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2003年6月02日 156回

参議院 武力攻撃事態への対処に関する特別委員会 議事録

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○委員長(山崎正昭君)

 安全保障会議設置法の一部を改正する法律案外二案について、前回に引き続き、質疑を行います。

 質疑のある方は順次御発言願います。


○松井孝治君

 民主党の松井孝治でございます。
 今日は、お忙しい中、五大臣におそろいをいただきましてありがとうございました。本日は、この三法案に関連し、また、これ本当に有事の危機に当たって政府、内閣は国民の生命、財産を守るという基本的な責務を果たし得るのかどうか、関係大臣からそれぞれ御答弁をいただきたいと思います。

 今日は、時間の関係で片山総務大臣が早く御退席をされるということがございましたので、全体の順序を少し変えまして、まず、片山大臣が関連した御質問からさせていただきたいと思います。

 一週間前に、鴻池大臣、宮城沖で地震がございましたですね。この法案に直接関係ありませんが、やはりこの有事というのは、当然、自然災害も含めた危機対応というのは、国民から見れば非常に、先ほどの地方公聴会の御報告にもありましたけれども、非常に大きな関心を持っておられる部分だと思います。

 今回の地震に際しての対応、政府側の対応は、結果として大きな、被災された方はお気の毒ではありますが、全体からいえば、その揺れの割には災害の規模が比較的小さかったということもありまして、政府の対応も円滑なものだったと私も思いますけれども、ただ、やはり教訓があると思いますね。

 私もそうですが、宮城県あるいは東北の方に電話をしようとしましたら全然通じませんでした。あっちこっちでそういう事態が頻発をしたようでありまして、今、携帯電話が非常に皆さん普及していますが、携帯電話もそうですし、有線の電話ももう相当不通になっていたようでございます。
 これに関連しまして、片山大臣、お尋ねしたいんですが、一一九番も、お掛けになられた方もやっぱり電話が通じなかったという話を聞いております。これはたまたまそういうことだったのかどうなのか実態を把握されるお立場にあるわけですが、私も含めて、安否を確認したいということで地震で揺れを感じた瞬間に親戚やらあるいは知人、友人に電話するわけですね。それも国民感情としては当然のことであります。

 ただ同時に、本当に生命の危機に瀕して、火の手が上がった、一一九番を掛けた方がそういう電話、照会の電話に圧迫されて回線が非常に混雑をして、いざというときに本当の命にかかわる問題について電話が不通になってしまうということであると、これはやっぱり将来大災害が起こったときに多くの生命が失われることになるんではないかと思うわけですが、本当の緊急時、例えば一一九番に掛かる例えば通信網の、交換機の枠をある程度補完をするような指導を電気通信事業者にされるとか、そういった対応というのは今後なさるつもりはおありでしょうか。


○国務大臣(片山虎之助君)

 今お話しの今回の宮城県沖での地震の話なんですが、こういうときには、法律の規定もあるんですけれども、一般利用者の固定電話と携帯電話からの通話を規制するんですよ。何で規制するかというと、今正に委員が言われたように、一一〇番、一一九番等の緊急通報を優先するため、それから、警察や消防や気象庁などの災害関係機関同士が行う通信がありますね、こういうものを優先するために一般の方を抑えるんです。一一九や一一〇が規制されることはありませんし、今回の件で御質問があるということで電気通信事業者等に確認しましたら、そういう苦情は来ていないと、こういうことでございまして。

 一般の電話は規制したんですよ。これは災害のときはパニックになるんです。もう三十倍から五十倍ぐらい掛かってくる。だから一般の電話は抑えるんです。今言ったような公的な電話とか緊急通話だとか、こういうものはもうちゃんと通じるようにしております。

○松井孝治君

 そのお話を聞いて多少安心をいたしました。私が聞いた話はたまたまということだったのかもしれません。

 そういうことがないように、是非とも、緊急通話用の回線の確保あるいは交換機のスペースなどの確保、あるいはそれ以外の若干の制限ということは、これまた制限し過ぎても混乱を招きますから難しいところかもしれませんが、今回のお話を教訓にして、是非遺漏なきを期していただきたいと思っております。

 それで、片山大臣がいらっしゃる間にひとつこの法案の関連で、自衛隊法百三条で、これは自衛隊あるいは防衛庁が都道府県知事に、有事の際あるいは危機に際して都道府県知事に要請して、都道府県知事が土地や物資の収用を行えるという規定がございますね。これに関して、私のある存じ上げている地方の首長さんから、やっぱり地方の現場にちょっと混乱があるというお話がございました。

 どういうことかといいますと、物資の収用ということになりますと非常に広範な、例えば県庁であっても職員が関連します。今、これは、総務省としてどういうお立場かはまた後でお述べいただければいいんですけれども、地方自治体で外国人の方々を採用されているところが増えていますね。そうなってきますと、ふだんの平時は別に公権力の行使というようなことを必ずしもやっておられないそういう職員の方々に、いざというときは、防衛庁から連絡が行って、ここの物資を収用しろ、土地を収用しろ、まあ土地の収用というのはふだんから公権力の行使かもしれませんが、そういったことが起こり得るわけですね。

