本日の会議に付した案件
○平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案(第百五十六回国会内閣提出、第百五十七回国会衆議院送付)
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○委員長(若林正俊君)
ただいまから国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日、中島章夫君、池口修次君、森本晃司君及び田英夫君が委員を辞任され、その補欠としてツルネンマルテイ君、大江康弘君、山本香苗君及び大田昌秀君が選任されました。
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○委員長(若林正俊君)
平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
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〔省 略〕
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○松井孝治君
民主党の松井孝治でございます。
官房長官が記者会見で御退席中でございますので、まず石破防衛庁長官から御質問をさせていただきたいと思っております。
最初に、このテロ特で随分議論を重ねてまいりました。私は、どちらかというとこの法案自体というよりもその背景にあるような物の考え方、政府側の基本的な考え方について幾つかお尋ねをしてまいりたいと思います。
まず、これはもう、ちょっと通告をしておりませんが、基本的なことでございますので、そのテロというものとの戦いについて石破防衛庁長官の御見解を伺いたいと思います。
そもそもテロとどう対峙するか。これは各国であるとか地域によってそれぞれのテロとの戦いの意味合いというのは違ってくると思います。日本には日本の、中国には中国の、あるいはASEANに代表されるような東南アジア諸国には東南アジア諸国の、それぞれのテロとの戦いというのがあろうと思いますが、石破防衛庁長官のこのテロとの戦い、どういうスタンスでテロというものをとらえ、どう向き合っていくのか。非常に基本的なことでございますので、事前通告をいたしておりませんが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君)
テロとの戦いというのがポスト九・一一の後のキーワードになりました。例えばロシアがチェチェンの武装ゲリラと戦っている、このこともテロとの戦いである。あるいは中華人民共和国が一部の宗教あるいは民族との間にいろんなトラブルが起こる、これもテロとの戦いというふうにとらえられる。じゃ、アメリカ合衆国が今アフガニスタンのテロと戦っている、オサマ・ビンラディン、オマル始め戦っている。じゃ、フィリピンでアブ・サヤフがある。いろんなテロがありますが、それをすべてテロとの戦いということでひっくるめて、いろいろな起こっておりますことをオーソライズするということには、私どもはある意味で慎重でなければいけないということがあるのだろうと思っています。それをみんな、じゃ、例えばパレスチナだってあれはテロとの戦いなんだ、いや、そうじゃないんだ、そういうことがあります。
私はテロとの戦いというものの重要性は本当に認めるものですし、それが大量破壊兵器を持つということは本当に我が国にとっても大変な脅威ですが、テロとの戦いという言葉をきちんとそれぞれの事象ごとに精査をして認識をしませんと、あるいは事柄の本質を見誤ることが間々あるのではないかという懸念を私は最近持っておるところでございます。
○松井孝治君
おっしゃるとおりだと思うんですね。日本の北朝鮮問題というのも、これは外務大臣おいででございますが、あれをテロというふうに認識するかどうかという議論も国会でもいろいろございました。テロという一言でくくっても、その事象ごとに性格が大分違うと私も思います。そのことをまず確認させていただいた上で、石破防衛庁長官に、そもそも防衛庁長官として防衛力整備の在り方ということについてお尋ねをしてみたいと思います。
防衛庁の庁内においても在り方検討会議でしょうか、議論をしておられます。この前の通常国会で、たしかこの委員会での委員でもあります福島委員からも、福島議員からも御議論があったというふうに私も記憶しているんですが、今後の防衛力整備、例えば北朝鮮の脅威のようなことを考えても、これは従来の防衛力の在り方、たしか前回の大綱というのは九五年だったと思いますけれども、そこからやはり大分国際環境は変わってきている、あるいは軍事技術の革新というものも相当生じている。
そんな中で、ちょっと私、事務方に御協力をお願いをしまして、これはたしか福島議員が前の通常国会で御質問されたと思いますが、陸海空のシェアを数字をちょうだいをいたしましたら、ほとんど変わっていないですね、ここ五年間ぐらいで見ても。これは当然、今、日本が置かれている状況の中で国際的な脅威というのもあるわけで、それの性格が変わっている中で陸海空のシェアが変わらない。そのシェアの中で装備の構造改善というのがどんどん行われているのかもしれませんが、普通に考えればそれは当然変わってしかるべきだと思うわけであります。
そして、たしか前国会では、福島議員からその予算の組み方というものを少し大臣のイニシアチブで変えたらどうかと、例えば一〇%ずつ各陸海空の予算をカットして、その部分を重点的に石破長官のイニシアチブで重点配分するようなことも含めて考えたらどうかという御提案があって、石破防衛庁長官は非常に複雑な表情をされながら、しかしそれは一つの御提案であるという御趣旨の御答弁をされたことを私は記憶をしております。
そういう意味で、今、防衛力整備の在り方を庁内で非常に活発な御議論をされているというふうにも伺いますが、国民にはその活発な御議論というのが見えません。この防衛力整備の在り方、この陸海空の見直しも含めて、シェアの見直しも含めて、石破長官はどれぐらいの指導力を発揮されているのか、あるいはこれからされるのか、具体的に御答弁いただけませんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君)
福島委員とそのような議論をさせていただきました。何点か問題点があるのだろうと思っていますが、一つは、今の大綱は平成七年にできたものでございます。村山内閣の下で、自民、社会、さきがけ政権の下でできたポスト冷戦期というものを念頭に置いて作られた大綱に基づきまして今やっておるわけでございます。その後にテポドンが飛んで、ノドンはその前に飛んでいるんですが、テポドンが飛んで、工作船が能登半島にやってきて、そしてまた奄美で事件が起こり、そしてまたセプテンバーイレブンが起こったということがございます。
