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2003.06.12 内閣委員会

「国の予算編成過程改革について」の質疑

平成十五年六月十二日(木曜日) 午前十時一分開会
    ─────────────
○委員長(小川敏夫君)
 ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る六日、田村耕太郎君が委員を辞任され、その補欠として森下博之君が
 選任されました。
    ─────────────

○委員長(小川敏夫君)
 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を
 行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(小川敏夫君)
 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に森下博之君を指名いたします。
    ─────────────

○委員長(小川敏夫君)
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として、
 理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官増田好平君外二十二名の出席を求め、
 その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(小川敏夫君)
 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

○委員長(小川敏夫君)
 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として、
 日本道路公団総裁藤井治芳君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(小川敏夫君)
 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

○委員長(小川敏夫君)
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
    ─────────────
        〔省 略〕
    ─────────────

○松井孝治君

 おはようございます。松井孝治でございます。民主党の松井孝治でございます。
 今日、今朝、私、あるエコノミストの方と朝食会でお話を伺っておりました。財界の団体
 の役員もされている方でございましたが、いろいろ日本の経済運営について御意見を
 いただいた上で、しかし日本という国の国家主権はやっぱり各省庁にありますねという
 のがその方の御意見でありました。竹中大臣も大学の教授として、あるいはシンクタンク
 の理事長として言論界で御活躍をされてこられて、大臣になられて二年になられるわけ
 でありますが、これ、本当に今、行政組織を相手にされて、日本の国家主権というのは
 どこにあるんだろうかというふうに疑問を抱かれることがあるんじゃないかと思います。
 私も官僚組織に身を置いておりましたから、そういう疑問を抱いて、今、国会に送って
 いただいて、そして議論をさせていただいているわけでありますが、今日は一般質疑で
 ございますので、本当の意味でこの国のありようというのはどうあるべきなのかということ
 について、事例を挙げながら御質問をさせていただきたいと思います。

 まず、私、この内閣委員会でも、あるいは決算委員会でも御議論をさせていただいて
 おりますが、この予算編成の在り方、これは政の基本はやっぱり予算をどう組むかという
 ことにあると思います、決算も非常に重要でありますが。その予算編成について、
 竹中大臣は何度も国会で、ニュー・パブリック・マネジメント型、政治が大きな目標を
 示して、そして具体的にどう使うかというようなことはできるだけ現場に任せて弾力性を
 持って使って、しかしその成果を厳しく評価をして次のまた予算編成に反映させるべき
 ではないか。これは諸外国ではもうここ十年間、非常にいろんな国でこの手法を取り入れ
 て財政再建や政府のパフォーマンスの向上に成功しているわけであります。そのことは
 竹中大臣が一番よく御存じだと思います。
 経済財政諮問会議、私どもは基本的に新聞記事しか見ておりませんが、拝見をいたし
 ますと、予算に複数年制が創設されるというような見出しが躍ったりして、おっ、これは
 変わるのかなという期待を半分持ったりしますが、六月九日の経済財政諮問会議で、
 どうも余り長い時間この問題に議論が費やされなかった。拝見したその紙は、「新予算
 編成プロセス「モデル事業」の推進について」という紙があって、見ていると、抽象的
 ながらそれなりに竹中大臣の志向されている方向が模索されているような気もするん
 ですが、結果として、「モデル事業については、国庫債務負担行為等の活用により、」と、
 こう書いてあって、従来の枠組みを一歩も出ていないという気もするわけであります。

 先日、決算委員会で、当院の決算委員会で平沼大臣に私、質問をいたしました。
 平沼大臣に御質問いたしましたのは、そもそものこの複数年度予算というのが可能か
 どうかということにつきまして、一番根っこにあるのは、これは財務省の方なんかよく
 おっしゃいますけれども、憲法上の制約があるんですということで、憲法八十六条の規定
 を参照してよくおっしゃいます。それに従って財政法の規定あるいはそれ以下の法令の
 規定ができ上がっているわけです。それを質問をいたしましたら、私は、要するにもう憲法
 は、必ずしも単年度主義というものを憲法が要請しているわけじゃないんじゃないかという
 ことを質問をいたしましたら、平沼大臣は、「今八十六条のことをおっしゃいましたけれども
 、それを根拠にして今までやってきました。それは、それなりの法解釈という形で存在を
 していると思います。 そういう意味では、私どもは、更にそこは議論を深めて、そして
 法制局等の見解もあると思いますし、そういった形でやはりこれからの予算というものは
 弾力的に考えていくという基本姿勢で大いに私は経済財政諮問会議の場でも議論をして
 いかなきゃいけない、こう思っています。」とおっしゃっています。

