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憲法調査会二院制と参議院の在り方に関する小委員会
平成十六年十一月十九日(金曜日) 午後一時開会
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=小委員長(舛添要一君)=
ただいまから憲法調査会二院制と参議院の在り方に関する小委員会を開会いたします。
二院制と参議院の在り方に関する件を議題といたします。
本日は、参議院と衆議院の役割分担について、二時間程度、小委員相互間の意見交換を行います。
まず初めに、各会派を一巡して、それぞれ十分程度で御意見をお述べいただきたいと存じます。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、御意見のある方は順次発言願います。
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〔省略〕
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=松井孝治君=
民主党の松井孝治でございます。
今、荒井委員の御発言に私も共感するところも多々ございます。私としての、まず二院制についての是非については私も同じような見解でございまして、専門家の御意見もありましたが、やはり一億人以上の有権者の多様な意思を反映するのに二院制というのは私も望ましいと思っております。ただ、じゃ、現実の参議院がそれをきちんとした一億人以上の有権者の意思を反映しているかというと、およそそう思えないわけでありまして、これだけ政治や行政にスピードが要求されているわけですから、熟慮の院ということで議論を垂直的に繰り返していては意味がない。その意味では、今の参議院は機能の在り方をやはり水平的に衆議院と分担していくべきであろうと考えております。
じゃ、具体的にどういう機能を強化すべきかということについて申し述べたいと思いますが、一つは、よく言われておりますように、チェック機能でございます。
衆議院の、まあどうしても政治的な闘争が前面に出る、あるいは解散がいつか分からないという中で、制度、政策の根っこに踏み込んだ議論がやっぱり衆議院ではなかなか行いにくい。それに対して参議院は、任期も長く安定しておりますので、より衆議院に比べて、どこが変わったかということではなくて、その制度の根っこまで立ち入った議論を行うべきではないかと思っております。その意味で、正に政策の評価を行う、あるいはそれがどう実行されているかということをチェックを行う、あるいは今、荒井委員からもありましたけれども、いろんな人事的なことまで含めてそういうチェックを行うということにより機能を強めてはどうかというふうに考えております。
議論の仕方も、これは会期の在り方等にもかかわりますけれども、もっと法律も逐条的な審査を行うとか、あるいは政治日程と独立に委員間で具体的な制度、政策についての突っ込んだ意見交換を行うというようなことも必要ではないかと思います。
もう一つ、今の日本において見逃されている点は国と地方の関係でありまして、正に三位一体の改革の議論が行われているわけでありますが、国と地方の権限調整、財源調整、今ほとんど霞が関がこの実態を握っていると。これはやはり、民主的コントロールに服させるためにも、霞が関の一部局が財政統制をしているというようなことではなくて、国と地方あるいは地方間の水平的な財政調整機能というのは、これは国会が担うべきであると。そのときに、やはりこの問題についても非常に政治的な対立の中で議論をするというよりは、参議院、これはドイツの参議院なんかがそうですけれども、参議院で地域間、地方間の調整、財政調整などを行うという仕組みを持つべきではないかというふうに考えております。
さらに、参議院が果たすべき機能としては、憲法解釈というのは非常に重要な機能であろうと思います。最高裁判所がどうしても統治行為に踏み込んでいかないという中で、国会が憲法解釈の議論をほとんどしませんので、結果的には内閣法制局が行う憲法解釈というのが非常に絶対的な地位を占めているというのは、どう見ても不健全でございます。内閣は内閣として憲法解釈機関を持つのは自由でありますが、本来であれば国会が自らの憲法解釈についての見解を示すべきでありまして、これも正に、しかし反面、政治的にそれが使われるということになってくるとこれは危険なわけでありまして、国会で憲法解釈の権限を持つとすれば、それは参議院がより大きな役割を恒常的に担っていくべきではないかと思います。
