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2003年5月16日 156回

参議院 個人情報の保護に関する特別委員会 会議録

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○松井孝治君

 民主党の松井孝治でございます。
 この法律案について質疑を続けさせていただきたいと思いますが、まず、これは事前通告をいたしておりませんが、非常に基本的なことでございますし、衆議院でも確認されている事項でございますが、細田大臣に確認をさせていただきたいと思います。

 この法律の、個人情報保護法案の第二条の「定義」に、「個人情報データベース等」という定義がございます。この第二条第二項の第一号にその定義がございますが、いわゆるホームページなどの検索エンジンですね、グーグルとかヤフーとかございます。これはこの第二条第二項第一号の個人情報データベースには当たらないということがもう衆議院の委員会でも確認されていると思いますが、具体的にこれどういうところがこの定義に、普通の一般の常識でいうと、特定個人情報を電子計算機を用いて検索できるように体系的に構築されているようなデータベースというふうに一般の方は読んでしまうと思うんですが、これは具体的にどの部分でこれ検索エンジンはこの個人情報データベースに当たらないのかということを大臣、可能でしたら御答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(細田博之君)

 この検索エンジンというのは、一般的には、例えば私自身の姓名によっても検索ができますし、あるいは個人情報保護法制なんというのでもできたり、あるいはいろんな事件、出来事等についてもできますですね。したがって、本来、そもそも体系的に個人についてのタグが付いていないということから、これは個人情報が体系的に構成されていないものとして個人情報データベース等に該当しないというふうにお答えしておるわけでございます。

○松井孝治君

 タグが付いていないから、私は、昨日、政府の関係の方とお話をしていまして、テキストのデータベースをそういったグーグルの方とかヤフーの方はお持ちじゃなくて、世の中に存在するいろんなホームページをざっと検索をしてくるから、タグが付いていないというのは自分でテキストデータをデータベースとして保有していないからというような御説明も部分的に受けたんですが、それは、そうすると、テキストデータベースを持っているかどうかということが基準になるわけではないんですか。

 大臣、ちょっとテクニカルな話ですから、もしあれでしたら政府参考人からでも結構です。

○政府参考人(藤井昭夫君)

 お答えいたします。
 データベースに該当するかどうかというのは、検索エンジン全体としての機能として考えているわけではなしに、あくまで検索用のソフトそれそのものがデータベース等という概念に当たるかどうかという考え方にしております。したがいまして、今御指摘の点についても、あくまで検索用のソフト自体は全体の個人情報、いわゆる識別可能な個人情報が体系的に言わば整理されて記録されているものというふうには見られないということから、個人データベース等には入らないという考え方になっておるわけでございます。

○松井孝治君

 そうしますと、これはあくまでも脱法的な運用がなされてはいけないという観点でお伺いするわけでありますが、自ら例えばテキストデータをサーバーとして持っているわけではない。しかしながら、例えば世の中に存在する大きなサーバーあるいはデータベース事業者と契約を持って、自らはデータを持たないし、当然、タグを付けた情報を持たないけれども、それを体系的に何らかの外のデータベースの検索を行ってそれを把握して提供するような、そういう事業者が出てきたような場合は、場合によってはこの「個人情報データベース等」とみなされる場合はあると。それは、検索ソフトがどういうふうに構築されているか等から判断をして、体系的と判断されるかどうかによって決まってくるということになると理解してよろしいでしょうか。

○政府参考人(藤井昭夫君)

 これも、恐縮でございますが、実際にどういうような形態の業者が出てくるかということを、その段階で改めてよく見ないと正確な判断はできないかと思いますが、ただ、一般論として申し上げますと、その業者の用いている検索ソフト、その検索ソフトの中に、単にいろんなカテゴリーの情報を基にタグを付けているということではなくて、個人情報についてのみ、のみと申しますか、個人情報を整理して、それで体系的に構成していて、そのソフトによって検索すると。専らですから個人情報の検索専用ソフトみたいな形になろうかと思いますけれども、そのためのソフト。ただし、外部のデータベースにどういう形でリンクしているかどうかというよりは、むしろ、そのソフト自体の中で体系的な形で個人情報が整理されて記録されているかどうかという観点からの判断になると思っております。

○松井孝治君

 これは具体的なデータベースの実態を見ないと確たることを、これ以上お伺いしてもしようがないと思うんですが、一つ留意いただきたいのは、やはり余り裁量的な解釈で、これが当たる、当たらないというふうに判断されてはしようがない。少なくとも、今のいわゆる検索エンジンというようなものは、これはIT社会の中ではこの利益を非常に享受している方々も多いものですから、そこは、体系的にということで、当たらないんだということは確認させていただいたと思います。

 それでは、通告を申し上げている本題の質問に入りたいと思います。

 この法律の構成が主務大臣制を取っていることについては、この本院の委員会においてもあるいは衆議院の委員会においても随分と議論がされてまいりましたが、この三十六条で主務大臣規定があるわけであります。それで、具体的にこの主務大臣というものの指定が、本当に明瞭な形で、個別具体的な事業者から見たときにはっきり分かるんだろうかということについて、衆議院の委員会でも若干の議論があったと理解しておりますが、そこについて細田大臣にお伺いをしたいと思います。

 衆議院で枝野委員が質問をされて、ゴルフ場の事例があったと思います。基本的にその事業所管でその主務大臣は決まるということだったと思うんですが、その事業所管という概念がこれは必ずしも明確でないものがありまして、ゴルフ場について、細田大臣、ゴルフ場自体は事業としては経済産業省の所管。しかしながら、財団法人が運営しているようなゴルフ場がありますね、財団法人あるいは社団法人が。これは大抵の場合は私の理解では文部科学省の所管であるというふうに考えますが、そうすると、財団法人のゴルフ場としては、事業として行われているのは経済産業省であるけれども、その趣旨に照らしてみると、体育の振興、スポーツの振興という観点で文部科学省の所管であると。そうすると、これは共管になるんでしょうか。

○国務大臣(細田博之君)

 基本的には、ゴルフ場が取り上げられて、個人情報処理事業者としてどういう問題があるかということに着目される場合には、普通は、サービス業であるゴルフ場がコンピューター等を用いていろいろな個人情報を取り扱うことに着目されると思いますので、基本的に経済産業省、サービス業を所管する経済産業省が全体を網羅すると考えて結構でございます。

