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2003年5月15日 156回

参議院 内閣委員会   会議録

食品安全基本法案について     会議録 ホーム


○松井孝治君

 本日は、これまでの委員会の質疑で提示された論点のうち、私としても最終的にもう一度確認をしておきたい幾つかの論点について、谷垣大臣を中心に御質問をさせていただきたいと思います。

 最初に、この法律、食品安全基本法案で守るべき法益というんでしょうか、そこをもう一度確認をさせていただきたいんですけれども、政府の内閣官房の方においでいただきまして、この法律の二条、食品というものの定義をもう一度お伺いしたわけであります。食品とは、すべての飲食物で、医薬品、医薬部外品を除くというような定義になっているわけでありますが、要は、これは具体的に何のことですか、もうちょっと分かりやすくおっしゃってくださいというふうに私、申し上げましたところ、内閣官房の方、政府の方が、要は医薬品、医薬部外品以外で口に入るものは基本的に全部当たると思ってくださいというふうに御説明をいただきました。

 この十一条には食品健康影響評価という概念があるわけで、ここを見ますと、更にそこから、食品健康影響評価の対象というのは、単に食品だけではなくて、フードチェーンというんでしょうか、その前段階で農業の生産に用いられる農薬であるとか、あるいは当然、食品に関連した包装容器であるとか、あるいは食器などにどういうものが使われているか、そういうことまで含めて食品健康影響評価というのは行われるというふうに私は理解しております。
 そういう意味で、この食品安全基本法案の対象というのは非常に幅広い。いわゆる農薬であるとか容器、食品をめぐる包装容器であるとか食器であるとか、非常に幅広いものが食品安全というものの安全を確保する対象であると私は認識しておりますが、そういう理解で谷垣大臣よろしいでしょうか。


○国務大臣(谷垣禎一君)

 食品自体は、今、松井委員が引かれましたように、二条に定義規定が置かれておりまして、薬事法で言う医薬品、医薬部外品以外のすべて口に入るもの、飲食に供されるものということだろうと思います。

 今、非常に松井委員が広く言われましたけれども、じゃ何をいわゆるリスク評価の対象としていくかということになりますと、食品添加物とか化学汚染物質というのは、そのもの自体は飲食の用に供するわけじゃありませんから、じゃ二条の食品の定義に入るかと言われれば、それは食品の定義に直接は入らないわけであります。だけれども、飲食の用に供される食品に含まれて人の健康に悪影響を及ぼす可能性は、これは当然あるわけでありますから、食品安全委員会が行うリスク評価の対象に当然含まれてこなければ、それは、はじくということではできないと。そういう意味で、広く解釈いただいて結構だと思います。


○松井孝治君

 おっしゃるようなことだと思うんです。
 ちなみに、人間の口に入るものということになりますと、いわゆる食品添加物以外のものであっても、食品の製造プロセスにおいていろんなものが混入する可能性がある。したがって、そういうものも含めて食品のリスク評価をするときにはきちんと安全性のチェックをしなければいけない。

 私、ちょっと調べましたら、これ、化学物質で昭和四十九年に我が国で製造、輸入されているというふうに届けられたものというのは約二万種類あったらしいんです。それから、昭和四十九年から平成十三年までに、年間製造が一トンを超えるようなものが約八千件の届出があったというふうに言われています。

 この、年間一トンを超えるものですから、一トン以内のものということになりますと、平成十三年度だけでも一万一千種類、一万一千件のものが確認されている。ただ、これが何かどうも累積的に登録されているようでありまして、本当にその中の新規の化学物質がどれぐらいあるかということについては、ひょっとしたらそのうちの一割程度かもしれない。それだけでも、平成十三年度だけでも千種類の物質が新たに製造されたり、あるいは輸入されたりしているわけであります。