 そうすると、何が外国人を置いてはいけないポジションなのか、どういうポジションはそうなのかということについて非常にあいまいになってくる。ところが、平時、有事っていつ来るか分からないものですから、やっぱり外国人の方を採用して余り差別的な任用はしたくない、しかし、いざというときには何があるか分からない。そうなってきたときに、本当にこれ、公務員の外国人の採用というものをどう考えたらいいのか、これについて非常に地方の自治体の方から不安の声が現実に上がっております。これについて、総務大臣、どのようにお考えでしょうか。


○国務大臣(片山虎之助君)

 外国人を、国家公務員も地方公務員も同じですけれども、任用することについてはいろんな議論が前からあって、これは今の解釈ではこうなっているんですよ。今、正に委員が言われましたように、公権力の行使だとか公の意思形成ですね、国なり地方団体の、意思形成に参画するのはもう当然国籍が要るんだと。だから、外国人は、帰化していれば別ですよ、帰化していないなら外国人はこれはなれないんだと。これは解釈なんですね。内閣法制局が中心になってそういう解釈を確立して、国会でも何度も答弁しておりましてね。

 そこで、地方公務員も基本的には同じ考えなんです。今のような、有事の際に物資を収用するとか土地を収用する、立ち入るとか、こういうのは正に公権力の行使ですよね。だから、緊急時であっても、そういう可能性があるのはやっぱり外国人でない方がいいと思いますよ。


○松井孝治君 いいと。


○国務大臣(片山虎之助君)

 ええ、外国人でない方が。ただ、その場合に、この任用は各地方団体の長にあるわけですから、各地方団体の長。我々としては、こういう基本的な考え方でやってくれと。それは、個別には地方団体で事情も違うし仕事もいろいろあるんだから、それぞれ判断してやってくれと、こう言っておりまして、やっぱり首長によって違いますよ。できるだけたくさん採ろうというところと、できるだけたくさん採りたくないというところと。

 そこで、若干あいまいなところあるんですが、これをしかし全部きっちりAかBかと分けろといっても、なかなかそれは難しいんです。我々に相談があれば我々は答えますけれども、基本的に、公務員採用の当然の法理としての公権力の行使、公の意思形成に参画する職員は、やっぱり日本国籍が要ると。こういうことにいたしておりまして、今のような点は今度、有事立法がきっちりする際に、国民保護法制の議論その他を含めて我々としてはどういう考え方を取るかは、これは改めて検討して、場合によっては地方団体にそういうことを指導するというんでしょうかね、そういうことはやる必要があるいはあるのかなと思っております。


○松井孝治君

 今、大臣おっしゃいましたけれども、大臣、これは外国人を、公権力の行使に当たるあるいは国家意思あるいは公の意思の形成に当たるところに外国人を採用しないんだというのは、何か法律があってそういうことをお決めになっているんですか。


○国務大臣(片山虎之助君)

 法律はないんです。外務公務員法か何かにあるそうですけれども、それは私よく知りませんが、国家公務員法にも、地方公務員も入りません。しかし、公務員の性格からいって当然の法理だと、こういうことになっております。


○松井孝治君

 今、外務公務員法にはあるとおっしゃいましたけれども、外務大臣、何でほかの法律、ほかの公務員の職種にはなくて外務公務員法にあるんですか。


○国務大臣(川口順子君)

 これは外務公務員法の七条で決まっているわけですけれども、これは国家公務員法の特別法として外務公務員法がございますのは、外務省の職員、外務公務員の仕事というのが、常に対外的な関係、国際的な関係を持っているということから来ておりまして、特に外国にいる場合、これは日本国を代表をして国際的な仕事を行うという、そういう特殊的な、特殊な性格があるということから来るものです。


○松井孝治君

 当然だと思いますね、そういう規定があるというのは。

 しかし、逆に言うと国家公務員法も、恐らくこの質疑をごらんになられている、あるいは後で聞かれる、見られる方々は驚かれる方も多いと思うんですよ。どうして国家公務員は外国人、欠格事由としてないのか。普通に考えれば、国家公務員というのは公権力の行使なり国家意思の形成を行うために働いているんじゃないのか、どうしてそれが法律上きちんと規定されていないのか。これは、普通の一般の方々の常識からいえば、そういうことこそ法律に決めることじゃないかなというふうに思われるんではないかと私は思います。私がこの事実を初めて知ったときには、やっぱりおかしいんじゃないかなと自然に思いました。

 それで、法制局、お見えいただいています。国の行政権というのは地方公共団体に及ぶんでしたですか。


○政府参考人(宮崎礼壹君)

 お答えいたします。
 お尋ねは、憲法六十五条におきまして「行政権は、内閣に属する。」と規定をしておりますことについての御関連の御質問だと思います。
 このように規定されておりますのは、三権分立の原則の下で国家作用としての行政権は原則として内閣に属するんだということで、裁判所と国会との役割分担ということを規定したものだというふうに解されております。
 一方、御案内のとおりでございますが、地方自治につきましては、憲法の規定を見ますと、九十四条で、地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有する旨規定しておりますとともに、同じく九十二条におきまして「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」というふうに規定しておるわけであります。
 このために、現に地方公共団体で行っておられます事務自体はもちろん内閣が執行するものではございませんわけですが、このことは内閣が地方公共団体の執行する事務につきまして一切責任を負わないとか、あるいはかかわりを持たないということを意味するわけではありませんで、地方自治の本旨に違反することがないようにしつつ、例えば地方自治法の規定に定めますところによりまして、地方公共団体の事務に国が一定の関与を行うことは可能というふうに考えてございます。