 ただ、沿革的に、最近は余りございませんが、社団法人制のゴルフ場というものが過去にございまして、これは一応許可を受けて、文部科学大臣の許可を受けたものがあるわけでございますけれども、これは、そういう許可を受けた経緯があるからということで、相談をする方がまず文部科学省の方に行って御相談をするということは、当然それで結構でございます。したがって、その場合には両方が、別の意味で主務大臣になると。

 しかし、サービス業として普通はこの問題が提起されるわけですから、基本的には経済産業大臣と、それからいわゆるゴルフ場協会のような団体もあるわけでございますので、そこが言わば認定団体になったりして全体の運用をするということになるでしょうから、そういう取扱いがいいのではないかと思っております。

○松井孝治君

 端的にお答えいただきたいんですが、私が聞いているのは、社団法人の文部科学省所管のゴルフ場の場合は共管になるのかどうか。個別に相談されるかどうかなんということは聞いていないんです。この法律上の主務大臣はだれになるのかと。共管になるのか、あるいはおっしゃったサービス業ということで経済産業大臣になるのか、どっちなんですか。

○国務大臣(細田博之君) 

   私といたしましては、政府といたしましては、一般には経済産業大臣が主務大臣でありますが、社団法人制のゴルフ場につきましては、ゴルフ場事業の中の特殊形態で過去に許可をしたという観点で、社団法人を監督する立場から文部科学大臣も主務大臣として関与することがあり得ると考えております。

○松井孝治君

 あり得るとおっしゃったんですね。あるかどうか分からない、そういう状態にゴルフ場、社団法人のゴルフ場については置かれている。共管かどうか、今、あり得るというのが責任大臣の御答弁でありました。このことは是非記録に残しておきたいと思います。

 同じように、今、サービス業だから経済産業大臣の所管だとおっしゃいましたね。これ、サービス業という概念はどういうふうにとらえておられるんでしょうかね。私は、例えば経済産業省の設置法を見ますと、サービス業という言葉は非常に限定的にしか使われていないんですね。サービス業は全部経済産業省の所管なんですか。大臣、お願いします。

○国務大臣(細田博之君)

 厳密に言うと、サービス業は金融業とか特別の、その業務によって主務大臣が決定されておりますサービス業もございますから、私がサービス業と言ったのは必ずしも正確でございませんが、一般的に、その他の業として所管がはっきりしておらないサービス業については経済産業大臣が主務大臣として様々な行政を行っていることは、これまでの実績から見てはっきりしておると思っております。

○松井孝治君

 端的にお伺いしますが、塾とか英会話学校はどこの所管になりますか。

○政府参考人(藤井昭夫君)

 お答えいたします。
 塾といってもいろいろ、文部科学省から専門学校等の事業を、免許ですか、そういう受けている場合もあります。そういった場合は文部科学省が所管されるということになりますが、それ以外の塾については、今、大臣からお答え申し上げた、言わば他の省庁による所管がはっきりしていないサービス業ということになりまして、経済産業省が所管するということになると考えております。

○松井孝治君

 不思議なことだと思うんですね。文部科学省の所掌事務の中には恐らく生涯学習とかそういうことが入っていると思うんですよ。それが、特別の法令があるからそれは文部科学省だとか、ないからというのは何か変だと思いますし、それから、実は今、細田大臣がお認めになられたように、サービス業一般を経済産業省が所管しているというのは、もしもあるんなら法令上の根拠を示していただきたいと思うんですね。ですから、非常に今の話は、私は釈然としない。

 サービス業一般ということであれば、これ、もう一点、ちょっと論点が変わりますけれども、細田大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、例えば古物営業をしているところがありますね。これはどこの所管になるんですか。

○国務大臣(細田博之君)

 古物営業法については、古物というのが盗品その他とよく関連しておるということから、過去からの経緯によって、警察が営業については許可を行い、常時それを監視して、例えば贓物が取引されていなかったかどうかというようなことを監視するために、警察庁が所管、国家公安委員会の所管でございますけれども、ただこれも一般的に古物営業法によって行っているものが必ずしもすべて古物だけを扱っているかどうか分かりませんし、ネットオークションというようなことが衆議院でも議論になりましたけれども、あそこには実際上は新品のものが出たり、そういうこともあるわけでございますので、やはり商業一般でとらえることができると。

 それから、今のサービス業云々ということについては、経済産業省設置法上は「商鉱工業の発達及び改善に関する基本に関すること。」ということでサービス業、読まれております。

○松井孝治君

 私、法案担当の方から聞いたんですが、古物営業法というのはいわゆる事業所管法ではないんだと、ある種の、こういうことをしてはいけないという規制法なんで、その規制法の存在をもって、古物を売っているからといって警察庁の所管になるわけではない、国家公安委員会が主務大臣となるわけではないというふうに聞いています。

 そういう意味では、法律があってそれで何らかの規制をしているからということによって主務大臣が決まるわけではないというふうに考えますが、そういう私の理解で正しいでしょうか。これは政府側から聞いた話なんですが、細田大臣、いかがですか。

○国務大臣(細田博之君)

 しかしながら、各主務官庁がこれまでの行政においても、実際にその業と密接に関係があり、また、警察という目的からではありますけれども、許認可の対象となっている業である場合には、こういう場合は実際に苦情等を申し立てる人がどこへ行ったらいいかということが第一の判断になるわけでございますけれども、そのときに警察庁に行けば警察庁でいろいろ紹介をしていただいたり関係の団体を指導していただいたりということは私は妥当なことではないかと思います。

 もちろん、経済産業省に行ってそれをやってもらうことは当然できることでございます。

○松井孝治君

 ちょっとはっきりしないんですよね。この法律の主務大臣ということが、実態上警察とお付き合いがあるからそこに相談してもらわないかぬとか、あるいは文部科学省が設立を許可した財団であれば、それは事業としては経済産業省の事業だけれども文部科学省は主務大臣になる可能性があるとか、そういう答弁を大臣がされるというのは、これは私、ちょっと法律の運用上非常に透明性を欠くと思うんですよ。

