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平成十六年五月二十七日(木曜日) 午前十時開会
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質疑のある方は順次御発言願います。
=松井孝治君=
民主党の松井孝治でございます。
コンテンツ法案、私も拝読をさせていただいて、関係者の御努力でこういう形で議員立法、法案が策定されましたこと、大変関係者に敬意を表させていただきたいと思います。
この法律、拝見をいたしまして、いわゆる法律事項というのは余りないように思います。日本版バイ・ドール条項のみが法律事項だと思いますが、問題は、この法律案の細部もそうですが、この法律の精神を受けて、日本政府としてコンテンツの振興に対してどういう姿勢で当たられるかということが極めて重要であろうと思います。
今日は、政府側からも、たまたま電子政府とこのコンテンツ振興という観点から、私は世耕政務官から御答弁いただきたいと思って世耕政務官においでいただいたわけですが、世耕政務官の顔をぱっと拝見をいたしまして、電子政府ということに限らず、このコンテンツ法、あるいは世耕政務官は今はどちらかというと地方行政の方を御担当でございますが、通信行政にも明るい方でございます。
世耕政務官、このコンテンツ法案をどのように受け止めて、これからの日本の課題というものについてどうお考えか、ちょっとこれ質問通告と違って誠に恐縮なんでございますが、御感想あるいは御決意を賜れば有り難いと思います。
=大臣政務官(世耕弘成君)=
電子政府に関連する答弁をする予定で参ったわけでございますが、御質問でございますので。
今、岸田先生がお見えですけれども、自民党の中で岸田先生が幹事長、私が事務局次長を務めておりますが、コンテンツ産業振興議員連盟というのがございまして、この法律に関連する議論も割と早くからやってまいったわけでございます。
その中で常に議論してまいりましたのは、やはり伝統芸能とかそういったものは文化芸術振興基本法、あるいはビジネス用のソフトとか特許といったようなものは、これは知財基本法でしっかり守られているわけですけれども、日本が非常に競争力を持っていると言われているアニメとかゲームを中心としたデジタルコンテンツについてはちょうどその谷間になって、応援するような、守るような法律がないということで、こういう法律があったらいいんではないかということを党内で議論してきたわけでございます。
しかも、党内での議論では、コンテンツ振興というとどうしてもその業に携わる人ばかりに目が行きそうなわけでございますが、それだけではなくて、例えばコンテンツの流通の環境整備をするような研究開発ですとかあるいは著作権保護ですとか、そういったこともしっかりやっていかなければならないという議論を岸田先生中心に党内でもやっていたわけでございまして、そういったことが今回の法律の中にも議論として入ってきているのではないかなというふうに考えているわけでございます。
=松井孝治君=
ありがとうございました。突然の質問にもかかわらず、申し訳ございませんでした。
本当に提案者の皆様方には私も敬意を表するわけでございまして、岸田先生中心にまとめられたと伺っておりますが、我が党では中山議員もこの提案者の一人、事実上の提案者の一人だというふうに伺っております。
中山議員、何かこのコンテンツ法をまとめるに当たっての思いなどございましたら、一言で結構でございますので、御答弁いただけますでしょうか。
=衆議院議員(中山義活君)=
ただいま、今御質問がありましたが、知的財産戦略本部というのが内閣府にあるわけでして、やはり知的なものをどう守っていくか、またどう活用していくかというのはこれからの日本の課題なわけでございまして、もう一つは、何か物を創造しよう、やっぱり我々はイノベーションによってこの国が変わっていくという、そのためにはクリエーターが一生懸命やったことが報われる社会じゃなきゃいけないと思うんですね。クリエーター、アニメーター又は発明者、発見者、一生懸命汗をかいた者が報われる社会、そのためにも我々はこの法案を是非通していただいて、新しい未来に向かってやる気のある創造者、クリエーターが頑張れるような、そんな世界を作ってもらいたいと、このように思っております。
=松井孝治君=
全く同感でございます。
この法律の、法案の提案理由に、コンテンツが国民の生活に豊かさと潤いを与えると書いてありますが、私、最近の韓国の状況なんかを見ますと、豊かさと潤いもさることながら、非常に国民全体にコンテンツというものが活力を与えているような気がするわけであります。それに対して日本の現状というのは、確かにジャパニーズクールと言われて映画も頑張っていますし、あるいはアニメも頑張っているかもしれない、非常にすばらしい作品が作られていますけれども、本当にその環境が韓国やあるいは諸外国がここ数年、一生懸命国を挙げて作っているような環境整備がなされているのかということになりますと、ややお寒いところがあるような気がいたします。