○松井孝治君

 ありがとうございました。そういうことなんですね。
 それで、これは片山大臣、先ほど、当然の法理としてと。公権力の行使、国家意思の形成、あるいは地方公共団体の場合、公の意思の形成ということだと思うんですが、それは日本人でなければいけないというふうにおっしゃいました。

 これの根拠というのは、私が知る限り、これはもう昭和三十年代でしたでしょうか、内閣法制局の部長さんが内閣総理大臣官房総務課長に出された文書であるというふうに私は理解しておりますが、そのとおりでよろしいでしょうか。

 大臣、よろしければ、うなずいていただければそれで結構です。


○国務大臣(片山虎之助君)

 それは国会で何度も答弁しているんですよ、私自身も。だから、そういうことでは、これはもう確立した解釈だと、こういうふうに思っております。

○松井孝治君

 それで伺いたいんですが、今、法制局の部長から御答弁をいただきましたのは、これは国会でも議論されていることなんですね。

 基本的に、これは平成八年に割と画期的な法制局の答弁がありまして、内閣に属する権限、行政権は内閣に属するというその意味は、行政権は原則として内閣に属するんだ、逆に言いますと、地方公共団体に属する地方行政執行権を除いた意味における行政の主体は、最高行政機関として内閣である、そういう答弁があるわけです。これに引き続きまして、亡くなられた、小渕恵三国務大臣となっていますから、この当時はまだ総理ではなかったのかもしれませんが、こういう答弁を平成十一年にされています。「地方公共団体の行政執行は基本的には内閣に属するものではないことになりますが、内閣が、法律の定めるところにより、行政権の行使として地方公共団体の行政執行に関与することがあり得ることは当然のことである、こういう認識でございます。」。明快な答弁であります。

 要するに、基本的に、内閣法制局の解釈とか内閣の解釈ということが、それが地方公共団体を縛るというような場合は、原則として私は、法律に定めるところによって、内閣がその意思を地方公共団体に及ぼしていくべきだ。内閣としてあるいは法制局としての解釈はこういう解釈だから、地方はこうしてはいけないんですよとか、こうすべきなんですよということは、やはり基本的にはこの憲法六十五条の解釈からしても慎むべきではないかと思うわけであります。

 今までの、今、片山大臣がおっしゃったように、国会答弁では、基本的には、この内閣法制局の見解、内閣あての見解が解釈をされて、当然の法理として、それは公権力の行使あるいは公の意思の形成にかかわるものは外国人は登用すべきではないという解釈を取ってきたということは分かります。分かりますし、これまではそういうことだったんだと思いますけれども、やっぱりこれ、地方分権の時代で、平成になってからこういう内閣法制局の長官の、当時の大森長官の答弁もあった。あるいは小渕大臣の答弁もあった。そういうことを踏まえて、今後の地方公務員の国籍条項については、これはやっぱりこの有事の議論をきっかけにきちんと法律で定めていかないと、最初に申し上げましたような、自治体の知事さんにしても首長さんにしても、どこまでのところは外国人を採っていいのかいけないのか、そうしたときにどこまでのところは、平時にどういう仕事は外国人に任せていいのか、はっきりしないんじゃないか。

 私は、外国人の方が一部の公務を担われるというのはいいことだと思います、地方において。だけれども、その基準というものをある程度はっきりしておかないで、今のように法制局の解釈に端を発して、当然の法理といいながら外縁が定かでないというのは、これは国の危機管理上も望ましくないような気がいたしますけれども、片山大臣、どう思われますか。


○国務大臣(片山虎之助君)

 これは、地方自治とか地方公務員とかという問題もありますけれども、一つは、公務員というもの、国家公務員も地方公務員も公務員ですから、公務員というものの性格からいってこういう解釈だということでございまして、それは松井委員、法律に書いても同じことですよ。公権力の行使だとか公の意思形成に参画するものは国籍だと、こう書くだけの話でございまして、外務公務員の場合は違うんですよ。外務公務員はもっと排除が大きいんですよ。

 我々の場合には、今言ったようなぎりぎりの、日本国籍が要るものについては、国家公務員、地方公務員は、これは排除しようと、外国人を。それ以外は、例えばサービスをするとか、福祉の関係だとか保健の関係なんかで、そういうことで外国人を使うということは私はあってもいいと思っています、現業的なことを含めて。ぎりぎりの権力だとか公の意思形成だとか、これは排除せないかぬので、それは法律に書いてもいいですけれども、同じことなんですよ。

 だから、これは確立した解釈だから、解釈に従ってやろうと。判断は、判断は地方団体の長がやるんですよ。この場合には、これは公権力の行使か、公の意思形成かの判断は。だから、これはもう入れませんとか入れるとか。だから、そこは地方団体で差が若干あるんですよ。

 それから、自治権というのは大きい主権の中なんですよ。だから主権を分けているんですよ、自治権ということで。だから、小渕さんのような解釈も、いろんな解釈成り立つんですけれども、そこのところは是非御理解賜りたいと思います。