 もう一つ事例聞かせてください。パチンコ屋さんはどうなんでしょうか。

○国務大臣(細田博之君)

 これは風俗営業という観点からは警察庁の所管である、国家公安委員会の所管であるわけでございます。
 これはしかし、いわゆる風俗営業という観点の許可制になっておるわけでございまして、しかし片方で、もしパチンコ店が一種の、先ほど言われましたような五万名以上のデータを持って何らかの情報処理のようなことをやっておるとすれば、これは経済産業省の所管であると言うこともできるわけでございます。

○松井孝治君

 私がなぜこういう質問をしているかということは委員の方々には御推察いただけると思うんですが、なり得るというような話が非常に多いわけであります。行政との、行政の所管関係というのは非常にこれ微妙でありまして、実態上いろいろな関係があるということとその行政がどういう法令上の根拠があってかかわっているかというのはもうまちまちなわけであります。それを事業を所管する大臣が主務大臣となるというのは、これは今の本当にこの経済の実態からいうと、いろんな事業やっている会社からいうと、じゃ、うちの会社はだれが、個人情報取扱事業者になったときにだれが主務大臣なのかというのは会社の方自体が分からないケースが非常にたくさんあると思うんです。その関連で私は御質問しているということをもう一回申し上げながら、更に御質問続けたいと思いますが。

 NPOがありますね。NPOというのはいろんな業務がNPO法上列記されていて、それの一つをやっているものもあれば複数やっているものがあると思います。これについて、これが当然、大きなNPOで個人情報取扱事業者になるというケースはもちろんあるわけでありまして、例えば国際協力を行っているNPO、町づくりを行っているNPO。NPOは認証制度ですから、基本的にどこの省に所管されているという認識はNPOの方々にはないと思うんですね。この方々の担当する主務大臣というのはどういうふうに決まっていくんでしょうか。

○政府参考人(藤井昭夫君)

 NPOの所管については、委員御指摘のとおりでございまして、NPOだからといってどこかの主務大臣が決まるということはないということでございます。やっぱりNPOが具体的にどういう事業をやっておられるかということによって、その事業を所管する大臣が主務大臣となるという考え方でございます。

○松井孝治君

 中間法人法というのができております。これは、端的に言えば、同窓会とか町内会のようなそういうものが存在するわけでありますね。

 これについても、例えば町内会というのは、主務大臣、大きな町内会で家族も含めたいろんなデータがたくさん保有しているという場合もありますね。同窓会なんて最たるもので、何十万人も同窓生がいるような大学の同窓会なんというのはあるわけですね。こういうものが例えば中間法人として登録されたと。ここが個人情報の取扱事業者になったときに、何とか大学の同窓会、これはもう既に社団法人として存在しているものもありますけれども、中間法人の場合はどうなんでしょうか。

○政府参考人(藤井昭夫君)

 お答えいたします。
 中間法人についても考え方は基本的に同じだと思いますが、ただ、中間法人ということになりますと、今御指摘のあった事例にも見られますように、その事業が本当に社会通念として事業と言われるべきものかどうかという意味でのやっぱりスクリーニングは必要になりまして、元々、この個人情報の保護法の対象にはならないというケースも出てくるとも考えております。

○松井孝治君

 事業をやっているケース、たくさんあるじゃないですか、同窓会館みたいなものを運営して。それはどうなるんですか。どこが主務大臣になるんですか。大学の同窓会で親睦組織、中間法人で設立された。どうなるんですか。それは運営実態を見ないと分からないということですか。

○国務大臣(細田博之君)

 この法律上は、実際に個人情報処理事業者として活動している内容がどの省の所管であるかを見るということになっております。

○松井孝治君

 要するに、委員の皆さんに申し上げたいんですが、その活動実態に応じて、一つの企業でも、例えば、個別企業名を挙げることに他意はありませんが、NECならNECという会社がある。ここは、従来からいえば経済産業省が担当するんでしょう、その事業は。でも、NECは通信、電気通信業もやっている。あるいはNECが関連事業でいろんなものを持っている。それは、例えばトヨタという会社は、ひょっとしたら病院までやっているかもしれないし住宅会社もやっている。それが一つの大きな顧客データを持って、当然、その一つの大きな顧客データベースはいろんなビジネスに活用できますから運用する。

 そうすると、一般的にトヨタのような非常に分かりやすい例でも、これはだれが主務大臣なのかというのは、事業の実態を見てみないと分からないということになるわけであります。ましてや、今申し上げたように、ここで業種名を挙げても、大臣は、いや、この大臣と共管になるかもしれないなんということをおっしゃる。

 これは、我々ですらそういう議論なんですから、逆に個別の事業者の観点から立ったら、それはそういう構成なんだからしようがないと開き直られたらそのとおりかもしれませんが、非常にやっぱり、これはだれが主務大臣になるかは、事業者の観点から見ると、どう判断されるか分からない。しかし、その主務大臣であるかどうかを判断する根拠が法令上明確になっているわけじゃない。

 例えばサービス業は、全般的に他の所掌に属さないものは経済産業省だなんということは、どこの法令を見たってそんなこと書いていないんですよ。さっき、商鉱工業の基本とかおっしゃいましたけれども、商鉱工業の発達改善の基本ということでそんなことが読めるのかということについても私は若干疑義があるのではないかと思うわけでありますが、ちょうど、政府参考人で松田行管局長がおいででございますが、これ、例えばサービス業で他の所掌に属さないものは経済産業省の所管なんですか、松田政府参考人。

○政府参考人(松田隆利君)

 突然のお尋ねでございますから、ちょっと正確に申し上げられるかどうか分かりませんが、先生御存じのように、先生も省庁改革を担当されて、国の行政組織の変遷について御承知のことかと存じますが、今、ちょっと恐縮でございますが、やはりちょっと法令そのものを見ませんとなかなか判断ができませんので、ちょっと答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

○松井孝治君

 これは、この法律の主務大臣をどういうふうに決めるかという法律の、本当にここの主務大臣が具体的な監督をするわけですよ。そこの決め方のことを私は聞いているわけですよ。

