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○松井孝治君
民主党の松井孝治でございます。
本日は、この両法案に対しまして、衆議院で大分議論をしていただきまして我が党の修正案も取り入れていただいたわけでありますが、私個人的には、必ずしも衆議院での修正案で十分だとは思っておりません。特に、もちろんその雇用の安定への配慮あるいは中小企業への配慮というのは非常に重要なことだと思いますが、大きな点で抜けているのは、やはり納税者の視点、タックスペイヤーの視点からいって今回の法案が本当に十分なものなのか、その点について、今日の質疑を通じて両大臣の所感をお伺いしていきたいと思います。
最初に、これは機構の買取り、債権の買取りあるいは処分につきまして、衆議院の方の委員会の附帯決議におきましても、政府は、業務上の運営の透明性を確保するため、支援基準について可能な限り具体的に定めるよう努力するとともに、機構は、企業秘密に配慮しつつ、債権の買取り及び処分について積極的に情報の公開に努めることという事項が入っております。
具体的に、これは議院としての附帯決議でありますが、谷垣大臣の方はこれを受け止めていただいているわけですが、それでは、じゃ具体的にこの債権の買取り及び処分についての情報の公開としてどのようなものを考えておられるんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君)
今御指摘の衆議院の方の附帯決議ですね。私も、積極的な情報の公開に努めることという附帯決議をいただいたことは重く受け止めておりまして、可能な限り情報公開に努めていきたいと思っております。
まず法上は、御承知のように、機構の支援決定、買取り決定、処分の決定を行った際には、その決定の概要について公表するということになっておりますから、これはもちろん当然法上も要請されているわけでございます。
そこで、それを超えて具体的な価格情報などについてどこまでやるかということになるわけですが、これを直ちに公表するということは、言わば手のうちを明らかにすることになりまして、後の債権買取りあるいはスポンサーの売却などの交渉に障害が、支障が生じるおそれがあるなというふうに思っておりまして、附帯決議でも企業秘密に配慮しつつと言われているのはそういう意味ではないかと思っております。
国民負担のリスクを軽減化するという観点から、機構の運営は可能な限り透明化すべきであるという御指摘は私もそのとおりだと思うんですが、先ほど申しましたような、現実の債権の売買等に影響が、大きな影響が出ることを避けて、要するにその調整をどう行うことかということだろうと思うんです。その機構がある案件について買い取った債権をすべて処分した後の取扱いについては、我々も十分情報公開していく必要があるのではないかというふうに考えておりまして、その辺の辺りはこれから詰めていきたいと思っております。
○松井孝治君
先ほど私どもの直嶋議員から御質問をされた点も同じことだと思うんですね。やはり高値で買わされて、そしてそれが結局売却は安い値段でしかできなかったということになると、それはそのまま結局四十六条で担保されているように国民負担になるわけでありまして、私は、確かに買手の立場からいうと、直ちに機構がある事業者なり法人に売却したと、その時点で幾らで売却したというふうに言われてしまうと、それはその後の商談にかかわるかもしれません。
しかし、やはりそれは、今すべて処分をした後というふうにおっしゃいましたが、すべて処分をした後ということになると、このもう機構が解散をするその時点でということになるかもしれません。そのすべての処分というのはどういう意味でおっしゃったのか分かりませんが、その当該事業に係るすべての債権の処分が行われたということなのかもしれませんが、ここについてはやはり買い取った事業者の利便も大事かもしれませんが、国民負担に直結する話ですから、しかるべき時期の後に、例えば機構としての買取りと売却の差額、どれだけ損をしたのか、あるいは機構としてもうけたのか、そこの部分だけでも何とかしかるべき期間、例えば売り渡した後、例えば一定期間、六か月なのか一年なのか分かりませんが、その後に公表するような努力はできないんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君)
まだその辺りは、具体的なやり方との関係で十分詰め切ってはおりません。
それで、全部、今、先ほど私が申しましたすべての売却が終わった後というのは、機構が解散をするという意味ではございませんで、ある案件についての処分が終わった場合には、処理が終わった場合には今の辺りは十分考えておかなきゃいけないなということは、現時点でもそう思っておりますのでその方向で検討いたしますが、それを超えてどこまでできるかというのは、これからもう少し詰めさせていただきたいと思います。
○松井孝治君
是非、その点はしっかり御検討いただきたいと思います。
やはり国民が、この債権の買取りについて非常に高値買いをさせられるんじゃないか、国民負担になるんじゃないかという懸念が強いものですから、そこを払拭するように是非御努力をいただきたいと思います。
次に、谷垣大臣にやはりお尋ねしたいと思うんですが、具体的にこの機構が百人規模で発足するというようなことがこれまでの委員会で明らかになっています。じゃ、具体的にどんな方々が機構を構成して案件の審査をなされるのかということについて、いろいろ憶測が飛んでおります。当然、金融のプロを集めてこられるんだろうと思いますが、今民間で言ってある懸念は、結局四大行の出身の方々がここに出向されるという形になるんじゃないか、要するにその四大行の方々が自分たちのメーンバンクとして、あるいは準メーンとして持っている債権の処理について、結局その銀行の方々が集められて審査をされるんじゃないか、それで本当に公正な審査ができるんだろうかと、結局さっきの高値買いのような話になってしまうんじゃないかという懸念が相当あります。
そこでお尋ねですが、この株式会社である機構の役職員について、四大行から職員を出向で受け入れられるおつもりはありますか。これはイエス・オア・ノーでお答えください。
○国務大臣(谷垣禎一君)
