2006年4月26日 参議院行政改革に関する特別委員会


総 括 質 疑


第164回国会 行政改革に関する特別委員会 第3号
平成十八年四月二十六日(水曜日)

午前九時開会
─────────────

= 松井孝治 =

 民主党・新緑風会の松井孝治でございます。
 久しぶりにテレビ中継入りで、総理ほか全閣僚にお集まりをいただきまして議論をさせていただきます。
 今日は、理事会の御了承をいただきまして、大部でございますが、今資料をお手元にお配りをさせていただきます。

   〔資料配付〕⇒こちらからダウンロード可能

= 松井孝治 =

 閣僚の皆さん方にはその資料を参照していただきながら、そしてテレビをごらんの皆さんにはパネルで資料を御提示しながら、できるだけ分かりやすく御説明をし、そして総理以下各大臣の政治家としての御答弁をいただきたいと思います。
 最初に、昨日は例のJRの福知山線の脱線事故から一年でございました。非常に犠牲になられた方々の御冥福をお祈りするとともに、御家族あるいはいまだに病床に伏せっておられる方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 そして、今日は午前中、ニュースで、耐震偽装問題にかかわる方々が逮捕されるという問題がございました。この通常国会の冒頭で、私ども民主党は、やはり国として国民の生活の安全ということを守るというのは一番大切なことじゃないか、乗り物の安全もそうですし、建物の安全もそうだし、子供の安全もそうだし、食べ物の安全もそうだし、そこをしっかり果たせないような政府であれば行政改革なんかを語る資格はないというふうに考えているということをあらかじめ申し上げておきたいと思います。
 その上で、総理、今閣僚の方々にも資料をお配りさせていただきました。私、昨年の九月十一日の総選挙で、まあ私どもから見れば非常に残念なことながら、自民党、公明党、圧勝されたと、その後、安倍官房長官が秋にこの後は行政改革だと言われたときに、一瞬やられたかなと思いました。要するに、それは非常に大切なアジェンダ設定だったと私は思っています。しかし、その後、今の政府・与党で考えられる行政改革の中身が明らかになってくるに従って、これは何をやっておられるのかなと、非常にいい問題設定であるにもかかわらず、中身はまた相変わらず看板倒れのものじゃないかな、私はそういう疑念を持っております。その立場から今日は御質問をさせていただきます。
 まず最初に、私自身も実は、与謝野大臣いらっしゃいますけれども、与謝野大臣が副長官でいらっしゃったときに、あれは橋本政権でございましたけれども、省庁再編、橋本行革にかかわらせていただきました。いろんな、私自身からいっても後悔というか反省があって、やっぱりこれ行政改革ってなかなか一筋縄ではいかない。さっき午前中のこの自民党の質問に対する総理の御答弁にもありましたが、省庁はすごく抵抗しますね。一歩進んだかと思うと、二歩、三歩、逆に攻め込まれるような状況がある。そういう中で、橋本行革は残念ながら僕は骨抜きにされたと思っています。
 そのことも含めて、私は総理のお立場あるいは閣僚のお立場をお尋ねしたいと思うわけでありますが、委員長からお話がありましたように、午前中は、私、十分弱で質問が終わりますから若干総論的なことを中心に、しかし午後はより具体的な話を中心にお話を伺いたいと思います。
 最初に、お手元の資料のAというものを見ていただきたいと思います。閣僚の皆さんにはこういう資料を配ってあります。(資料提示)私は、公的な仕事、公共性の空間、橋本行革の中の行政改革の理念と目標の中に、猪口大臣も委員として御参加でございました、公共性の空間というのは中央の官の独占物ではないという表現を、私自身もドラフトを書かせていただきました。それがやはり行政改革の基軸だと思うんです。
 このパネルで、公と私そして官と民というものを出しておりますが、今日は同僚の和田ひろ子参議院議員にお手伝いをいただきながら、済みません、先輩、ちょっともうはがしていただいて結構です。私は、行政改革を行うときに、一番基軸はこの公の仕事をだれが担うんだということを根本から見直していかなければいけないと思っておるわけであります。
 従来、この公と私といったときに官と民、公は官が行う、民は、私の部分は民間の企業が行う、こういう図式だったと思うんですが、その官は中央の官が地方をまあ抑圧しているというか、中央が全部中央集権で仕切っている。そして、それだけじゃなくて、中央の官が民間の部門に侵食しているというのが従来の図式だったんじゃないか。
 私どもが今考えていくのは、そうではなくて、もっとこの民間の部分の能力も活用しましょう、同時に、公という部分においてもっと中央と地方が対等の立場でもっと地域に大きな役割を担っていただこう。そして、同時に、ここの共という部分、公の部分をもっと例えばNPOであるとか町内会であるとか地域のそれこそお祭りを担っておられる方々とか、そういう方々が担っていただけるようにしよう。そういう形で中央の官の役割をもっと絞っていく。ただ、絞っていくんだけれども、本来であれば中央の官がやらなければいけない国家戦略的なことが全く私はできてないんじゃないかと思うわけであります。
 地域の道路をどういうふうに造るか、商店街のカラー舗装をどう造るか、そんなことは地域に任せたらいいわけでありまして、そんなことを一々ひもを付けて補助金と権限で縛っている。だけど、本当に、経済産業大臣もおいででございますが、日本の長期的なエネルギー戦略をどうしていくのか、あるいは食料の自給率をどう高めていくのか、国としての外交・安全保障戦略をどうつくっていくのか、そういったところにはまだまだ人が足りない。あるいは、さっき冒頭に私が申し上げたような安全というもの、国民の安全というようなものをどう守っていくか。これは民間に安全基準まで全部丸投げしてもいいわけじゃないんですよ。きちんとやらなければいけない中央の官の部分はもっと強化をする。そして、本当にやっぱり現場感覚、お互いに現場感覚ないんですよ。中央の役人は地方の道路だとか踏切の幅がどれだけあるか分からないですよ、そんなこと。分からないけど机の上で査定しているわけですね、補助金の査定事務をしているわけですよ。
 地域の方々は、これもう地域の方々にも申し訳ないけど、ひょっとしたら中央から補助金もらってくるのが自分の仕事だと、身銭だったらこんな事業やりますかというようなことを、地域の方々もこれは補助金があるからということで一生懸命中央に陳情に行かれている部分があるんじゃないか。これを、僕は中央が悪いというだけじゃなくて、地域の方々も自覚を持っていただいて、逆に言うと、地方はもっと地域の方々に任せるべきところを任せて、自腹感覚でお互いが当事者意識を持ってこの公共性の空間、公の部分を担っていかなければいけない。
 それが私の基本的な考え方でありますが、総理、私の考え方に賛同していただけるのか。いやいや、あなたが考えているようなことは違う、もっと小さな政府で五%人件費削減するのが大事なことだと考えておられるのか。総理のまず最初の見解を伺っておきたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 
考え方は同じなんです、ほとんど。行政改革というのは、正に総論賛成、与野党一緒なんです。各論反対、これは与野党共通しているんです。だから難しいんで、政府は、やるとすると与野党から反発出ますよ。役所からもそうなんです。どこを具体的に削減するのかと。政府はこれから五年間で五%削減する、民主党は三年間で二〇%削減するんですから、協力しますよと。どこをそれじゃ二〇%削減するのか、出していただければ十分検討したいと。総論賛成、松井さんとほとんど考え方、総論は同じ。じゃ、各論を出してくれればきちんと検討します。