 で、これは別に非常にテクニカルな話じゃなくて、一般的に他の所掌に属さないような、たくさんそういう事業者がこの法律による縛りが掛かってくるわけです。義務が掛かってくるわけです。だけれども、私は、どういうところが所管するのか、主務大臣になるのか分からないという方々がたくさんいらっしゃる。そういう方々に対して説明してもらわにゃいかぬ。そのときに、いわゆる一般的なサービス業は全部経済産業省に行くのか、いや、そうじゃないのかということをお伺いしているわけでありまして、松田政府参考人はむしろ行政組織を担当しておられる観点から、役所の所管関係がどうなっているかというのは行管局長が一番お詳しいはずですから。

 別に私、テクニカルな非常にすき間をねらって言っているわけじゃなくて、一般的に、どこかの特定の役所が個別の法律に基づいて所管をするということに必ずしもなっていないようなもの、さっき御質問申し上げたような塾であるとか英会話学校というのはほとんどのものは別に特定の法律に基づいた法人じゃないんです、株式会社なんです。そういうものとか、ほかにいろんなサービス業がありますよね、今私も一々言いませんけれども、そういうものはバスケットクローズとして経済産業省が所管だということならそれは分かりやすい。

 先ほどから細田大臣がおっしゃっていることは私にはそういうふうに聞こえるんですが、そういう細田大臣の考え方は、これはちょっとむしろ片山大臣に僕は伺いたいと思いますが。いや、これはもう基本的なことですよ。行政分野の所管関係ですから、これは総務大臣が監督をしておられるわけですから。他の所掌に属さないサービス業は経済産業省の所管なんですか、片山大臣。

○国務大臣(片山虎之助君)

 国の役所は法令に基づいてやっているんですよ。法令に根拠がないものがその他で何とか省に行くということはあり得ない。

○松井孝治君

 明確な答弁だったと思うんですね。したがって、他の所掌に属さないものが経済産業省だということではないと思うんですよ。そうなってくると、結局事業の実態に応じて個別に判断しなければいけない。

 そうすると、私、やっぱりおかしいのは、この主務大臣制度を、まあ分かりますよ、主務大臣制度を取っておられることの一つの立論は。だけれども、事業者の観点から見たら、法令を見たって書いてない。今も大臣は、お二人の大臣が見解が若干これ違うわけですよ。それから、行政組織を担当しておられる政府参考人もはっきり、そういう分野がどこの省庁になるのかということもはっきりおっしゃれない。こういう状態で主務大臣をどうやって決めるんですか、そこに重大な疑義がありませんかということを私は指摘しているんですが、細田大臣、御答弁お願いします。

○国務大臣(細田博之君)

 主務大臣について、いろいろ所管について争いがあったり、なかなか明確でないようなケースも出てくる可能性はもちろんありますけれども、その場合は内閣総理大臣が実際に交通整理をするということになっておるわけでございます。

 それから、もう一つ申し上げますと、あらかじめこれは主務大臣はどこであるかをすべて明確にして、昨今新しい業態が幾らでも出てくる中で、これはこの業、これはこの省というふうに全部を決め切るということはできませんし、それから、その必要がない法律でございますのは、主務大臣というのはあくまでも事後的に、すべて問題となって、その問題の事例がどこで扱うべきかも問題になって、例えば二つの省が、じゃ両方でこれをやりましょうということにもなりますし、あるいは場合によっては内閣の方で振り分けることにもなりましょうし、そのことで全く問題はないというふうに認識をしておるわけでございます。

○松井孝治君

 いや、新しい事業が出てきて、それが所管が決まらないからこれは決めるという、それはそのとおりですよ。

 私が申し上げているのは、新しい事業じゃなくて、昔からあるビジネスについても役所の仕切りが決まっていないところってたくさんあるじゃないですかと。それについて特定の法益を持った法律があるから、それを所管しているからということで実態上付き合っている、だからそこは主務大臣になるんだというような考え方で整理していいのかと。

 経済産業省の中には中小企業庁というのがありますよ。中小企業については非常に密接な行政組織ですよ。じゃ、中小企業は全部、中小企業でもこれを、個人情報取扱業者になるところはたくさん出てきますよ。中小企業は全部中小企業庁の所管だということで、経済産業省が主務官庁になるんですか。ならないでしょう。なりますか、大臣。

○国務大臣(細田博之君)

 主務大臣を定めた法律は、戦後だけでももう本当にたくさんあるわけですね。私自身も行政に携わっておるときに積極的な権限争議が起こって、これはわしの所管である、いや、こっちであるということを協議してきたこともあるし、消極的権限争議で、いや、わしの方は関係ないからおたくの省でしょうというようなことが起こり得ることは事実でございますし、過去にもたくさんの事例がございます。

 そのときに、各省が調整をしながら、救済を受けるべき例えば個人に迷惑が掛からないように速やかに決める必要がありますし、過去の例として、もう一つ非常にいい決め方という例がたくさんありまして、こういう個人を救済する、例えば消費者保護でも何でもいろいろありますね。

 おっしゃったように、一つの企業がよく見ると幾つにも関係するのはあるんですよ。情報処理業だって、いろいろ電気通信の関係があれば総務省と一緒に共管になるとか、そういう企業もたくさんあるわけですが、手を挙げれば、この問題は結構ですねと、私の方に申請がありましたけれども、苦情について、これをこれから処理さしていただきますが結構ですねということを、内閣の方でも連絡体制を取ることによって、いや、これは私も関心があるし、こういう法律に基づいてウオッチする必要がありますから一緒にやりましょうと言うと、それを直ちに両方とも一緒に対応するということも行われているんですよ。その所管争いでどっちがどうだ、わしじゃない、あなたじゃないということを避けることが最も行政庁としては国民に対して大事なことですので、そういうルールというのはもう不文律ですが過去にたくさんあるわけでございます。

○松井孝治君

 いや、それは分かっているんですよ。分かっていて、そういうことでいろんなトラブルがあって、縦割り行政ということで、国民は中央省庁のその縦割りに対して不信感があるわけですよ。現実にこういう個人情報保護のような最も透明性、運用の透明性が認められるものについて、そういう、いや、これはうちの役所も関連すると言って一杯寄ってくるかもしれないし、いや、だれもこれは、あなた、この事業は私は関係ありませんと言って逃げる場合もある。そんな不透明な不安定な制度でいいんですかと。だから、もうこれ以上議論は、余りこの議論だけではありませんから長引かせませんけれども、私たちは第三者機関のようなものを作って、そこが一元的に監督官庁として行政責任を担った方がいいんじゃないですかと、それを申し上げているわけであります。