かつて四大行におられてもう別な仕事をしておられるということですと、これは別の仕事をしておられるということが四大行に入らないということであれば、少なくとも役員、そういう方にはそういう方はないと言って、申し上げてよろしいと思います。
ただ、職員ということになりますと、現実にはいろんな法律とか会計とか税務とか、いろんな担当の方が、いろんなその分野の方がおられるわけですが、職員となりますと、現実に銀行出身者を全部排除してできるのかどうかということになってまいりますので、今、銀行出身者は職員にはいないということは、ちょっとまだ断言は差し控えさせていただきたいと思います。
○松井孝治君
これは非常に問題ですね。
私、まず二つに分けて聞きたいんですけれども、出身者はいないというふうにおっしゃいましたけれども、じゃ出向者はいるんですか。出向者と、あるいはその出身者というのは一般的に言うと銀行を退職されて、過去には四大行に勤めていたけれども今回この機構に就職されるという方を含むか含まないか。それからもう一つ、出向という形で本籍を銀行に残してこられる方を含むのか含まないか。ちょっとそこを明らかに、まず御答弁いただけますか。
○政府参考人(江崎芳雄君)
まず、出向者という点でございますが、機構の中身の組織を考えますと、例えば持ち込まれた案件を審査をする、さらにはそれの買取りをするという、言わば、何と申しますか、個々の案件、オリエンテッドなセクションがございます。そういうものと同時に、機構は買い取った債権、これの管理もいたします。金利収入も上げなければいけませんし、処分する際にはまたそれなりの金融知識が必要であると。言わば個々の案件ではございませんで、言わば機構が持っておる全体としての債権の管理をすると、こういうセクションもございます。
先ほど来の銀行からの出身者でございますが、まだ現在検討中ではございますが、例えばそういう全体の機構の金融機関としてのその管理をするといったところには、例えば出向という方を受け入れる可能性もございます。ただし、その機構の中で……
○松井孝治君
要するに出向者を受け入れるということですね、四大行から。これはやっぱりおかしいと思いますよ。出向者を受け入れて、それじゃその範囲の中でのどういう部門に付かせる付かせないかというのは株式会社の判断でいいわけですか。そういうことで本当に透明性が確保されると思いますか。これは私は、ちょっと大臣、こういう答弁、納得できないですね。
○国務大臣(谷垣禎一君)
率直に申しますと、まだ職員のリクルートをどうするかというところまで、国会でもまだ法案を通していただいておりませんので、そこまで話は進んでおりませんので、現段階で実はどういう方が手を挙げてこられるか、お迎えできるかということも実は十分な材料がございません。
そこで、私はまだ一般論としてしか申し上げられないんですが、結局そういうその経験をどこに求めるかということになりますと、法律家という場合もあるでしょうし、税務や会計の専門家ということもあると思いますが、やっぱり金融の経験者というものも全く排除するわけにはいかないのかなと現段階では考えております。
そこで、それに対応するものとしては、やっぱり厳格なコンプライアンス体制をしいていくということではないかなということを考えておりまして、その辺りの具体的な検討は今行っているところでございます。
○松井孝治君
やっぱり世間のその疑念は、銀行関係者が出てきて、その銀行関係者が出身行の利益を背にして高値買いするんじゃないかということにあるわけですよ。今のお話だと、じゃその債権の管理というものについては、じゃ出向者認めますと、銀行にひもが付いている人を認める。じゃ、それは内部異動でその人たちが審査の方に入って、人手が足りないからと入ったって、何の担保も我々法律を議論した立場からないわけですよ。やっぱりこういうことを、疑念をきちっとこの委員会で晴らしていただかないと、私はちょっとこれは、我が党としても衆議院では賛成したかもしれませんけれども、ちょっとこれは問題なんじゃないかなと思わざるを得ないんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君)
結局、今、松井委員のおっしゃったことも利益相反が起こるようなことをどう排除していくかということになると思います。それは、それに応じたコンプライアンス体制を作っていくということだろうと思います。
前もこの委員会の質疑でお答えしたことがございますが、やはり民間のいろいろな企業体制を見ておりましても、この事業再生に携わっている企業と申しますか、そういうところのコンプライアンス体制ですね、何というんでしょうか、ファイアウオールというんでしょうか、そういうものは私も想像以上に厳格なものであるなと思っておりまして、その点は、我々も何というんでしょうか、このコンプライアンス体制の厳格さという点においては、十分今の委員の御疑問を払拭するものを作っていかなければならないと思っておりますし、現にその案を今いろいろ議論しているところでございます。
○松井孝治君
是非、今の大臣の前向きな答弁というのを実現していただきたいと思うんですね。ややもすれば、今、政府参考人から御説明があったような答弁に流れてしまう。それは別に政府参考人が決して別に悪意でそういうものを認めようということでおっしゃっているんではないと私も思いますけれども、じゃそれが現実には何ら、たががはまらない、少なくとももう全部機構の裁量にゆだねられてしまうという可能性があるわけですので、その点、よろしくお願いしたいと思います。
追加して是非お願いしたいのは、これは出向か出向でないかとかいうこと、概念も極めて不明確でして、例えば国家公務員でもそうですけれども、いったん退職して特殊法人に行きますね。だけれども、あれ退職金払われないわけですよ。これって、退職して就職しているようですが、いわゆる出向なんですね。
ですから、例えば四大行出身の方が一回例えばA銀行を退職されましたと、この機構に採用されました、ところが実は退職金払われていない、また機構が解散した後戻られるというような形というのは、見分けが非常に付きにくいわけですよ。そこまで含めて私は対外的に説明をしていただきたい、そういう形でコンプライアンス体制というのを作っていただきたいと思うわけですが、その方向性について、大臣、一言いただけますか。
