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○松井孝治君
民主党の松井孝治でございます。
昨日の一般質疑で、石原大臣にもずっと御臨席をいただきながら質問ができなかった公益法人改革についてまず質問をし、これは通告をしておりませんでしたが、今日は予算案の委嘱審査の日でもございますので、公益法人改革に関しての竹中大臣の見解も伺いますが、同時に、通告外ではございますが、予算編成に経済財政政策担当大臣として約二年間御在任の中で携われてきての御感想、あるいは今後の予算編成プロセスの改革も含めて、これは後ほど竹中大臣にも御質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、公益法人の改革、今、石原大臣が精力的に取り組んでいただいておると思います。基本的なことでございますが、昨日の委員会でも若干触れさせていただきましたが、公益法人の改革の一応視野として内閣官房で議論をしておられた範囲というのは、一義的には従来の民法三十四条法人、いわゆる公益法人、それからNPO、それから中間法人というものを視野に置いておられたんではないかというふうに認識しておりますが、そのときに、じゃ公益というのは何なのかということについて、必ずしも定義が明らかになっていないんではないか。
NPOの方とお話をしますと、公益法人の公益というものにちょっと引っ掛かりを持たれている方もおいでのようでございます。私たちはいわゆる公益法人ではないんですというふうに認識をしておられる方もいらっしゃるようですが、そもそも公益というのは何なのか。あるいは、中間法人では共通する利益ということで共益という言葉を一般的に使っていますが、共益というのは何であって、公益というのは何なのか。これは公益法人等改革の等というのはどこまでなのかという議論にもつながる話ですが、石原大臣、この公益あるいは共益という言葉の、石原大臣の御理解ではどういう定義と考えておられるのか、まず御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君)
ただいまの松井委員の御質問に百人が百人そうだという答えを出せますと、一挙にこの改革はゴールが見えてくる、そのぐらいのテーマではないかと思っております。
言葉を換えますと、この公益という言葉の聞こえの良さ、こういうこともこの民法三十四条法人が明治二十九年の民法制定以来、もう百有余年たっているわけですけれども、だれも触れてこなかった、そこに大きな問題があるのではないかと考えております。
この公益という言葉に代わりまして、時代の変遷に対して、社会に対してどれだけ貢献、社会のためにどれだけ役立っているのか、いわゆる社会貢献性という言葉が使われて久しいわけでございますけれども、この社会貢献性という言葉に公益を振り替えたとしても、その時代の社会の要求というものは時代とともに変化するわけでございますので、そのときの社会に対する貢献性、公益というものは、事象として列挙することはできましても普遍的に公益性とは何かということを定義することはなかなか難しいと、こんなふうに考えております。
その一方で、共益という言葉は、中間法人を制度として作る際に出てきた言葉でございますけれども、仲間がともに利益を得る、例でよく出されますのは同窓会等々が出されるわけでありますけれども、それでは一体この仲間の範囲はどこまでなのか、そしてどこまでが本当の仲間なのか。これは、社団や財団でのメンバーのときにも同じ議論があるわけですけれども、それによってもまた大きく変わるものではないかと思っております。
一方で、時代の変遷とともに、このような非営利、民間の非営利活動というものの果たす役割というものは大きくなってきているわけであります。公益法人は、実は今言いましたような非営利の活動を担う代表的な主体としてこれまで機能してきたわけでございますけれども、やはりその一方で、この言葉のサウンドするところ、耳障りのいいところによって大きく切り込むということができなくて様々な不祥事も起こしている。こういうものを改めていくということが今回の改革の方向でございます。
是非、公益とは何か、今の時代の公益とは何か、少なくとも二十一世紀のこれから十年間の公益はこうであるというものを早くしっかりと、今は非常に概念的なお話しかできておりませんので、ロジカルに組み立ててまいりたいと考えております。
○松井孝治君
ありがとうございます。