○松井孝治君

 最後の部分の、どういうところが本当に公権力の行使に当たるか当たらないかというのは、当然それはケース・バイ・ケースで判断せざるを得ないところは出てくると思うんですが、今までも何度もこれ総務大臣あるいは自治大臣が指導されています。しかし、これ、法律の根拠のない指導を続けるというのはやっぱり良くない。やっぱりこういう部分については法律上の根拠を持って、それで最終的にはケース・バイ・ケースの判断に仰がざるを得ないというところはあるかもしれないけれども、私はそういう行政が新しい時代の行政だと思います。

 それで、じゃ、国家公務員の方は本当にきっちりやっているのかというと、例えば、福田官房長官、国家意思の形成といったときに、国家行政組織法上いろんな審議会が位置付けられていますね。それで、小泉総理大臣も審議会大変お好きでありますが、いろんなところで学者さんなりが非常に重要な国家意思の形成に関与しておられますね、審議会の委員として。

 それで、官房長官御存じかどうか分かりませんが、政府にはたくさん審議会がありますけれども、外国人の委員は全然雇っていないですか。これ非常勤公務員ですよ。いかがですか。──いや、御存じかどうか、御存じなければそう言ってください。


○国務大臣(片山虎之助君)

 国家行政組織は私どもの所管ですからね。
 今、私が聞いているのは十九人いろんな審議会におると。ただ、ちょっとこれ、答弁を長くしちゃいかぬのでしょうが、審議会は公の意思形成じゃないですよ。これは単なる諮問機関ですから。三条機関や何かなら別ですけれども、普通の八条機関の諮問機関というのは、これは諮問を受けて答申をするだけですから、答申をどう扱うかは受け取った方ですね。その場合に、同じことをやるんなら、なるほど、国家意思の形成に参画したみたいなことになるけれども、決めたのはこっちですから。


○松井孝治君

 都合のいいときはそういったことをおっしゃるんですね。道路公団の民営化の委員会は何だったんですか、じゃ。それから、皆さんが食品安全行政変えますと言って食品安全委員会作っておられるのは何なんですか、あれは。あれは国家意思と関係ないんですね。違うでしょう、それは。それは詭弁と言うんですよ、大臣。
 その、大臣がそういう、そういう御答弁上手ですけれども、あるときは国家意思の非常に重要な部分を審議会に投げておいて、そこで決めるというようなことを言っておいて、食品安全委員会作るからそこでチェックしますから大丈夫です、大臣に勧告権与えていますから、大臣に対して勧告できますから大丈夫ですと、きっちりやります、BSE問題も安心してくださいと言いながら、参考意見ですから外国人でも何でもいいんですよというようなおっしゃり方をされると、やっぱりちょっと国民の中には、テクニカルにはひょっとしたら片山大臣は整合的なことをおっしゃっているかもしれないけれども、ちょっとこれは納得できないという議論が起こってくると思いますよ。

 そうなんですよ。十九人なんですよ。これ、調べていただいて、随分御苦労されたようです、総務省の方が。知らないんです、ふだん。何人外国人を雇っているかということは官僚組織も御存じないんです。私が調べてくださいと先週の木曜日お願いして、恐らく随分御苦労を掛けたんです。それで十九人という数字が出てきた。

 それで、さっき外務大臣立派なことをおっしゃいましたが、実は外務省は、外国人をこの審議会の委員で雇っておられるんです。別に、だからさっきの片山大臣と同じ趣旨の答弁で恐らく賢明なる川口外務大臣は切り抜けられるでしょうから、時間の節約のために答弁は求めませんけれどもね。じゃ、何が国家意思の形成かというようなことを、やっぱり国家公務員というか、あるいは各省の中でもどういう議論をじゃ外国人にはしていただいていいのか。これはっきり言って、統括してどっかがチェックしているということはないと思いますよ。

 これはもうイエス、ノーで結構なんですけれども、福田官房長官は、どんな八条機関、要するに政府の審議会にどういう方を任命するか。国会承認人事の場合は、官房長官として当然御承知になられる立場だと思いますが、それ以外の各省がどんな審議会でどういう方を任用するかということは、福田官房長官のところに一々お伺いありますか。


○国務大臣(福田康夫君)

 いろいろな場合ございます。ただ、専門専門で、私ども分からないような名前の方は大勢いらっしゃいますもので、目を通すというようなこともございます。しかし、その都度その任命の理由とかそういうことは聞いておるつもりでございます。


○松井孝治君

 この議論ばかりしておっても片山大臣も出ませんし、また私の本来の時間がありません。

 要するに、私が申し上げたいことは、何が公権力の行使あるいは国家意思の形成だということをもう一回見直して、それを慣行で当然の法理だということで認めるということではなくて、きっちりやっぱり議論をした方がいいんじゃないでしょうかということだけ申し上げて、片山大臣、別の御公務があるというふうに伺っていますので、どうぞ御退席をいただいて結構です。

 それで今回この三法案の議論をしていますけれども、本当にこの法案ができたら、私はこの法案ができて、しかも国民保護法制がきちっと整備されれば、本当の意味での民主主義国家としての国民の生命、財産を守る、しかも人権も守るという意味では大きな前進だとは思いますが、本当にこれで国民の生命、財産はきっちり守られるのかどうかということになりますと、ちょっと疑問があります。

 例えば内閣法九条には、内閣総理大臣の代行者を置くことができるという規定がございます。今これは官房長官のところで扱っておられるわけですが、五人あらかじめ指定をしておられて、その五人の大臣についても公開をされていますね、第一順位から第五順位まで。これは例の小渕総理が倒れられたときいろいろ議論があってなされたということで、以前よりは良くなっていると思うんです。