 要するに、私が申し上げたのは、もう憲法の規定に縛られて、単年度予算というものを
 見直すという検討をすべきではないかという質問に対する答えが今の平沼大臣のお答え
 であります。私には、この今、経済財政諮問会議で議論をされている複数年創設の議論
 というのは、そういう議論に比べて極めてテクニカルで、現状の制度をいかに活用するか
 という、言わば、これ、後で話をしますが、これもやったふりの改革にすぎないんじゃない
 かというふうに私は率直に見ておりますが、竹中大臣の御見解を伺いたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君)
 いわゆるニュー・パブリック・マネジメントの考え方につきましては、松井委員御自身
 大変お詳しくて、この場でも何度か御質問をいただきました。
 今、国と地方、三位一体の改革、年金の改革、第三次骨太にまとめる予定の中で、
 そうした問題がマスコミ的には紙面をにぎわわせていますが、少しその陰に隠れた形に
 ありますが、ニュー・パブリック・マネジメント的な考え方に基づく新たな予算編成の
 考え方、その編成というのは今回の骨太の中で私は最も重要なものの一つであろうと
 いうふうに思って、しっかりと対応をしているつもりでございます。
 この考え方そのものは、この分野に詳しいある第一人者の学者の言葉をかりれば、
 これは普通のことである、経営改革においては普通の考え方、正にプラン・ドゥー・シーの
 考え方を予算に反映させているだけなんだと、だから極めて常識的なことであり、
 世界で九〇年代以降、幾つかの国でやはりそれが成功してきている、全くそのとおりで
 あろうと思います。
 問題は、それをどのような形で、冒頭で松井委員もおっしゃいましたように、しかしやはり
 すべての政策はお金の裏付けを必要として、それが予算であり、その予算がこれまでの
 いろんな仕組みの中で固定化してしまっている中で、どのようにブレークスルーできるかと
 いうのが一種のプロセス論としてはやはり大変重要であろうかと思います。
 このような考え方そのものをもう我々は二年前に出しているわけでありますが、二年前は
 ほとんど相手にされなかった。しかし、今回、幅広く、政府の中でも幅広く、取りあえず
 そのモデル事業という形で、私は予算特区というふうに呼んでおりますけれども、この
 分野について取りあえず、いろんな制約はあるけれどもやってみようと、そういう形で話が
 進んできたというのはブレークスルーの一つのきっかけになっているんだと思います。
 委員御指摘のように、やったふりではないかという御指摘、我々としては決してやった
 ふりではなくて、小さな実績かもしれませんけれども、そこをブレークスルーにして必ず
 それが広がっていくような仕組みを是非作っていきたいと思っております。

 直接お尋ねの複数年度、これは技術的には大変難しい問題をはらんでおります。
 イギリス等々でも法律の大きな制約が、単年度の制約があると、その中でいろんな実績
 を作り工夫を凝らすことによって実質的に複数の仕組みを作ったというふうに聞いて
 おりますので、我々も今、これは前回も答弁させていただきましたが、幾つかの勉強を
 しております。
 具体的には、今回の骨太ではモデル事業というのを是非しっかりと始めるということを
 決めたい。それの制度設計はやはり具体事例の中で私は解決していくしかないと
 思っております。決してやったふりの改革にならないように、その制度設計の中で
 じっくりとしっかりと議論をしたいと思っております。

○松井孝治君

 端的に御答弁いただきたいんですけれども、私が伺っているのは、憲法八十六条に基づく
 予算の単年度主義というものを平沼さんは改める、その検討を経済財政諮問会議でした
 らいいんじゃないかとおっしゃっているんです。それをなさるおつもりはありますか。