今の大綱の姿勢が基本的に間違っているとは私は思いませんが、これがポスト冷戦というものをにらんだものであったとしても、ポスト九・一一を的確に予測し得たものであったかといえば、それは多分違うのだろうと思っています。あるいは、海上防衛力について申し上げれば、ソ連の原子力潜水艦の脅威というものを念頭に置いて整備を図ってきた部分がございますが、じゃ、ロシアの潜水艦というものがそれと同じだけの脅威なのかということを言うならば、それはあるいは違うのだろうということも認識をしなければいけません。
つまり、私どもはどのような、脅威という言葉が悪ければ危険性とか懸念と申し上げてもいいのでありますが、そういうものに本当に適切に対応し得る陸上防衛力であり海上防衛力であり航空防衛力であるのかということについて、きちんとした答えを出さなければいけないのだろうと思います。今のままがいいというのならば、その検証をしなければ国民に対する責任を果たしたことになりません。いけないというのであれば、何に対してどのように対応するかということを出さなければいけません。
その中で、シェアのお話がございました。シェアは確かに別に固定をしているというわけではございませんが、コンマ何ぼしか変わらないというのがずっと何年も続いております。これは単年度主義、憲法に基づきます単年度主義に由来をするものもございます。つまり、戦前のように臨時軍事予算みたいなことで何年にもわたって予算を組むという仕組みにはなっておりませんので、単年度主義に由来するものが一つ。
もう一つは、船にいたしましても飛行機にいたしましても戦車にしてもそうですが、一回装備をいたしますと、じゃ、これ全部捨てる、スクラップだと、まだその耐用年数は残っているがどうも脅威に対応できそうもないので全部スクラップしましょうというわけにはなかなかいかない。これは耐用年数との問題もございます。そうしますと、基本的な装備というコアの部分が変わりませんので、そのメンテナンスの費用、人件費というものは変わりません。したがいまして、結果として同じようなシェアが続いてきた。これは日本だけではなくて、アメリカにおいても同じでございます。
ただ、これを、先ほど先生が御指摘になりました在り方検討の中で、いやいや、そうかもしれないが思い切って見直すべきだと、仮に耐用年数を、これは会計検査院との関係がございますが、耐用年数が残っていたとしても、それを残しておくことが日本の防衛力にとってどうなんだいという議論は、私は議論する価値があることなのだろうと思っております。
要は、存在することに意義があるのではなくて、機能することに意義があるわけでございまして、私どもは存在する自衛隊から機能する自衛隊へという妙なフレーズを、キャッチフレーズを使っておりますが、そのことにリーダーシップを発揮をしなければならないのだろうと思っております。
憲法との関係、会計法との関係、財政法との関係、そういうものも整理をしながら、どうすれば機能する自衛隊になるのかということをきちんと議論をする、そしてそれはまさしく納税者の代表であられる国会の場において、今、松井委員が御指摘になったようなことをきちんと議論をすることが肝要なのだろうと思っております。
○松井孝治君
長官、今、私も納得できる答弁だったんですが、私が具体的に伺っております、そのシェアが固定されているように見える、しかも五年とかいうレベルではなくて、もう少し前までさかのぼっても、例えば陸のシェアというのは、昭和六十三年度で三五・九で、むしろ平成十五年度は三七・八と増えていますが、多少ね、しかし大きく言うとほとんど変わっていない。むしろ、恐らく人件費に由来するんでしょうけれども、シェアが増えているという状態であります。
こういうシェアについては今、国会等の議論も踏んまえて、あるいは憲法上の制約というふうにおっしゃいましたけれども、そういう単年度主義的なことも今後見直すことも含めて、あるいは耐用年数の問題、償却の問題の見直しなども含めて、シェアを変更する方向で政治的リーダーシップを、あるいは変更することに目的があるのではないのかもしれませんが、シェアの固定化ということを決して制約にはせずに議論をされるというふうに理解してよろしいんですね。
○国務大臣(石破茂君)
私、先般、防衛庁長官として留任をいたしましたときに内閣総理大臣からいただいた御指示は、これは記者会見で申し上げましたが、弾道ミサイルやテロの脅威に対応するために、言葉は正確ではありませんが、対応するために、現在の組織、装備を思い切って見直し、効率化を図ることという指示をいただきました。
それは、かなり思い切ったお話、思い切った見直しを行えということでございますから、つまり、今の組織や今の装備が現在我々が直面しておる脅威と言っていけなければ危険性に対応できないのであれば思い切って見直せというのが最高指揮官であります総理大臣の指示でございます。
それを守るということが防衛庁長官の責務でございますから、結果として、そのことが目的でないのは委員御指摘のとおりです、結果としてシェアが変わるということは当然あり得ることでございます。
ただ、その場合には、スクラップ・アンド・ビルドというものをどのように考えるか。今、委員がいろんな法律の御指摘もなさいました。そこも含めて、何が納税者に対して誠実な防衛力整備なのかということは、納税者の代表であられる議会とも私どもはきちんと議論をしながら決めてまいりたいと思っております。
○松井孝治君
分かりました。それじゃ、もう少し具体的に伺いましょう。
〔委員長退席、理事常田享詳君着席〕
BMDの配備ということについて大臣は積極的に進めておられます。十六年度予算要求でも一定の規模の予算が要求されています。これ、BMDは何年間ぐらいで配備を終えて、そして幾らぐらいの総予算になるんでしょうか。単年度主義ですから答えられないんでしょうか。
今の大臣の御答弁でいうと、単年度主義といっても、それは国会できちんとその整備の効率化、機能化、機能の高度化というものは議論すべきだという御答弁でしたが、そこははっきりとお答えいただきたい。
○国務大臣(石破茂君)
これは、現時点におきまして、防衛庁といたしまして概算要求をしておる段階でございますから、政府として決定をしたものではございません。そしてまた、総額につきましてもいろんな報道がなされております。それは決して当たらずとも遠からずということはあろうかと思いますけれども、私どもとして、総額がこれぐらい、そして一応、海上配備型SM3でございますが、それとパトリオットを組み合わせた現在のシステムというものがワークするようになるまでにどれぐらいということも、今、確たることは申し上げられません。
