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平成十六年四月六日(火曜日)午後一時三十分開会

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=委員長(簗瀬進君)=

 ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二日、愛知治郎君が委員を辞任され、その補欠として関口昌一君が選任されました。
 また、昨五日、関口昌一君及び森下博之君が委員を辞任され、その補欠として野上浩太郎君及び松山政司君が選任されました。
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=委員長(簗瀬進君)=

 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 道路交通法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として東京大学大学院法学政治学研究科教授宇賀克也君、日本大学名誉教授長江啓泰君、全日本交通運輸産業労働組合協議会事務局長中西光彦君及び弁護士高山俊吉君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

=委員長(簗瀬進君)=
 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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=委員長(簗瀬進君)=

 道路交通法の一部を改正する法律案を議題とし、参考人の方々から意見を聴取いたします。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。

 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 参考人の方々から忌憚のない御意見を承りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、本日の議事の進め方について申し上げます。まず、宇賀参考人、長江参考人、中西参考人、高山参考人の順序で、お一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 また、御発言の際は、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おき願いたいと存じます。

 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず宇賀参考人からお願いいたします。宇賀参考人。
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       〔省略〕

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=松井孝治君=
 民主党の松井孝治でございます。
 四人の参考人の皆様、本日は貴重な御意見をお聞かせいただきましてありがとうございました。

 私も持ち時間が十五分で限られていますので、必ずしもすべての参考人の皆様方に質問できませんかもしれませんが、お許しをいただければと思います。
 まず最初に、中西参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。

 この運転者区分、中型免許を導入する、またその免許の区分を変更することについてでございますが、今回の改正案では、最大積載量三トン以上、車両総重量五トン以上のものが中型免許が必要とするということになっておりますけれども、実際の今の、先ほど最大積載量と車両総重量、二つの基準を設けているということについての御意見も伺いましたが、実際、最大積載量三トン積みのトラックでいいましても、最近の例えば冷凍保存車両その他のトラックの装備が変わってきている中で、車両の重さが重くなっているというケースが大分頻発しているんではないかと思うんです。その意味で、これ重量で切っていますけれども、実際問題、三トン積みのもので相当程度のものが車両総重量五トン以上になってしまっているということについて、そこに中型免許の枠が掛かるということについて、これはちょっと問題ではないかという議論も聞いたことがあるんですが、参考人の御意見を聞かせていただきたいと思います。

=参考人(中西光彦君)=

 今先生のお尋ねのことなんですが、私どもも非常に今困っておるところです。
 おっしゃるとおり、架装減トンといいますか、大きい箱に、それに冷凍機を積んで、それから持ち上げるのが大変ですからパワーゲートというものを取り付けると、これはもう積載量は二トンがなかなか出てこないような状況になります。それで、一番この種類の車は、皆さんも御存じのとおり宅配便なんかで多く使っておるものですから、非常に厳しくなってくる。そういうふうなことから、そうなるともう普通免許では運転できないということになりますから、そうならないように最大積載量だけ決めて、いや失礼、最大車両重量だけ決めて積載量は各々で決めるという便法があって、免許の枠から外れるようなことをしたらどうなのかというのが私どもの主張です。

=松井孝治君=

 同時に、これは警察庁の方の資料からも拝見をしたんですけれども、車両の長さ、大体、昭和三十一年にこの規制が導入されたときに大体の長さが大型免許を要するトラックの長さ、車長がこれぐらいの長さです、六メートル台ですと。それに応じて、今回どこら辺の車両重量のものが六メートルを超えるような規模なのかと。その車両の長さによってやっぱり運転できるかどうか、普通免許で運転できるかどうかが決まってきますという説明も非公式にはいただいたんですが、実際に見てみますと、例えば五トン以上、総重量が五トン以上のものでも非常に短い車両のものもあるんですね、逆に、今おっしゃったような装備を兼ね備えていれば。

 そうなってくると、本当に今、国際的にも基本的に車両の重量で規制をするというのが国際常識だという話も伺うんですが、本当のところは、実際労働現場を御存じの中西参考人に伺いたいんですが、本当のところは車両総重量で規制をするのがいいのか、むしろ多少重くても、総重量重くても自動車の性能が上がっていますから、車両の外形ですね、例えば特に長さ、あるいは幅、そういった外形の寸法で規制する方が合理的ではないかという意見も聞くんですが、その辺りは参考人の御意見、いかがでしょうか。