○国務大臣(谷垣禎一君)
先ほど申し上げましたように、リクルートに関してはこれからでございますので、まだ、じゃこういう人員でやるということを十分お見せできないわけでありますが、コンプライアンス体制につきましてはやっぱり外にもきちっと説明しながら、疑念を抱かれないような説明をやはりする必要があると思っております。
○松井孝治君
コンプライアンスという話が出たので、ちょっと順序違いますけれども、一点伺いたいんですが、アメリカのRTCにおきましては非常に面白い制度が導入されていまして、政治家が個別の案件について要請というか、陳情というか、要望というかした場合は、直ちにそれについて翌日でしょうかホームページに記載しますと、どういう政治家から具体的な要請があったかというようなことが盛り込まれた。それが結果としてRTC、米国のRTCにおいて政治的な案件についての個別介入というものを抑止したというふうに言われているそうであります。
今回の案件も非常にこの機構、株式会社という立場にあって具体的にその企業の生死を決めるような判断をすることになる。私は今、母体行の圧力がそこにどのように行使されるかということについて具体的な人事についてひとつお伺いしたわけですが、やっぱり我々政治家もこの個別の企業の生死を決めるこの機構の判断、審査について、政治家が圧力を掛けるようなことがあってはいけないと思うんですね。
これを排除するために、このRTCが行った情報公開のようなものを参考に何らかの政治的圧力の抑止のための情報公開の制度を採用されるおつもりがあるかどうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君)
今、松井委員がおっしゃった点は、先般、RTCのトップを務めておられましたシードマンさんがお見えになりましたときも御自身の口から、今、松井委員がおっしゃったようなことを伺ったわけであります。
今度の機構につきましては、内部手続として再生支援等の決定は合議体の産業再生委員会で行われることになりますから、この独立性あるいは合議体の決定で一部の圧力によって機構の決定が左右されないという仕組みは担保されていると一応考えているわけですが、しかし他方、機構が業務を行うに当たりまして、機構の役職員とかあるいはその委員会の委員に対して、直接間接、様々な働き掛けあるいは問い合わせというものがあることは、これはその可能性そのものは否定できないわけですね。
こういった中にもいろんなものがあると思いますので、一概に今こうだと言うことはできないのでありますが、少なくとも権限や地位を背景に不当に影響力を及ぼすというようなものがあるとすれば、それで、機構の決定がそれに左右されるというわけではないと思っておりますが、今、委員がおっしゃったような公表というようなことも一つの選択肢ではあるなと。この辺はもう少し検討させていただきたいと思っております。
○松井孝治君
よろしくお願いをいたします。
これは、まず政治家である我々が襟を正さなければいけないというのが基本であることは言うまでもない案件ですが、どういう形がいいのかは個別に今後検討していただいて、そこの透明性を高めていただきたいと思います。
ひとつ産業再生機構の体制についてお伺いをしたいと思います。
衆議院におきましても参議院におきましても、この産業再生機構が扱う対象事業は、必ずしも大企業だけではなくて中小企業も入るということは度々確認されているところでありますが、これは、過日の委員会で直嶋議員からも確認をされているところでありますが、今の機構の体制というのは百人体制でスタートするということですね。ところが、中小企業は、もうこれはお伺いするまでもなく、五百万近い事業者があって、そのうちの恐らく半分以上は赤字の状況で苦しんでいる、いろんな意味での事業再構築が必要になっているところが多いわけでありますね。
例えば、個別企業名を挙げてもどうかと思いますが、非常に中堅企業、これは中小企業に当たるかどうかは別ですけれども、世界に誇るような技術を持っている企業がたくさんあるわけで、ただ、世界に誇るような技術や経営資源を持ちながら、いろんな理由によってそういう企業が今残念ながら消滅をどんどんしていっている。そういうものについてこの機構が、産業再生という理念の下にお手伝いをするということは十分あり得ることだと思うんです。
そう考えたときに、この機構が百人規模でスタートするというのは、いわゆる五十社問題、百社問題というものに対応するという、議論の経過がそういうことだったので、私もそれはしようがないし、そういうものだろうと思っていますが、将来的に、中堅中小企業の非常に、国が、場合によってはこの機構が積極的にそこをてこ入れしていこうという発想のものがあってもいい。そうなってくると、およそ百人体制で五百万ある中小企業全部を対象にする、別に五百万を対象にしろというわけではありませんが、そこの中の相当の、例えば一%だとしても相当な量なわけでありまして、この百人体制というものを今後どういう形で弾力的に見直すおつもりがあるのかないのか、その辺りについて大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君)
中小企業も扱いますと、それで、そういう中小企業を扱いますと、こう言っておりますが、現実にやはり扱った例を出しませんと、やっぱりあそこはメガバンク中心の大きなものを扱うところだというのはなかなか払拭できないと思いまして、やっぱり私は、まず初期の段階である程度そういう実例を出すことが大事だと思っておりまして、そういう話をこれからも実は機構にしていかなければいけないと、準備室でもそういう議論をしておるのでございます。
そこで問題は、じゃ、今の体制で膨大なる中小企業を扱えるのかと、こういうことになるわけでございますが、基本的に、私たちは機構で全部中に取り込んでやるわけじゃなくて、言わばアウトソーシングをしながら、先日、参考人でおいでになった田作さんの言葉をかりれば、言わばオーケストラの指揮者みたいな役割を果たすというようなことで、できるだけこの機構の規模は小さくしようと思っております。