= 松井孝治 =

 よくぞおっしゃっていただきました。そこの各論のところが違うということを今日は、まあちょっと午後になるかもしれませんけれども、具体的に総理に議論をさせていただきたいと思います。
 行政管理局長、お見えでございますね。
 具体的に伺いたいんですが、小泉改革の目玉、三位一体改革、国の補助金を四兆円切りました。二十兆ある補助金、交付金を四兆円もカットしました。これで恐らく中央の行政組織は相当スリムになったと思います。この三位一体改革で、中央の行政組織、何人分の定員が減りましたか。

○政府参考人(藤井昭夫君)
 
三位一体改革に伴う国側の定員合理化についてのお尋ねでございますが、関係府省において補助金の廃止、縮減等に係る関係事務、これを厳しく見直していただきましたことにより、平成十七年度には二十七人、それから十八年度においては少なくとも二十人の定員合理化を図ることとしているところでございます。

= 松井孝治 =

 ちょっと局長、待ってください。今、私は聞き間違えたんじゃないかと思うんですが、二十兆の補助金、交付金のうち四兆円削減したんですよ。税源移譲三兆円したでしょう。それで国の役人が何で二十人とか二十七人ですか。もう一回ちょっと正確に言ってくださいよ。

○政府参考人(藤井昭夫君)
 
お答えいたします。
 数字は今申し上げましたとおり、平成十七年度は二十七人、それから十八年度は二十人ということでございます。

 
ただ、確かに額はたくさん合理化されているところでございますが、いろいろな各省からお話をお聞きしますと、例えば、補助金等の事務は根っこからなくなるということであれば関係事務も一切なくなるわけですが、補助率を例えば見直したということであれば実質的に余り事務の内容は変わらないとか、あるいは補助事業の一部、こういったものが縮減するということであればそれ相応の事務は減るんですが、そんなにたくさんの事務が減るものではないとか、いろいろ御事情があるようだというふうにお伺いしているところでございます。

= 松井孝治 =

 あと一分でお昼の休憩に入りますから。
 総理、今の数字ね、総理も大変なリーダーシップを発揮されたということになっていますよね。各大臣も苦労して交渉された。その結果、二年度で四十七人、四十七人の削減。今三十万人、三十何万人、三十二万人をどれだけ削減するかといっているときに、あれだけ大騒動して四十七人、どう思われますか、これ。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 公務員は、予算は増減できます、すぐ首切ることできません。それは民主党も同じだと思いますよ。今年予算が減った、何十人減らせと。配置転換しても首切ることできません。そこは御理解いただけるんだと思います。


= 松井孝治 =

 もう午前の中継終わりますんで、この一問で、この私の見解で終わりますけれども、午前中は。
 要するに、私、首切ったとかそういう話じゃないんですよ。総務省の行政管理局というのは定員査定をしているんですよ。何人分の仕事が減ったかということを聞いているんですよ。仕事が減ってないんですよ。要するに、補助率下げても関与は残しているんですよ。
 それが今の小泉行革の本質であると、このことを午後も続けて質疑を申し上げたいと思います。