 それが、当然のことながら、食品に関連する包装容器に新しい化学物質が使われる、あるいは食品の中にもそういうものが一部混入するリスクがある。そういったことが、やはり国民の間には、非常にアレルギー性疾患で苦しんでおられるお子さんや、お子さんだけに限らず大人でもそういうことがあるわけですが、あるいは化学物質過敏症みたいなものが、非常に幅広く国民の間でそういう疾病が広がっているということに関連があるんじゃないかという不安があるわけでありまして、そういう意味で、この食品安全委員会のリスク評価というのは非常に重要であるということは、これはもう論をまたないと思うわけであります。

 そういう状況の中で、本当に食品のリスク分析あるいはリスク評価、食品安全委員会プロパーでいうとリスク評価なんでしょうけれども、そこに、リスク評価を行う、あるいはリスク分析を行う政府全体としての専門家の数というのが本当に十分あるんだろうか。

 我々は、従来、農林水産省やあるいは厚生労働省と食品安全委員会のこの関係が本当にこれでいいんだろうかという問題提起をしてまいりましたが、その問題に加えまして、そもそも日本全体の絶対数として、科学的知見を持ってリスク分析を行える、そういう専門家がどれぐらい本当にいるんだろうかということについて非常に懸念する声があるわけであります。

 そこでお尋ねでありますが、これは谷垣大臣の方から一括してお答えいただいても結構ですし、農林水産、厚生労働、両省の副大臣、政務官の方からお答えいただいても結構なんですが、現実に今の政府に、これはまずそもそも日本全体として、政府だけじゃなくて民間や大学にもどれだけいるかという問題もあるんですが、どれぐらいの数の方が、食品の安全のリスク分析を行う専門家、行い得る専門家の方々がいらっしゃるのか。農林水産省それから厚生労働省、両省にいろんな研究機関もあるわけでありますが、そこにどれだけの数の食品安全の能力を持った、科学的知見を持って分析する能力を持った人、これはリスク評価とリスク管理という分別は従来の役所の体制では行われていないと思いますが、それをひっくるめてで結構でございますが、どれぐらいの方がいらっしゃるのか。

 それから、もっと言うと、それは、例えば二十年前と比べてそういう専門家の数が増えているのか、増えていないのか。これは質問通告をいたしておりますが、谷垣大臣からでも結構ですし、両省からでも結構でございますが、お答えいただけますでしょうか。


○大臣政務官(渡辺具能君)

 リスク評価やリスク管理に対応する人材の問題を広くお尋ねになっているわけでございますが、まず松井委員が、いろんな中で全体ではどうかということについてお答えをさせていただきます。

 食品安全に関する学術の分野というのは、それではどういう分野が含まれるかということも、これは大変難しい話でありますが、一応、化学、毒性学、微生物学など複数ありますが、全体的な網羅的に把握することは先ほど申し上げましたように難しいんで、どういう統計をひっくくるかという問題はあるんですが、一応、今国内に日本食品衛生学会というのがあります。日本食品衛生学会というのがありまして、先ほど私、申し上げたような、いろんな分野の人がこの会員になっているということで、これを一応、食品安全に関する専門家ということで考えますと、平成十三年十月現在で、全体で二千五百六十三名いらっしゃいます。こういう方々が、もちろん役所におられる方もあるし、あるいは、大多数は民間だと思いますが、それぞれの分野でどれぐらいいるかということはまた質問に対応いたしまして具体的にお答えしたいと思いますが、まず全体的な数としては、日本食品衛生学会がこれに相当するんではないかというふうに考えると、二千五百六十三名でございます。


○松井孝治君

 その中で、渡辺政務官、役所の中にいらっしゃる方は何名いらっしゃいますか。


○大臣政務官(渡辺具能君)

 まず、厚生労働省の、私の方の関係を申し上げます。
 それから、先ほどの質問の中で、十年前、二千五百六十三名に対応する十年前の数字はちょっと調べておりませんのでまた後で報告いたしますが、質問、委員の方から十年前と比べてどうかという質問もあったので、本当は十年前が分かればお答えした方がいいわけですが、十年前が分からなかったので、また後で御報告いたします。