 それで、とにかく、今大体議論をしていて皆さん方、あるいはこれを、この議論を見られた国民の方々は、そこがやっぱり相当いい加減な部分があるな、不透明な部分があるなという印象を持たれたと思いますよ。

 しかしながら、じゃ例えば、現実にこの法律が運用されることになると、そうすると、いろんな役所から、今、大臣がおっしゃったように、規定として、行政機関が相互に連携を密にしなければいけないという訓示規定があるのは知っています。ですからそんな答弁は要りませんけれども、いろんな役所から、いや、お宅は複数の事業を持っているからと、例えば五つも六つもの役所が主務官庁だといっていろんな改善命令、勧告を出されるということはあり得るわけですね、制度上。そうしたときに、企業から見て、事業者から見て、いや、ちょっと勘弁してくださいと、もう五つも六つもの役所からそんなことを言われたらたまらぬですという悲鳴が上がってきたときに、その人はどこに駆け込んだらいいんですか。そういう窓口はありますか。

○国務大臣(細田博之君)

 その前に、そのような段階に至るようなケースにおいては、内閣が、内閣府で調整をいたしましてきちっとあらかじめ決めなければならないと思っております。

○松井孝治君

 その前に内閣府が調整して決めるとおっしゃいましたが、主務大臣がいろんな具体的なこの法律に基づく権限があるわけですね、主務大臣の。事業者から見たら主務大臣の監督に付さなければいけないような条項があるわけですね。それを行うときに、法律どこを見ても内閣府を通じてやると書いていないように私は見えるんですが、私の見落としでしょうか。

○国務大臣(細田博之君)

 内閣府でこの問題を各省と調整をして、案外この関係で多いかもしれないのは、個人情報処理、しかもコンピューター、インターネット等を通じていろいろやられるものでございますから、最も多そうなケースというのは、経済産業省と総務省が、いやこれは両方だと言って主張する場合は、それじゃこの問題についてはこうしましょうと。ただ、そういうときの行政庁の不文律は、この問題を速やかに処理するためにお互いに手を挙げて処理するけれども、共同で処理するけれども、それはその情報処理事業者等に迷惑を掛けないためにそうするけれども、これは事後の所管問題について前例として決定するものではないというような、これはやや行政庁の運用の中身に立ち入ったようなことを申しますけれども。

 そういうことによって国民に御迷惑は掛からないようにする仕組みでやっておりますし、それは常に今まで、もうたくさんある法律の中での所管、主務大臣があるものについてはいろいろな知恵が出されて何十年も来ている問題であり、また議員は正にそのことをよく御存じになりながらおっしゃっているわけですから、決して私はそれは阻害要因になるようなことはない。ましてこの法律は、いわゆる許認可権のような、非常にそのことで業が始まったり仕事が始まったりするようなものと違いまして、個人が自分の権利を侵害された、それをまず企業との間で調整をする、その上でいろいろな認定団体による苦情処理等も経て、それから主務大臣の方に入ってくるというか、そういうことでございますので、非常に例外的であると同時に事後的であることは御認識いただきたいと思います。

 あらかじめどの主務大臣だろうかと個人情報事業者がおびえてまずいる必要があるような法体系じゃございませんので、まず個人が直接この苦情を申し立てるところから始まりますので、その処理をきちっとやっていただければ全部そういうものはそういうもので終わると。それで処理し切れないものについての話でございますので、そういう対応はできると思っております。

○松井孝治君

 分かっているから聞いているんですよ。
 それで、それで本当に縦割り行政で、もう片山大臣もちょっと笑っておられますけれども、それで情報通信の分野でどれだけの事業者が苦しんでいるか。不文律があるというが、不文律という言葉自体がおかしいんですよ。そういう言葉を行政の世界からやっぱりなくしていきましょうというのが行政の、今の行革の方針じゃなかったですか、片山大臣。そういう不文律で、取りあえずこの窓口にしておいて、後でやりましょうとか、あるいは権限関係の前例にしない覚書を作りますとか、一杯見てきましたよ、そんなもの。細田大臣も見てこられたでしょう、片山大臣も見てこられているけれども。そういうのがおかしいということで行政改革をやっているんじゃないですか。

 そういうことを従来やってきたから大丈夫ですよというようなことではなくて、従来やってきて、それで事業者に迷惑が掛かっていて、何とかしなきゃいかぬ、縦割りを是正しなきゃいかぬということで我々は議論をしているということが大前提にあるということは、これは細田大臣、是非認識をいただきたいと思います。

 そういう意味で、私はきちんと事前に、例えば情報通信の世界とか、これはこういう仕切りでいきましょうねとか、政府内で決めていただかにゃいかぬ。だけれども、決めていただいたとしても、現実にいろいろそれぞれの役所は個別の法益がありますから、いや、ここの事業は、例えば一つの事業でも、うちの関連した事業はこんなことでは困るんですと、名簿の扱いはというようなことをそれぞれの主務官庁が口を出せる仕組みになっているんです、事業を所管していれば。

 だけれども、それが出てきたときに、いや、しかしたまらぬと、こんなもう六つも七つも主務官庁からいろんなものを言われて、あちこちばらばらなことを言われたら困るというようなことが出てきたときに、出ないように工夫されるのは分かります。もし出てきたときに、どこに相談したらいいか、窓口がありますかと私は役所の人に聞いた。そうしたら、窓口はありませんから、そのときは個別の役所の苦情相談とか消費者相談に行ってくださいというのがお答えだったんですが、そんなことでいいんでしょうか。

○国務大臣(細田博之君) 相談は、身近な自分のところと関係するところに御相談いただいたらいいと思います。
 ただ、法的措置になりますと、法的措置に具体的になってまいりますと、それは主務大臣というものを明確にしなきゃいけませんし、それは関係各省の間ですぐ協議をして決めなきゃなりませんので、その速やかな体制を今後取っていくと。いやしくも国民に迷惑を掛け、それが遅滞するようなことがないような体制を組むことだけはお約束できると思います。