○国務大臣(竹中平蔵君)
 今回の骨太で具体的な制度設計までには至りません。しかし、これは、予算編成に向け
 て制度設計をその後していかなければいけません。この制度設計をする中で法律の制約
 をどのように考えるかというのは当然のことながら議論に入ってくると思っております。

○松井孝治君

 是非御議論をいただきたいと思うわけであります。
 おっしゃるように、国家経営的視点を入れていかなければいけない。そのときに、今まで
 が単年度主義でこの国の財政が非常に健全に収まっていたんならそれはいいかもしれ
 ません。そうじゃなくて、それが失敗して破綻しているわけですから、その在り方をどう
 するか。場合によっては憲法解釈の議論になる、財政法は改正しなければいけない、
 それ以外の法令も検討しなければいけない、そういう問題こそ経済財政諮問会議で
 私はきちんと政治的リーダーシップを持って議論をしていただきたいと思いますので、
 よろしくお願いいたします。

 今、三位一体の改革とおっしゃいました。毎日、新聞紙上躍っています。福田官房長官も
 お見えいただきましたので。三位一体の改革、この詳しい議論には入りませんけれども、
 迷走していますね、一言で言うと。要するに、財政当局の考え方と地方分権というものを
 進めたいという担当大臣のお考え方と、それから補助金をいろいろ受けておられる各省庁
 のお立場、それに自治体で非常に声の大きい方々の御議論なんかも入って、非常に今、
 議論が錯綜しているように思います。
 これは、だれが責任者なのか、この三位一体の改革の。これ、竹中大臣、閣内でいう
 とこの調整をする責任者は竹中大臣じゃないんですか。そうなのかどうなのか、どういう
 御認識なのか、そのことをお答えいただきたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君)
 今、迷走しているのではないかという御指摘がありましたが、言うまでもありませんが、
 これは日本が百数十年前に中央集権国家を志向して近代国家を踏み出して以来の、
 かなり、それ以来の仕組みを大幅に変えるという議論であります。したがいまして、
 そんなに簡単に結論が出る問題ではそもそもないはずだというのは、これは委員にも
 御理解をいただけると思います。今、様々な議論を御指摘のとおり行っております。
 しかし、私は迷走だとは思っておりません。収れんに向けて着実にそのプロセスにあると
 いうふうに思っております。
 これの取りまとめはだれの責任かということでありますが、今回、これを骨太の第三弾に
 織り込むということにしておりますので、その取りまとめのアレンジをするのは、これは
 私の、御指摘のとおり責任であると思っております。一生懸命その責任を果たして
 いきたいと思います。

 同時に、申し訳ありません、これは総理御自身が最後は自分で決めるということを記者
 会見等々でもおっしゃっておられる。やはり、これは内閣としての非常に大きな意思決定
 でございますので、総理のリーダーシップの下でささやかながらそのお手伝いを私がして
 、是非良い方向に決めていきたいと思います。

○松井孝治君

 では、総理の責任でまとめられるということですね、当然のことながら。
 それで、その議論の陰で実は、例えば公共事業費などを来年度予算編成に向けてどう
 いうふうに切り込むかということについて、これ、余り焦点が当たっていないんですね。
 これ、世間で言われているのは三%カットぐらいで落ち着くんじゃないかと。これ、公共
 事業費三%カットというと、今すごいデフレですよ。現実には公共事業官庁は非常に
 喜んでおられるらしいんですね、三%カットならもううはうはだと、もう本当にそれなら
 有り難いわということになっているそうなんですが、来年度予算編成に向けて、これ、
 経済、財政全体をいかに効率化をして、そして本当の意味での改革を実現するかという
 意味で、竹中大臣、公共事業費三%カットでいいなんということは考えておられません
 よね、しかも一律カットで。