 それで、その中で、では厚生労働省の人材の方はどうかということでございます。先ほど私が申し上げた学会に入っているか入っていないかと直接連結するわけじゃありませんけれども、厚生労働省でこういう仕事に担務している者の数でございますが、これは、いろんな組織の再編等もありましてなかなか分からないところありますけれども、そういった仕事に関係している者は、現在で五百三十四名でございます。厚生省の関係では五百三十四名。これは平成、五十九年、もう十年前以上になるわけでございますが、が二百七十一名でございましたので、ほぼ倍増しておると。こういう仕事に携わる職員の数は倍増させていると。非常に重要な仕事になってまいりましたので、職員の数も倍増しているということでございます。役所の中で倍増している職員の数なんというのは分野別に見ると非常に少ないと思いますが、倍増いたしております。どういう人間かというと、医師、薬剤師──よろしいですか。そういうことでございます。


○松井孝治君

 同じような数字を端的に、農林水産省の方の関連でいいますと官民合わせてどれぐらいの分量の方がいらっしゃって、そして農林水産省の関係の政府機関、あるいは今は独立行政法人になっているかもしれませんが、そういった方々にどれぐらいいらっしゃるか。あるいは数字の増減ですね、今おっしゃったような。数字を端的に教えていただけますか。


○副大臣(太田豊秋君)

 松井委員がおっしゃっておられますように、リスク評価と管理に関するこの区分というのはなかなか明確に今のところできておりませんが、これは困難でございますが、食品研究の専門機関である独立行政法人の食品の総合研究所に限定してお答えいたしますれば、現在食品の安全に関係する研究を実施している部署には十五名の職員がおりまして、そしてそのうち博士号の取得者は十三名ございます。

 それからまた、二十年前に比べてどうかというふうな御質問でございましたが、これは二名増員でございます。

 それから、近年、食品の安全に関する総合的な研究の必要性にかんがみまして各種プロジェクトの研究などを実施しておりますが、そういった中で、食品総合研究所で二十名、それから、全部独法でございますが、農業技術研究機構で五十三名、それから同じく独法で農業環境技術研究所で十六名、同じく独法で水産総合研究センターで十一名で、計百名の研究者が研究に参画をいたしております。そして、そのうち六十一名の方が博士号を取得をされております。

 なお、農林水産省所管研究機関以外の民間だとか大学の食の安全に関する研究者数というのはちょっと今把握してございませんので、申し訳ございません。


○松井孝治君

 ありがとうございました。
 これ、大臣、恐らく調べるの、すごい手間掛かっているんですよ。というのは、従来の役所ごとにどういう分野の専門家ということは把握はある程度されているにしても、これが本当に食品安全の専門家かどうかということを区分するということが、最初に渡辺政務官がおっしゃったように、非常に網羅的に把握することは困難だと。恐らくこれは、今、だから役所が悪いとかいうことを言うのが私の意図ではなくて、そういう体系になっていないんですね、恐らく役所の研究所の体制も。ですから、これをもう一度、本当にそれこそ、それをリスク評価とリスク管理あるいはリスクコミュニケーションに分けて専門家を登録していかなきゃいかぬというのは、これは物すごく実は大変なことであるんです。そこを正に食品安全委員会の下できっちりやっていただかなければいけない。

 そして、今、渡辺政務官の方からは、五十九年、昭和五十九年に比べて倍増しているという話があって、これは行革の中では頼もしいことでありますが、やはり全体的な人数からいうと、本当にその中で食品安全、今、学会の登録者数ということを最初おっしゃって、その後では一定の条件で二百七十一名とか五百三十四名という数字をピックアップされたんだと思うんですが、本当にどういう分野の専門家がいらっしゃるかというのを精査して、そしていくと、本当にその十分な数がいらっしゃるかどうかということになりますと、やっぱり恐らくまだまだ不十分なんじゃないかなと私は考えます。