○松井孝治君 その体制なんですけれども、具体的に、各主務大臣のところに御相談を、それはもちろん各主務大臣にも苦情を言ったらいいと思いますよ。だけれども、そうじゃなくて、そういう行政の縦割りが出てきた、主務大臣制を取る以上は、僕はやっぱりそういうことというのは必ずマージナルな部分では出てくる可能性があると思うんですよ。そのときには、この個人情報保護法の運用に関しては、例えば内閣府なら内閣府でそういう相談窓口を置く。これは別に法令上のそんな根拠がなくても置けるわけです。そういうおつもりはあるわけですか。

○国務大臣(細田博之君) それは当然いたします。

○松井孝治君

 そのことは確認させていただいて、もう一つ、これは逆に、今、事業者の立場から御質問申し上げましたが、個人の立場から、ちょっとこれはこういうケースが具体的にあるかどうか分かりませんけれども、一つの事例を挙げて聞きたいと思います。

 例えば、この法律の施行前に、私だっていろんなところで物を買ったときに顧客カードみたいなものに自分の個人情報を書き込むことがありますね。恐らく多くの国民はそういうことで情報提供をしておられて、住所を書かれたり電話番号を書かれたり、何の用途に使うのか分からないけれども生年月日を書くなんてことはよくあったと思います。

 そこで、ある事業者に対して自分の個人情報を提供いたしました。そして、この法律が施行になりました。この法律にのっとって、その事業者は適法に第三者提供を、自分が持っている名簿を適法に別の事業者に対してされました。そうすると、個人については、例えば私が氏名、住所、電話番号、生年月日を登録したとしますね。その私の情報が、私が登録した事業者と別の事業者に提供されたとします。そこの事業者から私のところにダイレクトメールが来た、あるいは誕生日おめでとうございます、誕生日のお祝いにこういうものはどうですかという案内が来た。私は、例えば誕生日の、私はそこの事業者に私の誕生日なんか提供した覚えがない。これを私は、私の誕生日について一々誕生日にダイレクトメールを送るのはやめてくれと言うことはできるんでしょうか、細田大臣。いや、これは基本的なことですから、細田大臣。これはもう非常に基本的なことです。

○国務大臣(細田博之君)

 自分の誕生日が分かってしまって、それを向こうが勝手におめでとうございますと言ってきたと。それを例えばデータの中から削除してくれと請求することはできると思いますが、だから、その削除することがどのぐらいの負担になるかということもあると思います。例えば、CD―ROMで販売されていると、例えば役員四季報ですね、この間の、そういう話もあるかもしれません。そういうことでございますから、個人からは請求することはできると思っております。

○松井孝治君

 参考人、端的にお答えいただきたいですけれども、請求するのは個人の自由ですけれども、それは、法律上それは削除を求められるんですか、削除しなければいけないんですか、事業者は。削除することは求められないですよね、削除する義務はないですよね、事業者に。

○政府参考人(藤井昭夫君)

 委員御指摘のケースは、ある個人情報取扱事業者が合法的に持っていた個人データ、それが違法に他の個人情報取扱事業者に提供されたという事例ではないんですか。

○松井孝治君

 質問を聞いてください。適法に第三者提供された場合と言って最初に聞いているんですから。政府参考人はきちんと質疑の状況を聞いて答弁してください、時間の無駄ですから。

 適法に提供された場合、私が元々提供した生年月日の情報は削除できないでしょう。

○政府参考人(藤井昭夫君)

 別に違法な取得、違法な取扱いがあったわけではございませんから、利用停止請求の対象にはなりません。

○松井孝治君

 そうなんですよ、請求対象にならないんですよ。というか、請求するのは個人としては自由かもしれないけれども、それは法律上認められないんです。

 これは、例えば私の生年月日が間違っていましたと。どうもどこかで入力ミスがあったみたいだと。間違った日に来ている、誕生日おめでとうございますと。これを私は正しい生年月日に改めることはできますか、参考人。

○政府参考人(藤井昭夫君)

 誤ったデータが保有されている場合は、その事業の利用目的に必要な範囲内で訂正義務が生じるということになります。

○松井孝治君

 それでは、誤った生年月日が登録されて、来ていると。しかしながら、私は元々、例えばケーキ屋さんにはあるいは本屋さんには、最初に提供したときに本屋さんだから生年月日書いた。ところが、次にDMが来たのは、適法にそれが提供され、第三者提供が行われて、ラーメン屋さんから誕生日おめでとうございますというのが来た。しかもその情報が間違っていた。だけれども、そのラーメン屋さんには申し訳ないけれども私は自分の生年月日を言いたくない。そのときに、間違った情報を訂正することはできますが、その間違った生年月日を訂正して、それは間違っていますから削除してください、しかし私はあなたには生年月日を出したくないんです、そういうケースは、私は間違った生年月日、間違った個人情報を削除をすることを求められますか。この法律上それは担保されていますか。

○政府参考人(藤井昭夫君)

 御指摘のケースのようになりますと相当やっぱり事実を確認しなきゃいかぬと思いますが、あえてそこを申し上げますと、あくまで訂正は間違っているかどうかということでございまして、今の、生年月日は間違っていないけれども嫌だというようなケースだと思いますが、そういった場合は基本的には訂正請求の対象にはならないと思います。

 ただ、生年月日というものが、新たにそのデータをお持ちになっている事業者の利用目的に必要なデータであるかどうかというところもございまして、それがもし不必要なものであれば、むしろそういったのは利用停止してくださいということは言えるということだと思います。

○松井孝治君

 それは、不必要かどうかはだれが決めるんですか。

○政府参考人(藤井昭夫君)

 法律上は、観念的にはそういう事実があったらそれは不必要なものということになるんですが、実際には訂正義務とか停止義務が生じるかどうかという判断になろうかと思いますから、その場合は、現に求めを受けた事業者が判断するということになります。