○委員長(尾辻秀久君)
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。



   午前十一時五十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会



○委員長(尾辻秀久君)
 
ただいまから行政改革に関する特別委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、大門実紀史君が委員を辞任され、その補欠として吉川春子君が選任されました。

    ─────────────

○委員長(尾辻秀久君)
 
休憩前に引き続き、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案外四案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。


= 松井孝治 =

 民主党・新緑風会の松井孝治でございます。午前中に引き続き、御質問させていただきます。
 午前中、途中でNHKの中継が途切れておりますが、三位一体改革、四兆円の補助金削減して国の、国家公務員の定員はどれぐらい減ったのか。さっき総理から、テレビ中継がないときに、いや、それは首切れないと。そういう話じゃなくて、定員査定というのは、いろんな仕事の事務を総務省行政管理局が査定しているんです。減った人数は、何と四兆円削減して四十七人、四十七人という数字が出ました。
 どういうことか、もう時間の節約のために申し上げますと、補助金、補助率削減したって補助金の査定事務は変わらない。要するに国の関与は変わらないんですよ、総理。それが、地域が実際、各知事さんのお話を総理も聞かれることがあろうと思いますが、聞いてみてください。要するに、国の関与、四兆円削減して、悪いことじゃないけれども、相変わらず、半額補助が三分の一になった、三分の一になったけど、金は惜しむけれども口は出す、それが続いているんですよ。だから、三十二万人いて四十七人しか減っていない、あれだけの大騒ぎをして。これが総理、最初、総論的な、哲学的なことは大差ないとおっしゃいましたけれども、現実の各論の世界で行政改革は進んでないということなんです。
 パネルを使わせていただいて、午前に引き続きお話をさせていただきたいと思いますが、最初の一ページ目のパネルを御説明したいと思います。(資料提示)資料は一ページ目の資料、総理もお手元にあるんで、もしあったら見てください。さっき申し上げた、さっきの資料は、こういう資料を使わせていただいて、公のことは中央の官がするということではなくて、公のことであってもNPOとか地域でやるとか、あるいは民間も一部公のことをやったらいいじゃないかと、そういう発想で業務を見直さなければいけないという話をいたしました。
 そして、じゃ、中央省庁というのは今どういう仕事をしているか。午前に引き続き、和田議員にお手伝いいただいて済みません、ありがとうございます。ちょっとシールをはがしていただきたい。簡素で効率的な政府を目指すんですね。この前、竹中大臣、簡素で効率的な政府の反対は何ですか、肥大化して非効率な政府ですよね、それを直す。そのときに、本当にやらなければいけないのは、水膨れした中央省庁というのを、本当に大事なことはしっかりやってもらわないかぬですよ、大事なことは。しかしながら、やっぱりもっと手放して、これは地域にやってもらいましょう、あるいは民間に一部やってもらいましょう、あるいはNPOみたいな人にやってもらいましょうという、手放すべき事業というものをしっかり仕分をして、そして同じ中央省庁がやるにしても非効率な部分はたくさんあるわけですよ、この後御説明しますけれども。それをきちんと正すということをしなければいけないと思います。
 そういう意味では、この法案を見させていただくと、法案の悪口だけ言っていてもしようがないですから、最初の改革の理念のところに、ちょっと北側大臣にも御答弁をお願いしたいと思いますけど、事業仕分という概念が入っています。これは、昨年のマニフェストで随分公明党も御主張になられた。我々も実は、その事業仕分の概念というものをマニフェストで掲げて、それを行政刷新会議というので外部の有識者が入ってきちっと、これが本当に国がやらなきゃいかぬ仕事なのかということを、官僚だけで議論するんじゃなくて外部の目できちんと正していかなければいけない、そういうことが私は必要だと思うんです。
 ところが、法案の理念には入っているんですが、実際、法案の中身見ると、じゃ、だれがその事業仕分をやるのかはっきりしてないんですね。さっき、減量・効率化会議があると言って、もう既に議論をしていると。法案が、それ成立する前に議論しているのもいかがなものかなというふうに思いますけれども、そういうものがあるんですけれども。これ、北側大臣、国土交通大臣ということだけではなくて、公明党としてマニフェストで事業仕分を盛んにおっしゃったんです。僕はその点において共感をするところがあったわけでありますが、この法案で事業仕分というものが、この法案あるいは法律ができ上がった後で、しっかり公明党さんが選挙であれだけおっしゃっていたことができるような体制が整えられていますか。

○国務大臣(北側一雄君)
 
公明党のマニフェストの評価をいただきまして、ありがとうございます。
 この法律の中で、委員も御承知のとおり、基本理念のところ、さらには総人件費改革、特別会計改革、市場化テスト等々の各改革分野におきまして、事務事業の仕分及びそれを踏まえた検討を行うというふうにそれぞれ規定をされているところでございます。
 この仕分の具体的な作業は、これからこの改革を具体化する過程の中で当然行われていかにゃいけないという趣旨であると、法律そのものがそうなっているものというふうに理解をしているところでございます。したがって、例えば総人件費改革で申しますと、有識者の意見も踏まえながら、事務事業の要否また実施主体はどこでやるのかということについて検討を行うということだというふうに考えております。
 いずれにしましても、この事業仕分というのは、今後改革を具体化する中での重要な課題であると認識をしております。