ただ、百人で本当にずっと行けるのか。もう少しいろいろ利用してくださる方が増えれば、そこは当然増やしていくということを考えなければならないんだろうと思います。一方においては、機構の規模においてもそういうことがございます。
それから、やはり先ほど来もずっと御議論でございますが、経済産業省で中小企業再生支援協議会の設置を進めていただいているわけですが、そのほか、政府系金融機関の融資制度とか信用保証制度、いろんな制度を充実させていただいてきめ細かな支援がなされているわけでありますが、そういった制度、特に支援協議会との連携をどういうふうにしていくかということは、これからも連携を密にさせていただいて、十分その辺りを効果的にするように考えていかなきゃならないと思っております。
○松井孝治君
是非よろしくお願いいたします。
それで、平沼大臣にひとつお伺いをしたいわけですが、今、谷垣大臣からも経済産業省の方の施策についての御言及がありました。中小企業再生支援協議会というようなものが設けられるという話がございました。
いただいた御説明あるいは資料を拝見いたしますと、中小企業再生支援協議会というのは、これは全国に、各都道府県に一か所ずつ付ける、それで中小企業の再生支援の専門家を置くと。経済産業省らしい説明資料で、「腕利きの会計士、税理士、弁護士、」と書いてあるんですね。腕利き、いいですよね、腕利きの方を置いていただいた方がいいと思うんですが。
具体的に大臣に細かい事実関係をお伺いするのもなんですから、これ聞いてみますと、予算、一県当たり四千万円だというんですね。それで、この「腕利きの会計士、税理士、弁護士、」というのはどういう人なのかなと思って聞いてみましたら、お一人当たり、一人は千二百五十万円、もう一人は七百五十万円、それから、あとの若干、非常勤の場合は日雇で一日五万円ということらしいんですね、単価が。
大臣、これ、常識的に、中小企業の支援、非常に大事です。この機構だけですべてできるとは思えません。ですから、この協議会を作っていただくことは非常に結構だと思います。衆議院では何か同僚議員が非常に厳しい質問をしたようでありますが、私は、意味のあるものにしていただければ非常に結構だと思っています。
しかし、本当の意味で、いろんな複雑な状況を抱えている中小企業に相談に乗る支援協議会を、東京都にも一か所ですね、大阪府にも一か所ですね。それで、さっき、五百万の事業者がある中小企業。腕利きの弁護士、税理士、ひょっとしたらボランティア精神に富んで日給五万円で来てあげるよという人もいるのかもしれませんが、普通はそういうことは余り期待できない。そうすると、衆議院でも議論があったかもしれませんが、結局、形だけ作って、ほとんど多くのいろいろ悩みを抱えた中小企業から見れば、それは形は、協議会はあるけれども、はっきり言って使い物にならぬよというような評判になるんじゃないかと私は懸念するんですよ。
ここについて、せっかくここまでやられるのなら、この単価についても、あるいはその数についてももう少し充実させないと意味がないんじゃないでしょうか。平沼大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君)
松井先生にお答えさせていただきます。
協議会というのは、企業の再建経験を有する二ないし三名の専門家と契約をしているところでございまして、御指摘のように、平成十五年度の予算においては、専門家一人当たりの謝金は約一千三百万円として計上されております。実際には、各協議会の事情によりまして、契約する人数や謝金などはある程度柔軟に対応することが可能であります。
なお、この専門家謝金のほか、事務所費等と合わせて一都道府県当たり約三千八百万円を計上しているところでございます。
非常に少ないじゃないか、そして開店しているけれどもそういう専門家、腕っこきの専門家も来ないんじゃないかと、こういう御懸念でございますけれども、今のところは一応全国で順調にそういう設置が広がっておりまして、そして私どもとしても、今後、専門家の数の増加でございますとかあるいはより専門性の高い専門家の確保など、体制の充実を図る必要がある場合には、予算の拡充を含めて、私どもは適切な対応をしなければならないと、こう思っておりまして、今、福井県が第一の立ち上がりでございましたけれども、全国でも、非常にそれぞれの都道府県の皆様方が意欲的に取り組んでいただいておりまして、そしてそういう腕っこきの専門家の皆様方も参画をしてくださると、こういうことでございますから、そういったことを含めて頑張らせていただこうと思っておりますし、今の段階は各都道府県に一か所ずつという形ですけれども、しかしもう北海道なんかは非常に面積が広いものですから、ここは複数のところに対応さしていただくと、こういう体制が整いましたし、さらに東京や大阪やそういった大都会にも、私どもは一か所だけではなくて、やはり皆様方の御要望にこたえられるようなそういう体制をしっかり作っていかなきゃいかぬと、そういうふうに思っております。
○松井孝治君
例えば東京都で、大田区なら大田区というエリアだけでも、物すごい数の中小企業がすばらしい技術を持ちながら、今、存亡の危機に立たされているわけですよ。これを本当に産業再生という名前でやるんだとしたら、およそ東京都で、一人千二百五十万円のお給料を用意しました、弁護士さんなのか税理士さんなのか分かりませんが、そういう方を一人置いたと、商工会議所の、東商の日比谷のビルに置かれるのかどうか分かりませんが、そこにお一人置かれたということで、中小企業者がそういう施策だと聞いたら、本当にがっかりしちゃうと思うんですよ。
これはやっぱり大臣お一人の問題ではなくて、累々、中小企業政策というものに対してやっぱり政府が本当に本腰を入れているのかと。非常に不況で、今もまた補正予算付けろという大合唱が起こり始めていますけれども、道路を例えば十キロ引くのに幾らぐらいお金が掛かるか、それに対して日本の中小企業予算がどれぐらいなのか、こういう話だったら、けたが二けた、三けた違うと思うんですね。そういう本当に腕利きの人を置いて、場合によっては大田区の町工場のところを回らせるぐらいのことをするのならともかく、こういう形だと私は本当に寂しいと思いますね。
是非、もうこれ以上答弁は求めませんけれども、せっかくですから、副大臣、一言御答弁いただきたいと思いますが、是非前向きに御検討いただきたいと思います。