=参考人(中西光彦君)=

 おっしゃられるとおり、私どもの中でも二通り意見がありまして、やはり小さくとも、今よく言われる四トンロングボディーなんというのは、もう大型トラック、十一トントラックと同じぐらいの長さがありますから、そうなると内輪差もあるし、その免許でやるのはなかなか難しいじゃないかという話があるんですが、でも、そういうふうに車両の長さで決めるということに対してまだ一般的ななじみもないし、それからまた荷主がなかなか理解を得られぬというところがあって、今どういうことをしたらいいのかということは研究をしておりますが、今のところは総重量でいかざるを得ぬのかなという認識を持っています。

=松井孝治君=

 分かりました。
 ちょっと時間が限られていますので別の項目に移らせていただきたいと思いますけれども、この民間委託ですね、違反の取締りの一部の業務の。これについては、先ほどそれぞれの参考人の皆様方の御意見にもありましたが、一つは本当に違反の摘発の公正性をどう担保するのかということで、全く野放しで、しかも民間委託を受ける事業者の方々はそれぞれ当然、民間ですから利潤も追求しなければいけない。じゃ、場所を構わずにとにかく摘発すればいいのかということになると必ずしもそうでもないだろう。その実際の摘発の公正性というものも確保しなければいけない。

 他方で、これは高山参考人が一番端的には指摘されましたし、中西参考人も御指摘されましたが、他方でこういう民間委託の制度があるとどうしてもこれ、天下りというんでしょうか、天下りという言葉の定義にもよりますけれども、警察官のOBの方々でないと公正な執行はできないんじゃないか、あるいはみなし公務員の身分だけ保障すると言われても、実際そういう摘発に当たるわけですから、いろんなリスクもあるわけですから、そういう二律背反の難しさがあるわけです。

 しかも、その中で、先ほど高山参考人も御指摘されましたが、本当に交通違反の取締りに当たっておられる警察官がどれぐらいいらっしゃって、それが本当にこの民間委託によってどれぐらいの効率化というか、本来の警察官が交通違反の取締り以外の業務に専念できるのかというところについても必ずしも十分な情報が開示されていない状況の中ですが、これは中西参考人と高山参考人、両御参考人に伺いたいんですけれども、そういう状況の中でこれ民間委託を、この駐車違反の取締りの一部の事務を民間委託をするということが本当に必要なのか。あるいは予算制約さえなければ、我々も警察官の増員というのは、これは治安の部分もありますし、言われたこの交通取締りも含めてもそうだと思うんですけれども、むしろそれは国やあるいは地方が行う業務としてきっちりそこの部分は警察官という公務員の方々によって対応していただいた方がいいんではないかという意見もありますが、そこについて両参考人の御意見を伺いたいと思います。

=参考人(中西光彦君)=

 法律的なことは高山先生にお願いするとしまして、私ども現場で実際仕事をしている者として、このごろの駐車、違法駐車というのは本当にもう、もうどうにもならぬというのが実情なものですから、それであれば、今警察官が足りなくて、幾らここを取り締まってくれと言ってもそのままにするような状況であれば民間でもう少し力を出してやっていただいた方がいいんではないかという、ただ、今の職場を改善するという単純なところからこういうふうな話を出しました。

 でも、そういっても、今先生がおっしゃるとおり、こういうものについては国でやるということがベストだと思いますが、なかなかそういうふうな状況に今日本の国もないと思いますから、こういうふうな、先ほど述べたような意見を出しました。
 以上です。

=参考人(高山俊吉君)=

 私は民間委託に強く反対をするんですね。それは必要かどうかといえば必要でないという、そういう議論もありますが、有害だというふうに私は思っている。駐車違反はやはり刑事犯罪なのだという感覚を執行する側あるいは立法する側で持ってしまったら、これは大変だと思うんですね。犯罪ではある、犯罪であるということを忘れてしまっては大変だと思います。