しかしながら、このことは何のためにやっているかといいますと、これは、どことは申しませんが、弾道ミサイルの恫喝、威嚇に屈して外交を曲げることがないようにということだと思っております。外交はもちろん内閣の専権事項であり、私どもがとやかく申し上げることではございませんが、弾道ミサイルの恫喝に屈しないためにということをやっておるわけでございまして、その整備というものは、その目的がきちんとかなうように、相なるべくは早く進められるべきものと考えております。
しかし、弾道ミサイル防衛の導入につきましては、今後、安全保障会議の議を経まして、そして最終的には国会で御予算をお認めいただくかということにかかっておるのは言うまでもございません。
○松井孝治君
ですから、それを防衛庁長官としてはどういうスタンスで臨まれているかというふうに伺っているんです。政府としての統一した見解を今ここで申し上げてくださいと言っているわけではありません。
例えば三年間で五千億規模なら五千億規模で我々は導入したいと考えている、しかしながらそれは政府部内で議論が必要です、まだ決まったわけではないと、そういう答弁でも結構ですから、防衛庁長官としての政治的意思というのを明らかにしていただきたい。
○国務大臣(石破茂君)
これは、数字を申し上げます以上はその積算根拠が必要になると思っております。それは、例えばSM3でどれぐらいの地域がカバーできるか、あるいはパトリオットでどれぐらいの地域がカバーできるかということにつきまして現在最終的に確認をいたしておるところでございます。
したがいまして、いついつまでに幾らということについて積算根拠を持って責任ある数字を申し上げることはできないということでございます。
しかしながら、これが何年掛かってもいいというような、そういうような気の長い悠長なお話ではございませんので、これは当然目標というものを置きまして、最終的な予算、政府としての予算要求という形にさせていただきたいと考えております。
○松井孝治君
積算というふうにおっしゃるとそうかもしれませんが、例えばイージス艦あるいはペトリオット、これを何年程度で配備を終えるのか、そういう目標は示されてもいいんじゃないですか。ペトリオットは例えば何年以内に配備を終えるというふうに考えておられるんですか。これは言えないですか。
何か、私も昔霞が関で働いていたことがありますが、こういうことを大臣が言おうとしても、個別に財政当局が大臣の答弁をチェックして、言わせないようなことがしばしばありましたが、私は別に、政府として、財政当局も含めて、確たるお答えを求めているわけではないんです。大臣として、この国の国民の生命、財産を守る観点から、こういう装備については一定の期間内に整備を終えたいという意思を国会の場で表明できないということで、本当に国務大臣として指導性が発揮できるんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君)
これは、繰り返しになって恐縮でございますが、例えば金額であればどれぐらいと問われた場合に、五千億程度ということは今までもお返事をいたしてまいりました。ただ、この五千億というものが、今申し上げましたように、当面の、海上配備型のイージスシステム搭載型護衛艦に積みましたSM3、あるいはパトリオット、これをどれぐらいの数そろえて五千億になるのかということにつきまして、私としましてきちんとした積算根拠を持って、五千億ということはかくかくしかじかこういうことでありますということを答えられる段階にはないということでございます。
しかし、これは平成十六年度予算として政府として国会にお認めいただきますときにきちんとしたことをお示しをしなければいけないと思っております。金額あるいは年限につきまして可能な限り早く国会にも国民にも御提示をするのが私の責務であるということでありまして、何も財政当局にあれこれ言われてそれを示さないということではございません。それを示すべきときにはきちんとお示しをするのが政治の責任だと心得ております。
○松井孝治君
じゃ、今の段階ではまだ示せない。来年の予算委員会の場では明確にそれは、政府として十六年度予算を決定したときには明確にそれは示していただけるというふうに理解してよろしいですか。イエス、ノーで結構です。
○国務大臣(石破茂君)
おおむねそのように御理解をいただいて結構でございます。
○松井孝治君
それでは、こればかり議論していてもしようがありませんので、次に移りたいと思いますが。
私、そういう装備の防衛技術の進展に沿って、あるいは我が国が直面する危機の性質、状況によって装備を抜本的に見直していかなければいけない、そのスタンスは大変結構だと思っております。ただ、やはり国民負担という問題も、これは非常に財政が厳しい状況ですから、私は若干財政当局をやゆするようなことを言いましたけれども、それは我々も意識していかなければいけない。
そのときに、例えば、そうですね、具体的にこの今回ちょっと事務的にいただいた資料で、このDDH、ヘリコプター搭載護衛艦、これ大変大きな規模のものですね。これ、十六年度予算要求で一千億以上計上しておられるし、後年度負担も一千億以上ありますから、二千億以上掛かるものですね。これは当然、安全保障上の理由ですか、理由があって、国内に発注されるわけですね。どこかの会社に発注されるということになろうと思います。恐らく、機能的にもこのような護衛艦が必要だという判断でしょうし、私も別にそれに異を唱えるわけではありません。
しかしながら、本当にこの護衛艦が二千億というこのコストが適切なのかどうか、これは非常に難しい議論で、やっぱりこれは国会できちんと議論をしていかなきゃいかぬ。そのときに、安全保障上の要請がありますから、これ、どこでも発注したらいいと、安けりゃいいというものでもないこともよく理解できます。しかし、やっぱり財政が厳しい中で、非常に機能の高いものを効率的に調達をしなければいけない、これは非常に難しい課題ですね。
そこで、やっぱり問題になってくるのが、大臣、どうでしょうか、この納税者の利益というのを守るのは我々の責務ですよ。そして、今必要とされる国家安全保障というものを確保するための装備を整えるのも我々の責務ですよ。その中で、武器輸出三原則というのが非常に大きな制約になっているという部分があります。もちろん、武器輸出三原則というのは非常に重要な原則でありますが、ここら辺は、我が国としてどのような防衛産業を持つのか、どのように高度な防衛力を持ち、そしてそれを効率的に整備するのか、その中でこの武器輸出三原則の在り方というものを大臣はどう考えておられるのか、議論を庁内で始めておられるのか、あるいは政府部内で始めておられるのか、その点について御見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(石破茂君)
武器輸出三原則につきましては、委員も通産省に長く御在籍でありましたから大変お詳しいだろうと思っています。