NPO法を見ますと、特定非営利活動の定義でこういう定義がありまして、「別表に掲げる活動に該当する活動であって、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするもの」という定義があります。
民法上の公益の定義はおっしゃるようにないんですけれども、これは「公益法人の設立許可及び指導監督基準」という文書が、閣議決定文書で平成八年の文書があるんですが、それを見ますと、「公益法人は、積極的に不特定多数の者の利益の実現を目的とする」というふうに、これは政府の恐らく公式の解釈で、公益というものはどう考えているのかということを憶測することはできるわけであります。これを見ますと、NPO法は「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的」と書いてあって、「公益法人は、積極的に不特定多数の者の利益の実現を目的とする」と。ほとんど実は同じ、有意な区別は私はこれは見いだせないと思います。
そういう意味で、今回、内閣官房での御議論の中で、大臣が懇談会も開催されて、NPOも含めて公益法人、それからNPO制度含めて、ある程度それをどういうふうにくくろうとされていたのかは私はつまびらかには承知しませんが、ある程度共通の非営利法人という制度があり、その上にNPO、公益法人、それぞれの特殊性というのは若干残るかもしれない。だけれども、その共通の土台、今、石原大臣が非営利法人という言い方をされましたが、そういう土台でくくろうとしておられたのは私は率直に言って理解できるわけですし、また逆に言うと、これだけ定義的にも近いし、NPOと公益法人、いろんなものがありますから一概には言えませんけれども、相当程度はやっぱり、導入された時代背景は違いますけれども、社会貢献、多数の者の利益の増進という意味では共通概念があると思うわけですね。やはりこれをばらばらに議論するというのは論理的には非常に難しい要素がある。
他方で、NPOの方々から見れば、いろんな問題、社会的に不祥事を起こしている公益法人がどうしても目立つわけで、二万六千ある中でそういうものは相対的には少数だと思いますけれども、そういう若干長い歴史と手あかというものにNPOの方々から見れば染まったような制度と一緒にされたくないという率直な思いを持っておられる方々もいらっしゃる。これをどういうふうに折り合いを付けて、本来であれば、ある程度統合的な枠組みの中でそれぞれの制度的な特色を生かして、土台、場合によっては二階建てみたいなものにして、非営利法人というくくりがあり、その上でやはりそれぞれの特殊性を生かしたような制度設計をするかというところは難しいと思うんですけれども、そんな議論の中で、今、特に与党サイドの方からNPOを今回の公益法人等改革から切り離すべきではないかという議論が沸き起こっているというふうに伺っております。
これについて、やはり今、私の理解では、やはり受け皿としては一つの大きな制度ができ上がり、その中でNPO、従来のNPOあるいは従来の公益法人をどういうふうに区分して扱うかということを議論すべきではないかと思うんですけれども、大臣はその辺りの与党の声、あるいはNPO関係者の声も含めて、そこら辺の制度についてどういうふうに今後議論をしていこうとしておられるのか。今の段階で可能な範囲の答弁で結構ですので、教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君)
今、委員がいわゆる民間非営利活動と、そこの上の二階建て部分という議論もあるし、それはまた難しい、方向としてはあるけれども現時点では難しいというようなお話もございましたように、私もやはり民間非営利活動の社会的なニーズというものは高まってきているという一つの側面があると思います。その一方で、公益法人制度という、先ほどの公益論の議論ではございませんけれども、明治二十九年の法の制定以来、大きな改革をしないで膨らんでしまった社会がある。これをどういうふうに位置付けて一つの改革として成就していくのかということで現在検討をしているところでございます。
委員が今質問の御開陳の中でお話しされましたように、NPO法人が非営利かつその活動領域、不特定かつ多数の利益の増進という点に着目すれば、公益法人として一緒にあるべき姿として、まあ一階建てか二階建てかという議論はおいておいても、考えていくという方向はやはり私もあると思うんです。