私の友人でもある岸本周平さんという方が、このままでは日本のアニメは衰退するという論文を書かれておりまして、私もこのとおりではないかなと思っております。
今日は経済産業省から局長、豊田局長お見えでございますが、これ諸外国は映画を中心としていろんなコンテンツに対してやはり政府が一丸となっていろんな支援をしていると思うんですね。それに対して日本は、豊田局長も直前には製造業を御担当しておられました、製造業の支援ということは非常にやってきたし、日本もものづくり立国という意味では名をはせたわけで、その面も非常に重要ではありますが、このコンテンツというものの国民経済に与える影響、特に韓国などでは今本当に国民経済全体に活力を与え、国民の誇りというものまで増進しているような状況だと思うんですね。
こういう状況にかんがみて、経済産業省としてあるいは政府として、コンテンツ産業振興に今後どういうふうに取り組んでいかれるのか、御答弁いただきたいと思います。
=政府参考人(豊田正和君)=
お答え申し上げます。
映画、音楽、アニメを始めといたしまして、我が国のコンテンツ産業、世界的にも非常に高い評価を受けているところでございます。また、コンテンツは大きな経済波及効果、先生御指摘されるような大きな経済波及効果もございます。さらに、コンテンツ産業がうまく国際展開をしていきますと、我が国の国際的なイメージの向上にも大きく貢献をするというふうに認識しております。そういう意味において、我が国にとってもコンテンツ産業は戦略的な産業であるというふうに考えております。
先般、中川経済産業大臣が発表されました新産業創造戦略の中でも七つの有望重大産業の中の一つとして位置付けているわけでございます。そうした認識の下に、今年度におきましても、当省といたしまして政策を充実をさせてきているところでございます。
第一に、国際展開の支援でございますが、今年度初めて五億円を確保いたしまして、十月に開催予定の東京国際映画祭の際にコンテンツ市場、フィルムマーケットを創設するほか、カンヌ映画見本市など海外の見本市に対しまして我が国の企業が出展しやすいように支援をしているところでございます。
第二に、海賊版対策でございますが、御案内のように、コピー商品たくさん出てくるという問題がございますので、今年は北京、上海において専門家の常駐化などを図ってまいりたいというふうに思っております。
第三に、人材育成そして資金調達の問題でございますけれども、人材育成につきましては、特に日本に欠けていると言われておりますプロデューサーの育成を重点的に行っていきたいと考えております。資金調達におきましても、政策投資銀行における新たな投融資、融資制度などの創設を図っていきたいと考えております。
いずれにいたしましても、多面的な支援が必要だと、先生がおっしゃるとおりでございまして、知財本部を始め関係省庁と連携を取りながら一層施策の充実等図ってまいりたいと思っております。
=松井孝治君=
是非その方向でもっと力を注いでいただきたいと思うんですね。こういう芸術文化の振興あるいはコンテンツ振興は、私は与野党超えてもっともっと政治家が声を上げていかなければいけないと思っています。
今日は文化庁からも寺脇部長お見えでございます。寺脇部長というと教育改革ということで非常に有名な方でございますが、寺脇部長は教育改革の目的というのは何だと思われますか。
=政府参考人(寺脇研君)=
教育改革、教育改革自体は、教育を更に良いものに、時代に合ったものにしていくためにやるわけでございますが、元々、文化庁の立場から申し上げさせていただきますと、教育の目的について、教育基本法の前文では文化国家をつくっていくということをまず最初に掲げておりまして、その後に、それを前提にした上で「普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。」というふうに書いてございます。
そういう意味で、教育をより良いものにしていくということは、その結果として生まれる私たちの国の文化がより豊かなものになっていくというようなもののことのためにより良い教育を目指していくのが改革の基本方向ではないかと考えております。
=松井孝治君=
おっしゃるとおりだと思うんですね。しかしながら、やはり政治家も、ひょっとしたら霞が関もそうかもしれませんが、文化というものの持つ意味をやはり軽視しているとしか言いようがないと思います。
寺脇部長はたしか文部省にお入りになる前に既に映画評論家でいらっしゃったというふうに私は記憶しておりますし、キネマ旬報という雑誌の二月の後半の号ではいつも採点をしておられるというのを拝見しておるわけですが、寺脇部長から見られて日本の映画、コンテンツといっても幅広いですから、映画について、非常にすばらしい邦画もたくさん出てきていますが、日本がもっとすばらしい映画を作っていくために何が足りないと思っておられますか。
=政府参考人(寺脇研君)=