= 松井孝治 =

 おっしゃるとおりなんですね。そうだとしたら、総理、もう一度この一ページ目を見ていただきたいんです。
 この事業仕分という考え方は、元大蔵省にお勤めになられた加藤秀樹さんという方が代表されている構想日本というところが一生懸命、いろんな各自治体でやられている話ですが、本来はこういうことは財務省が査定のプロセスでやらなければいけない話で、現実には一生懸命やっておられる、仕事をされているのは分かっているんですが、ここを見ていただきたいんですが、この「手離すべき事業」、これが、構想日本のタスクフォースが国の仕事の事務事業をばっと洗い直してみた。その中には匿名で参加された役人の方もいる。そうしてみたら、これ省庁別の棒グラフもあるんですが、さすがに資料が大部になるので付けませんでしたけど、国の仕事の四五%は廃止するとか地方にゆだねるとか、そういう数字が出ているんです。これは一つの試算ですよ。だけど、事務事業をずっと洗い直してみたらそういうことが出ている。
 そして、資料の四番を見てください、Cを。これさっきの、水膨れを効率化するという話がありましたね。効率化してみるとき、これは私が参議院の決算委員会でも議論をさせていただいたものですが、皆さんの向かって左側が会計検査院のコンピューターシステム、これ去年の決算委員会でも総理もいらっしゃるところで議論させていただきましたが、これだけ、会計検査院のコンピューターシステムの随意契約だったものを一般競争入札化したら、二億掛かっていたものが七百七十万円で済むようになった。ITの専門家に、これは例外的なものですかというふうに決算委員会で質問したら、いや例外ではありません、こういうことはざらにありますという話でした。これは決算委員会で明らかにしたことです。
 右側の道路一メートル当たりの単価でありますが、これ一番左側が道路構造令というものに従って、北側大臣のところの国土交通省の基準に従って、道路の幅とか歩道の幅員とか勾配とか、カーブはどれぐらいのカーブでなければいけないとか、いろんな基準があるんです。道路構造令というのを国土交通省が決めている。それに従って決めると、大体五メートル道路だと思ってください、一メートル当たり十一万一千円掛かるんです。
 ところが、栄村というところで自らの基準でその基準を見直した。道路構造令の例外規定がありまして、ある一定の基準のものは自分の基準でやっていいよというのがあります。そうすると、何と一メートル当たり一万九千円でできました。もっとすごいのは、下條村というところは、その基準を見直して、なおかつ村の村民が一生懸命資材を自分たちで労働提供してやったら、何と三千円で一メートルできましたと。
 これは、こういうことが私は効率化で必要だと。要するに、下條村なんかは業者に発注せずに、それは小さな道なんでしょうけれども、自分たちの村民が労働提供でやった。
 私がさっき「共」という部分を出しました。最初の二ページ目のところで、「官」、「民」、この間の公共的なところを「共」。例えばNPOとか住民とか、そういう方々が、例えば私の地元でも、子供の行き帰りの見守りみたいなことを、もう警察官だけ、お巡りさんに言っても仕事忙しいから、地域の方々が子供の見守りの活動を散歩のついでにやっている。近くの大学生が下校時に人通りが少ないところはジョギングを、みんな大学生に協力を求めてその人通りの少ない道をジョギングしてもらう、ロードワークをしてもらう。そういう形で市民が参加して公の仕事を担っていただかなければいけない、こういう発想で私はこの行革というのは進めなければいけないというふうに思っています。まあ、うなずいていただいていますから、総論的には賛成いただいているのかもしれません。
 各論に少し移りたいと思います。
 資料の三ページ見てください。先ほど申し上げましたように、私は橋本総理の下での行政改革に携わりました。九六年から、まあ十年前、九六年から行政改革会議ができ上がりまして、与謝野大臣、官房副長官で後半はいらっしゃったと思いますが、そのときに中央省庁改革基本法というのができたんですね。ここのパネルに書かせていただいていますが、第四十七条に、国の行政機関の定員について、十年間で少なくとも十分の一の削減を行うと書いてある、書いたんです。省庁再編だけでは駄目だと、実際定員削減しなきゃいかぬ。これと別に、同じ条に郵政公社とか独立行政法人化も進めるということですから、これは郵政公社とか独立行政法人の部分を除いて本省の定員の十分の一削減を法律で書いています。橋本行革の、行政改革会議の報告を受けて法律で決めているんです。これ二〇〇一年ですね。
 それで、じゃ郵政公社部分とか独立行政法人部分を除いてどれだけの削減になるのかと、この法律を誠実に履行したらどういうことになるかというのが左側のグラフでありまして、三十五万一千人が平成十二年末、それが平成二十二年末には三十一万六千人になる、一〇%削減したらですね。まあ機械的なことです。
 今回、小泉改革で、行革法案で、今回のこの法案で三十三万一千人を幾らにするかといったら、三十一万四千人にすると、五%ですから。さっきから五%やるのも大変だと。まあ大変かもしれません、今の仕事を見直さなければ大変でしょう、きっと。ほとんど同じじゃないですか。これ、橋本行革、中央省庁改革やったら、こんなことやらなくて済む。いや、またやります、行革です、小泉行革です。結局、同じことを言っているだけじゃないんですか。
 これはどなたに伺ったらいいのか分かりませんが、ちょっと中馬大臣、どう違うんですか、言ってくださいよ。