さらに、必要なことは、これも今の法案ほとんどが閣法という形で内閣から提案されているわけですが、議員立法を行う、より活発に行うという意味での参議院の機能は非常に重要だと思います。現に、参議院の調査会がこれ定期的に議員立法を生み出すベースとなってきたことは、私は率直に評価をすべきではないかと。そういう意味で、中長期的な課題、任期の長さ、安定性から見ても、中長期的な課題について、閣僚を交えた議論をせずとも、参議院の各会派間である意味では会派の利益を超えて議論をすることによって一つの見識を示していく、それは基本法的なものが中心かもしれませんが、それを参議院で定期的に生み出すという努力は、これは地道ではありますけれども、非常に私は重要なものなのではないかなと思っております。したがいまして、これは先ほど申し上げました審議の在り方にもよりますけれども、ある意味では行政府と一線を画して、参議院で会派を超えて調査会的活動で議員立法をより強めていくということが非常に大事だと思っております。
ただ問題は、そのときのリソース、人的資源を、どうやってそういう政策議論に必要な人的リソースを確保するかという問題でございまして、先ほど会計検査院の話が荒井委員からございましたけれども、私は、その会計検査院の在り方も含めて、チェックの院として会計検査院的リソースが必要である。同時に、霞が関と独立して立法府が本当に必要な立法活動を行うための政策スタッフをこの際参議院で抜本的に充実強化をし、先ほど申し上げましたような憲法解釈の議論もするということになってくると、これは日常的にいわゆる、これは憲法を改正しなくてもできる問題だと私は思いますけれども、通年国会的に、ただ、国会法の規定の会期不継続とか、あるいは衆議院と参議院が同一会期であるかどうかというのは、これは検討しなければいけないと思いますけれども、会期も基本的に通年国会的に、政策機能を抜本的に充実して、チェックの院として参議院が立法機能をより広範に果たすべきではないかと思っております。
その意味で、ある意味では執行権からは参議院は一線を引くべきではないかという先ほどの荒井委員の御意見にも私は賛成でありまして、首班指名あるいは閣僚を参議院議員から出すかどうかということについて一線を引く、そして政争からは一線を引く。その代わり、チェック院として恒常的にある種通年国会的に活動をする、法律の中身についてももっともっと衆議院ではできないような緻密な逐条審査も含めて議論をする、そういう院としての参議院が構築できるかどうかが今後の言わば政と官の関係を、きちんとした関係を確立するためにも私は非常に重要な点ではないかと思っております。
その意味でも、やはり我々参議院は霞が関に依存した立法活動をしたんでは何の意味もありませんから、繰り返しになりますが、調査機能あるいは行政評価機能、決算機能、さらには憲法解釈機能、そういったことがきちんと果たされるような充実したスタッフを持ち、やはり権力の院ではなく、権威の院としての機能を十全に発揮すべく、これは党派を超えて議論を行うべきだと考えております。
以上でございます。
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〔省略〕
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=松井孝治君=
今、最初に発言させていただきましたが、その後も各委員の方々の御発言で趣旨において共感するところが多いわけで、これは党派を超えて正にこういう小委員会あるいは憲法調査会で議論をして実際参議院改革協にもつないでいけるんではないかという非常に希望が見えてきた思いがしております。
今、田委員の方から公正取引委員会、そして鈴木委員の方から政省令の問題が出ましたが、正にその公正取引委員会に代表されるような国家行政組織法三条組織、これは執行権からのある程度の中立性を確保するために三条委員会というのがあって、この三条委員会違憲説というのもあるわけでありますが、それぐらい逆に言うと執行権から中立的である、そういうものをチェックの院としての参議院に持ってくるというのは非常に私も新鮮な議論で、そういう考え方もあるんだなと思いました。
それから、今の鈴木委員がおっしゃった政省令のチェックも含めて、これは法律のチェックもそうですが、これは私、政省令のみならず、もっとひどいものは通達で法律の趣旨をゆがめるようなものも現実にあるわけでありまして、そういうところまで含めてやっぱりチェックの院として機能していくというのは非常に重要であると思います。
ただ、そのためには非常に膨大な労力が要りまして、具体的に政府が政省令あるいは通達、告示等まで含めていろんな行政指導をやっていることについてきちんと情報収集して、それを指摘していくという、これは参議院議員にもそういう資格、あるいは忍耐まで含めてその活動に根気が求められますし、同時に、先ほどから申し上げているように政策スタッフを充実しないと、霞が関になかなか対抗できないという思いがいたします。