私もそんなに映画、どれだけ映画について語れるかどうかあれでございますが、長年、映画を自分で見てきておりますことでございますとか、今映画行政を担当いたしまして、様々な方々の御意見を聞いたり諸外国の例などを見せていただきまして、今日の時点で私ども感じなければいけないのは、今ほど経済産業省の方からもお話がございました、今まで日本の映画というのは、多分三十年ぐらい前まではほとんど政府は関与せずに民間の力のみで映画の黄金時代というのを築いてきたわけでございますけれども、テレビを始めとする様々なほかの分野が出てくる中で、映画の相対的な役割というのが小さくなってきたときに政府の援助というものがいろんな形で行われなければならない。
ただ、その援助というものが、長らく民間のみの力でやってきたものですから、どのような形でやるのか、あるいは民間だけでやってきたために起こっております業界内の慣行でございますとか流通の在り方というものがもう既にかなり長い年月掛けてでき上がっておりますので、そのシステムを前提に国が援助していくということになりますと、外国のやり方をそのまま持ってくるというわけにもいかないところがございます。だから、そういう意味でどのように援助をしていくのかということを幅広く議論をしてまいらなければなりませんし、国が援助するということは、映画が好きでない国民の皆さんの税金も含めて使っていくわけでございますから、映画が好きでない方に映画が好きになってもらうというような、つまり見に来る人からだけ入場料を取ればいいというようなことではなしに、幅広い映画に対する理解とか観客を大切にする映画作りというようなものを作り手側も考えていかなければならない面がある。
そういう意味では、何か一つ決め手があるというようなことではなしに、様々な面で、この映画、長い歴史を持つ日本でも百年以上の歴史を持つ映画の文化を更に良いものにしていくためには、文化庁ももちろんでございますが、様々な方々と連携を取りながら、また外国の例をそっくりまねるということは無理だということは申し上げましたが、いい点をうまく取り入れていって改革をしていかなきゃいけないというふうに考えております。
=松井孝治君=
今、寺脇部長がおっしゃった、日本独特の流通とか映画関連産業の構造というふうにおっしゃいました。よりはっきり言えば、それはコンテンツに共通でございまして、この岸本さんが正にこの論文で書かれていますが、映画についても、例えばテレビ番組についてもあるいはアニメについてもみんな中抜きがなされている。せっかくある予算を組んだとしても、結局そこを実際制作している方々にきちんとした報酬が支払われていない、あるいはその方々の権利が保障されていないということは、私は、先ほど豊田局長から御答弁がありました、抽象的には触れてはおられたと思いますが、これ非常に大事な問題なんじゃないかと思います。
正に経済産業省は、これは公取の所管にもかかわる話でありますが、公正競争室というものを作ってコンテンツGメンというものを配置するというふうに聞いておりますけれども、その辺りも含めて、この日本独特の産業の構造あるいは下請との関係、ここをきちっと是正していかないと、本当にいいすばらしい映画というのは、幾ら国がもしお金を付けたとしても生まれないと思うんですが、豊田局長に御答弁をいただきたいと思います。
=政府参考人(豊田正和君)=
我が国コンテンツ産業、先生御指摘のように、流通させる事業者が企業の規模も大きいし数も少ないと。一方で、制作をする事業者は中小企業が非常に多くを占めているわけでございます。そういう意味で、いわゆる下請構造になっているということは言えるのではないかと思います。
そういうことを踏まえまして、コンテンツを制作する事業者がなかなかリターンが得られない。優秀な人材を確保することが難しいといったような問題があり、なかなか潜在的な力を十分に発揮できない状況にございます。
そういうことを踏まえまして、政府といたしましては公正な競争環境の確保というものが非常に重要だというふうに考えております。本年四月に、下請代金支払遅延等防止法を改正をいたしまして、コンテンツの委託制作も新たに対象にすることにいたしまして、公正な取引環境の整備を図るということをしてきております。さらに、公正取引委員会、今年の三月末に役務委託に関するガイドライン、独占禁止法上のガイドラインの改定を行いまして、このコンテンツに関係をいたします権利の一方的な取扱い、二次利用の扱いなどについての違法な行為の明確化なども図っているところでございます。
私どもの省といたしましても、公正取引委員会と協力をいたしまして、この改正下請法による検査業務を、運用を強化をしてまいろうということにしております。そうした観点から、先ほど先生御指摘の公正競争室というようなものも設けまして、市場における公正な競争を促進するという観点から、競争をめぐる紛争をうまく処理をしていく体制を作ろうというふうに考えております。
いずれにいたしましても、コンテンツの制作事業者の潜在力を最大限発揮できるように努力をしてまいりたいと思います。
=委員長(和田ひろ子君)=
松井さん、時間が参っておりますので。
=松井孝治君=
政府の一層の御努力をお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
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