○松井孝治君

 じゃ、事業者が判断するんですね。
 私が政府側から聞いているのは、訂正することは可能であったとしても、いったん自分が提供したものであれば、例えば、その提供した情報が法施行前のものであって別の事業者に提供した情報であっても、それを訂正することはできる。自己情報について訂正することはできるけれども、いったん法施行前に提供したものであってもそれを削除するということはできない。仮にそれが誤っていてもできないというのが、これは法案の担当者から私は伺った話で、これは私は、さすがにケース・バイ・ケースかもしれないけれども、そういう不条理なケースが出てくるんじゃないかということを申し上げたいわけです。

 そうしたときに、本当に、私は、情報というのは、いったん流通してきたものを本人が本人の都合ですべてをそれをコントロールさせるとこの情報社会に逆行する部分も確かにあると思いますから、今の法律の規定上、訂正権はあるけれども削除権がないというのは、そういう論理整合性を重視したものだと思うんですけれども、しかしながら、今、政府参考人ですら法案の起案者とちょっと違うことをおっしゃった。法案の起案者に聞いたら、それは、恐らくこういう方々が法律の運用をされると思うんですが、その情報、生年月日の情報でも住所でもいいんですよ、間違った住所に引き続きDMが送られ続ける、だからこれを訂正してくれと言うことはできるけれども、だけれども、その間違った住所をあなたには提供していないんだから、それは削除してくれと言えないというのが今の法律上の運用だということなんです。

 こういうことについて、やはり私がお願いしたいのは、制度的にはそういうことで切るのかもしれないけれども、実際、その個別の苦情の実例に応じてやっぱり判断していかなければひどいことが起こってくるんではないかというふうに思うんですけれども、今後の法律の運用について、そこら辺の弾力性というのはどの程度あるんでしょうか。

○国務大臣(細田博之君)

 究極的には、それは一件一件が、例えば個人の判断によって訴訟等に持ち込まれ、あるいは主務官庁に持ち込まれて、あるいは関係団体との話合いで企業がそれにどう良心的に対応するか。

 できない場合に、やはりそれが個人の利益、権利にとって極めて重大であるからということであくまでも請求をして、あらゆる措置について、訴訟に訴えるとかそういうことによって前例が、判例が積み上がっていって、おのずと自己情報、すべての自己情報は自分がコントロールできるという学説もありますけれども、やはり中には、実際に非常に今後社会生活を営む上で大変な場合もあるし大きな負担を伴うから、やはりそこまでは請求は認めないけれども、次に発表、それを加工し直すときには削除するとか、いろんな実態によって対応する。そして、最終的には判例によって対応するしかないのではないかと。そういう意味で、非常にソフトな法律であることは私どもも認めておるわけでございます。

○松井孝治君

 そういう私も個別具体的な事例に即して対応しなければいけない部分があると思います、恐らく。法律の起草者が想定していなかったような事態が私はあるんではないかということを今申し上げているんです。そのときに、私は今申し上げたように、それは事業者の判断だとかあるいは主務官庁の判断だということになってくると、どうしても弾力的に判断しなければいけないんだけれども、一つ間違ったらそれは非常に裁量的な運用になってしまうかもしれない。これは二律背反の部分です。

 だから、そういう意味でも主務官庁制度ではなくて第三者機関のようなものを作って、ある程度弾力的に判断をせざるを得ないけれども、そこはきちっと相互チェックが働くような組織にしなければいけないのではないかということを実は私が申し上げたくて、るるこういう御質問を申し上げているわけであります。答弁は要りません。

 予定された時間が、最初の部分で随分時間を取ってしまったものですから時間がなくなってまいりましたが、セキュリティー監査について、これは片山大臣に御答弁をお願いしたいと思います。

 住民基本台帳ネットワーク、去年大変大きな騒動になったわけでありますが、この行政情報、行政機関が所有する情報の保護、個人情報の保護をどういうふうに行うかについていろんな議論がなされています。

 それで、昨年の七月二十九日に、これ片山大臣が記者会見をされていますし、総務省の方からその記者会見のときの発表資料もいただいたんですが、住民基本台帳ネットワークシステムを稼働するに当たり、以下の措置を新たに講ずることとするという記者発表がされています。その中に、外部監査によるシステム運営監査という条項があって、全地方公共団体を対象に監査法人等による外部監査を実施するというふうに明言されていますし、個別の新聞報道でも片山大臣はそういうふうにおっしゃったという新聞報道を私は持っております。

 本当に行政機関、特に市区町村が住民基本台帳ネットワークを運用する、その際のセキュリティーの問題が今非常に問われています。実際に、この外部監査をちゃんと全市区町村に、全地方公共団体に受けさせますから安心してくださいということを片山大臣が発表されたわけですが、現実にこの発表から一年近くたつわけでありますが、市区町村のうち外部監査を受けた団体は幾つありますか。片山大臣。

○国務大臣(片山虎之助君)

 私が去年の七月二十九日付けでこういうことを決めまして、記者会見で発表いたしました。今、委員が読まれたとおりなんです。その中に括弧があるんですよ。外部監査を実施する、括弧で、稼働後できるだけ早期に、全団体に対して、運営面でのチェックリストを配布し、その回答状況を点検するとともに、監査法人等により個別に監査を行う方法でやると、こういうことなんですよ。

 全部、三千二百も三百も全部外部監査法人を頼んできてやるというのは、お金の問題もありますし、それから手間や手続もあるので、チェックリストについては市町村に勝手に作らせるんじゃなくて、総務省と指定情報処理機関が協力してそのチェックリストというか調査票を作って、これを配布して、点検させて、それをまた見て分析をして個別に指導すると。その中で、特にこれは外部監査法人に直接やらせた方がいいというものはやると、これが百八市町村において実施だと、こういうことになっています。

○松井孝治君

 今百八とおっしゃいました。三千二百余りある市区町村の中の百八しか実施されていないんです。確かにそういう読み方はできるのかもしれません、この文章を見ると、厳密に見ると。ただし、全地方公共団体を対象に監査法人等による外部監査を実施すると本文に書いてあるわけですよ。括弧して、見ると、早期に、全団体に対して、運営面のチェックリストを配布し、その回答状況を点検するとともに、監査法人等による個別に監査を行う方法を検討と。この全団体に対してというのはどこまで掛かっているんだという文章の読み方みたいな問題なんです。この全団体に対してというのはチェックリストを配布するということまでしか掛かっていないんだから、これはあとの外部監査は、三千二百のうち百幾つも受けているんだから十分だろうというふうな答弁に、今の片山大臣の答弁が聞こえるんですが、そういう御趣旨ですか。