○国務大臣(竹中平蔵君)
 来年度予算編成をどのような基本方針で行うかと。正にこれは骨太第三弾の中心項目、
 一つのチャプター、章を占める重要問題でありますので、今その取りまとめをしている
 ところでございます。
 取りまとめの段階でありますので、私、今の段階ではこうだということを明確に申し上げる
 立場にはございませんが、基本的な考え方というのは、これは骨太の方針ないしは改革
 と展望で示されておりますように、まず、やはりマクロとして、マクロ的に見て、政府、一般
 政府の大きさそのものをGDP比で見て大きくないようにしていこうと。つまり、歳出に
 対して、マクロの歳出に対して緩やかなキャップをはめております。それを実現するため
 には、当然のことながら裁量的な支出に対して切り込まなければいけない。この裁量的
 な支出という概念も前回のその骨太方針で初めて議論をされました。
 そうした中で、その裁量的なものの一つの代表格である公共投資についても、これは
 九〇年代に入って景気対策としてどんどんどんどん積み上がってきたわけですけれども、
 それ以前の水準を一つのめどとして、国際的な比較も視野に入れながらそれを減らして
 いこうというような中期的な計画、これは既に過去の骨太の方針で示しております。
 そうした方針に反しない方向で当然のことながら今回の骨太方針の中身も決まっていく
 というふうに思っております。

○松井孝治君

 是非そういう方針で進めていただきたいと思うんです。
 GDP比で明らかに公的資本形成は日本は先進国の中で突出して大きな数字を持って
 います。逆に言うと、ほかの、例えば医療費なんか一つを取ってみても、これも、医療費
 の削減というものを、圧縮というものを努めなければ将来の少子高齢社会には対応でき
 ませんけれども、しかし、これは諸外国に比して日本は比較的低いレベルにとどまって
 いる。こういう財源の再配置というものを大きくやるのが私はやっぱりニューパブリック
 マネジメントで大臣が志向されている一つの大きな方向性だと思います。そういう議論を
 是非経済財政諮問会議で、切った張ったの議論もいいですけれども、その陰で実は
 ほくそ笑んでいる方々もたくさんいらっしゃるということを是非竹中大臣には忘れないで
 いただきたいと思います。
 時間もありませんので、次の項目に行きたいと思います。

 石原大臣を中心にお伺いいたしますが、規制改革の議論、これも三位一体の議論で、
 本来であれば私はもっと新聞が報道していいんじゃないかと思うんですが、ややどうも、
 閣僚折衝など精力的にここ数日やられているようですが、新聞報道が、陰に隠れている
 のは残念な気もいたしますが、宮内総合規制改革会議議長が最低ライン、ボトムラインと
 おっしゃっているんですかね、というものを提示された。これは非公開ですので私どもは
 その内容を承知いたしておりません。
 ここ、昨日も閣僚折衝どうもしておられたようで、ニュースでもちょっと拝見をいたしました
 けれども、何か例えばチャータースクールの問題で若干前進が見られたというような報道
 もございましたが、私が漏れ伺うところでは、チャータースクールも結局、何か定時制の
 ものを、高校について、定時制の高校について、しかも期限を切って、十五年中ですか
 十六年中ですか、とにかく一年ぐらいで検討するというような話でどうもチャータースクール
 認めたということになろうとしているという話を聞きました。

 それ以外も、例えば混合診療も、本来混合診療というのは、皆さん歯医者さんに行けば
 分かるように、どういう治療を、保険でやりますか、それ以上の自由診療をやりますかと
 いうのは、これ、医療機関で基本的に混合診療を認めていかないとうまくワークしない
 わけですね。その混合診療の拡充というのは、従来の指定医療機関についてその
 範囲内で少しやれるものを拡充をしようと、それを届出にしようというようなことで、これも
 前に進んだというふうに、やったふりになろうとしているんじゃないかという批判が
 あります。
 今、石原大臣、非常に精力的に交渉しておられる途中で恐縮ですけれども、こういう
 規制改革について、どうも、宮内さんという審議会の議長さんがおっしゃっている最低限
 ここだけはやってくれというようなこととは別に、省庁間で協議がなされて、これ、今日の
 朝日新聞も出ていましたが、「事務方、省庁と内々合意」なんということが出ているわけ
 ですね。それ以外にも、たしか今週も、ある委員がおっしゃっていた項目を勝手に、総合
 規制改革会議で議論している項目を勝手に省庁間で話をしてまとめていた、合意をして
 いたというようなこともあったように聞いています。どうも、結局、各省庁同士での議論で
 落としどころが模索されて、総合規制改革会議での議論のボトムラインが守られていない
 という批判がありますが、個別の詳細の項目は、今日はもう時間がありませんから結構
 ですが、どういうおつもりで、特に宮内さんが提示されたというボトムラインというのは、
 石原大臣としてこれはもう絶対守るのか。どういう姿勢で各省と交渉されているのか。
 で、各省が最後まで抵抗したときに、何か別の大臣は竹光というふうにおっしゃっていた
 大臣もいらっしゃいましたけれども、石原大臣には竹光ではなくて、本物の勧告権が
 あるんですね。そういうふうに言うと鴻池大臣には失礼かもしれませんが、勧告権の中身
 が違うそうであります、役所の人に言わせれば。その勧告権の発動も含めて、あるいは
 鴻池大臣は職を辞してでもやるというふうにおっしゃっていますが、それぐらいの覚悟を
 持って各省との交渉に臨まれるのかどうか、むしろ中身というよりは石原大臣の決意を
 伺いたいと思います。