○国務大臣(中馬弘毅君)
 
私は、そのときここにタッチしておりませんでしたから詳しくこの経過は存じませんが、見た限りにおいては確かにおっしゃるとおりです。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 
最大の違いは、郵政公社は民営化しないと、橋本行革はそうでした。これ一番多いのは……

= 松井孝治 =

 そんな話聞いてないです。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 
この二十八万六千人、民営化するの決まったんですから。民主党も反対しましたね。

= 松井孝治 =

 本当にいつもの総理のもう得意の答弁ですが、私が聞いてるのは、郵政公社の話と別に中央省庁の改革でこういう中央省庁改革基本法で一割削減と書いてあるんです。この法律は生きているんですよ。終わってしまった法律じゃないんですよ、生きているんですよ。これの部分を聞いているんです。郵政公社は別枠なんです、いずれにしてもこれは。郵政公社の郵政改革をやられたのは分かっています。今、この中央省庁の部分を聞いているんです、郵政公社以外のところを。同じじゃないですか。説明できない、今慌てて事務方が来ていますけれども。
 要するに、これ何のために、じゃこれ橋本行革でやったものを何も足さないということですか、これは。どういうことですか、答弁できますか。

○国務大臣(中馬弘毅君)
 
これは削減だけで三十一・六万人になりますけれども、このほかに増員が、必要に応じて増員を入れていますから、こっちの場合は純減でございますから、そこのところは違います。

= 松井孝治 =

 それはおかしいでしょう。定員削減って書いてあるんですよ。定員削減すると書いて、それとは別に増員があるってどういうことですか。一割定員を削減します、いや、それは増える部分もあるし減る部分もある、それとして定員は削減するって書いてるんでしょう。定員削減はあるけど別に増員がありますといったら、この中央省庁改革基本法違反じゃないですか。ちゃんとはっきり説明してくださいよ。増員あるのに決まってるじゃないですか。減る分、どこの民間企業だって定員減らす部分と定員増やす部分あって、定員を削減する、十分の一削減すると書いてあるんだから法律違反じゃないですか。

○国務大臣(中馬弘毅君)
 
これまでは、一つの定義としまして定員を削減することがこうして削減と言っておりました。今回はそうしたその増減がありますから、その削減分と増員分を合わせて、その差引きが純減という形で表現をいたしております。

= 松井孝治 =

 右側をめくってもらえますか。
 要するに、ここが骨抜きになっている部分なんですよ。要するに、十分の一定員を削減すると言いながら、右側の図を見てください、定員合理化というのがその削減部分ですというふうに言っているんです。今まで削減と言っていたら、こういう議論があるから合理化という言葉に換えられたんです。でも、中央省庁基本法は削減とはっきり書いてあります。それ以外に増員部分がありますから、例えば民間企業で、うちの会社は一万人の会社を頑張ってリストラして九千人にする、そう言っておいて、九千人にしましたけど、新規事業分野が出ましたから二千人雇い直して一万一千人にすると。そんなのは行政改革とは言わないですよね。そういう言葉を、削減という言葉を書きながら、削減したけど、いや増要因がありますから増えました、だから違うんですというような説明だと、これは要するに橋本行革は完全に骨抜きにされたということじゃないですか。納得のいく説明してください。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 
それは全く逆じゃないですか。橋本行革の場合は減員するけれども増員分は別だと、今回は増員するところも含めて純減させるんですよ。大きな違いじゃないですか。そうでしょう。

= 松井孝治 =

 私が申し上げているのは、中央省庁改革基本法を骨抜きにしているんじゃないかということですよ。だから、それを骨抜きにしているから今回のようなことをやらなければいけなくなったんじゃないかと。それを誠実に履行していたら、ほとんど同じことができているんですよ。やりました、やりましたと言うけれども、ほとんど同じことが法律に書いてあるけど、それが削減という言葉を骨抜きにされて、削減は一回削減するけど増員分は別だというような解釈をするような骨抜きになっているから、こういう法案をもう一回やらなけりゃいかぬじゃないかということを言っているんですよ。
 だからといって、この五%削減が意味がないとかあるとか言っているわけじゃないんです。そもそも私が申し上げていることは、五%削減とか、まあ三年二割というのもありますけれども、それよりも前に、きちんと事業仕分をして、だれが本当にやらなければいけないのか、もっと増やさなきゃいかぬ部分もあるでしょう、さっきから私も合意していますよ、国民の生活の安全にかかわる部分なんだから。だから、そこの本質が抜けて十年前に作られた橋本行革が骨抜きにされているから、今回のようなもう一回定義をし直して純減をしなければいけないという羽目になっている。だから、要するに行政改革というのは骨抜きの歴史なんだということを申し上げたいと思います。質問、求めていませんので、御答弁は結構です。
 問題はさっきの効率化、このパネルを出させていただきましたが、Cの効率化、こういうことをどうやって進めるかなんです。
 それで、具体的に、今回法案を、同じく公益法人改革の法案が出されていますね。それとも絡むので、ちょっと公益法人にも関連して御質問をしたいと思います。
 竹中大臣、一言だけ教えていただきたいんですが、公益法人、社団・財団法人、現行法令では民法三十四条に基づいて設立される法人、これは官ですか民ですか。
○国務大臣(竹中平蔵君)
 