 ただ、例えば毎週二回閣議があるわけですね。国会をやっているときはこの院内の閣議室で全閣僚がそろわれるわけですね。これについて時間も含めてもうほとんど公開されていると言ってもいい状況ですね。国会休会中は官邸で一時間繰り下げてそれを行う。要するに、そこには全閣僚が集まるわけであります。そうなってくると、そこで万が一のことがあったときに、この国の危機管理体制はどうなっているのかということになるわけであります。
 これは法制局にお伺いした方がいいのかもしれませんが、まず、内閣法九条で指定できるのは基本的に閣僚のみですか。


○政府参考人(宮崎礼壹君)

 お答えします。
 御指摘の内閣法九条は、内閣総理大臣に事故のあるとき又は欠けたときは、そのあらかじめ指定する国務大臣が臨時に内閣総理大臣の職務を行うと規定をしておりますので、国務大臣ではない内閣官房副長官あるいは危機管理官等々が内閣総理大臣の臨時代理になることはできません。


○松井孝治君

 それは内閣法上の規定ですね。
 その内閣法上の規定で、国務大臣に限定しているというのは、憲法上の要請に基づくものでしょうか。


○政府参考人(宮崎礼壹君)

 憲法第六十五条は、「行政権は、内閣に属する。」と規定しておりますが、その六十六条の第一項を見ますと、内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣その他の国務大臣でこれを組織するというふうに規定しております。

 御案内のとおり、大臣には行政大臣という立場と国務大臣という立場がありまして、内閣法の四条三項では、各大臣は、案件のいかんにかかわらず、閣議を求めることができるというふうに規定しておりますことから分かりますように、国務大臣といいますのは、各省の長という立場だけでなくて、それを超えて内閣の一員としての立場で国政全体に関与しておりますので、そういった意味で、憲法第六十六条が内閣総理大臣その他の国務大臣でこれを組織するというふうに規定しておりますことからしますと、これは憲法上の要請であると思います。


○松井孝治君

 そういうふうに理解するのが当然だと思うんですね。

 そうすると、内閣総理大臣の代理は国務大臣でしかなれない、憲法上の要請で。国務大臣よりもひょっとしたら国務大臣でない人の方が適任かもしれないとかいう議論はあるかもしれないけれども、憲法上の要請でそれはなれないわけであります。

 そうすると、閣議の場がもし万が一、余り考えたくないことですが、考えたくないことを考えるのがこのこういう国会の議論の意味ですから、閣議の場に何らかの爆破物が仕掛けられて閣議に御参加されている閣僚の皆さんが全員欠けたような場合、これはだれが内閣の指揮を取られるんでしょうか。石破防衛庁長官、一番これはそういう局面を考えなければいけない国務大臣として、補職辞令をもらっておられる防衛庁長官ということではなくて、国務大臣としてお答えいただきたいと思います。


○国務大臣(石破茂君)

 そのときは私も死んでおるわけでありまして、何ともこう難しい御質問ですが、これ、そういう事態は想定をしていない、国会において速やかに内閣総理大臣を指名し、指名された総理は速やかに組閣を行うと、こういうことになるのですが、その間はどうするんだということなのだろうと思います。

 その間については、私、後ほど法制局なりからお答えがあるかもしれませんが、その間どうするんだという議論は実は飛んでいるんではないかなと思います。

 委員御存じかもしれませんが、昔、小松左京に「首都消失」という小説がありました。要するに、首都全部なくなっちゃう、霧に覆われちゃう。国会議員も機能しない、内閣もワークしない、そのときにどうするんだという議論があって、そこは何と何と知事たちが集まってそこにおいて代行すると、こういうことになっていまして、そこでも、一体何によって正当付けられるんだ、そんなことがと、こういう話で、どうも国民投票もこれは憲法改正にしかないし、その組織は一体何によって正当付けられるのだというと、これはもう緊急避難の法理を使うしかないだろうというようなお話でありまして、私は専門ではございませんから存じませんが、すぐ組閣を行うということであります。

 しからば、じゃ国会議員も全部そうなったらどうするのというお話は、理屈の上からはあるんだろうと思います。緊急事態としてはそこまで考えるのが仕事だとおっしゃられれば、それはそこまでぎりぎりと考えておくのもそれは必要なことなのかもしれません。これは個人的な意見でございます。


○松井孝治君

 やっぱりそこまで考えておかなければいけないんじゃないかと思うんですよね。

 実際、この国会開会中は、閣議はこのすぐ近くのこの国会内で行われているわけですよ。それで、そこに全閣僚が集まっておられるわけですよ、朝八時から。朝八時から九時まで、みんなに、世界じゅうに公表して、閣議を国会議事堂の中で行っている国なんですよ、この国は。そのときに、本当に閣僚が全滅したとき、あるいはもうその事態というのは、ひょっとしたらこの国会自体が機能しないといったときに、どういう状態を想定するのか。この議論を、今、防衛庁長官は抜け落ちていると、そこの部分は抜け落ちていたというふうにおっしゃいました。

 ちょっと官房長官にお伺いしますが、その前に、鴻池大臣、それは単に外敵の武力攻撃によるものだけじゃないですよね。大規模災害で同じような事態が起こる可能性がありますね。少なくともそれは、全員死亡するかどうかは別として、全く連絡が取れなくなって、全国の自衛隊やあるいは警察、消防、連絡が取れないような事態があり得ますよね。