○国務大臣(石原伸晃君)
 詳細につきましては、現在、大臣折衝の最中でございますので、御指摘されました点に
 どうこうというコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、全力で成果を得るべく
 努めていると御理解をいただきたいと思います。
 それと、冒頭、委員が御指摘になったボトムラインというものが何を指すのか私は存じ
 ませんが、総合規制改革会議で次官レベルの折衝までしていただき、さらに、公開討論
 等々をやっていただいて、問題点がクリアになり、どうしても省庁側の協力を得ることが
 できないということで政治折衝にゆだねられたわけでございまして、政治折衝の中で良い
 結論を出すべく努力をしていると御理解をいただきたいと思います。

○松井孝治君

 ボトムラインは何を指すか御存じないというのは本当ですか。我々には公表されていま
 せんよ。非公表ですよ。だけれども、それは宮内議長がまとめて、石原大臣のところ
 には、担当大臣にお示しになられているんじゃないんですか。──ああ、ないんですか。
 それでは私の事実認識が違っていたのかもしれませんが、世間一般ではそういうふうに
 言われています。これは、石原大臣がないとおっしゃるんですから、そういうものはない
 と、示されていないんだということは記録に残していただきたいと思います。
 その上で、今日は道路公団の藤井総裁にもおいでをいただいております。道路公団問題
 が最近ちょっと国会の議論で余り表立たなくなりました。この道路公団について幾つか
 御質問をしたいんですが、余りちょっと時間がなくなってしまっておりますので、簡単に、
 まずこれは石原大臣に伺いたいと思います。

 以前に、一年ぐらい前でしたですかね、もっと前ですかね、この委員会でも、あるいは行政
 監視委員会でも石原大臣に御議論をさせていただきましたけれども、道路整備、有料
 道路の整備で、プール制と償還主義というものを見直していくべきじゃないかということを
 私質問いたしまして、石原大臣もそのとおりだとおっしゃって、例の委員会の、民営化
 推進委員会の方でもそういうトーンの最終報告が出ております。
 しかしながら、先日、財務諸表を発表されたときに、妹尾理事が記者会見で、その建設が
 可能かどうかは長期的には償還計画によって判断すべきものだという言い方をされている
 んです。これは記録があります。また、国土交通省自身も、建設についていえば償還
 計画に沿ってうまくいっているかどうかがポイントだということを記者会見でおっしゃって
 います。

 石原大臣、ちょっと御質問したいんですが、プール制と償還主義というのは、あの民営化
 の推進委員会ではこれは見直すべきだという結論に至ったと、私はあれをどう読んでも
 そうしか読めないと思うんですが、今もしその償還計画に沿って建設整備をするということ
 であれば、その償還主義を見直すという例の報告ですね、あの報告に沿っていないん
 じゃないかと思うんですが、石原大臣はどう思われますか。