その意味で、私は是非この政策評価院的なもの、これはどこかの政党が言い出したとかそういうことを超えて、今日の各委員の方々のお話を伺っても、そういうものを参議院に作り、行政に対するチェック機能を高めていく必要があるんじゃないか。
それから、中長期的な問題でいいますと、私いつも不思議に思うのは、年金の一元化の議論を国会でやるということであれば、年金制度が政権交代のたびにころころ変わるわけにいかないわけでありますから、本来であれば、そういう問題は参議院に年金問題についての各会派から集まってもう少し、もう一度中長期的な在り方を検討しようというようなものを付すべきであると思っておりまして、そういう意味で時の権力に対して中立的なチェック機関としての参議院、あるいはそういう政争を超えて中長期的に知恵を生み出さなければいけないときの一つの母体としての参議院というものの機能をどう高めていくか。それを具体的な形にしていくというのは、私は、今日の皆さんの意見を聞いておりまして、やっぱり参議院発でいろんな組織的な提言を具体化していくべき時期に至っているのではないかという思いを強くいたしました。
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〔省略〕
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=松井孝治君=
済みません、何度も。
二点だけ補足的に発言をさせていただきたいと思います。
一つは、先ほど来議論になっておりますが、政策スタッフというのが、非常に日本の場合、霞が関の官僚に独占的になっているという点をどうにかしなければいけない。霞が関の中でも、省庁ごとに実はもう行政ニーズが低くなったところにたくさんの人員がストックされて、本当は行政ニーズがあるところに異動できないという問題もありますが、こういう問題を解決する以前に、霞が関の一極集中をどうやって是正して別のところの政策人材を作っていくかというのは、これは政治主導の政策運営を行う意味でも絶対に必要なことなんですね、野党だから言っているとか、与党だからそれに反対ということではなくて。そのときに、本来はやっぱり国会周り、アメリカの例をもう見るまでもなく、例えば国会全体としての、先ほど例えば会計検査院を国会に附属、参議院に附属という議論もありましたが、それだけじゃなくて、例えば委員長にある種の政策スタッフを付けるということもあってもいいと思いますし、もう一つの政策人材のプールを作るという意味において、これは我々国会議員がきちんと団結すれば、全体としての公務員を増やすことなく、今の霞が関もはっきり言って閉塞状態にあって、あれだけ人数が要るかというと要らないわけですよ。
それをむしろ霞が関とは違う視点でチェックをする、あるいは別の政策提言をする、立法活動の補助をするという形の人員に振り向けていく。これは定員をそういうふうに霞が関から国会に振り向けて、同じ公務員の定員の中で振り向ければ、そしてそこで新しいリクルーティングをすればいいわけでありますから、これは是非、参議院あるいは政治の主導で私はできることだと思いますし、やるべきだと思います。
それから、先ほど来の自分自身の意見も含めて、参議院の独自性を発揮するときに、やっぱり一つの大きな障害は政党であることは明らかだと思います。これは私の記憶では、前か前の前の委員会で公明党の山下委員がおっしゃったような気がするんですが、そのときに、これは我々は言いづらいことでありますが、やっぱり選挙を行う以上、国政選挙を行う以上、政党の支配力が強まるのは当然だと思うんです。それを、政党の支配力を弱める、より個人の良識に従って行動ができる院を作ろうとすれば、一つの答えは、再選をさせない、再選禁止規定を置いて、しかし任期を長くする。まあ、フランスなんかではこれと逆行する動きがあるというのも承知していますし、それは物事にはすべてプラスマイナスがありますが、そういう考え方、例えば八年とか九年という任期を確保して、しかしもう単一の任期でやると。
そうすると、そういう議員は、ある意味では選挙活動をせず、その選挙を過度に気にすることなく、また政党の拘束というものに縛られることなく、議員としての良識に従って行動できるわけでありますから、これはなかなかそれぞれの事情があって簡単には、言うのは簡単ですが、なかなか現実には難しい議論もあろうと思いますが、そういうことも含めて、じゃ、どうやって政党の束縛というのを少し緩くしていくのか、あるいは選挙を通じた政党の支配というものを逆にどうやって緩くしていくのか、そこまで含めて、今申し上げたような再選禁止規定を置くということまで含めて我々は選挙制度の議論をしなければいけないのではないかということだけ申し述べておきたいと思います。
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