 その意味で、大臣としては、この専門家、官、民あるいは学、そういったところにいらっしゃる専門家をきちっともう一度、食品安全委員会という視点でふるいを掛けるというか、どういう観点の専門家なのかということをもう一度精査をして、きちんとしたデータベースを最低限作られなければいけない。そして同時に、本当の専門家をこれから更に育てていっていただかなければいけない。
 さっき私が化学物質の数を申し上げたというのは、やはり食品安全を確保するためにどんどん科学的にも新しい物質が生まれてきている。そして、食品の生産流通形態も非常に複雑になっている。それの安全性をきちっとチェックするためには、本当にここについては十分な予算的な措置も講ぜられなければいけないし、また人的にもっともっと人を育てる、あるいは本当に知見のある人であれば海外の専門家を招く、そうした必要があると思うわけでありますが、その辺りについて、専門家をどうやって確保するか、そしてそれを、どういう分野の専門家であるかということをきちんとデータベースを作り、知見をためていくか、そして育てていくか、それから外国からも本当の一線の専門家を招聘してくるか、これについて大臣はどういうふうにお取り組みになられるおつもりか、御答弁をいただきたいと思います。


○国務大臣(谷垣禎一君)

 今、松井委員のおっしゃった点は非常に大事な御指摘なのではないかと私、思います。
 行政を具体的に展開していくときに、どれだけそれに関する専門家がいるかということを体系的に把握して行政をやっていくというような習慣が欧米諸国に比べてあるいは日本の行政省は乏しかったのかもしれないなと、今、委員のお話を聞きながらそんなことも感じたわけでありますが、しかし、それを嘆いてばかりいては先へ進みませんので、具体的に今度の食品安全委員会、食品安全基本法のこの設計をいたしますときにも、専門家の意見を聞きながら、どこにどういう専門家がいるかという体系的な把握にも努めながら来たつもりでありますけれども、現在まだ十分そういうことが私ども、できているわけではございません。

 今後、リスク分析手法を導入して食品の安全性の確保に向けて新たな枠組みをスタートするに当たっては、人材の確保というだけじゃなくて、どこにどういう専門家がおられるかということの体系的な把握ということは、これは相当力を入れてやっていかなければならないんだろうと思います。

 それでまた、委員が指摘されましたように、これはもちろん私どもだけじゃなくて、リスク管理を担当される機関あるいは文部科学省におかれましても、関連分野の専門家の充実を図っていただいたり、人材教育養成制度という中で充実していただくことも必要だと思いますが、食品安全委員会の行うリスク評価や具体的なリスク管理を行う中で専門家が育成されるという側面もあろうかと思います。私ども、活動していく中で、もちろんいろんな関係機関と連携を保ちながら私どもの仕事の中で専門家を養成していくということも意識してやらなければならないんではないかと思います。

 それから、先ほどの長谷川委員からの御質問にも関連するわけでありますけれども、外国の専門家、現状を考えますと、日本の国内の専門家だけで十分であるというふうに考えるわけにはいかないだろうと思います。必要な場合にはそういう方々の知見を十二分に活用していくという視点も併せて入れておかなければならないんだろうと思いますが、この点、今後十分意を用いて運営をしてまいりたいと、こう思っております。


○松井孝治君

 それで、食品の安全、先ほど長谷川理事の方からも御質問、指摘がありましたが、安全ということだけを専門家の知見だけで確保するというのは非常に難しい部分があると思うんです。しょせんそれは、専門家の数というのは幾ら増やしても限界があるわけでありまして、私は、フードチェーンというのが非常に多様になってきている、そして、先ほど申し上げたように、単に食品そのものだけでは安全性は確保できない、その周辺の農薬の問題やあるいは包装容器の問題、その他の問題をひっくるめて見ていかなければいけない、そのときに非常に重要な視点は、そこにどうやって消費者の方々を巻き込んでいくかということだと思うんです。