○国務大臣(石原伸晃君)
 ただいま大筋で松井委員がおっしゃられたとおりだと思います。

○松井孝治君

 そうだとすると、今、石原大臣は、もうこれ報告をまとめるところまでが御自分の所掌だと
 いうことで、あとは国土交通省にお任せをされていると思うんですが、少なくとも今回の、
 今、財務諸表を発表して道路公団は道路公団として改革を進めようとしておられるんだと
 思いますが、その方向性は明らかに例の民営化推進委員会での結論と違う方向に
 行っているということを私はここで警鐘を鳴らしておきたいと思います。
 時間がありませんので、また是非この議論は今後の委員会において議論をさせて
 いただきたいと思います。
 一つ追加で、官房長官がおいででございますので、御質問をしたいと思います。
 これ、私の同僚議員で浅尾慶一郎議員がこの月曜日の本会議で質問をされたときに、
 その質問内容が、当然、本会議質問ですから全文を事前に、月曜日ですから金曜日に
 恐らく浅尾議員はお出しになられた。その内容についてある公務員の方からメールが、
 匿名のメールが来て、こういう質問はやめた方がいいんじゃないかというようなメールが
 来たという話を本会議でも浅尾議員が触れられました。その本会議の答弁で総理大臣
 は、それは事実とすれば遺憾で事実関係を確認するというふうにおっしゃっています。
 ちょっとこれ、まず事務方から、確認されているかどうか、一言御答弁をいただきたいん
 でありますけれども、政府参考人の方から、この事実関係ですね、そういうメールを
 公務員が発出したかどうかの事実確認をしますというふうに小泉さんはおっしゃって
 いますが、されましたか。

○政府参考人(鈴木俊彦君)
 今御指摘のございました先般の本会議におけます総理の御答弁でございますけれども、
 浅尾議員の御指摘の意見に係る事実関係がまだその段階で必ずしも明確でないという
 段階でございましたので、総理の方から、今後の議論を進める上でもまずは事実関係が
 明らかにされるべき旨というものを一般論として述べたということと承知しております。
 したがいまして、現段階で政府において調査ということはいたしておりません。

○松井孝治君

 意味がよく分からなかったです。事実確認をしなければ分からないという、それは
 分かります。事実関係を確認をされたのかどうかということを聞いているんです。

○政府参考人(鈴木俊彦君)
 現段階では事実確認に着手はいたしておりません。

○松井孝治君

 どういうことでしょうか。総理は本会議場の答弁で事実確認するとおっしゃったんですね。
 事実関係を確認すべきだと答弁をされた、だけれども着手していない。何か理由が
 あるんでしょうか。

○政府参考人(鈴木俊彦君)
 繰り返しになって恐縮でございますけれども、総理の御答弁はまず、浅尾先生の御質問
 につきまして、その事実関係が必ずしも明確ではない、その中でまずは一般論として
 事実確認を明らかにするべきであるという、そのことを申されたというふうに承知をして
 おります。

○松井孝治君

 それはおかしいですよ。
 私は、そのメールの内容もちょっと浅尾議員から話を聞きました。個人間のメールの
 内容ですから、ここで私が触れるべきだとは思いませんし、仮に、質問通告というか、
 本会議の場合、質問全文が流されますから、その内容を受けた人たちがその内容に
 ついて質疑が行われる前にどういう形でそれを出されるか。必ずしも直ちにそれは国家
 公務員法上の守秘義務違反であるかどうかは私は断定はできないと思いますが、
 その質問を職務上見た人が、その質問を知った事実を背景に個別の議員に対して
 公務員が個別の要請、この場合は、私もちょっとそのメールの内容を伺ったところで
 いうと、やっぱり要請というよりはむしろ圧力というようなものだったと思います。
 そういうことをされるというのは、これ、官房長官、お伺いしたいと思うんですが、やっぱり
 総理も遺憾というふうにおっしゃっていますけれども、こういうことをどういうふうに受け
 止められておられますか。そして、どういう対応が必要だと思われますか。

○国務大臣(福田康夫君)
 今お話伺っておりましたんですが、もし委員の言われるように、強制があるとかいった
 ようなことがあればこれは遺憾なことだと思います。しかし、今具体的に問題になって
 いることにつきましては、これは、そういうことがどういうことで起こったのかといったような
 経緯とか事実関係、それを明らかにまずしていただくと、こういうことが必要だというふうに
 思います。