○副大臣(西川太一郎君)
松井先生の御指摘は、私、誠にごもっともだと思っています。私も東京都選出の一員でございますので、この問題については、この法案ができる段階で、先生と同じ問題意識を持っておりました。
簡単に申せば、総会と支援部門と両方あるわけですね、全体会議とこの中小企業再生支援の問題は。その全体のメンバーの中に、地域金融機関でございますとか商工会議所でありますとか東京都の労働経済局でございますとか、いろんな分野が包含されておりまして、単に一か所で三人とか二人とかという問題じゃなくて、かなり既存の組織をフル動員してこれをやるという姿勢がございます。ございますが、先生の御指摘のように、やはりもっと層を厚くしていかなきゃいけないと。これは今後の努力の課題だと、こういうふうに率直に思っております。
○松井孝治君
よろしくお願いいたします。
さて、話題を変えまして、先ほど来の議論でも、過剰供給構造という言葉が度々出ております。元々の九九年のこの法律、産業活力再生法のときの議論が、三つの過剰をいかにして解消するかという議論であったと思います。今回の、谷垣大臣の方から、それから平沼大臣の方から出されているそれぞれの法案に過剰供給構造という言葉が出ています。谷垣大臣、この二つの法律で使われている過剰供給構造、同じ意味ですか。
○国務大臣(谷垣禎一君)
基本的に同じ意味であろうと思います。過剰供給構造であると認められる事業分野に属する事業者である場合について、昨年十二月の基本指針で、改正産業法の基準、例えば再生計画終了時点あるいは過剰供給構造を示す指標が改善することなどを活用とすることにしておりますが、その旨を支援基準に盛り込んでいこうということであります。
○松井孝治君
それは同じ意味だと思うんですね。内閣法制局はそういうことを整合性を取るために法律の審査をしているわけですから。
それで、過剰供給構造については、大臣こういう発言をされていますね。三月の十八日の衆議院の経済産業、財政金融の連合審査で、「過剰供給で競争力が落ちているところをみんなで、ゾンビが生き返ってみんなで足を引っ張ってみんなで弱るというようなことをしてはいけませんから、それは過剰供給構造を排除していかなければならない」と、こういう発言をされておられます。これは議事録に載っていますから確認の必要もないと思うんですが。
それで、この法律、機構法を見ますと、二十二条の第六項に事業所管大臣に意見を述べるという規定が、意見を述べることができるという規定がございます。これは大臣、趣旨からいって、この法律が想定している事業大臣がどういう趣旨で意見を述べるのかというのは、大臣が三月十八日の委員会で御発言された、この言葉はたまたまそのときおっしゃったので余り私も繰り返すつもりはありませんけれども、過剰供給でゾンビ復活と、そういう趣旨になっては困るからと、そういう観点からその事業の需給を見ている事業所管大臣がきちんと意見を言えるようにしたと、砕いて言うとそういうことだと理解してよろしいですか。
○国務大臣(谷垣禎一君)
そのとおりでございます。
○松井孝治君
そうですね。
そうなってくると、この機構が具体的に支援決定をすることになる業種というものが、過剰供給構造にある業種というのは、基本的に大臣の御趣旨からいうとそれは個別の案件ごとに審査するんでしょうし、先ほど来平沼大臣からもあるいは副大臣からも御答弁があったように、過剰供給業種をあらかじめ指定するという方針は、今回はそういう従来の通産省お得意の方針は取っておられないということはよく理解するんですが、しかしながら今回の趣旨は、いわゆる過剰供給の業種、大臣がおっしゃったところの言葉をかりれば、ゾンビ復活業種ということについては、これは支援決定については慎重にするという理解でよろしいですね。
○国務大臣(谷垣禎一君)
おっしゃるとおりでございます。少なくともそういう過剰供給構造を助長するようなことは、これは避けなきゃいかぬということだろうと思います。
○松井孝治君
そうなってくると、じゃこれは、この機構は具体的にどんな企業を支援するのかということが、これは恐らく与党でも法案審査をされていろいろ議論がなされたと思います、それから我々も内部で議論をした、そこについてどうもいま一つはっきりしないというところがあるわけですね。今、本当に日本の産業界はそもそも過剰供給体質にあるわけでありまして、それが議論の、九九年以降の議論のそもそものきっかけなわけでありますね。そうすると、どういう産業が過剰供給構造にあってどういう産業が過剰供給構造にはないのか。そこについて、これは産業担当大臣としての平沼大臣の方から、個別具体的に、私は、どういう産業が過剰供給にあると理解しておられるのか、これは具体的に伺っていきたいと思うんですよ。
それで、ちょっと平沼大臣メモだけしてください。例えば半導体、産業分類からいうと、産業というか品目の分類からいうと電子部品とかデバイスとかいう言い方をするかもしれませんが、これはどうでしょうか。それから、繊維製品、紙パルプ、鉄鋼、医薬品、流通。今私が申し上げた業種はいわゆる過剰供給構造にあるというふうに世間では言われているものだと思うんですけれども、今申し上げたものについて具体的に過剰供給構造にないと思われるものがありますか。
○政府参考人(林良造君)
個別の事業の話でございますのでお答えさしていただきます。
今、松井先生が御指摘の各種の事業分野、これは事業分野でございまして産業じゃないということなんですが、事業分野につきまして、数値基準に従って計算をしていくというわけでございます。それで、製造業の場合について申し上げますと、機械装置資産回転率の低下が相当長期にわたると。具体的に言うと、二十年間の平均の資産回転率をこの三年間ぐらいの資産回転率が下回っているというような場合に、産業再生におきましては過剰供給構造というふうに考えるわけでございます。