 非常に飛躍した議論を申しますけれども、犯人に手錠をはめるところは警察がやるから、それまでの現場を調べたりいろいろと踏み込んだりするところは民間にやってもらおうという議論は登場するはずがない。実はそれと同じ議論をやっているのに近い。これは、やはり犯罪が成立し、前科になり得て、重大な不利益につながるという、そういう行為だから国は責任を持って行うという関係にあると思います。

 実際、世の中に非常に駐車違反が多いという実態があるわけだけれども、その中で一体交通行政あるいはそういう交通刑事行政がどのように進むかということについては、国家的な見地からこういうふうに進めようということがあるはずです。それがそれぞれの自治体に任せられる。この収入は自治体の収入になるとされていますから、その自治体が自治体の判断の中で行うという議論になっていく。これは、私は道路交通の国家的な運営という観点から見たときにも非常に問題なのではないかということを考えます。刑事犯罪の限界を画するものをしっかり置くこと、あいまいにさせないこと、このことが私たちがまず基本に置くべき視点だろうというふうに思っています。

=松井孝治君=

 もう時間の関係がありますので最後の質問になるかもしれませんが、宇賀参考人にお伺いをしたいんですけれども、今、高山参考人がおっしゃった点、特に駐車違反というのを犯罪としてどういう性格のものとしてとらえるのか。それによってこれが本当に取締りの事務の一部を民間委託していいものかどうか。あるいは高山参考人のこの意見要旨の中の四ページ、五ページ、六ページにあるような、単に委託の問題だけではなくて、その使用者責任という問題についても高山参考人から鋭い御批判があったわけですが、この問題にずっと取り組んでおられる宇賀参考人のお立場で、いやそうじゃないんだというような補足の御意見がございましたら御教示いただきたいんですが。

=参考人(宇賀克也君)=

 まず第一に、そもそも違法駐車というものを犯罪とすべきかという大問題がございます。これは、諸外国におきましては既に違法駐車については非犯罪化している国があるわけでございます。我が国におきましても、実はそもそも違法駐車を犯罪という形にしておくことがいいのかどうかということ自身がかねてより議論をされてまいりました。しかし、今回のこの改正案は非犯罪化のところまでは踏み込んでおりませんで、犯罪というところは維持して、そして犯罪の非刑罰的処理の制度としての反則金制度そのものも維持しているわけでございますが、根本的にはそういう問題がございます。

 そして、現在の犯罪の非刑罰的処理の制度のやはり一番大きな問題になっているのは、特に放置駐車の場合ですと、結局、現場に運転者がいないために、使用者が同時に運転者であるということが多いと思われるんですけれども、しかし、そういう人たちが自分は運転していないというふうに言ってしまったときにはなかなかそれ以上追及が難しくなってしまって結局逃げ得を許していると。正直な人は申告するけれども、いや自分は運転していないんだというふうに言い張ってしまうと結局そのまま済んでしまっているということが多いというのが私は大問題だと思っております。

 そして、使用者の責任を問うということについては、じゃ使用者は自分が運転して仮にいないとした場合に、じゃ全く責任がないのかというと、現在は既にもう道路交通法ではそういう考え方は取られていないわけであって、既に使用者責任の制度、使用者のいろいろな義務、努力義務の制度というものは置かれているわけですね。やはり、使用者は自分が管理支配権を持っている車については、たとえ自分が運転していないときでもそれを安全に運行させるようにする義務というものはやっぱりあるんだろうと思います。今回の使用者責任も、やはり根底にはそういう使用者の、その車を管理、運行し、それによって利益を得ている者としての義務があり、それに基づいて使用者責任というものが出てきていると、そのように考えております。

 それから、民間委託に関して、これが公正に行われなければならない、あるいは警察のOBの再就職先ということで専ら使われることになってはいけないというのは正にそのとおりだというふうに思います。実際に、違法駐車問題検討懇談会においてもその点については十分注意しなければならないという意見が出て、それを踏まえて、今回は委託対象法人につきましては登録制度を取る、つまり行政の側の裁量は認めないと。欠格事由に当たるかどうか、それから基準を満たしているかどうかということで裁量なしに委託対象法人を決めなければならないと。実際に委託先を決めるときにも、地方自治法やその施行令、また都道府県財務規則に基づいて入札を原則とするということで公正性を確保すると、こういうことになっているというふうに認識しております。

=松井孝治君=

 ありがとうございました。
 時間ですので、終わります。

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