民法に基づいて民でございます。

= 松井孝治 =

 明確な答弁ありがとうございます。民なんですね。
 さっきの一ページ目の、一ページ目というか、二ページ目のこの絵をもう一回見ていただきたいんですが、私が申し上げたいことは、民である部分を官が侵食しているということが各省庁で行われています。この事例を、もう時間があんまりありませんから、個別にお伺いすると時間が足りなくなりますので、私から御説明をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、五ページ目ごらんいただければ、各府省別の随意契約というのがあります。これが、大体平均すると七割が随意契約、要するに、本来会計法上随意契約というのは例外事項として特別の要件がある場合のみ許されるものであるにもかかわらず、七割が随意契約でありました。
 そして、六ページ目を見ていただきたいんですが、この横長の「天下りと税金のムダ使い」という資料でございますが、監督官庁が公益法人、特にまず公益法人に特化して言いましょう。無競争、随意契約で特定の業者にあるいは特定の公益法人に事業を発注する、見返りにその公益法人は大量の天下りを受け入れる。それを具体的に言うと切りがないんですが、この間明らかになったものでいうと、国土交通省でいうと、さっき事業仕分、非常にいい考え方を示していただきましたが、現実のおひざ元では各地方整備局ごとにいろんな社団、財団に事業を丸投げしています。そして、防衛施設庁、この間非常に問題になっているものでありますが、防衛施設技術協会というところに仕事を丸投げしています。そして、まあまさか法務省についてはそういうのがないだろうと思っておりましたら法務省でも、法務省の法務局、各法務局が民事法務協会というところに仕事を丸投げしている、そういう実態が明らかになっています。
 次の七ページをお開けください。
 これ、今申し上げました国土交通省の北側大臣のおひざ元のところで、北海道は、あれは北海道開発局というのがあってちょっと別なんですが、元々別の官庁でありましたが、東北から九州まで各建設協会というのがあるんですね。これ何やっているかというと、公共事業の施工管理補助をしているんですね。これが、総理見てください。ほとんど事業収入、一番左側の欄、事業収入中の国からの受注、これはほとんど整備局からの予算でありますが、九九・八%とか、ほとんど丸抱えですね。防衛施設技術協会は八六%ですね。要するに、もう国からの発注がなければやっていけない。民だとさっき竹中大臣はおっしゃったけれども、うち随意契約、一〇〇%随意契約、無競争でここに投げているんですね。もう指定して、ずっとそこに仕事をやらせているわけです。
 そして、役員に占める、この各社団法人、財団法人の役員に占めるOB、官庁OBの割合は、これ言っておきますけれども、国土交通省とか防衛庁から出してもらった資料ですよ、私が勝手に作った資料じゃないですよ。十三分の十二、十三分の十二、十六分の十四、ずっと、見てくださいよ、ほとんど役員は子会社なんですよ。官の植民地ですよ、はっきり言って。いや、プロパーの方もいらっしゃるんですよ。だけれども、役員はほとんどもう官僚出身者しかなれないわけですよ。ね、うなずいておられる。職員だって、見てください、二百四十八人中百二十九名とか、軒並み何十人という単位でここに職員が再就職をなさっているわけですよ。これが実態です。
 ちょっと八ページ、九ページを飛ばしていただいて、十一ページ見てください。じゃ、ここがこれだけ、まあちょっとした仕事を請け負っているということなのかというと、そうじゃないんですよ。十一ページ、ここは、例えばさっきの国土交通省、右側の数字を言いましょう。ここが、国土交通省の東北と関東整備局だけに限って調べました。ちょっと膨大な作業になるんで、お役所も気の毒なんで、同じ構造ですが。
 国土交通省の平成十六年度の東北・関東整備局が発注を、民間への発注を四千八百六十億円やっているんです、四千八百六十億円。そのうち、この今申し上げた東北建設協会とか関東建設弘済会が監督補助、その公共事業の監督補助業務をしているもの、あるいは積算補助をしているもの、これがどれだけあるかというと、四千八百六十四億中の四千四百五十一億円やっているんですよ。単に事業受託だけじゃないんです。公共事業の本筋の流れの積算補助とか公共事業の管理を、ここが九割以上を握っているんです。そういうところに、さっき申し上げたようなたくさんの方々が再就職をされている、そういう、こういう正に監督補助業務とか積算補助業務を無競争でここで投げている、こういう構造なんですよ。
 で、ここで、この東北建設協会、関東建設弘済会にどれだけの天下りが行っていますかという資料は資料提供に応じていただきましたが、そこから経由してまた受注企業にたくさんの天下りが行っているんじゃないかというふうに思われているし、いろんなことは、そういう証言はあるんですが、その数字を出してくださいと言ったら、残念ながら出せません、それは役所としては管理できていませんと、そういうお答えでございました。
 額賀長官、左側も同じなんですね、左側も。これは若干数字がマジックがあって、防衛施設庁の建設部、防衛施設技術協会を束ねているのは防衛庁、防衛施設庁の建設部ですね。幾ら十六年度で事業発注していますかと、業者に発注していますかと確認したら、千九百五十九億円だと。そこに、十六年度に発注したものでこの防衛施設技術協会が、ここの場合、施工管理事務を委託を受けているんですね、無競争で。そこが絡んでいるものは幾らありますかと聞いて集計してみたら、何か三千三百九十一億円あった。数字が合わない。これは何かというと、十六年度でも前の年度から繰越しを受けている事業についての管理をしているとか、あるいはまた次の年度の分まで含めて、重複計上があるからこの一七三%になっているんですが、要するに密接にここも施工管理に絡んでいる、この公益法人がですね。そこに、さっき申し上げたように、物すごい比率で天下りをしている、こういう構造なんです。
 だから、さっきの最初の私の資料でいうと、二ページ目の資料でいうと明らかに、さっき明確に竹中大臣が民とおっしゃったところに対して官が絡んでいる。しかも、その官の絡んでいるのはちょっとした調査事務を委託しているだけじゃなくて、公共事業の積算管理とか施工管理とかいう公共事業に密接に関連したところを牛耳っている。だから、今のこの絵では手で握っていると。
 しかも、この公益法人に今の天下り制度でいうと二年在籍したらどこの民間企業でも行けるんですよ、クーリングオフと言って。クーリングオフと言うんです。クーリングオフというのは、役所にいたときの権限が、国土交通省にいた、防衛施設庁にいた、だけれどもその二年間置くと親元への影響力がなくなるだろう、だから民間企業に行ってもいい、そういう判断で今の天下り規制がなされている。ところが、これ見てくださいよ。むしろがっちり握っているじゃないですか。クーリングオフどころじゃないですよ。むしろ権限パワーアップして、そして民間に乗り込んでいく。
 だから、この構造で、額賀長官、防衛施設技術協会とやっぱり官製談合があったということは僕は事実だと思うんです、細かいことは別として。額賀長官、この構造ってやっぱりどこかでメスを入れないと駄目じゃないかと思うんですが、御答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(額賀福志郎君)
 