ただ、くくり方といたしましては、正におっしゃいましたように、半導体といいましても相当事業分野細かくなってまいります。例えば、アナログ系あるいはデジタル系あるいはCMOS系、CMOSの中でのロジックあるいはメモリーというふうに細分化してまいります。そういった意味で、具体的な事業分野についてそれを判断していくということで、概括的に、おっしゃったようなところについてはそういう一般的な認識のある分野も多いかと思いますが、具体的な事業分野についてその数値を当てはめて考えていくということになります。例えば、繊維業というのは、形式的から言えば例えば二けた分類、三けた分類で計算しますとそういうことが当てはまるということにもなりますけれども、同時に更に細かい分野を見てみますと、その中でも多様なものがございます。
そういった意味で、各々その具体的な事業分野、これは特に最近のグローバルな競争状況その他から考えまして非常にダイナミックに今動いているわけでございますので、そういった具体的な事業者が事業を行っている事業分野、これに沿って考えていくということでございますので、ややそういう概括的な形でこの分野全体が過剰供給分野であるというふうに考えていくのではないということでございます。
○松井孝治君
個別の支援決定に当たっては、恐らくある一定の会社のこういう事業部門についての債務の引受けなりをどうするかという問題になってくるわけでありまして、そうすると、非常に個別個別の案件ごとにその事業がどういうものを作っているかということを審査されなければいけないので、それについて概括的に、鉄鋼業は一般的に対象にしないとかいう議論をしても恐らく余り意味はないということは分かっているつもりなんです。
ただし、恐らく鉄だったら鉄で具体的に、今、林局長がおっしゃった議論をしていくと相当程度、これは何か客観的な基準を作られるということですから、相当程度の事業は実は過剰供給構造にあるのは事実だと思うんです。例えば鉄の中でですね、あるいは繊維でもそうだと思います。じゃ、その繊維を扱っている個別のどこかの企業の事業はどうかと見たときに、いわゆる繊維といってもいろいろあるし、ひょっとしたら繊維以外の食品もやっているかもしれないし、そこのミックスで見なければいけないんですが。
いずれにしても、これ、私、非常に難しいのは、日本がこれだけ過剰供給構造、日本経済全体が相当程度そうなっている中で、この機構が扱うものは、さっき大臣がおっしゃったいわゆるゾンビ復活みたいなものを対象としていないんだということになったときに、本当にその機構は何を対象にしているのか、国民から見たら非常に分かりにくい。今、別にここで鉄は対象にするな、何を対象にしないとかいうことを確認をしたいということではなくて、本当に機構はじゃ何をやれるんだろうか。それは非常に私、今の答弁を聞いていても分かりにくいと思うんですけれども。
大臣、じゃ機構というのは過剰供給構造にあるものは対象にしないということになると、どんな産業分野を対象にするというイメージなんですか。ちょっとこれはやっぱり国民に対して分かりやすく説明していただきたいんですが。
○国務大臣(谷垣禎一君)
過剰供給構造を助長しないという意味で事業担当大臣の御判断を伺ったりいろいろするわけでありますけれども、例えば、出口でスポンサーをどう考えるかというようなときに、同種業者というのは有力なスポンサー候補である場合が多いのではないかと思います。例えば、過剰なところであってもスポンサーをそういうところに求めることによって過剰を少しでも減らしていくというような方向があり得るのではないか。ちょっと舌足らずな御答弁ですけれども、そういう手法を幾つか積み重ねるということも大事ではないかと思っております。
○松井孝治君
しかし、それは過剰、全体的に例えば設備が過剰だというようなときに、同一のライバル企業がある、で、過当競争していると。そこがそのまま別の事業者を例えば買い取るというようなことを支援しても、それは過剰供給構造である限り、大臣がおっしゃったゾンビ復活ということになるんじゃないですか。
○国務大臣(谷垣禎一君)
当然、過剰供給に当たるような場合には、スポンサーに買っていただくについてもそれなりのやはり、何というんでしょうか、手当てといいますか、再生計画において手術と申しますか、そういうことをしながらでないとなかなか買手が付かないんではないかと思います。そのまま、何というんでしょうか、何にもせずに、ただ買い取ってもらって、じゃ合併をせよと言っても、それは委員のおっしゃるように、なかなか過剰供給の是正にはつながらないだろうと思います。
○松井孝治君
ちょっと観点を変えますが、ゼネコン、建設というのは過剰供給構造にある業種と考えてよろしいですか。大臣。
○国務大臣(谷垣禎一君)
これは個々の、個別企業を超えた判断でございますので私の立場から言いにくいんですが、ただ、国土交通大臣の下でも、昨年暮れに、十二月十九日でしたか、その基準を作りましたときに、国土交通大臣の方でもその業界における基準を作って発表していただきました。やはりああいうものを厳格に適用していくということではないかと思います。
○松井孝治君
比較的我々はもうそこは明確に、国会の議論の中でも、いわゆるゼネコンは今回の機構の買取り対象にしないというふうに理解をしているわけです。それは典型的な過剰供給構造の体質にある業種であるからというふうに理解をしております。
そういうところについて、もし私の理解が違っていればあれなんですが、私は事前の政府側の説明からもゼネコンは対象にしないと聞いていますが、この機構はゼネコンでも対象にするんでしょうか。さっきの大臣の御説明だと、別にゼネコンだって厳しい条件を課せば対象にするというふうにも聞こえるんですけれども、私の理解は違っていますか。
○国務大臣(谷垣禎一君)
機構の対象にしないということを内部で意思決定したことは、これはございません。これは、地域とかそれから、何というんでしょうか、その当該企業の在り方を個別に、我々は個別に判断しなければならないと思っておりますから、まず個別に判断することでございますが、先ほど申し上げました基準なんかを拝見しますと、なかなかこれはハードルが高いものであるなという認識は持っております。
○松井孝治君
国土交通省が基本的には過剰供給構造にあると認識して事業再編などに向けての指針を作っているということを、私はこれはもう明らかに過剰供給構造にあるというふうに判断していいと思うんです。