しかし、その一方で、さっき言いましたように、こちらに明治二十九年以来の公益法人グループがあり、平成十年にできたばっかりで、さらに昨年の臨時国会でNPO法の改正をして、さらには十五年度の税制改正でこの認定NPOを増やしていこうと。増やしていこうというか、いいものは認めていこうという形で税制改正が行われる、行われつつあるというんですか、正確に言えば。そういう個別の事情を踏まえますと、NPO法人は今回の改革の中で、与党の皆さん方が、また私も思っておりますけれども、ひとまずもう少し見守って、このNPOの中でも選別をしっかりしていくという考え方もあり得ると思っております。
そういうものを、各方面の御意見、また当委員会でも、また予算委員会でも同趣旨の御質問をいただくというように、多くの方々が関心を持ち、これからこの民間非営利活動を育てていこう、民間非営利活動としてカテゴリーを作って育てていこうということでは、反対の意見の方はこの委員会の中では私は遭遇しておりませんので、そういう皆様方のコンセンサスがある以上、各方面の意見を聞きながら、いじってこなかった公益法人制度改革というものの方向性を示していきたいと、こんなふうに考えております。
○松井孝治君
分かりました。
ちょっとその話と関連はするんですが、話題は違いますけれども、公益法人の公益性というものは、当然、時代によってそれが公益性を持つか持たないかというのは変わってくると思うんですね。
先ほど、同窓会というのを中間法人の例で出されましたけれども、もう御承知のように、同窓会、公益法人でたくさんありますね。それはゴルフ場だって自動車の教習所だって公益法人でありますね。その設立許可の時点では恐らく公益性があったというふうに判断されたのかもしれないと私は思っているんです。
ところが、その公益性は今において本当にあるかというと、必ずしもそれはなくなっているものもあるんじゃないかと、公益性がですね。今まで、これは端的にお答えいただけば結構なんですが、公益性がこれはもう社会的に消失したということでその設立許可が取り消されたような事例はありますか、ありませんか。別の理由での解散は別として、その主務大臣の許可が、公益性が失われたということで許可の取消しになられたものがありますでしょうか。これは主務官庁ベースの、都道府県知事許可ベースではなくて、中央官庁の許可ベースのもので結構です。
○国務大臣(石原伸晃君)
その点につきましては、私もどのぐらいあるのかなと日ごろから関心を持っていた点でございます。
公益性が失われたのであるならば、主務官庁は本来であるならばその法人格を取り消してもしかるべきだと思うんでございますが、調べた限りでは、平成十三年ですけれども、主管官庁による設立許可を取り消された法人は十二法人。取消処分は各主務官庁の責任において行われまして、残念ながら、探してみたんですけれども、その理由は必ずしも明確には提示されておりませんでした。
そもそもと言っては恐縮なんですが、公益法人の設立許可の取消し事由については民法第七十一条、もうこれ委員御承知のことだと思いますけれども、七十一条に規定されておりますけれども、またその取消し基準というものも素人が読んだだけでは必ずしも明確ではない。ある意味では、その適用についても主務官庁の裁量にゆだねられているため、先ほど来、私も疑問に思っている、法人がその時代の変遷とともに公益性というものを失った場合であっても、だれもが一般はそうであろうと思っても、速やかに取消しを行うことが困難である事例というものは不祥事のたびに私は出ているんだと思っております。
○松井孝治君
おっしゃるように、そういうものが恐らくほとんどない。それは、公益性の認定というものを少なくとも今の公益法人制度は主務大臣がする、あるいは都道府県知事がするという形になっているわけですが、それと法人格の存続というものが切り離せない。これも一つの弊害だと思うんですね。
だからこそ、先ほど大臣もおっしゃったような二階建ての議論があるのかないのかという議論が懇談会の中でも恐らく提起されているんだと思います。ですから、そこは公益性の認定と、団体としての存続とか設立手続というのを少し切り離して考えなければいけないのではないかなと、これは私自身は思っているところであります。
そうしてきますと、議論として若干混乱がしていると思うので、大臣、石原大臣、よければ答弁いただきたいんですが、政府税制調査会の非営利法人のワーキンググループがあって、そこで、原則今は、これは課税、非課税は国税庁の解釈と世間一般で通用している概念が違うかもしれませんが、世間一般では、いわゆるNPOというのは本来業務をしている限りにおいてこれ非課税だと。収益事業、三十三事業でしたかね、法人税法に規定されている収益事業以外は原則は非課税だというふうに理解されています。国税庁は国税庁のもうちょっと違う解釈はあるかもしれません。