お答えいたします。
 これは委員がおっしゃるとおり、防衛施設庁からこの技術協会に仕事が発注されている。ここは救いがあるのは協会で、民間に丸投げしないで自分で仕事しているということはあるわけであります。
 しかしながら、今おっしゃるように、天下りとかそういうことがありましてこういう談合事件が起こったわけでありますから、私は、そこは民でやるべきものなのか、それとも、施設庁というのはね、それから米軍施設だとか基地の問題抱えていますから、官でやらなければならないものは何なのか、そこはきっちりと仕分をして、今後も国民の目線から見て疑いのないように、透明性があるようにしっかりしたいと思います。
 と同時に、施設協会はこれは解体をして防衛庁に統合して、あるいはまた、きっちりと監視・監察体制がしっかりとできるようにして皆さん方に疑いのないようにしますから、御安心をしていただきたいと思います。


= 松井孝治 =

 残念ながら御安心できないですね。
 ちょっと先に進めます。資料でいうと十二ページ、これ国土交通大臣のところでありますが。さっき東北と関東の事例を示しましたが、これは衆議院で長妻昭衆議院議員が指摘されたものでありますが、単に天下りを受け入れているだけじゃないんですね。その九州建設弘済会、要するに積算補助をやったり事業管理をされるところにその実際そこが契約しているところから人が来ている、民間企業から。それでここの積算補助とか管理の業務を行っている。出来試合じゃないですか。こういう構造が多くなっているんですよ。
 だから、私は公益法人についても、こういう公益法人についてやっぱり天下り規制で、クーリングオフで二年間親元から離れてこういう公益法人に行ったらその後民間企業に行ける、こういう関係やってたら、総理、さっきの五%の話だけじゃなくて、いつまでたっても非効率な事業発注というのはなくならないんですよ。こういう税金の無駄遣いをなくさなきゃいかぬのじゃないですか。
 そして、まだあります。参考資料でいうと、法務省のものも、せっかく法務大臣もお見えでございますから申し上げましょう。法務省は、私は余り天下りがない役所だと思っていたんです。ところが、法務局でも、これ法務省の登記手数料収入、特別会計の収入一千億円大体あります。一千億円のうち大体半分以上がコンピューターに使われているんです。これはもうずっと私が取り上げている、この、総理、八ページです。一千億円登記手数料収入があって、このうち半分以上コンピューターに使われています。そのコンピューターはF社というところに随意契約で無競争でずっと投げられています。そして人件費が二百二十九億円なんですね。これはまあ法務局で働く人がいますから当然であります。
 その残り二百四十五億円はどこに出ているかというと、この財団法人民事法務協会に無競争で出されている。しかも、理事十五名中、役員十五名中、法務省OBが九名、監事二名中、両方が法務局OB、職員二千百名中、七百九十五名がOB。そして、一年前にこの民事法務協会に再就職された数は二百九十九名中、辞められた方のうち百四十二名が民事法務協会に法務局の方々が再就職されている。完全に官の子会社になっている。
 ここの仕事は地味なコンピューターの入力とか登記の移行作業が多いのかもしれない。だから、やっておられる方々が悪いことをやっておられるわけじゃなくて、まじめにやっておられるかもしれないけれども、公益法人を完全に、まあ私物化というんじゃなくて官物化というんですかね、さっきの民の公益法人を官物化している。そういう図式がこの法務省、私はもう最もまじめな役所だと思っていて、実際多くの方はまじめに仕事をされているわけでありますが、その役所でもこういう構造がつくり出されているということであります。
 九ページを見てください。これは去年の決算委員会でも私が指摘しましたが、これはハローワークなんかの情報システムですね。ハローワーク行くと結構、求人情報って最近コンピューター化されていて、いろんなシステムで情報が出てまいります。しかしながら、その情報システムというのはずっと随意契約でこのシー・エス・エスという会社に投げられていて、シー・エス・エスの売上げに占める厚生労働省からの発注というのは九割、さっきの公益法人と全く同じじゃないですか、九割は国からの仕事。要するに、国からの仕事がなければ成り立たないという会社で、そこに、次のページ見ていただければ、社長とか専務とか取締役はずらっと厚生労働省の天下りが行っている。そして、今日はもう資料付けませんでしたけれども、何十人という天下りリストがあって、昨年の決算委員会で、これはちゃんと全部人事院の、あるいは人事院が決めた基準に照らしてしっかり審査されているんですかというと、国家公務員法違反の再就職まで存在したというのがこの構造なんです。