これは、そもそもの武器輸出三原則があった、これはココム対象国あるいは紛争国に対しては武器の輸出を行わないということでございましたし、その後、三木内閣になりまして、それ以外の地域においても武器の輸出はこれを慎むということになりました。例外として、アメリカに対する技術というものがございます。それは先生御案内のとおりです。
要するに、我々は手を血で汚しません、手を血で汚して外国にそんなものを輸出するようなことはいたしません、死の商人みたいなことはいたしませんという誠に美しい話であって武器輸出三原則というものはできたわけでございます。結果として、それは日本の国の武器によって紛争が助長されることもございませんでした。日本が死の商人というふうに非難をされることもございませんでした。そのことの精神は私は今後も尊んでいかねばならないと思っておりますし、政府として武器輸出三原則というものを見直すという予定も現在のところないわけでございます。私もその考えに変わりはございません。
他方、例えば自由民主党の中におきまして防衛政策検討委員会というものがございます。私も、大臣になります前、それにかかわったことがございますが、例えば自由民主党の国防部会の提言として、その精神というものはきちんと守りながらも武器輸出三原則というものをある程度見直していくべきではないかという御提言が例えば自由民主党からなされておるということは承知をいたしております。
そして、納税者のことを今先生が御指摘になりましたが、例えて言いますと、我々の九〇式戦車というものは一両が一番高いときは十億以上いたしました。今九億ぐらいまで落ちておりますが、一両がそれぐらい高いわけでございます。じゃ、アメリカのM1という戦車が幾らなのと、こう聞きますと、これは一両が一億五千万とか一億六千万と、そんなお話でありまして、単純に比較をすることは困難ですが、非常に粗っぽく言っちゃいますと、日本の戦車一両でアメリカの戦車が六両買えると、こういうことが起こるわけでございます。
何でかといいますと、日本の場合には一年に十六両ぐらいしか生産をいたしませんものですから、大変に少量生産ということになりましてコストは高い。しかし、日本は死の商人と言われることもなく、日本の武器によって世界で紛争を助長することもない。しかし、それが大量生産が難しいということで、これは納税者の御負担をいただいておるということでございます。F15のライセンス生産にいたしましてもそうでございますし、今先生がおっしゃいました艦艇につきましてもそういうことが言えます。
ですから、そのことについて、私どもは武器輸出三原則を変更するということを申し上げているわけではございません。納税者の御負担をこれだけいただいているということはきちんとお話をしなければいけないことです。防衛産業の在り方としてどうなのかということも、これは経済政策の面からも論ぜられなければいけないことだと思っております。
私どもとしてそういうものをどうやって多角的に見直していくか、これも先ほど来同じことを何度も申しますが、納税者の代表たる議会においてこのことは本当に今後とも堅持をしていくべきだということの御議論、こういうものも併せて政府の姿勢とともに必要なものではないかと思っておる次第でございます。
○松井孝治君
おっしゃるとおりだと思うんです。今むしろ大臣の方から詳しく御説明をいただいたと思うんですが、装備の近代化、そしてその効率的整備ということを、納税者の負担ということでそれを最小限でやるんであれば、それは海外に依存すればいい。あるいは、いや、それは安全保障上の理由で国内生産というものをきちんと拠点を整備すべきだという考え方に立つんであれば、今の武器輸出三原則の下であればそれは高いコストが掛かるんだということを国民に納得してもらわなければいけない。あるいは、安全保障上の理由で国内に拠点を持ち、なおかつそれをできるだけコストダウンするべきだということであれば、それはおのずと何らかの武器輸出三原則の見直しのようなことが必要かもしれない。しかし、それは、今、正に大臣がおっしゃったように、非常に我が国の従来の原則、原理原則を大きく変更しなければいけない。
私は、そういうことについてきちんと、国会もそうですが、政府側もきちんとそれは説明して、何も中身のことを、安全保障上の機微にわたる事項を全部開示しろと言うわけではありませんが、きちんとそういう、どういう選択を国民はするんですかということを議論をしていかなければいけない。そういう議論が不足しているんではないかということはこの場で問題提起をしておきたいというふうに考えます。
この議論をしておりますと非常に長くなりますので、今お話があった武器輸出三原則の関係でちょっと考えさせられることがありました。実は今日、その関係で海上幕僚長に政府参考人として御出席いただけないかということを理事会で御協議いただきましたが、協議が調いませんでした。
ちょっと中身の話に入る前に、これ、防衛庁長官、海上幕僚長がこの国会で答弁されるということは防衛庁として何か差し障りはございますか。
○国務大臣(石破茂君)
差し障りはございません。
○松井孝治君
分かりました。それは、そういうことでしたら、防衛庁としては幕僚長が国会に出られることは差し障りないということですから、むしろ国会側、議会側の議会運営としていわゆるシビリアンでない方を国会の議場にお招きをしてその方の答弁を求めるということについては我々側の課題だというふうに私は今の御答弁で認識をさせていただきました。これは議事運営にかかわることですから、今後理事会等で御議論をいただければいいというふうに考えております。
それで、何で私が海上幕僚長においでいただきたかったかということを説明いたしますと、先日といっても少し前ですが、テレビの特集を見ておりましたら、日本の老朽艦船、もう耐用年数過ぎた艦船を処分される、そのときに、これは先ほどの武器輸出三原則ありますから、これは本当に見事にスクラップしてしまわなければだめなわけですね。それが解体されてまた組み立てて活用されるということになると、武器輸出三原則上非常に憂慮せざるを得ない事態になる。それを非常に、船乗りという俗な言葉で言えばそういうことになるんでしょうか、その現場の自衛官の方々が非常に涙を流しながら愛する船が処分されるところを見送っておられるというそういうドキュメンタリーがございました。
伺うところによりますと、確かに耐用年限、先ほどの大臣のお言葉にあります耐用年数なんということに縛られずに装備の見直しというのはもっとしなきゃいかぬということかもしれません、ひょっとしたら、今後ますますね。そうなってきたときに、ひょっとしたらそれは法定耐用年数は過ぎているかもしれないけれども、その船自体は活用できる、まだ能力があるという状態があります。そのときに、同盟国に対してこの死の商人のようなことをする必要は全くないですね。