 大臣は、災害担当大臣としてということを離れて、国務大臣として、今、石破長官から御答弁がありましたけれども、失礼、石破大臣から御答弁がありましたけれども、国務大臣として鴻池大臣は、こういう事態に対して我々はどういう備えをするべきだと考えられますでしょうか。


○国務大臣(鴻池祥肇君)

 何とか私だけでも生き残ってお役に立ちたいと思っておりますけれども、先ほど石破大臣の御答弁のとおり、欠落した部分があるということは松井委員の御指摘のとおりだと思いますので、こういう重要な議論はきちっとどうするかということを国務大臣として考えなきゃいかぬというふうに思っております。


○松井孝治君

 本当にそうなんですよ。やっぱりアメリカなんかは、大統領とその代行権限、これは大変、全閣僚が当然ランクが付いていますけれども、大統領と副大統領は基本的にできるだけ一緒にならないように運営しておられるわけですよ。だから、例えば閣議、閣議を今……(発言する者あり)ちょっと静かに聞いていてください。


○委員長(山崎正昭君)

 静粛に。静粛に願います。


○松井孝治君

 閣議を全員が集まっておられる。鴻池大臣は今自分だけでも生き残ってとおっしゃいましたが、本当にそういうことを考えていただかなきゃいかぬわけですよ。鴻池大臣と石破大臣だけでも生き残っていただかなきゃいかぬ。それは別にほかの、ほかの大臣もそうですけれども。要するに、本当に緊急時にきちんと総理に代替して指揮命令をできる人間がいないということはやっぱり大変な混乱を招く可能性がある。それは国民の生命、財産を守るという国家の基本的な任務を果たせなくなる可能性がある。そうしたときに、まず法制的に、まあみんなが死んでしまったらしようがないじゃないか、そんなことはということかもしれませんけれども、考えられることは幾らでもあるわけですよ。

 ここで、それも含めて官房長官に伺いますが、閣議は全閣僚が同じ場所で同じ時間いなければ成立しないんですか。その閣議の運営の在り方というのは、私の理解では官房長官がいろいろ仕切っておられるという理解ですが、この閣議の運営の在り方、例えば鴻池大臣は、特区担当でも大活躍ですから防災担当大臣としてはその場にいなくてもいいかもしれないけれども、特区担当大臣がいないと規制改革が進まないというようなことはあるかもしれないけれども、しかしやっぱり防災担当大臣は、ちょっとふだん閣議に常にだんご状態で、下手なサッカーという言い方もありますけれども、常にその場にいなければいけないのか。場合によっては、今これだけ情報通信が発達しているわけですから、決裁はいろんなところでできますよ。閣議はみんなで一生懸命お習字のけいこをしているという悪口を言った方が閣僚経験者にもいらっしゃいましたけれども、私がそう申し上げているわけではありませんけれども、だけれども、とにかく決裁はできるわけですよ、持ち回り閣議なんというのもあるわけですから。

 これ、本当に防衛庁長官あるいは災害担当大臣が閣議に一緒にいなければいけないのか、閣議運営の在り方も含めてこの有事の議論をしている際に見直されたらどうかと思いますが、官房長官、いかがですか。


○国務大臣(福田康夫君)

 いろいろと有事の際における対応の仕方について御意見をいただきました。私も、石破国務大臣、鴻池国務大臣が答弁したように、そういう問題意識を持っていろいろ考えなきゃいかぬところがあるんじゃなかろうかと、そのことについて私も全く同意いたします。

 今まで、私、私どもというか日本国民全体、有事とか安全保障の問題、これに対する意識というのは非常に希薄であったというような感じがいたします。ですから、一体そういうことが起こったときにどうするかという対処の仕方、そしてまた平時においてどうあるべきかということについては、委員のおっしゃるような意見も含めて、これから細部検討していかなければいけない、そういう部分がたくさんあると思います。

 閣議において全員が一挙に死んでしまうと、これはあり得るんですよ、現実の問題として。例えば、九・一一のようなああいう大型の飛行機が飛び込んでくるというようなことがあれば一遍にやられてしまうというような、そういうようなときに、これはもう現実としてあったわけですから、そういうときにどういうふうに対応するか、平時においてどう考えておくべきかということは当然考えなきゃいかぬことで、これは今後早急に詰めてまいらなければいけない問題だというふうに考えております。


○松井孝治君

 今の御答弁を信頼して、国民保護法制の検討など積み残しの課題もあるわけでございますから、そのタイミングに合わせて、私はそういう閣議運営の在り方、あるいは内閣法九条の順位も、普通に考えたら分かるんですよ。十七番まで順位付けにくいですよね。五番目ぐらいまでですといいですけれども、おれは十七番かということになると、つらいものがありますね、その大臣は。

 それは分かります、分かりますけれども、でもやっぱりつらいことかもしれませんけれども、それはそれでつかさつかさの危機管理の順序だということで、やっぱりそれはアメリカがやっているように閣僚の順番というのは全部付けなければいけないんじゃないか。あるいは、その中で必ずしも、場合によってはそれは十七名、総理入れて十八名の大臣がそろわなければいけないというケースもあるかもしれないけれども、そうでないときを増やして、分散的に閣議を開けるような仕組み、何らかの工夫というものを、是非これ官房長官、野党からの提案だからといって取り合わないということではなくて、これは本当に有事に際して国のやっぱり備えの問題ですから是非前向きに御検討いただきたいと思いますが、ちょっと手を挙げられたので、どうぞお願いします。