問題は、今、大臣はそこまではっきりおっしゃいませんでしたけれども、ハードルが高いとおっしゃったのはそういうふうに解釈しておられるんだと私は理解しますが、例えば流通というものは大臣どういうふうに。大臣、以前、衆議院の委員会、これは平沼大臣が御答弁されていることですから平沼大臣にお伺いした方がいいと思うんですが、大臣は衆議院のこの委員会で、これは三月十八日でしたかね、日にち間違っているかもしれませんが、流通、さっきの半導体も含めておっしゃっていますが、流通は過剰供給構造にあるというふうに御答弁されていますが、そういう理解でよろしいですね。
○国務大臣(平沼赳夫君)
お尋ねの流通業についてですけれども、消費が低迷をして売上げが減少して店舗数や就業者数が減っておりますが、店舗面積はむしろ増加傾向にあるわけです。また、地域的には大型店の新規出店により競争が激しくなった場合もあるわけでございまして、こうした事情から一般的な意味では流通業は店舗が過剰である、あるいは過剰供給である、こういうことが言えると、こういうことで私が申し上げたところでございます。
しかし、流通業を統計上の標準産業分類でとらえましていろいろの基準でそれに基づいて試算をいたしますと、固定費比率が高くはございません。そして、したがって、過剰供給構造を短期的に解消できないとの事由がないために過剰供給構造には当たらないということにはなるわけでございますけれども、実際、流通業につきましては、法律上の支援により共同で過剰設備の廃棄を行う等の方策を取り得る製造業とは若干趣を異にしておりまして、個々の商圏ごとのいわゆる店舗立地の良しあしや、さらには品ぞろえ、売り方の巧拙によって成否が決まる、そういう面がございまして、単純に店舗の面積が多いか否かという問題ではないと考えておりますけれども、私が国会で答弁をした事例の一つとして、今申し上げたような中で見方によっては過剰であるということも言えると、こういう観点で申し上げました。
○松井孝治君
両大臣の御答弁、ちょっと歯切れ悪いんですよね。やっぱりタックスペイヤーの視点から見ると、ゼネコンや流通を今この機構が対象として支援決定するかどうかというのは非常に関心を持って見ているわけです。下手すると、そういうものにこの機構使われるのじゃないかと。そうしたときに、一般的にはとおっしゃったように、やっぱりそれは過剰供給構造にある。結局、ゾンビ復活みたいなものを助けて、その結果として生じる損失のようなものが相当程度見込まれる中で、これは国民の税金はそこに投入されるんじゃないか、そういうことをやっぱり国民は懸念をしていると思います。
ですから、そこの点は、そもそも最初、谷垣大臣から御答弁あったように、過剰供給構造にあってゾンビ復活をしないんだと、そういう理念できちっと整理をしていただかないと国民的に理解を得られないんじゃないか。結局、政治的な配慮で、ここの局面では個別企業を挙げるのは避けさせていただきますが、どこかの流通やゼネコンの救済をするんじゃないか、それに使われるんじゃないかという懸念があるということは是非御認識をいただきたいと思います。時間がありませんので、答弁は結構です。
それで、その流通なんですが、この活力再生法の方でダイエーという個別企業について認定を行っておられますね、もう一年ぐらい前でしょうか。これについて、再生計画で記載された事項と今の実際のその事業再構築の計画の進捗状況、これは大臣、どのように評価をしておられるでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君)
ダイエーは昨年の四月に産業再生法の認定を受けました。事業面、財務面でのリストラによる有利子負債の削減と本業集中による営業力の回復を行う再建三か年計画を進めているところでございます。
そのダイエーの再建状況に関しましては、事業面、財務面でのリストラはおおむね計画に従って着実に進んでおりますが、営業力の回復については率直に言って厳しい状況でございまして、本年二月期の売上計画も下回っているものと承知しております。
したがいまして、松井先生も御承知のように、このような状況を踏まえまして、ダイエーは本年三月五日に子会社であるマルエツとの戦略的連携の強化等を含む新しい営業方針を発表したところであります。これは、ダイエー自身が自らの営業力への厳しい現状認識を表明した上で再建計画を変更、強化して営業力の強化を図ろうとしたものであり、当省といたしましてもその前向きな姿勢については評価をしております。
この新しい営業方針というのは経営改革のための重要な第一歩でありまして、最終的なゴールと、こういうわけではなくて、より積極的な方策を検討して実現を目指すことを私どもとしては期待をしておると、こういう状況にあります。
○松井孝治君
順調であるという、部分的にはそういう部分もおっしゃいましたけれども、世間から言うと、まあ個別企業の話は余りここでするのもどうかとは思いますが、およそ順調とは思われていない事例だと思うんですね。
一つ伺いたいんですが、この産業活力再生法の認定というのは、その認定後の検証というのは法律上どういう仕組みがあるんですか。その何らかの検証を行われているんですか。法律上の仕組みがあるんでしょうか、ないんでしょうか。
○副大臣(高市早苗君)
認定計画の実施状況につきましてですけれども、現行の産業再生法におきましても原則年一回の報告を認定事業者に義務付けております。それから、主務大臣は、必要に応じまして追加的な報告聴取を実施できるということになっています。
今回の法改正につきましては、このような年一回の実施状況報告に加えまして、債権放棄を受けた認定事業者につきましては、計画の円滑かつ確実な実施を担保する観点から、四半期ごとの報告など特別なモニタリングを実施することにいたしております。さらに、認定計画の実施状況によりまして必要に応じて追加的な報告聴取を実施したり、それから認定基準に適合しなくなったと認められる場合には計画の変更を指示したり、また認定の取消しを行うこととなります。
○松井孝治君
副大臣、具体的にダイエーについて経済産業省としてどういう措置を取られましたか、この一年間。
○政府参考人(望月晴文君)
お答えいたします。
今、副大臣が御答弁申し上げた、法律上は年に一遍そのチェックをするということになっておりますけれども、ダイエーの再建計画認定の際に、特に文書による指示で毎月一遍報告をしていただきたいということをお願いをし、その再建計画の実施状況について月一遍伺っているところでございます。