ただし、同盟国に対して、財政上の理由によって艦船がのどから手が出るほど欲しい、これは同盟国ですよ、そういう国家があって、それに対する国際協力の一つの姿として、実際、海上自衛隊の方々が本当に涙を出すような形で自分の言ってみれば子供が処理されるような気持ちで船の解体を見送られる。そういう船について、平和的にその船を活用していただくというやり方が国際協力の在り方として考えられないのかどうか。
こういうことは、大臣、私はその現場の方に海上幕僚長に何か政策的な答弁を求めたくてお呼びできないかというふうに申し上げたんじゃないんです。ただ、現場の方でなければ分からない心情とか感覚というのが私は必ずあると思うんです。その御見解を聞いた上で、私はこの質問を大臣に是非お答えいただきたい、そんな思いで幕僚長の御出席をお願いしたんですが、かないませんでした。かないませんが、大臣はそういう現場の感覚に非常に通じておられる、理解をしておられる長官であるというふうに考えます。
今の私の質問に対するお答えを賜りますでしょうか。
○国務大臣(石破茂君)
先ほど差し障りがないというふうに申し上げました。ただ、委員が今まさしく御指摘になりましたように、政策的な判断というものを自衛官に求める、あるいはこの場におきまして自衛官が出ましてそういうような答弁を求められたときにどのように対応をするのかということも難しいと思っております。私は、本当に専門的な自衛官でなければ分からない技術的なこと、専門的なことについて知見を議員の皆様方に有していただくという意味合いにおいてそのことをどう考えるか。それは、議会の良識に基づいて御判断をいただくべきことかというふうに思ってお答えを申し上げました。
今、老朽艦艇の処分のお話でございます。
私は、以前、防衛庁副長官をしておりましたときに、イスラエル、UNDOFの視察でゴラン高原に行ってまいりまして、イスラエルの戦車博物館というものを見学をしたことがございます。そのときにも、アメリカから旧ソ連からドイツから、世界すべての国の戦車が並んでおりましたが、日本のものだけありませんでした。どうしてですかと聞くと、いや、武器の輸出に引っ掛かるんだってさという話でございまして、博物館に展示をするものも駄目と、こういうことに相なっております。誠に厳格なことでございます。もうこれ火を噴くことも何にもございませんが、駄目ということに相なっております。
で、老朽艦艇というものをどうするかは、これが武器輸出三原則に言うがところの武器に当たるかどうかという判断はまさしく経済産業省が行っておるわけでございます。これがストレートに武器に当たるかどうかという解釈を当庁としてできる立場にはございません。経済産業省として、これが武器輸出三原則に言うがところの武器の特性を有するかどうかという御判断をいただくことになろうかと思っております。
〔理事常田享詳君退席、委員長着席〕
他方、委員が御指摘のように、例えばフィリピンでありますとかインドネシアでありますとかマレーシアでありますとか、まさしくあの地域の海洋の秩序を守るということは我が国にとっても国益であります。そして、かの国にとっても国益でございます。しかしながら、陸軍国でございますので船がほとんどない、買いたくてもお金がない。そのときに、日本の古くなった船の船体だけでもくれませんかというお話は私ども何度もいただくことがございます。しかし、それは武器輸出三原則だから駄目なのでございます。
それが本当にテロ、海賊、そういうようなものに対して使われる、戦争ではなくて本当にそういうような、現在の我々が面しておりますテロ行為、海賊行為に対して使われるものであったとしてもそれは駄目なのだという立場を取っておりますが、そのことが本当にどうなのかという御議論は、それは議論として行えることはあるのだろうと思っております。
政府として、今それを輸出するという立場は取っておりません。武器輸出三原則の武器に触れるという御判断を恐らく経済産業省でなさっておられることだと思います。このことについて私は異論を申し上げる立場にもございません。しかし、それが本当に、アスロックも取り外し、五インチ砲も取り外し、すべてのそういうような兵装を取り外した上で、なおかつどんがらとしても駄目なのだろうかという御議論は、私はどうなのだろうというふうに思ってはおります。
政府として武器輸出三原則を改正すると、そのようなつもりはございませんが、そういう問題が新しく武器輸出三原則ができたとき以降に生じておるということは、事実は事実としてあろうかと思っております。
○松井孝治君
そういう問題を認識しておられるんであれば、武器輸出三原則の解釈は、解釈、運用はそれは経済産業省かもしれませんが、大臣は、いつも申し上げますように国務大臣なわけですから、問題提起をされるのが国務大臣としての責務なんではないでしょうか。
私も、直ちに武器輸出三原則をノーズロにしろなんということは思いません、考えてもいません。しかしながら、本当にその原則のために原則があるのかといえば、我が国益のためにあるんでしょう、その原則は。その国益を守るためにどのような運用があるかというのは、これは大臣が議論をされないと、事務方にこんな議論をさせてはいけない。ましてや、私は自衛官の方にそんな議論をしていただくつもりもありません。
ただ、さっき自衛官の問題おっしゃいましたんで私も一言だけ申し上げますと、果たして、さっきのDDHの問題もあります、あるいはP3Cの後継機の問題もあります。本当に今、後継機として考えているものが自衛官の現場の感覚からいってそれが本当にふさわしいものなのかどうかは、そういう議論は私は、現場の方がなしで本当に議論ができるのか、その現場の装備の議論がですよ。それは、一定の限度の中でも国会に招いて議論をするというのは、どこの国でもやっていることじゃないんですか。
考えてみましたら、この議場で、あるいは国会議事堂の院内で私は制服の方を、お姿をお見受けしたことがありません。そこまで、私はシビリアンコントロールというのは厳格に守るべきだと思いますよ。しかし、現場においては、財務省に行ったって廊下でたくさん制服の方がいらっしゃって予算要求の説明をされている。それはなぜか。財務省が予算の査定をするときに現場の人の意見を聞かなけりゃ査定できないんですよ。当然ですよ。そんな現場の感覚が分からない人にいろいろ詰めて、これはどういう機能か詰めたって査定できない。それは財政秩序を守る上でも、現場の人の意見を聞いて査定をするというのは財務省はやっているわけですよ。
ところが、国会で予算の査定の議論もする、予算委員会で議論をするときにそれを排除するようなもし慣行があるとすれば、それはややあつものに懲りて何とやらというような議論ではないかと私は思います。しかし、これは議会の良識の下で判断される事項ですし、個別の委員がとやかく言う話ではありません。我が会派も理事を出していますし、ここは特別委員会ですから、恐らくは、外交防衛委員会でどういう議論をされるかということを今後御検討いただくのが適切かと思います。
済みません、時間がなくなりましたので、次の話題に移らせていただきたいと思います。