○国務大臣(福田康夫君)

 閣議で、防災担当大臣は閣議に入らないという提案もございました。そういうように決めればいいわけです。

 ただ、現行は、閣議というのは内閣の意思決定の場でございまして、その議決というのは全会一致による、こういうようなことになっております。ですから、通常は全閣僚が一堂に会するというような形で行っております。もちろん、持ち回りとかいうのもございますけれども、閣議は閣議で、これは全会一致と。効率的に行うためにも全員そろってなければいけない、そういうことであります。
 しかし、そういう御提案もありました。これも含めて検討対象とさせていただきます。


○松井孝治君

 聞かないでおこうかと思ったことだったんですが、全会一致という話をされてしまいましたので。私は、閣議の全会一致については大いに議論をすべきだと思っております。

 法制局、お見えでございます。

 閣議の意思決定が全会一致でなければいけないというのは、一体、あるいは憲法のどこからそういう要請が導き出されているんでしょうか。


○政府参考人(宮崎礼壹君)

 お尋ねのように、閣議の全会一致につきましての明文の規定はないわけでございますが、これまで政府の方から何度かお答えをしておりますのを整理しますと、次のようなことになるんじゃないかと思います。

 憲法六十六条の三項で、国会に対して内閣は連帯して責任を負うという規定がありますことから、簡単に言いますと、そういう結論が導き出されてきていると思います。


○松井孝治君

 内閣として連帯をして責任を負うということとその意思決定が全会一致であることと、どういう論理的なつながりがあるんでしょうか。──結構です。結構です、通告していませんから。通告しておりませんので、御答弁は結構でございます。おっしゃったので、つい聞いてしまいました。

 これは橋本龍太郎内閣総理大臣の下の行政改革会議、私も官僚として参加をさせていただいておりましたが、そこの議論で、行政改革会議の議論で、閣議の全会一致原則というのは別に憲法上の要請ではない、別にそれは慣行にすぎない、それも含めて見直しが必要だということを総理の行革会議で議論がなされているわけです。そういう議論を得ているわけであります。

 ですから、それは、今そういう慣行があるのはよく分かりますし、それはできれば閣議が、いろんなことを割れているよりは、それは全会一致の方が望ましいというのは当然そうだと思うんですが、やっぱり閣議の全会一致があるから閣僚は全員そこにそろわなければいけないとかいう議論は、これはいざというときに本当にそういう意思形成でこの国の意思決定は速やかに行われるんだろうか、機敏に国民の生命、財産を守れるんだろうかということについて、私大いに疑問があります。

 例えば安全保障会議で意見が、安全保障会議の議員、閣僚の意見が割れたときに、全会一致でないと安全保障会議は議決ができないんですか、防衛庁長官。


○国務大臣(石破茂君)

 それは、安保会議は諮るということになっておるのでありまして、議決を要するとはなっておりません。


○松井孝治君

 議決を要さないから別にそれは意見が割れても結構だということですか。そういうものだと思うんですよ、私は。

 だから、それは連帯して責任を負ってもらわなきゃいかぬですよ、国会に対して。しかし、その連帯して責任を負うときには、意見の相違があっても、我々は、意見が相違があったときに、最後は例えば総理の意思に従おうとか、あるいは多数決で決めて最終的に総理の裁断を仰ごう、そういう意思決定の在り方で、でも、最終的には連帯して、これは国会に連帯して責任を負うよというふうに決めればいいんです。

 例えば我々が手本として作ったイギリスの内閣の意思決定は、別に全会一致じゃありませんよ。これは多数決で行われる。ただし、その中身について、お互いに、対外的に、我々は違う意見を持っていたということを言うのはやめようねという、そういう慣行を持っているわけであります。

 私は、成熟した民主主義国に日本がなろうとすれば、何でもかんでも全会一致、実はこれが、いろんな閣議決定に当たって、だれかが反対したらそれは通らないということになるわけですよ。これ、鴻池大臣、お分かりでしょう。どなたかの大臣が反対したら、鴻池大臣が一生懸命やっておられたって、要するに横になってしまわれたら、内閣として意思決定ができないんですよ。そういうことがたくさんあるわけですよ。

 だから、これ、鴻池大臣、ちょっと国務大臣として、内閣のこの全会一致でなければいけない、それは僕は全会一致の方が望ましいと思いますよ、もちろん。できる限り全会一致でコンセンサスを得られるように努力しなければいけないと思いますよ。しかし、それが金科玉条のように、これは憲法で、国会に連帯して内閣は責任を負うから全会一致でなければいけないというふうに言われると、この問題でこんなに時間を使うつもりはなかったんですけれども、つい熱くなってしまいましたが、ちょっと大臣から、個人的見解でよろしいですから御見解をいただきたいと思います。


○国務大臣(鴻池祥肇君)

 絶えず閣内不一致的な発言をしておりまして恐縮をいたしておりますけれども、私は、全会、内閣で一致ということは大変結構なことだと思います。ただ、そこで決定したことは閣僚は守らなきゃいかぬ、このように思っております。


