファイアウオールを設けるという話がありますが、そもそも総務省の中に郵政企画管理局があるという形でいいのかどうかも議論がある、百歩譲って、総務省の中に郵政企画管理局があって、そこで監督権限を持っているということがいいにしても、やっぱりそこの、外国ではそのレギュレーターと公社との関係はあえて別の組織にしている、公社の所属と。というぐらいに、規制官庁と規制される側の関係というのはやっぱり襟を正さなければいけない、そのように考えております。

 そうした中で、役員についてはノーリターンルールを基本的に運用するというお話がございましたが、考えてみると、例えば総務省の郵政企画管理局にいらっしゃった方が公社に出向する、ちょっと前まで、昨日まで監督官庁にいた人が公社に行く、そういうことがあり得るわけですね。また、逆に言うと、公社に行って一生懸命営業努力をしていた、ヤマト運輸さんが参入されるかどうか知りませんが、例えばヤマト運輸と競争して頑張れと言って営業をやっていた人が今度は規制部局に戻る、あるいはそうやって営業していた人が今度は郵政公社の業務を評価するサイドに戻る、こういうことが当然起こり得るわけですね。

 ですから、そういう意味でファイアウオールはきちんと設けなければいけないんだというふうにおっしゃっていますけれども、本当にこういう人事交流、言葉で言うと人事交流ってきれいですけれども、正に監督と被監督の関係にある、あるいは監督者はその郵政公社と競争する民間主体も含めて監督をしなければいけないときに、こういう方が、役員に限らず職員がこういうふうに行ったり来たりするという関係で果たしていいものでしょうか。大臣、どういうふうに思われますでしょうか。

○国務大臣(片山虎之助君)

 今の郵政事業庁が郵政公社になるんですよ、取りあえずは。公社ないんだから、郵政事業庁が公社になるといって基本法にも書いているんで。だから、当面はそれは役所とできた公社と行ったり来たりある程度しますよ。しかし、しますけれども、今少なくとも松井委員が言ったようなことにはしません。

 ファイアウオールというお話でございますが、ファイアウオールを設けましてきちっと基準を作って、昨日まで郵政公社で仕事をやっていたのがそれを監督するところにすぐ帰るとか、あるいは民間との競争の云々とか、そういうことについては、いろんな疑惑というんですか、懸念というんでしょうか、そういうことを持たれないような人事の配置をやると。

 そういう意味がファイアウオールと、こういうことでございますけれども、だんだん公社自身が採用していってプロパーを育てていくんですよ。ただ、それまではやっぱり今の郵政事業庁の職員さんが中心でやるのはしようがないんで、できるだけそこは透明ではっきりした基準の下に、それこそ国民の目から見て納得できるような、そういう交流をしてまいりたいと。全く行ったらもう帰ってくるなと、役員はいいですよ、しかし職員はそんなこと当面はできませんよ。そこは十分委員の御懸念も念頭に置きながら考えてまいります。

○松井孝治君

 それは非常に大事なポイントでありまして、例えば財政と金融を分離したときに、あれも同じ公務員組織ですから当然、中央省庁ですから、あれはたしか部長以上で行かれた方はもう基本的にノーリターンで行くというような基準を作って運用されたと思います、大蔵省から金融庁に当時移られた方は。

 ですから、やはりこれ、特に中央官僚の場合、例えば課長クラスで総務省にお勤めである、そうなると、一般的に言えば、公社であるとかあるいは地方の出先であるとか行かれると、大臣御承知のように、大臣も御経験されていますが、ワンランクかツーランク上になるんですね。中央省庁で課長というのはやっぱり非常に大きな権限を持っていますし、その分野についてはやっぱり最終権限者に近い者である。
 他方で、郵政公社に行って、それは課長が何になるのか、部長になるのか何になるのか分かりませんけれども、それは公社の設計である程度人事的にどういう処遇をするのか決められるんでしょうけれども、非常にやっぱり中央省庁の課長クラスの方が行かれるとそれは責任は重い立場に行かれます、常識的に言えば。だから、私はそういうものを行ったり来たり、当然、郵政事業庁の今の方々が行かれないと郵政公社はできません。そんなことは当然です。ですけれども、やっぱりしかるべき、役員なんというのは、ある意味ではそれこそ長官を経験されたような方が役員に行かれるというぐらいのポジションでありまして、もっとその下のレベルでも十分、中堅幹部の職についてはこれはやはり紛れがないような厳正なファイアウオールというのを作っていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(片山虎之助君)

 言われるとおりに、私もそういう配慮は当然必要だと、こう思っております。だから、郵政事業庁から行っていただきますけれども、ずっと公社で骨をうずめてもらうという方もそれはもう当然何人もできると思いますよ。ただ、やっぱり交流もしないと、こっちの方の何といいますか、活性化というのか、そういう刺激も必要ですから、だからどの範囲でどういう交流をするか、これは十分これから検討してまいりたいと思いますし、経営の責任をお持ちになる総裁となるべき人も設立委員の中に入っていただきますから、設立委員の段階でも設立委員会みたいなものができるんでしょうから、そこでも十分な御検討を賜りまして、やっぱり透明でいろんな心配がないような、そういうことにしなきゃいかぬと私も考えております。