○国務大臣(片山虎之助君)

 この全団体に対してというのは、運営面でのチェックリストを配布して、その回答状況を点検するという、ここまでまず掛かるんです。点検した結果、必要なものは監査法人等による個別に監査を行う方法をやると。だから、両方掛かっているんです。

○松井孝治君

 じゃ、伺いますよ。両方掛かっているんでいいですよ、両方掛かっていいんですけれども、三千二百にチェックリストを配られましたよね、外郭団体が。外郭団体が配られましたけれども、そのうち、その百八の、百八でしたっけ、外部監査を受けられる。これ、この百八はだれが選んだんですか。その必要性をちゃんと総務大臣が判断して、じゃこの百八は必要だからという判断をして、選ばれて外部監査を受けられたというのなら私は今の答弁は納得できないわけではないですよ。私はそういうことと必ずしも理解していないんですが、いかがですか。端的に、時間がありませんので。

○政府参考人(畠中誠二郎君)

 事実経過でございますので、私の方からお答えさせていただきます。

 これは、指定情報処理機関と都道府県との話合いで、全県一から三団体、各県一から三団体、都道府県の希望でございます。失礼しました、市町村でございます。

○松井孝治君

 そうなんですよ、市区町村の希望なんですよ。どちらかというと、私が聞いている限りでは、まじめなところで、うちは外部監査を受けたいと、そういうチェックを受けておきたい、きちんとしたシステムを構築する上で、というところが手を挙げておられるんですよ。

 それは判断が、これ、チェックリストを見ていて甘い、ここはちょっと危ないなということで、片山大臣の判断で、じゃここは受けさせようということだったら今の片山大臣の答弁は整合性があるんですよ。ところが、実際は、うちは受けてみたい、外部監査を受けてみたいというところが手を挙げられて、百八、外部監査を受けておられるんですよ。

 こんなことで、片山大臣、私は、これ自治事務であることは知っています、ですから今の制度上は市区町村が自分の責任で判断しなければいけないということが根幹にあるのは知っていますけれども、ただ、事は、これみんな今LGWANと霞が関WANがもう相当つながっていますよね。どこかでセキュリティーを壊されるようなことがあったら、それは全体の、国の全体の仕組みに影響するわけですよ。そういう意味では、個人情報、国民の個人情報保護全体がリスクにさらされる可能性があるんですよ。

 だから、自治事務ではあるけれども、これはその趣旨、元々片山大臣がこれは大分か何かでたしか記者会見されたやつですよね、去年の七月二十九日に。それはやっぱり私は、この問題については自治事務かもしれないけれども、やっぱり総務省が、地方自治制度を所管し、なおかつ情報通信制度を見ておられる総務省が、やっぱりこのセキュリティーの問題については全国民に責任を持って、きちんと胸を張れるような制度にしておかなければいけないんじゃないんですか。

 そういう意味で、この百八、自分で手を挙げたという団体は外部監査を受けました、それで片山大臣の七月二十九日の記者会見の趣旨が達成されたとは私は思えないんですが、大臣、いかがですか。

○国務大臣(片山虎之助君)

 こういうことなんですね。今の百八は、なるほど希望なんですよ。そこで、今、二月ぐらいまでに全部自己点検の、自主点検の調査票を回収して、今それを中を点検しているんです、今度は再点検を。それから分析をしているんですね。その結果、これから七月末までに、第二次稼働が八月末ですからね、だからそれまでに個別の指導をやろうと、抜き出して、悪いものは、こういうように考えておりましてね、まあ一割ぐらいが必ずしも十分でないという我々の認識を持っておりますので、これはもう個別に指導すると、府県を通じてか府県と一緒に。こういうことを考えておりまして、第二次稼働までには全部点検しよう、それで必要があるものは更に外部監査ということも検討すると、こういうことになります。

 それと、住基ネットワークと、例のあれ、総合行政WAN、LGWAN、これと霞が関WANつなぎましたけれども、これは別の体系ですからね、委員御承知のように。住基ネットワークは全国でやってるでしょう。だから、これを、こっちが結んでいるから住基ネットワークがどうだということにはなりませんので。

○松井孝治君

 終わろうと思ったんですが、今おっしゃったので、一言だけ言いたいと思いますが。

 住基ネットワークとWANが違うのは分かっているんですよ。だけど、住基ネットワークに入るときの市区町村の職員はLGWANに入っているわけですよ。そこが、住基ネットに入れる、入力するところが危ないと言われているんですよ、一番危ないと言われている。その市区町村の職員の机の上にあるパソコンの管理が一番危ないと言われているんですよ。サーバーから、コミュニケーションサーバーから先の話は大体大丈夫なんですよ、それでもいろいろ議論はありますけれども。

 だから、そこの面は、今おっしゃったことに限らず、きちっとセキュリティーのチェックをしていただきたい。

 本来は、今日は細田大臣に、恐らく同僚の他党の議員からも追及があるかもしれませんが、レガシーの問題であるとか、このセキュリティーの問題というのは、単にセキュリティーだけの問題じゃなくて、IT調達、これが非常に根の深い問題があります。

 それから、自治体の職員の皆さん方からいうと、本当に発注するときに仕様書を書く能力がない、だからベンダーの方々に、ベンダーと言っても分かりにくいですけれども、メーカーの方々に仕様書を書いてもらって、セキュリティーも含めてみんな丸投げをしてしまう、はやりの言葉でありますが、丸投げをしてしまう結果、ベンダー、要するにメーカーの人たちがあっちこっちの全国の三千二百相手に商売ができて、物すごくおいしい商売ができている。それで結果としてセキュリティーの問題も非常に大きな問題をはらんでいるじゃないか。

 税金の使い道、セキュリティーの問題、あるいはITを使った本当にe―Japanというものを構築する上で大きな問題を抱えているということをるる個別事例を含めて御指摘をさせていただきたかったんですが、これは別の機会に譲らせていただいて、同僚議員の質問に譲りたいと思います。

 ありがとうございました。


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