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平成十五年七月十日(木曜日) 午前十時開会
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本日の会議に付した案件
○少子化社会対策基本法案(衆議院提出)
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○委員長(小川敏夫君)
ただいまから内閣委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日までに、信田邦雄君及び岡崎トミ子さんが委員を辞任され、その補欠として松井
孝治君及び谷博之君が選任されました。
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○委員長(小川敏夫君)
少子化社会対策基本法案を議題とし、参考人の方々から意見を聴取いたします。
参考人を御紹介いたします。
高崎経済大学地域政策学部助教授八木秀次君、熊本県知事潮谷義子さん、日本弁護
士連合会両性の平等に関する委員会元委員長吉岡睦子さん及びフォーラム・「女性と
労働21」事務局長泉ミツ子さん、以上四名の方々でございます。
この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多用中のところを当委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
本法案につきまして、皆様から忌憚のない御意見をいただき、審査の参考にしたいと
存じますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、参考人の皆様から、八木参考人、潮谷参考人、吉岡参考人、泉参考人の順に、
お一人十五分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、各委員からの質疑に
お答えいただきたいと存じます。
なお、参考人の御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず八木参考人からお願いいたします。八木参考人。
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〔省 略〕
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○松井孝治君
民主党の松井孝治でございます。
本日は、各先生方、本当に貴重な御意見をありがとうございました。
時間がありませんので、まず、八木先生にお伺いをしたいと思います。
八木先生の御陳述の中で、年金の問題あるいは子供を持つことについての経済コストの
問題をお触れになられました。非常に重要な論点だと思います。私自身も、自ら子供を
持つ父親として、あるいは自分の妻と話をする中で、そういう部分というのは非常にあるな
ということをいつも議論をしております。その中で、児童手当の問題について、八木先生、
触れられました。
私は、諸外国で一部採用されていますが、子供がいる、いないという区別はもちろんある
んですが、子供の数の問題がございます。やっぱり、一人育てるのよりも二人あるいは
三人育てるというのは非常に経済的にも大変であります。そういった面において、例えば
児童手当やあるいは控除の問題や、あるいはおっしゃったような年金制度の問題を
含めて、子供の数によって若干、例えば手当の金額を、一人当たりの金額を更に一人目
よりも二人目の方を増やすとか、あるいは三人目になったら更に増やすとか、そういった
制度を導入している国があると思います。
これについては、ほかの参考人の御意見はまた違うかもしれません。産めよ増やせよと
いうような政策になってはいけないという御批判もあろうかと思いますが、八木先生は、
そういう児童手当あるいは年金制度などについての子供の数についての傾斜配分的な
政策についてどういうお考えか、まずお伺いしたいと思います。
○参考人(八木秀次君)
私も三人の子供を今育てておりまして、やはり子供を育てるその経済的なコストについて
は決して人ごとではなく、切実な思いで今日も意見陳述をさせていただきました。
したがって、やはりその傾斜配分については、これは一刻も早く導入すべきだと私は
考えております。やはり、一人育てるよりは三人育てる方がその経済的なコストは掛かる
わけです。
一方、DINKSの御夫婦であるだとか、あるいは不幸にして不妊症でお子さんが
できなかった御家庭だとか、そういったところに比べると、先ほどもその試算を出しました
けれども、少なくとも生涯で二億円の所得の格差が出てくるということですね。これがまた