○松井孝治君

 よろしくお願いします。

 そろそろ時間も迫ってまいりましたので、ほとんど終わりの方の塊の質問に移りたいと思うんですが、この新しい郵政公社ですが、やはりこれは現場が中心の事業体でなければいけない、やっぱり地域の住民という非常に大きな顧客に対していいサービスをする、それが基本となった組織でなければいけないというのはもう言うまでもないと思うんです。これは別に今までの組織を悪口言うというわけじゃなくて、役所の組織なんですから当然なんですけれども、やっぱりほかの役所と並びで、地方郵政局とかそういうものがあるわけですね。これは言ってみれば中間管理主体ですね。例えば、各管区ごとに人事管理をやったり予算管理をやったり、そういう組織は役所ですから今あるわけです。別にそれを悪口言っているわけじゃありません。ただ、こういう中間管理的な仕事というのはやっぱりできるだけスリムにして、顧客サービスを前面に出した組織にしていかなければいけないと思うんです。

 その意味で、この地方郵政局、これ、もしあれだったら、せっかく副大臣、政務官御出席いただいているんで副大臣から御答弁いただきたいんですけれども、地方郵政局というのはこれは郵政公社の中の内部部局になると考えていいですね、端的にそこだけ教えていただけますか。

○副大臣(佐田玄一郎君)

 現在の地方郵政局のような中間管理機関の在り方につきましては、公社制度の中で大きな検討課題としてこれからも検討していきたいと、かように思っております。その在り方につきましては、自律的、弾力的な業務運営を行うとともに、組織、職員数をスリムで効率的なものとすること等を基本として、まだ検討中でありますけれども、検討していきたいと。

 いずれにいたしましても、公社の組織というのは、最終的に設立委員や総裁となるべき者が公社設立の趣旨に踏まえましてこれからじっくりと検討していきたいと、かように思っております。

○松井孝治君

 この人事管理、予算管理、なかなか大変なことかもしれませんけれども、やっぱり役所の組織なんですね。三月期の決算、大臣、八十億円の黒字が出たということで胸を張っておられましたけれども、一月ぐらいまでは三百億円ぐらい赤字が出るというふうに言っておられたわけですね。それで、早期勧奨退職の方なんかも、これは赤字が出るから大変だといって年度を越して四月に退職される、三月末じゃなくて四月に退職、ふたを開けてみたら黒字出ているじゃないかと、そういう経営の読みの甘さもあるわけですよ。これは別に悪口言ってもしようがないです、役所の組織なんだからしようがないんですけれども、やっぱりそれはできるだけこれから効率的なものにしていかなきゃいかぬ。だから、それを、やっぱり余り業務に精通しておられない方が中央からぽんと来られて名誉職的にやっておられるというのは、ちょっとこれはスリムにしていかなきゃいかぬ。今のお話だと、中間管理組織は基本的にもうその役所の中からは外れて郵政公社の中でできるだけスリム化するという方向でしたから、是非ともそうしていただきたいと思います。

 それから、それと並んで私、ちょっとよく分からないのは、郵政監察局というのがありますね。この監査部局というのを、これ、今後、郵政公社に置くということなんでしょうか。そもそも私は監査部局を、まあ企業でも査定部局が企業の内部には小さなものはありますけれども、それをそもそも総務省に置いておく必要があるのかどうか、警察なり行政監察という制度があるわけですから、それを何重にも総務省の中に置いておく必要があるのかという思いもありますが、更に言うと、公社の中に置くという話をちょっと聞いたんですね。これは本当に、今後ある種の、公務員が構成員ですが、企業体として企業会計制度を導入してやっていかなきゃいかぬときに、本当に公社の中にこんな割と巨大な監察部局を持っているという必要性はどこまであるんでしょうか。また、公社の中に置いたということでは結局意味がなくて、そんなものは警察に任せたらいいんじゃないか、厳正な執行に任せたらいいんじゃないかと、しょせんお手盛りと言われるわけですから。

 そこについて、副大臣で結構ですから、御答弁いただきたいと思います。

○副大臣(佐田玄一郎君)

 郵政事業は日常生活に必要不可欠なサービスを提供しておりまして、国民が安心して提供を受けられるよう適正かつ確実な実施を確保する必要性があるということから、それを妨げる郵政事業に対する犯罪につきましては、これは同じく厳正に取り締まっていかなくてはいけないと、こういうふうに考えているところでありまして、郵政事業に対する犯罪は、郵便物の窃盗などその犯罪の端緒を発見することが困難であり、かつ業務の取扱い手続も専門的であるため、その捜査には専門知識が必要であると。今までもそういうことなんでありまして、そこで、郵政事業を実施する郵政事業庁内部に置かれました内部監察調査機関の職員に司法警察権を付与して捜査を行わせているものでありまして、公社化後においても、この郵政監察局の設置の必要性は変わらないと考えているところでありまして、引き続きそういうふうな形で検討をしていきたいと、かように思っております。

○松井孝治君

 何か、心なしか副大臣も答弁を読まれていてちょっと苦笑いをしておられたような気が私はしましたけれども、やっぱり官僚組織の発想なんですよね。ほかの、じゃ国民生活に密接なものとかお金を扱うもの、正に郵貯、保険もそうですけれども、競合会社だってそうなわけですよ。八百屋さんだってそうなんですよ。やっぱり、これから公社でもっと住民サービスを徹底するというときに司法的権限を持ったようなところを内側に置いてもしようがないんじゃないかと。それであれば、治安も悪くなっているんだからその定員を警察に差し上げてきちっと警察によって管理してもらった方がいいんじゃないか、チェックしてもらった方がいいんじゃないかと私は率直にそう思います。

 いずれにしても、もう時間が参りましたので終わりますけれども、やはりこの郵政公社、どうもお話を聞いているとまだまだ官僚的色彩が強いと思うんです。そういうことにならないように、公社ができましたら、やっぱり公社になって変わったな、職員の士気も上がったな、そして合理的になったな、そういうふうに言われるような組織でなければいけないし、また天下りの問題とかあるいは人事交流で、規制と規制を受ける側の癒着のようなことがささやかれないように厳正な運営をしていただきたいことをお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。


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