 幾ら科学的に安全性が立証されていても、やはり現実に食品に接していろんな具体的なトラブルを抱えるのは消費者でありまして、今回、施策の内容を伺っておりまして、消費者モニターのような制度は導入しますという御説明を受けました。予算は二千三百万円でありますと。標準的な従来の消費者モニターのお金の使い方であれば、恐らくこれは各都道府県に十人程度のモニターを置くぐらい、五百名程度のモニターを置くぐらいというお話を、御説明を受けました。ただ、これは新しい予算ですから、今後、使い道は、二千三百万円をどういうふうに使うかというのは今後決められるということだったんですが。

 私は、これもう少し、代表質問でも申し上げましたけれども、消費者とか生活者をもっと安全、安心を確保するための、単に被害者ということではなくて、そこに積極的に参画してもらうためにも、消費者をもっとモニターとして入っていただくというのは物すごく大事なことじゃないかなと思っています。言わば日々の生活の中で安全性についてのアンテナを一番高くしていただいているのは消費者の方々ですから。ですからこれ、今、食品の科学的知見をもって分析をする専門家をどうやって増やしていくかということについて大臣から前向きな御答弁をいただきましたけれども、是非、この消費者にもっともっと安全意識を持っていただいて、そこを、安全性をどうやって確保するかについて当事者になっていただいてチェックをしていただく、そのためにも消費者のモニターというのは是非拡充していただきたい。

 どうせ、この食品安全委員会が、この法律が成立して施行されるのはまだしばらく、三か月以内でしょうか、掛かりますね。そして、その間に消費者モニターの制度やいろんな施行に伴う準備活動をされると思います。そうしてくれば、この二千三百万円、非常に少ない予算だと私は思いますけれども、ただ、それにしても実際使えるのは恐らく半年ぐらい。その先に、やっぱり来年度以降、本当にこの食品安全基本法をきちっと施行させて、そして関連法律を改正し、それを施行していく中で、私は今、科学的知見を有する方々をどんどんもっと養成していく、あるいは確保していく、それと同時に消費者の方々にもっと主体的に取り組んでいただく、この制度も併せて充実していただきたい。

 そういう意味では、食品安全委員会に関する今回の法案に伴って予算措置は幾らですか、約二十億ですと。この金額というのは本当に、国民すべての食品の安全というものを確保するための予算措置として本当に十分なのか。あるいは、消費者の方々に日々の食品の安全についてのモニター的な活動をしていただくときに二千三百万円というのが本当に十分なのか。金額が多ければいい、あるいは人が多ければいいというふうに私は言いませんけれども、やっぱりここは、大臣の政治力をもってきちんとこれをもっともっと拡充をして、食品安全というものに恐らく国民の皆さん物すごく大きな関心を持っておられる、この分野にもっと大きな資源を日本全体として投下する、その意気込みを是非示していただきたい。

 恐らく六月、七月となってきますと来年度予算の要求に向けての大枠の議論が、どういう形に、骨太方針になるのか又は従来のようなシーリング閣議になるのか分かりませんけれども、そこの段階でやはりこれ、仮称担当大臣というふうにいつも大臣おっしゃいますけれども、そういうことではなくて、これにかかわられた大臣として政治力を是非発揮していただきたい。

 そのことについての御決意を賜りたいと思います。


○国務大臣(谷垣禎一君)

 またなかなか、国会で多々ますます弁ずなんという答弁はなかなかしにくいところでございますけれども、やはりこの委員会あるいは食品安全行政の重要性にかんがみまして、必要な予算措置は、これは私も一生懸命財務当局にもお願いをしなければならないと思っておりますし、今後、しっかりと活動できるようなことは私も一生懸命努力したいと、こう思っております。

 それで、五百人のモニター、やや二千数百万の予算はシャビーではないかという御趣旨だったと思います。差し当たってはまずこれを十分に活用して、やはりモニターというのは消費者の中で非常に大事な、我々のこの行政を進めていく上では非常に大事な役を担っていただきますので、そういう方たちの言わば、啓発と言っては失礼ですけれども、十分そういうことに当たっていきたいと思っておりますし、それから、今いろんなモニター、各省庁で持っておられて、消費者の声を聞くというのをやっておられて、全部合わせるとこれは、私もまだ十分分かりませんけれども、相当な数になるんだろうと思います。そういう方たちが消費者として食品に関して持っておられるようなお声もできるだけ活用させていただくようなことも考えなければならないなと、食品安全委員会としてそういうお声が伝達されてくるような、集まってくるような仕組みも考えておかなければならないなと思っております。