、内閣府辺りで強くそういった数だけが押し出されているものですから、これを見て多くの人
たちは、やはり子供を持つと経済的に損なんだなという認識を持つと思うんです。
ですから、そういう、もし二億円損するということがこれが事実であったとしても、やはり
それをカバーしていくような施策を是非政治の方で取り組んでいただきたいというのが
私の願いであります。
○松井孝治君
ありがとうございます。
潮谷参考人にも同じ質問、もう結論だけもし伺えれば、傾斜的にそういう配分をしていく
ということについて潮谷参考人はどのように思われるか。
○参考人(潮谷義子君)
いろいろな仕組み上の問題等々も出てこようかと思いますけれども、しかし傾斜配分と
いうのは今後考えていくに値する領域だというふうに思います。
○松井孝治君
ありがとうございます。
先ほど来、亀井委員からもお話がありましたけれども、やはり子育てにおける家族の役割
というのは私は基本だと思います。潮谷参考人もおっしゃったように、もちろん血縁のみ
で子育てが行えるわけではありません。私自身の小さいころの経験でも、私は家が商売
をやっておりましたから両親とも働いておりました。その中で、特に地域社会、同級生の
御両親とか近所の方々というのが、本当にいろんなところで遊び場を提供したり、
あるいはそこで怒られたりしながら育てられたなという思いを持っております。
その意味で、これはまず八木先生にお伺いをしたいんですけれども、八木先生が
おっしゃった育児の社会化について、安易な育児の社会化は慎むべきではないかという
御議論は先ほどの亀井委員からの質疑で趣旨は私も明らかになったと思っておるんです
が、やはりある部分、余り家庭あるいは近親者、血縁のみで教育がなされるということも、
これは最近のいろんな社会的な風潮、必ずしも好ましくない風潮の要因になっている部分
もあると思うんですけれども、そこについて、育児の社会化について必ずしもネガティブ
にとらえる必要もないのかなという気はするんですが、その辺りについて、八木先生、
もう少し御説明いただけますでしょうか。
○参考人(八木秀次君)
先ほどの亀井議員からの御質問に対する答えの中でも申し上げたことでありますけれど
も、やはり私としては、家庭を基本とするという、これは確認しておきたいと思うんです
けれども、ただ、御指摘のように、地域社会が壊れる中で核家族が取り残されていると
いう現状があるわけです。やはり、それは社会としてその家族を支えていく、あるいは
子育てをしている親やその子を支えていくと、そういう意味での育児の社会化、そういう
意味で使われるのであれば、私もその育児の社会化ということに関しては肯定的にとら
えております。
○松井孝治君
ありがとうございました。
ちょっと観点が違うんですけれども、吉岡参考人にお伺いをしたいと思います。
日弁連では、二〇〇一年に少子化社会対策基本法案に対する意見書というものを発表
されていて、その中で、多様な生き方を認めない社会の在り方が少子化の一因となって
いるというような意見を述べておられます。具体的に、改正されるべき法制度とか社会的
慣行というものは具体的にどのようなものがあるのか、日弁連の中でこの問題を特に
議論をしてこられた吉岡参考人から御意見をいただきたいと思います。
○参考人(吉岡睦子君)
先ほども申し上げましたけれども、民法改正をしていただいて、現在、夫婦の氏が同氏
強制制度になっておりますが、やはり別姓の選択をできないということで、婚姻届を出す、
あるいは出産を控えるということをためらっておられるカップルが私の周りでもたくさん
おられます。ですから、この選択的夫婦別姓制度を導入していただきたいという点。
それから、同じ民法ですけれども、婚外子の差別、これがかなり少子化との関連でも
ネックになっているというふうに考えます。中絶の中身を見ましても、婚外子については
中絶されるケースが非常に多いと。ですから、どんな環境で子供が生まれてもひとしく
社会が受け入れて育てていけるような、そういう法制度、社会環境が必要だと思うんです
が、 そういう意味でも民法改正をしていただいて婚外子差別を撤廃すると。それから、
戸籍法その他の残っている差別も撤廃していただきたいというのが非常に重要だと考え
ます。
それから、現在、中立的でない税制、年金制度になっておりますので、どんな形で、
女性が働き続ける場合、家庭に入ることを選択する場合、様々な選択肢があり得ると
思うんですが、どんな選択をしても同じように平等に税制、年金制度の恩恵が受けられる
、 そういう改正をしていただきたいというふうに考えております。
○松井孝治君
ありがとうございます。
婚外子差別の問題というのは私も、生まれてきた子供にとって、それが婚外子であろうと
そうでなくても、これはもう生まれてきた子供は選べない状況ですから、それが差別を
されているというのは私も不当なことではないかなと思っております。その意味では