○松井孝治君
分かりました。
それは伺っておられるんなら結構だと思いますが、私が何で今ダイエーの個別事例を出しているかというと、こういう企業があって、今、改正前の産業活力再生法における認定を受けて支援を受けている、それと併せて債権放棄まで受けている、こういう企業がある。そういうものについて、例えば今回の新しくできる機構が更に支援を、こちらの産業再生法におけるいろんな支援を受けていながらまだいろんな意味での結果は必ずしも芳しくない、そういうものについて機構が引き受ける、支援をするというようなことはあり得るんでしょうか。これは谷垣大臣。
○国務大臣(谷垣禎一君)
機構の側は、先ほど実は松井先生から歯切れが悪いというおしかりを受けたんですが、機構の側から、あらかじめこの事業は駄目、この企業は駄目、この業種は駄目というようなことを一般的には申し上げる体制には我々の機構は取っておりません。むしろ、具体的な持ち込まれたときの再生計画でいわゆる選択と集中というようなものがどれだけできるか、それを通じて再生できるかというのが我々の基本的な観点でありまして、それで、そのときしかし、先ほど委員がおっしゃったように、過剰供給を助長しないということをしっかり理念として見据えていけ、それはそのとおりでございまして、そのためにその事業分野を所管しておられる大臣の御意見を聞くと、こういうことでございます。
ですから今の、個別の具体的な企業名を挙げられてこれは受けないのか受けるのかと言われても、ちょっとそれだけではお答えはできないと思っております。
○松井孝治君
いや、そういうお答えだと思っていました。思っていましたが、国民的に言うと、改正前の産業活力再生法の支援を受けている、しかし芳しくない、債権放棄も受けている、そういうものを今度またこの新しい機構を作ってそこで支援するんじゃないかという懸念があるのは事実なんですよ。別に、個別企業、個別事例について受ける受けないを機構ができる前から担当大臣が御答弁できるはずもないんですが、じゃ、どういう基準を作ってそういうものを、例えば一部の政治家が政治的圧力を加えた、あるいはこれは国民経済上非常に大きな存在であってつぶすわけにいかぬ、何とかしなきゃいかぬというようなもし議論が出てきたときに、機構、株式会社ですし、それは損失が出たときには国民の血税で補てんされるわけですから、そういうものをどういう基準で排除するんだと、そこの基準をどういうふうに作られるかということを私は実は聞きたいわけであります。
そういう意味で、この法律の二十一条でしたですかね、支援基準というものの規定があります。ここで具体的に大臣、どういう基準を作られるんですか。そして、例えば今のダイエー、またダイエーという個別企業云々というのはもうこれ以上やめた方がいいかもしれませんが、およそ例えば引受手があるとは思えないようなものについて無理くり、ある意味で出口が見えない中で引き受けるようなそういう議論が行われて、別に個別企業は例示ですからこれ以上特定の企業に対してどうこう言うことは避けますけれども、ただ、国民の視点から見れば、納税者の視点から見れば、引受手もないけれども非常にこれは大きな企業でつぶせないということで支援決定が行われるようなことがあるのかないのか、ここが関心事項なんですよ。
ここについてきちんとした基準を書き込むのかどうか、法律上だけでははっきり読めませんけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君)
支援基準に何を盛り込むかということでありますが、去年十二月に決定していただいた基本指針を基礎として定めることになるわけですが、今その支援基準の中に主な内容として、まず対象となる事業者に関するものとして、これは産業再生法と同じ基準でございますけれども、再生計画終了時点で生産性が向上し財務構造が改善すること、これが第一ですね。それから第二に、対象企業の清算価値よりも回収価値が多いと判断される場合でなければならないということだろうと思います。それから三番目が、この価格の話でございまして、買取り価格は再生計画を勘案した適正な時価である、これもいろいろ御議論いただきました。四番目が、今お尋ねの点と一番関係する点でございまして、再生計画の終了時点において、新たな再生スポンサーの関与等により資金調達、リファイナンスが可能な状況となって、その結果、債権処分が可能となる蓋然性が高い、これを私は出口を見据えてというふうに申し上げているわけですが、今の委員がおっしゃった、およそ終了時点で買手が付かないようなものを何とか助けるようなことがあるんではないかとおっしゃいましたけれども、その点は、今のこの基準の中の四番目に申し上げたところに明白に抵触するというふうに申し上げたいと思います。
○松井孝治君
ありがとうございます。
その点をきちっと基準の中で書き込んでいただきたいし、制度の運用に当たってもその点の健全性というか厳格性を担保していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
もうあと質問する時間がありませんので、私が今日の質問で申し上げたかったことは、中小企業への配慮あるいは雇用への配慮も非常に重要です。しかし、同時にこの法案の実際の施行に当たっては、タックスペイヤー、納税者の税金がこの機構には最終的にはつぎ込まれる可能性が相当程度ある。そのときに、納税者の視点から見て血税を無駄にして企業を、特定企業を救済するという考え方に立ってこの法律を運用されては絶対いけない。その点について、谷垣大臣あるいは関連する法律を所管されている平沼大臣におかれましては是非とも肝に銘じていただいて、この法律、まだ可決されているわけではありませんが、可決された場合の運用に努めていただきたい。そのことを最後に申し上げて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○委員長(田浦直君)
午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。
午後零時二分休憩
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