○松井孝治君

 是非、そうしていただきたいと思います。
 私、モニターというこの制度は面白いと思うんですね、謝金を払っていろいろチェックをしていただく。従来のモニターはどちらかというと、質問票を投げ掛けて、それに基本的に回収していただくと。謝金も何か一万円とかそこら辺ぐらい、一万二千円とかそれぐらいの金額の相場だったと思うんですが、これは広い意味で公の政策に対して一般の市民の方々がかかわり合いを持っていただく、それを、公務員だけが行政を運営するということじゃなくて、また審議会の委員とか大学の偉い先生だけが行政に対して意見を言うということじゃなくて、一般の市民に公益の一端を担っていただく制度。

 私は、必ずしも公務員ではなくて、謝金ですから、厳密に広く言えば非常勤公務員というモニターというのももっとあっていいかもしれません。日々雇用でもう少し、従来の消費者モニターのように月に一回ぐらい何か回答してもらうということではなくて、日々買物のついでに、言っちゃなんですけれども、若干の謝金を支払って、いろんなスーパーや商店街でどんなものが売られているのか、そこについての定期的な報告をいただく。言ってみれば、いわゆる国家公務員や地方公務員だけが行政を担うということではなくて、一般市民の方々に行政の本当に一部を担っていただくという意味では、これ、モニター制度というのは実は活用の仕方によっては非常に面白い制度だと思います。

 今おっしゃった大臣の御趣旨を生かして、特に消費者の食品のモニターというものは、従来の消費者モニター制度等をうまく活用してもっともっと多くの役割を担っていただければいいし、そういう方々と、リスクコミュニケーションという難しい言葉を使っていますが、もっと端的に、そういう方々が例えば大臣に、たまにでもいいですけれども、具体的な不安というものをきちんとぶつけられるような機会を作るとかいろんな形で、市民のあるいは一般の消費者の方々の声というものを食品安全行政に生かすやり方は幾らでもあると思います。是非工夫をしていただきたい、そのことをお願いしておきたいと思います。

 時間もありませんので、食育の問題について、今日、池坊政務官にもおいでをいただきました。先ほど高嶋委員の方から御質問がありまして、渡海副大臣の方からも、給食に郷土の産物とか料理を入れる、これは非常に意義がある、あるいは地域への愛着を増すような、非常に教育上も有意義であるというような御答弁があったと思います。

 重複は排除していきたいと思いますが、せっかく池坊政務官もおいででございます。私は、池坊政務官にお尋ねしたいんですが、先ほど高嶋委員から御指摘ありましたように、典型的に言うと教育の、給食の問題は、日本体育・学校健康センターに代表されるような問題があります。要するに、国が地域に対して、こうしろああしろというふうに余り言わない方がいいのはもう当然であると思います。しかしながら、現実には、やっぱり給食の仕組みがそういう中央集権的な構造を抱えているのは現実の問題としてあります。
 さっき渡海副大臣がおっしゃったように、やっぱりもっと地域に愛着を持っていただく。あるいは、先日の五月六日の委員会で農林水産省の研究所長の方においでいただいて、地産地消ということをもっと地域レベルで、給食なんて非常にいい例なので取り入れていくべきじゃないか、それが食育の基礎ではないかというような御答弁もいただきました。

 そういう御答弁を踏まえて、これは中央が押し付けるという意味ではなくて、谷垣大臣も池坊政務官も私も同郷でありますが、例えば私たちの同郷の土地でいえば、もっと京都の子供たちが京野菜、その地域の近くでいろんな生産者の方が一生懸命作っておられるその京野菜みたいなものを給食で取り入れて、そしてその生産者の顔が見えるような、農業というものをよくもっと日々の教育の中で分かるような、そして地域に愛着を持てるような、そういう給食というものをもっと取り入れるべきではないかと思います。