これについて、政府税調の中で原則課税にするんだという議論が出ているというふうに報道されていますね。NPOは今までは原則非課税だったと、収益事業以外は非課税だったのを原則課税にするんだと。それが、公益法人改革の中でそういう議論が出てきているということで、NPO関係者には非常に動揺が広がっていますが、これは正しい理解としてはどういう議論が出てきていたというふうに承知しておられますか。
○国務大臣(石原伸晃君)
ただいまの松井委員のお話は二つの点に分かれているんだと思うんです。
すなわち、先ほど言った二階建て論の根拠となる法人格の取得と、その法人、公益性の判断というものをどう考えるのか。これはやはり委員が個人的なお考えと言われたように、私も、この設立が許可制であり、いったん法人格を取得してしまった後は時代の変化に対応することがほとんどできなくて、先ほど二万六千の十二という話をさせていただきましたけれども、公益が存続してしまうと。
そういうことを考えますと、やはりこれからの改革は、だれでもすぐに、主務官庁の裁量によることなく法人を設立することはでき、公益性という、その法人が公益性を持つのか持たないのかという判断を切り離してこの法人制度を組み立てていくということは、これからの時代に私はマッチしているんだと思います。
そこで、後段の、それならばだれでもが、官庁あるいは都道府県の裁量ではなく、だれでもが法人格だけを取得できるようになるとしたならば、それが現行の公益法人、民法三十四法人と同じように原則非課税で、今、委員が御指摘の三十三事業についてのみ課税とするものが税の理屈で成り立つのかというと、税の理屈からいえば、だれでも法人格を取得できる以上は株式会社と同じわけですから、原則課税である。
ということになりますと、NPOの側の方も、そのいわゆる一階建て部分に、準則でだれでも法人格が取得できるところにNPOが入ってしまうと、原則課税でありますので、これまでせっかく税制改正をやって、認定NPOをもう少し世間で多く認められるように制度設計をするのに、全部それもなくなってしまうんじゃないか、原則課税になってしまうんではないかというような、私は誤解だと思うんですが、そういうことは絶対あっちゃいけないことを前提に制度を仕組んでいるわけですから、そういう混乱があって、今回、私は予算委員会でも、それは誤解ですと、そういうことはない、NPOの法の精神は尊重していくんですというふうに今度の改革ではやっていくということを再三言っているんですが、現場ではそういう誤解があったことも事実だと思います。
そこで、これは私の守備範囲の外ですので、税務当局から詳しく聞いていただきたいと思うんですけれども、いわゆる公益事業以外の営利活動というものをNPOも行っておりますし、公益法人も行っております。そして、三十三業種、これは時代の変遷とともに限定列挙で種目を増やしているんですね。例えばお寺さんとか──お寺さん、適正な例じゃないですけれども、ある公益法人が駐車場を、建て替える前に、建物を建て替える前にやってそこで収益を上げたら、それが非課税だったらおかしいから、じゃ、駐車場業務を入れましょう。理髪店をやっている。じゃ、理髪店も入れましょうといって三十三に今なっておりますけれども、この一九九五年以降のネット社会でのパソコンの例えば教室は、収益事業に入っていないから入れられなくて、なっていると。しかし、それは、パソコンを教えるということが本当に公益性なのかという議論は、先ほどの元の議論に戻りますけれども、税の世界から言うと非常に、それを民間がやっているんであるならば、同じ条件で競争させなきゃいけないという理屈が出てくるわけであります。
こういうふうに、ですから、限定列挙でその収益事業を書いていく方式の限界というものもあるところで来ている。そんな中で、税制調査会の中で議論が行われているんだと考えております。
○松井孝治君
今おっしゃったことで、ある程度議論をフォローしている人間は論点が明らかになると思うんですが、なかなか国民や一般のNPOの方々からいうと分かりにくい議論かなと。