官房長官がお戻りでございます。このテロ特の議論として、やっぱり国内のテロ対策というものも万全でなければいけないと思っております。
以前、あれは有事特でしたでしょうか、官房長官にも御議論をさせていただいて、そのときにも石破大臣もおいでだったし、川口大臣もおいでだったと思います。この国会議事堂というのは閣議室があるわけですね。それから、政府が現実に使用している部屋は閣議室だけじゃなくて総理大臣室もあります。官房長官室もあります。現実に国会開会中は相当程度官房長官もこの国会議事堂の中にいらっしゃるわけですね。ここの警備が本当に十分だろうかと。
官邸は、私、事務的にいろいろ警視庁からもお話伺いましたら相当、九・一一以降、官邸の建て替えもありましたせいかもしれませんが、百人規模の追加的警備部隊の投入、施設警備の投入ということをなされているようでございます。その官邸とていろいろ議論は、まだ不十分じゃないかと、警備が不十分じゃないかと、出入管理のときに、ほかの国の、ホワイトハウスでもどこへでも行ったときに、普通はエックス線のチェックぐらいはしますよと、あるいは入口一階のところまでエスコートの人が降りてきてきちんとチェックして、その動線全部管理できるようになっていますよとか、そういういろいろありますけれども、話が拡散しますのでそこまでは申し上げません。
ただ、この国会議事堂あるいは議員会館、これは一月には参議院の議員会館で、通用口から、あれは火炎瓶でしょうか、不審者が入って、それを爆発させる、炎上させるという事故がありました。
この国会議事堂の警備というのは、ある意味では国会の警備であるとともに、内閣の相当の機能がこの国会内で行われているということが現実にあるわけですから、これは事務総長、お忙しい中でおいでいただいておりますが、どのような警備の増強というのを、このところ行われているんでしょうか。
○事務総長(川村良典君)
御説明申し上げます。
テロ対策警備につきましては、国民に開かれた参議院の実現と両立すべきという観点から、参観、傍聴、面会者等、特に制限することなく、衛視の配置増あるいは警備機器類の充実を図りながら本院の秩序保持のための努力を行っているところでございます。
施設整備といたしましては、十三年の秋以降、議院運営委員会理事会の御了承をいただきまして、議事堂各門に車両進入防止用のバリケードを設置いたしております。また、各門の衛視については二名体制といたしました。さらにまた、防災・警備カメラを導入いたしまして警備に万全を図っております。
傍聴に関しましては、傍聴券の交付時に、挙動不審者の早期発見に努め、エックス線手荷物検査器や金属探知器を使用して持ち物検査を実施しております。
また、参観者につきましては、金属探知器等によりまして持ち物検査を実施しているところでございます。
その他、郵便物等の慎重な取扱い、あるいは不審物の早期発見等に努め、警備強化を実施しているところでございます。
また、今御指摘ございました議員会館の警備につきましては、議員会館自治委員会の御了承の下に、構内の要所に防災・警備カメラを設置いたしました。また、裏玄関に監視ボックス、表玄関階段上には金属探知器等の設置等を行っておりまして、警備に万全を期しているということでございます。
以上でございます。
○松井孝治君
御努力を払っていただいていることは認識しております。しかし、本当にそれは十分でしょうか。
例えば、私も以前にこの国会議事堂の中で深夜、早朝も含めて勤務をした経験がありますが、夜間の国会議事堂の警備というのは非常に手薄だと思います。外側は、委員の皆さん御承知だと思いますが、外側の施設警備は、これ基本的に警視庁がなさっていますね。内側は、今二百名ぐらい、参議院では二百名ぐらい警備部の方々がいらっしゃいますね、衛視さんが。その方々がされていますが、夜間に外敵が例えば外側の防護壁を乗り越えて侵入して何らかの危険物をこの中に仕掛けるといったときに、夜間にどれぐらいの衛視の方々がこの建物の中にいらっしゃるか、外側のチェックはだれがされているのか、監視カメラがあると聞きますが、十何台あるらしいですが、その監視カメラの、余り細かいことを言うのは、ここの場で、議事録も公開されますから適切でないかもしれませんが、その監視カメラをどのような方々がどういう体制で見ておられるのか。そういうことをお聞きし、また現実にいろんな方々のお話を伺うと非常に背筋が凍るようなものがございます。
ですから、これは官房長官、是非お願いでありますが、これは、国会のことは国会法に基づいて国会によってこの警備は行われるということは当然分かっています。ただ、例えば議員会館というのは、あれは全部が国会の施設じゃないんですね。要するに、あそこの委員長室とか一部の会議を行うところは国会の衛視さんの管理の下に置かれますが、それ以外は議員会館の自治組織としての管理の部分にゆだねられている部分があるわけです。
ですから、これは政府として、いや、こっちは国会だ、こっちは警視庁だということで余り縦割りの弊害に陥らないように、この国会周辺の警備、施設警備というのはこれは本当に、これだけ日本が、特に九・一一以降、国際的にはテロ撲滅のための戦いに挑んでいるわけですから、当然のことながらその標的にされる可能性もあるわけでありまして、そこの警備というものは何かがあってからでは遅いので、是非これは参議院の事務局の方にも更に一層のお願いをしておきたいと思います。
今まだ通用口の方なんかは非常に手薄であるということは、恐らく多くの議員は実感しておられるはずでございます。そして、同時に、例えばここの閣議室、閣議室は衆議院になるんでしょうか参議院になるんでしょうかよく分かりませんが、官房長官室は参議院ですね、そうですよね。そこの警備の在り方なども含めてきちんと連携をして万全を期していただきたい。
そして、そのようなことにもし本当に必要な経費が掛かるんであれば、全体の事務局経費を増やせという意味で私は申し上げているわけじゃありませんよ。しかし、そういう本当に国の中枢施設の警備のために若干のコストが掛かるんであれば、それは中身を精査した上できちんとそれは内閣の方針として充実をしていただきたいと思うんですが、官房長官に一言御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君)
今御指摘のこの国会の警備ということにつきましては、私も、それはそういうことについてどのぐらい国会の方で心配をなさっているのかなと、こういうふうには思ってまいりました。しかし、最近そういう意識もかなり出てきて対応をやっておられると、こういうような話も伺っておりますので、それなりに考え方は進んでいるなというふうには思います。
ただ、国会というところはなかなか難しいところで、官邸もそうなんですけれども、開かれた国会、この開かれた国会というのと警備を厳重にするというのは何か矛盾するような、そういうようなことがございまして、その辺で悩んでいる部分も随分あるんじゃないかなというように思っております。