 これは、別に文部省がそれを京都市に例えば押し付けるということではなくて、そういうことがもっと地域から自発的に出てくるような雰囲気の醸成は私は必要ではないかと思うんですが、その辺り、非常に長い期間にわたって政務官をお務めでございますし、地域に対する愛着をお持ちの池坊政務官の方から、今後の食育あるいは給食の在り方についての御答弁をいただきたいと思います。

○大臣政務官(池坊保子君)

 私は、政務官になります前の委員のときから、学校における給食を完全に実施したいというふうに推奨してまいりました。

 なぜかと申しますと、この間、松井委員がおっしゃいましたように、今、朝食を抜いてくる子供たちが小学校では五%、中学では一四%でございます。昔から、金銀銅、朝食は金なんだ、それぐらいの大きな役割があるんだと言われておりますけれども、今の子供たちは朝御飯を食べる時間がない、また、睡眠時間が取れていないので朝御飯を食べたくないという状況にございます。その中にあって給食が果たす役割というのは、私は大であると思っております。今、小学校では九八%、中学校では六七%、この中学校を是非私は皆様方のお力もいただいて一〇〇%にしたいと思っているぐらいでございます。

 先日の松井議員の議事録を拝見いたしましたら、農水の政府委員の方が学校給食は大変お粗末だというお話でございましたが、それは遺憾でございまして、今、厚生労働省が作成しております一日に取る量の三分の一を取るようにと指導して、現実に私も視察をいたしまして、ともに学校給食、食べております。また、献立もチェックいたしております。きちんと栄養のバランスも考えておりますし、また、取ります量の五〇%のカルシウム、これはなかなか普通の生活では取れませんので、学校給食の中で取るようにいたしております。その結果、小中学校の子供たちの一〇〇%、カルシウムは充足いたしております。ところが、中学校を終えまして給食がなくなりますと、これががたんと減るんです。ですから、そういう意味で栄養の面からも大変に給食が必要であるということ。

 それからまた、給食は、言うまでもございませんが生きた教材でございます。今、総合学習と言われておりますけれども、同じものを子供たちが食べることによって、不登校やいじめの解消にも結び付くし連帯感が生まれてくる、それからまた、学校の先生との触れ合いが生まれてくる。今、委員がおっしゃいましたように、地元のものを取るべきであると。それは本当で、郷土を愛する心などというのは、実際に郷土にありますものを食べることによって、その作った人たちの苦労あるいは喜びというのを共感することが私はできるんだというふうに考えております。

 全国におきますと、例えば千葉県では七四%が県産のものを使っております。そして、佐賀県では六三%。大分、鹿児島でも五〇%近いもので県産のものを使っております。

 じゃ、私ども、大臣や委員や私がおります京都はどうかというのを調べましたところ、京都ですと、地域ではもういろんなものを多種使っております。例えば、鶏肉、卵、みそ、タケノコ、もう野菜はさることながら、いろいろと工夫して皆様方がお使いいただいているというのが現実でございます。

 京都市内は、じゃ、どうかといいますと、やっぱり七万四千食作らなければいけないわけですね。これは流通、それから大量に確保しなければならないという問題等がございますので、なかなか細やかに地産のものを使っているということにはなりませんけれども、本当にきめ細やかに地産のものを作って、子供たちにそういうものの喜び、それから親しみを教えようということの工夫は私どもいたしておりまして、先ほども、こういう「食生活を考えよう」という教材を私ども作っております。(資料を示す)この中に、北海道では何があるのかと。この中に、さっききっとお話ししたと思います、賀茂ナス田楽の話なども出ております。

 ですから、こういうものを通しまして、押し付けではなくて、醸成の中で、先ほど委員がおっしゃいました醸成が大切なんだと思います。都道府県が、地方公共団体がそうしようという雰囲気で盛り上がっていくことが大切だと思いますので、そういうふうにこれからも働き掛けていきたいと思いますので、地元の委員も是非御協力をよろしくお願いしたいと思います。