その一つの理由は、大臣がおっしゃったように二階建てで、仮に一階建ての部分はそうでないにしても、NPOならNPOというのは二階建ての制度があるんだと、それは守るんだと。あるいは公益法人なら公益法人、これを制度を改革していかなければいけないでしょうが、これも二階建ての部分はあるんだし、そこについて全部原則課税ということではないんだということがきちんと御説明されていれば今のような動揺は起こらなかったんだと思うんですが、そこは是非、大臣の方も、懇談会は私的なものですから全部公開というわけにいかないのかもしれませんが、是非、特に三月末の目途としている取りまとめというのはどうも延びそうだというふうに世間で言われていますから、そうなると皆さんいろいろ疑心暗鬼が出てきますので、しっかりと御説明をしていただきたいと思います。
公益法人改革の話にはちょっとけじめを付けさせていただきますが、今やはり大臣のお話を伺っていて、これは大臣の責任ではなくて、気に掛かったのは、税制の議論になりますと、やはりどうも聖域といいますか、今回の混乱も一つは、税制の議論は政府税調で議論しますと。それは、公益法人改革の中で、実は公益法人改革の一番中核にあるのは、こういう公益性を、あるいは広い意味での社会貢献性をどう認めて、それを社会としてどうサポートするのか、税制の面での特例をどういうふうに認めていくかであるにもかかわらず、税制の議論になった瞬間にそれは政府税調の専権事項というふうになってしまうというのは、やはり私、今回の混乱の一つの大きな要因だと思うんですね。そういう意味で、この税制の世界は特別で、これは税調でないと、これは政府税調であれ党税調であれ、税調でないと扱わせないというこの発想は、もういい加減終わりにした方がいいんじゃないかと。
特に、竹中大臣お見えでございますが、経済財政担当大臣ということで、これは税制についても経済財政諮問会議は竹中大臣のリーダーシップの下で切り込まれたわけですが、これはもう是非、私は税制の議論というのを聖域にして、それをまた、竹中大臣のお立場では言えないでしょうけれども、政府、与党が二元的に存在して、政府の意思決定を事実上別のところで与党の税制調査会が決めているというやり方は、私は本当に改めていかなければいけないと考えております。この問題は御答弁を求めません。
今日は、せっかくですから、予算の委嘱審査でございます、竹中大臣、最初に冒頭の質問で申し上げましたが、約二年間を大臣としてお務め、もう二年近いですね、お務めになられて、竹中大臣、東京財団の理事長、それこそ公益法人ですが、東京財団の理事長をやっておられてこういう「日本再生プラン」、私もこれは関係者の方にいただいたんですが、以前に、まとめておられました。
この二年間の経験を振り返って、この本の中に今、大臣のスタッフである大田弘子審議官なんかも、やはり財政改革ということで、予算編成の在り方なんかについても一石を投じておられますが、二年間経験されて、予算編成のやり方、これ従来の予算編成のやり方で続けていっていいと思われますか。
○国務大臣(竹中平蔵君)
諮問会議のシステムそのものが始まって約二年、二年強でありますけれども、その中で、私は予算編成のプロセスそのものも実は気が付いてみるとかなり変わっているというふうに思います。しかし、まだこれは始まったばかりでありますので、これをしっかりとより良い方向にしていかなければいけないというのが現状であろうかと思います。
また、象徴的な事例としてよく申し上げるんですけれども、予算編成の時期というのは霞が関が大変にぎやかになる、地方からも陳情の方々等がいらっしゃって。ところが、実はこの二年間、年末のその陳情の皆さんの数というのは、私はがたっと減っているのではないかというふうに思います。それはどういうところから来ているのかなというふうに考えると、やはりこれは、実は予算のプロセスがかなり変わったからだと思うんですね。
これはどういうことかといいますと、実はどのような政策をやっていくかということを、骨太の方針という形で六月末にこの二年間まとめております。実は、その骨太の方針のところでかなりの予算につながる政策の枠組みというのは決まっているわけですね。したがって、むしろ実は政策論としては、この六月末が一番、何といいますか、その山になるというような状況に私はなりつつあるのだと思います。これが、この点一点においても実はその予算の編成のプロセスがこう変わっているというふうに是非見ていただければなと思うんですが。
それはなぜかということになると、これは松井委員は大変御造詣が深いと思いますが、九〇年代を通して諸外国の例を見ると、財政改革に成功した国というのはほとんど共通の同じことをやっていたということに気が付きます。三つやっていたと。三つやっていたと。