○松井孝治君

 それは当然そうですよね。ちょっとこれに予想外に時間を取ってしまいました。
 今回の有事法制に関連して与野党で合意された事項の一つは、FEMAのような縦割りの従来の行政組織の弊害を取り除いたようなものを作らなければいけないんじゃないか。これは実はこの委員会でも、与党の、自民党の委員の方からも是非そういうことを検討すべきだという意見も開陳されたところであります。

 これ、鴻池大臣、阪神・淡路大震災、鴻池大臣御自身が被災者のお一人であったと思います。私も親戚を亡くした者の一人であります。あのときの教訓を今思いを致していただいて、本当に今、この有事法制三法案、成立もう間近かもしれませんが、この有事法制できても、結局のところ、これ第十条で本部というのを作られて総合調整を図るということになっていますが、結局、私の理解では、消防とかあるいは警察に対する指揮命令権というのは、これは各自治体にあるわけでありまして、統合的に整然と指揮命令ができるわけではないですね。

 できるだけそれは調整をして円滑にやろうということにはなっていますけれども、本当の意味で、大臣の場合は災害対策ということに限定してでも結構ですが、このFEMAのような統合的な、縦割りの各組織がそれぞればらばらの指揮命令を持っている、しかもさっきのお話から明らかになったことは、もし万が一で、内閣全体がいざ万が一のことがあったときにはそれを束ねてだれも調整する人もいなくなってしまう、そうすると事務方がそれぞればらばらにじゃ指揮命令するのか、さっき石破大臣がおっしゃったように、知事さんたちが協議をしてやるということになるのか、そんな話にもなりかねないと思うんですが、大臣、これも個人的見解で結構です。閣僚としてはなかなかおっしゃりにくいと思いますが、一議員として、このFEMAのような組織、これについてどう思われますか。


○国務大臣(鴻池祥肇君)

 貝原という兵庫県知事の嘆きでございますけれども、やはり自衛隊は防衛庁、消防は消防庁、警察は警察庁、自らの指揮命令が実はやりにくかった、できなかった、こういう嘆きがあります。これを解決をしていくということは、やはり私は、その災害時における組織の在り方ということを民主さんから御提言いただき、与党も納得をしていることに早速検討に入る必要があると思います。

 例えば、今は改善されましたけれども、神戸で火の手が上がった、大阪あるいは豊中から消防車が救援に来た、ホースがつながらない。大きさが違うんです。そういうことがある。そういったことが随分反省材料として八年前の状況から相当改善をされております。

 また、情報につきましても、先日の宮城沖地震につきましても、一時間以内にほとんどの火災場所の状況が私の手元に入ってきました。それゆえに、一番に記者会見をして、ある意味で御安心をいただくような表現をさせていただいた。しかし、阪神・淡路のときは、お昼まで、あの朝の、未明の大地震が、官邸に届いたのは、お昼もまだ届いていなかったと、こういう状況でありますので、それは相当改善をされているということを先日の宮城沖地震で一応の安堵をいたしておるところであります。


○松井孝治君

 是非、今回の宮城沖地震は幸い大きな被害にはなりませんでしたが、今後ともFEMAの検討も含めて、是非大臣にも政治家として御尽力いただきたい、そのように思います。

 石破大臣にお伺いしたいと思うんですが、韓国では一九九八年に統合防衛法というのができたそうなんですね。これは、いわゆるテロとか騒乱状態、いわゆる有事の少し前の段階で、しかしながら非常に国家の安全管理上ゆゆしき事態が起こったときに、事態を甲、乙、丙、三種類に分けて、それぞれに応じて軍とそれから消防、警察あるいは海上警察と言うんでしょうか、向こうは。そういったところがどういうふうに動くかというようなことをきちっとマニュアル的なものを作って対応しているという事例があります。
 お隣の国の韓国のことでありますが、石破大臣はこういう韓国の法制は御存じでしょうか。そして、こういう法制も参考に今後日本の法制を更に検討されるおつもりはあるでしょうか。


○国務大臣(石破茂君)

 私も諸外国の有事法制、一通りすべて見てみました。例の危機管理庁的な発想、あるいは災害だって人災だってテロだって戦争だって一緒じゃないか、だれだって国民にとっては一緒じゃないかとおっしゃる議論は、私はドイツの基本法が似ているのだろうと思っておりますし、韓国のその法律のことも存じてはおります。

 先般韓国に出張いたしましたときも、そのことについて随分と向こうの内務庁長官なり、そしてまた防衛当局なりお話しをいたしました。ただ、委員もよく御案内のことかと思いますが、この法律、例えば戒厳令でありますとか、あるいは大統領の勅令でありますとか、そういうものは随分我が国と違っております。また、徴発令みたいなものも、我が国は今回想定をいたしておりません。

 そういうことで、相当に違いがある。そこにおいて、シビリアンコントロールというものをどうかませるかという点において、危機管理庁の御議論と併せて、今後の議論の余地が相当にあるだろうと思っております。


○松井孝治君

 是非、関係閣僚の皆さん、これからもやっぱり政府の最終的な、あるいは最高の使命というのは、国民の生命、財産を守るということだと。ほっておくとどうしても縦割り型の組織が幅を利かせるのが戦後の日本の行政システムだと思います。どうかこれからも、この法制成立した後も、更により良いものにするために我々も努力しますが、皆さん方も引き続き御努力をいただきたいことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。


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