しかし、これは社会情勢がどうであるかといったものとの関係もございます。しかし、重要なところは万が一ということも考えて対応しなければいけないということもありますので、その辺の兼ね合いを考えて今後対応していただきたい、これは国会の方にお願いをしたいというふうに思っております。
おかげさまで、官邸の方は新しい官邸になりまして、委員御指摘のとおり、かなり警備が厳重になったというように思います。しかし、それに、そういうふうにしますと、今度は開かれた官邸じゃないなんて、こういうふうに文句も言われまして、そういうところで難しいところもあるわけですけれども、幸いにして、官邸が新しくなったというそのときに合わせてそういう対応ができるようになったということでございます。
今まで、昔の官邸、二年半前までの官邸というのは、これは御案内のとおり小さな官邸でございまして、総理大臣の執務室の寸前のドアのところに記者の方々が二十人ぐらいたむろしている、常時たむろしていると、こういうようなことであって、本当にその安全が保たれるかということについては大変懸念いたしておりましたけれども、幸いにして今そういう状況ではなくなったと。
しかし、テロリストはその気になればどんなことでも考えますから、ですから、そういうような絶対ということはこれはあり得ないかもしれぬけれども、いかなる対応もできるようにというようなことを常々考えながら、今そういう警備ということを考えておるところでございます。
○松井孝治君
是非よろしくお願いします。
国会の警備についても、それは国会でお任せするということではなくて、その財政的裏付けは内閣が行っているわけですから、そういうことも含めて私はお願いをしたいというふうに申し上げたということは念を押しておきたいと思います。
それで、時間がなくなりましたが、外務大臣に御質問をさせていただきたいと思います。
今日は、たまたまですが、総理がASEANの首脳会議に御出席でございますが、歴史的な日だと思っております。ASEAN首脳会議が第一回が開かれたのは一九七六年であります。日本は第二回の首脳会議には既に招待をされていまして、ASEANという地域から、あるいは連合体から見ると、非常に友好関係、まあ田中角栄首相が不幸な訪問をされたことはありましたけれども、福田官房長官がおいででございますが、福田総理がその第二回の首脳会議にたしか招かれられたのではないかと私、認識していますが、良好な関係を日本とASEANというのは持ち続けてきたと思いますし、日本の外交も、非常にASEANについては格段の配慮を払ってきたのが日本のアジア外交の歴史ではなかったんではないかと思います。
今日の新聞に、今までほとんど報道はされておりませんでしたが、今日の新聞報道でお気付きになられた方もいらっしゃると思うんですが、ASEANが、ASEANという言葉はどこにもその条約上使っていないんですが、東南アジア友好協力条約というのが、たしか第一回のバリ会議のときに皆さんが発足させられたそういう条約があると思います。中身の、非常に拘束性があるというよりは、割とプログラム的な規定のある友好協定だと私は理解、友好条約だと理解をしておりますが、これに、大臣、中国とインドが今日署名をするはずですよね。それは御存じだと思うんですが、これは、日本は、この東南アジア友好協力条約、本日中国とインドが署名するこの条約に署名されませんかというお誘いはASEANからなかったんですか。
○国務大臣(川口順子君)
これはございます。ございましたということだと思います。
この条約、委員がおっしゃいましたように、七六年、ASEANが第一回の首脳会議をバリで開いたときに、五か国、当時ASEANは五か国でしたので五か国で採択をしたものであって、その後、二〇〇一年になりまして、当時ASEANの議長国はタイだったんですけれども、タイからASEANの対話国、これは日本も入りますし、インド、韓国、中国、アメリカ、豪州、ニュージーランド、EU、カナダ、ロシアといった国が入りますが、そういった国に対して加入を招請をしたということであります。したがいまして、招請は受けています。
○松井孝治君
インドと中国は今日署名されるんですが、なぜ日本政府は、ASEANとの友好協力関係をこれほどまでに長年の間大事にしてこられた日本政府はそれに署名をしないんですか。
○国務大臣(川口順子君)
これは今引き続き検討中であって、正式に入らないとか入るとか決定をしたということではないということです。
それで、どういうことを検討しているかということなんですけれども、これは幾つかあります。まず、委員が御指摘になられたように、日本とASEANの関係は非常に深いものがあります。経済社会の発展、これはもちろんASEANの国々自身のその自助努力というのももちろんありますけれども、日本のODAや企業の投資、あるいは貿易がなければここまで発展をしてこなかった。その点についてはASEANの国も非常によく認識をしていて、日本もそう思っている関係にあります。今年の十二月にASEANの首脳会議というのが日本で開かれますけれども、これはASEANの首脳会議が域外国で開かれる初めてのものでして、それぐらいの関係にあるわけです。
したがって、ASEANと日本はそれぐらいの関係を持って既にいるわけですから、条約、この条約に日本が今の時点で加盟をするということの意味が何なんだろうかと、そういう条約がなくても十分に強い関係にあるというのが一つの考えている点であります。
それから、二番目に申し上げたいのが、これは条約というものについての国によって考え方が違うということでして、おっしゃるように、ASEANのTACというこの条約は、ASEANを作っている基本文書的な性格を持っているものでありますけれども、いろいろなことが書いてあるわけです。我が国の条約についての考え方というのは、非常にきちんと条約の中身を精査して、我が国の国内法で担保できているかとか、それのもたらす意味合いというのは何なんだろうかとか、非常にきっちり議論をした上で入る、入らないということを決めるということですけれども、それに対して、中国、インドといった国は、そういった吟味をするということではなくて、非常に、ASEANの国もそういう考え方をする国が多いと思いますが、非常にざっくりと考えて入るという姿勢を持っているというふうに思います。
それで、我が国として、そういう意味では日本の条約の考え方というのはそういうことでございますので、この条約自体、七六年に原加盟国が入って、それ以来ずっと長い間、ほぼ三十年弱の間ASEANの国々がこの解釈をしてきた。我が国としては、原、この条約を議論したときにメンバーではありませんから、一つ一つの文言について、例えばどういう意味合いを持っているかとか、この解釈は何なんだろうかと、そういうことについて我が国が今までの蓄積ということがよく分かっていないわけで、入ろうと思ってきちんと精査をしようと思うと、そういうことが分からないとできない。そういった点があって、今まだ正式に決定をしていないということです。