○松井孝治君

 是非、よろしくお願いいたします。

 栄養素の話をされました。栄養素の問題も非常に重要でありますが、おっしゃった後段の部分の、やっぱり郷土を思う気持ちみたいなものがどうやって作られていくのか。そして、それを、従来型のむしろ中央集権的な仕組みを崩していく中でもっと地域が自発的にそういう取組を行っていただくような、今後ともそういう意味での御努力をお願いしたいと思います。

 時間がもう残り少なくなりましたので、最後の御質問になろうかと思います。谷垣大臣にお伺いをいたします。

 これは先日、黒岩委員の方からも御質問があったようでありますが、この法律、附則の方にひそやかに、附則七条を見ますと、内閣府設置法の一部を改正する条項があって、四条の一項及び四条の三項の改正が盛り込まれています。そして、それに加えて、これは法律事項ではありませんが、関係閣僚会議におきましては、これは平成十四年の六月ですから、一年前の関係閣僚会議では、食品安全の担当大臣を置くということを政府として合意をされております。

 この附則七条、内閣府設置法上の第四条の規定の追加というのは、基本的に内閣府設置法上の第九条に特命担当大臣という規定がありまして、その特命担当大臣を置くためには、その事務が、内閣府設置法四条の一項、二項、あるいはその一項、二項と関連した三項の事務がなければ特命大臣がその事務に関して置くことができない。したがって、その手当てを地味にされていて、それについては余り政府側は御説明をされていないようでありますが、非常に大事な規定であると思います。

 私が何を言いたいかといいますと、この内閣府設置法四条の一項及びそれに関連して三項に事務が規定されているということは、内閣府設置法上の特命大臣、第九条に基づく特命大臣が置ける。そして、この特命大臣というのは第十二条に基づいて勧告が行える。そして、その勧告が受け入れられない場合は、最終的に内閣総理大臣が、内閣府設置法十二条に規定がありますが、指揮監督まで行える、内閣法六条に基づいた指揮命令まで内閣総理大臣が行えるというところまで入っているわけであります。しかも、その根拠規定である内閣府設置法上四条三項に位置付けられる新しい事務というのは、このリスク評価というものが明確に規定されているわけであります。

 そういう意味で、ここ、谷垣大臣、最後に御答弁いただきたいんですが、特命大臣を置くんだ、そしてその特命大臣は、きっちりこの食品安全委員会が法律上の権限、勧告権が与えられていますが、それを越えた権限が実はその特命大臣には内閣府設置法十二条に与えられているわけであります。

 そういう意味で、食品安全の担当大臣は特命大臣になり、その権限を必要なときにはきちっと他の行政機関に対して行使するんだ、その決意だけ最後に谷垣大臣に、そういう制度になっていますので、確認をしておきたいと思います。


○国務大臣(谷垣禎一君)

 松井委員は、内閣府の構成に大変お詳しくていらっしゃるので今詳しい御指摘がございましたけれども、要は、内閣府の特命担当大臣、これは食品安全委員会、食品安全委員会を担当する特命大臣を置くことも法律的には可能でございます。ただ、一方、必ず置けというふうには書いてございませんので、置くか置かないかは内閣総理大臣の判断になります。
 しかし、他方、お引きになりましたように、この委員会ができますと総合調整がどうしても必要でございますし、また関係閣僚会議においても、この委員会には担当大臣を置くようにという関係閣僚会議の決定と申しますか、合意事項がございますので、恐らくは、恐らくは私どもは特命担当大臣がという形で担当閣僚が置かれるだろうと。そういう場合には、その担当閣僚には当然、今、委員がおっしゃったような勧告権その他を適宜適切に行使して食品安全委員会の使命を全うできるように行動していただかなきゃならぬと、こういうことだろうと思います。


○松井孝治君

 そういうことで、強い指導力を持って食品安全の問題に取り組んでいただきますようにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。


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