その第一点は、政策をやるに当たってはその政策の目標、それを成果で、お金を幾ら取るというのではなくて、例えば住宅をこのようにするとか成果目標を立てているというのが第一点です。
第二点は、その成果目標に基づいて、それが各省庁、各大臣に非常に大きな自由度を与えて大胆にやらせているというのが第二点です。その大胆にやらせるということの中に、これは単年度だけではなくても複数年度でもいろいろやらせる必要があるのではないだろうかというようなことも入ってくるし、使い残したお金があればそれは別の目的に使ってもらってもいいじゃないだろうかというようなその大胆、柔軟さというのが、これが二点。
第三点は、重要な点は、その目標を立てさせるというふうに言いましたけれども、評価をきっちりするということなんだと思っております。この成果目標、それと大胆な実行、それと評価、この三つをどこもやっていたというふうに、これニュージーランド、北欧、イギリス等々が典型だということに気が付きます。
申し上げたいのは、実は骨太の方針とか「改革と展望」というのは、この成果目標を、まだまだ不十分ではありますけれども、どういうことをやるんだという目標を立てるという方向に、実は世界の方向に実は合致したものになっている。大臣に自由にやっていただくというのは、諮問会議に各大臣に来ていただいて、総理の前でどういうことをやるんだということを説明していただく例の大臣イニシアチブ、それはその柔軟な実行の一端になっている。
まだ評価の方が始まったばかりで不十分なんでありますが、どうもやはり気が付いてみるとなんですけれども、世界じゅうが向かっている方向、これ正にニューパブリックマネジメントでありますが、小泉内閣もまだまだ緒に就いたばかりではありますが、その方向に今足を踏み入れつつある、これを強化やはりしていく必要があるのではないかというふうに思っております。
○松井孝治君 おっしゃったとおり、私は率直に言って大分変わりつつあると思います。しかし、まだまだ不十分であると思います。
やはり、そこで一つ最後に、恐らくもう質問になってしまうんですが、今の政策評価をきちっと次の予算編成に反映させる、しかもその予算編成を財務省の主計局と各省というところのゲームに終わらせない。むしろ大枠をハイレベルで設定して、しかもそれは大衆討議ではなくて、言わばインナーのような集団を作って、首相官邸のイニシアチブの下で大枠を作って、それの大枠を決めて具体的に各省に作業させるという方針に予算編成プロセスを変えていかなければいけないし、そのときにはやっぱり目標と評価というのがセットになるべき議論だと思います。
それを具体的に行うために、例えばもっと思い切って経済財政諮問会議の事務局に予算の大枠を作る権限とかそのスタッフを集めていく。そういう財務省と経済財政諮問会議の関係も含めて、今後予算編成プロセスの中で変えていこうというおつもりがあるのかないのか、その点をお伺いして、私の答弁を、失礼、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君)
恐らく松井委員はもう答弁お持ちなのではないかというふうに思いますが、これは非常に大きな制度改革でありますから、諮問会議としては世界の例なんかもきちっときちっと議論しながら、どういうことが必要かということを予断を持たずに議論を是非していきたいというふうに思っております。
御承知のように、例えば三重県等々は大幅に変わっておりますし、割と近いところでは、実は足立区が財政課を廃止したそうでございます。つまり、主計局を廃止したということに等しくて、むしろ事前に予算を割り当てるための評価よりは事後の評価をきっちりとして予算の枠に結び付けていく。そのような形で申し上げますと、やはり日本も非常に変わりつつあると思いますので、そういうような例も参考にしながら、これは予断を持たずに忌憚なく大胆な議論をしていきたいというふうに思っております。
○松井孝治君
ありがとうございました。
今、足立区の財政課廃止ですか、言わば主計局廃止にも値するというようなことを、竹中大臣が例示とはいえおっしゃったということを非常に重く受け止めさせていただいて、これから恐らく竹中大臣が財政制度改革あるいは予算編成改革に思う存分力を発揮していただくことを期待申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
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