吉岡参考人の御意見に全く賛同するものでありますが、ただ一つ、吉岡参考人に伺い
たいのは、婚外子差別を撤廃するということはいいんですけれども、それが少子化社会と
いうものを変えていく、少子化というものを是正していくときに、その婚外子差別を撤廃
するということは、婚外子を社会的に認知を高めて、批判的な方々から言わせれば、
婚外子というものをもっともっと社会的に認知し推奨するような結果にならないか、それは
本当に社会としていいことなのかどうかという議論もあろうかと思いますが、その点に
ついて吉岡参考人はどのようにお考えになられますでしょうか。
○参考人(吉岡睦子君)
推奨するわけでも反対するわけでもなくて、現実に婚外で生まれてくる状況というのは
相当多数あります。ですから、それに対して私たちがどういうような対応をするかという
のが問題になるわけで、いろんな生き方、それからライフスタイルについての選択肢を
認める結果として、やはり子供に対してもひとしく、まして子供自身についてはどんな
環境で生まれてくるかということについて責任がないわけですから、婚外子もそうですし、
障害児の問題等もそうですけれども、ともかくどんな環境で生まれてきてもひとしく
成長発達権を持っているんだという観点から法制度等を整備していただきたいと思い
ます。ですから、奨励等という主観的な問題ではないというふうに考えております。
○松井孝治君
ありがとうございます。本当に、子供の立場からいって、おっしゃるとおりだと思います。
この問題について八木参考人にも御意見を伺いたいんですけれども、この婚外子差別の
撤廃について、今、吉岡参考人がおっしゃった御議論に対して八木参考人はどのような
御意見をお持ちなのか、あるいはどのような御感想をお持ちなのか、お伺いしたいと
思います。
○参考人(八木秀次君)
婚外子差別と申しましても、民法上は相続について嫡出子と非嫡出子の相続分が
非嫡出子が二分の一になるという、これだけでして、その他については婚外子、
非嫡出子の差別というものは法の中にはないかと思います。
社会的にそういう差別があるのであれば、それは是正すべきだと思いますけれども、
民法上のそういった措置は、これは婚姻制度を守ろうという、そういう趣旨でありまして、
つまりその妻との間、夫と妻との間に生まれてきた嫡出子、これを保護しようという趣旨
でありますから、これは我が国の家族制度あるいは婚姻制度の根幹にかかわる問題だと
思いますので、慎重な議論が必要かと思います。
○松井孝治君
同じ質問なんですが、潮谷参考人はどのようにお考えでしょうか。
○参考人(潮谷義子君)
妊娠葛藤相談の窓口を私ども熊本県、開いておりますけれども、これは決して産ませると
いうような、そういう観点からではありません。その事例の中で、やはり望まない妊娠で
あっても、おなかの中に赤ちゃんが宿ったときに産みたいと、そう願っている女性たちが
いる、あるいは男性がいるということもあります。
そしてまた、私は、社会的に婚外子の子供たちについても命の価値は変わりないわけ
ですから、ひとしく認めていくということ、これが物すごく大事ですし、また、その前提条件
の中には人々の多様な生き方を認め合う社会の構成の在り方というのが私は考えられ
なければならないと思います。特に、熊本のような田舎の中にありましては、正式に結婚
をしないで妊娠した、そういうことに対して母と子、共々にスティグマという感覚の中で
とらえられ、それが妊娠中絶の中に走らせているという事例もたくさんございます。
そういったことを考えましたときに、命の価値はどんな状況の中であっても等しいと、
そういうことの中で私どもは差別のないこういった形を考えていくことは大事だと思います
。
○松井孝治君
ありがとうございました。
本来、泉参考人にも御質問をしたいと思っていたんですが、時間がもうあとほとんど
なくなりました。
この問題は本当に個々人の価値観が反映をする問題でございまして、私自身も自己
決定権ということは非常に大切なことではあると思いますが、他方で、八木参考人が
おっしゃったように、行き過ぎた個人主義というものが家族や家庭の価値というものを
壊してしまってもいけない。しかし、今の核家族化が進む中で、家庭、家族、あるいは
近親者、血縁者のみで教育が担われるというのもなかなか難しい。そこのバランスを
どう取りながら本当にこの少子化というものを歯止めを掛けていくのか、それが非常に
重要な課題だと思います。
今後とも御指導を賜れば大変有り難いと思います。ありがとうございました。
*委員会の全会議録は、下記サイトをご参照ください。*
http://www.sangiin.go.jp/japanese/frame/joho2.htm
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