○松井孝治君
外務省の条約局長の御答弁だったら今の御答弁で私も納得できるかもしれませんが、これは国際政治の現場のお話ですね。
それで、ざっくりと入ったかどうかの判断は、それはざっくりととおっしゃって、あたかも中国政府やインド政府がアバウトであるというような言い方をされたのは私はちょっと問題があると思いますが、そういうことではなくて、やっぱりリーダーの判断でASEANとの協力関係を政治的意思で前に進めようという判断を少なくとも中国はしたし、インドもしたんですよ。歴史的に長い関係がありながら、いや、この条約の文言のそれぞれの意味がどういう意味を持つのかよく分からないから入りません。それはね、大臣、申し訳ないけれども、局長や昔でいうと政府委員の答弁だったら、それは私は理解しないわけではないけれども、大臣の答弁ではないと思いますよ。
あのね、大臣、答弁求めておりません、今。私が言いたいのは、例えば新聞記事でも書かれているんですよ。外務省の中でも、これ新聞記事に書いてあることがすべて事実とは限りませんが、この読売新聞に書いてありますよ。アジア局は、日本も調印すべきだというスタンスがあった。ところが、総合外交政策局は、こんな時代後れのシャツを着る必要がなかった、ないと言っていた。で、ASEANの人たちは、どうして日本はまたまた米国に気兼ねをしてそろいのシャツを着てくれないんだと、これだけASEANの政府が日本に対して期待をして深い関係にあるのに、そのシャツの柄が気に食わない、ここの柄の模様の意味が分からない、そういうことでそろいのシャツも着ない。
そして、どちらかといえば、大臣よく御存じでしょう、中国なんというのは、ASEANはむしろ発足の経緯からいって中国をある意味で意識した集団ですよ。その中国が入るというときに、いや、日本はこのシャツの柄が気に入りません、ちょっとデザインが悪いです、そういうことでASEANとそろいのシャツを着ない、そういうふうにASEANの方々からは思われているんですよ。
私は、マレーシアのマハティール首相が、今回、勇退されるマハティール首相がEAEC構想を提案したときに、直ちにEAECに乗ることだけが日本の外交ではないと思ったけれども、あの後の紆余曲折、アメリカから言われた、ジム・ベーカーさんから言われた、それをもって態度を変える日本政府のこの姿というのをずっと見てきましたよ。同じように見えているんですよ。FTAの話も同じですよ。政治的意思というものは日本政府にないのかと。どんなふうにASEANの方々から日本政府が思われているのか。
やはり是非、私、別にここで外務大臣をなじるつもりはないんです。むしろ、外務大臣ね、外務大臣はいつこの、私が聞きたいのは、いつ外務省の事務方からこのASEANの東南アジアの友好協力条約の加盟の話を、加盟すべきですか加盟すべきでないですかということをいつ外務大臣は相談を受けられましたか。二〇〇一年に提案があったというふうにおっしゃっていますが、いつ相談を受けられました。
○国務大臣(川口順子君)
まず申し上げたいのは、私が先ほど二点申し上げたうちの最初の点がその政治的な判断はどうかということでのお答えで、一つの議論として今やっていますということで申し上げたのは、ASEANと日本は別な柄の、もっと多分複雑な柄のシャツをともにもう既に着ているということを申し上げたんです。それを着ているから、TACという柄のシャツを日本が今着ることに一体どれぐらいな意味があるんでしょうかと、そういう議論を申し上げたわけで、それが議論の半分です。
それからもう一つ、アメリカに言われてやっているかとかいうことで、これはこんなことは全然ありませんで、我が国として、委員がおっしゃるように、ASEANとの関係というのはもっともっと強くしていかなければいけないと思っているわけでして、そういう意味で、ASEAN首脳会議ですとか、それから今回その枠組み条約に、今回、ASEANともいろいろな話をして、失礼しました、いろんな話をしておりますけれども、そういったことの議論をしているわけでして、その重要性はもうつとに認識をしています。アメリカに言われたということではなくて、我が国とASEANの関係がどうあるべきかということをベースに、自主的に判断をして検討をしているということです。
○松井孝治君
私が伺っているのは、いつ事務方からこの条約に署名すべきかどうかということの判断の、大臣はその判断を求められましたか。いつ、その時期だけ言ってください。
○委員長(若林正俊君)
答弁は簡潔にお願いします。
○国務大臣(川口順子君)
失礼いたしました。
私は二〇〇二年の二月に外務大臣になりまして、昨年、ASEANとの会合に出席をいたしました。その前にそういう話を聞いております。
○松井孝治君
是非、まだ御判断されていないということです。私は、その、古い柄かもしれない、そのシャツを着て、そしてなおかつ新しいジャケットを着ればいいんじゃないかと、そんなふうに思っています。それは全く整合的であります。この東南アジア友好協力条約の中身を見ていただいて、それは確かにオールドファッションな文言が並んでいるかもしれない、しかし悪いことが書いてあるわけではない。その上で、さらに十二月に憲章を求められるなら、その憲章には反発も出ているそうですが、それはそれで新しい関係を築かれたらいいじゃないですか。そういう判断をするのは、私は外務大臣の仕事であると思います。いかがでしょうか、その余地はございますか。
○国務大臣(川口順子君)
ASEANと日本の関係というのを今後どのように持っていくかということは、私は今非常に大きな課題であると思っております。今までと違った意味で別な課題、その地域のいろいろな問題が変わってきておりますので、大きな課題であるというふうに思っています。
そういうコンテクストでこの問題も引き続き検討していきたいと思っています。
○松井孝治君
北米局が反対されたのか、総合外交政策局が反対されたのか、新聞報道はありますが、それは事実はどうか分かりません。
ただ、私が申し上げたいのは、過去の経緯は結構です。ASEANの方々は、日本がまた対米配慮をして、中国もインドも主体的に判断していることについて対米配慮でこの条約に署名をためらっている、そういうふうに見られているということを踏まえて、是非、大臣、そして政府の積極的な検討をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○委員長(若林正俊君)
午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
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