○松井孝治君

 これ、本会議で総理も答弁されていることなんですね。ですから、少なくとも政府として、
 事実関係の確認をするべきだと総理がおっしゃっているんですから、いや、それは着手
 していません、いや、それは分かりませんということではなくて、政府としてきちんとした
 調査をされるべきじゃないですか。
 それは、言論の自由は公務員の方々にもありますし、メールで御意見いただくという
 のは、私もよくいただくことがあります。あるいは、個別に会って要請を受けることもあり
 ます。それは結構ですし、政治家の役割というのは、ある意味ではそういういろんな方々
 の御意見を聞くのも政治家の役割ですから、私は大いに結構だと思うんですが。
 私が申し上げたいのは、例えば国会で私どもが何らかの質問をする、それについての
 当然反響もあります。ところが、しばしば、これ通告をしたら、何で通告をしただけなのに
 ということで、どこかの関係団体の方がお見えになって、いや、こういうことは聞かないで
 ほしいとか、こういうことはこうしてほしいとか、それはもう政治家の役割ですから受け
 ますよ、受けますけれども、私も以前から何かおかしいなと思うことがあったわけであり
 ます。

 この浅尾議員が問題にされたメールも本当に御本人からのメールなのかどうかとか、
 それは詳細検討してみなければ分からないし、通信の機密もこれ、保持されなければ
 いけないですから難しいと思いますけれども、しかし、やはりこれ、モラルの問題として、
 国会議員が国会で議論をする、そのための準備として円滑に議論ができるようにという
 ことで通告制度があって通告している、その通告した内容が、国会での議論の前に
 いろんな形でその議員のところに圧力が掛かるというのはやはりこれは好ましいこと
 ではない。ましてや、それがもし公務員が知り得た情報を基にそういうことを要請される
 としたら、これはやっぱり好ましいことではないと思うんですが、今その事実関係の確認に
 も着手しておられないというのが役所側の御答弁であったと思いますが、官房長官の
 御見解を伺いたいと思います。

○国務大臣(福田康夫君)
 何度も繰り返すようですけれども、要するにその話の中身ですね、もしそういうような事実
 があるとすれば、これは、これは良くないですよ、本当に。例えば、その質問があったと
 したら、関係団体へ連絡してそこから反対させるなんということはあってはいいことでは
 ありません。
 ただ、今回のこの具体的な問題について、どういうことが本当にあったのか、それはまず
 教えていただかなきゃいかぬというふうに思います。もし問題があるのであれば浅尾議員
 から御連絡をいただきたい、そのように思います。

○松井孝治君

 もうこれ以上、別にやり取りしてもしようがないですから、浅尾議員とそれから政府側との
 関係ですから。ただ私は、やっぱり政府側が、小泉さんが少なくとも本会議で事実関係
 を確認をすべきだとおっしゃったときに、どっちが言うかなんていうことはどっちでもいい
 ですけれども、やっぱり誠意を持ってそれは確認をされた方がいいんじゃないでしょうか
 ということを申し上げたいわけであります。
 今日の議論を通して私が申し上げたいのは、やはり、今朝、あるエコノミストの方が
 おっしゃっているように、この国は国家主権が、各省庁が持っていると言われるような
 状況にあるということは私は非常に、この場で与野党を超えて議論をしている政治家と
 しては非常に残念なことであります。いろんな意味での国会での議論が、その個別の
 役所の方々からどこかに情報が流れて、その方から、弱い方から例えば圧力が加わると
 いうようなことはやっぱりあってはいけないし、それから、規制改革の議論でも、あるいは
 三位一体の議論でも、あるいは予算制度、予算編成の在り方を変える議論でも、本当に
 いろんなところで各省庁が裏で動いて、それは各省庁だって動くのは自由ですよ、動くの
 は自由だけれども、それを政治家がきちんとガバナンスできていない状況というのは
 私は、変えていかなければいけない、そのことは関係閣僚の皆様方にも是非意識をして
 これからお仕事に励んでいただきたい、そのことを申し上げて、私の質問を終わらせて
 いただきます。
 ありがとうございました。



*委員会の全会議録は、下記サイトをご参照ください。*
http://www.sangiin.go.jp/japanese/frame/joho2.htm


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