 そこで総理、時間が余りありませんので、総理に御質問をお伺いしたいと思いますけれども、この七ページの、もう一回さっきの建設協会、弘済会、防衛施設技術協会、ここのページに戻ってください。要するに、国からの事業がほとんど、で、役員のOB比率は十三分の十二とか、十三分の十二、十六分の十四、ざあっと続いている。
 これは、前に衆議院の予算委員会でも取り上げましたけれども、今の政府の公益法人の指導監督基準、十三ページを見てください。所管する官庁の出身者が占める割合は、理事現在数の三分の一以下とする閣議決定があります。この閣議決定違反ではありませんか。総理、どう思われますか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 
いや、これは閣議決定を遵守していかなきゃならないと思っていますし、今のこの公益法人の事業委託も改善すべきだと思っています。

= 松井孝治 =

 明快な答弁ありがとうございました。明快に答弁していただきましたので、私はそのことを素直に評価したいと思います。(発言する者あり)委員長、私は総理に質問していますので。
 それで、実は、閣議決定違反ですよ。総理が見られたって、どう見ても閣議決定違反ですよ。
 ところが、下見てください、総理。これが骨抜きの手口なんですよ。さっきの定員削減というのを私が取り上げたのも同じなんですよ。この閣議決定で、所管する主管庁の出身者の定義というのを、下に、幹事会というのを作っているんですよ、幹事会、この下にある。そこで、本省庁でも課長相当職以上でないとその出身者とみなさない、それから親元官庁以外であればオーケーですよ、それから退職後十年、いろんな団体を渡り歩いて十年たったらオーケーですよ。どっかで定義をしなければいけないのは事実だけれども、さっきの十三分の十二とか全部あって明らかに三分の一をはるかに超えているんだけど、全部これでつじつまが合うようにやっているんですよ。これはだれがやっているんだ、この幹事会のメンバーだれですかと聞いたら、各省庁の官房長。各省庁の官房長というのは何をする役割か、それは申し訳ないけど、就職あっせんをする係です。その方々が集まられて、そしてこの三分の一基準というのは、こういう基準を満たすようにしよう。
 だから、さっき出していただいた防衛施設庁の、あるいは国土交通省の所管の団体は全部、閣議決定違反ではありませんというのが政府の見解であります。だから、さっき国土交通大臣が手を挙げられた、あるいは法務大臣も手を挙げられている。恐らくそういうことですから、時間がありませんから答弁は求めません。求めませんが、求めていませんから、委員長、指名しないでください。この、こういう閣議決定を幹事会で事実上全部すり抜けをつくっているというようなことは、これ、総務大臣、この公益法人の監督大臣、総括大臣は総務大臣であります。やっぱりこれはさっきの天下りの構造から見て、この閣議決定、むしろ閣議決定で僕は決めればいいと思うんですよ、詳細な基準はもう一回政治が、それを各省庁の官房長に任せずに。こういうことをやっているから、通達行政みたいなことが一杯起こるんですよ。法律で民間参入は可能だといっても、課長が通達を付けて、一定の経済的基礎を有することということが法律で書いてあったら、それが東証、大証、一部、二部上場企業であることというようなことを課長通達で決める、こういうことを繰り返しているわけです、日本国政府は。
 だから、これは総務大臣、公益法人の所管の総括大臣として、総務大臣から御答弁をいただきたい。見直すおつもりはありますか。
(発言する者あり)
委員長、質疑者の指名を尊重してください。
(発言する者あり)

○国務大臣(杉浦正健君)
 
民事法務協会の話がございました。国民の皆さんに御説明させていただきたいと思います。

= 松井孝治 =
 聞いてない、聞いてないです、そんな話は。

○国務大臣(杉浦正健君)

 資料八を示してください。資料八をお示しください。
(発言する者あり)


= 松井孝治 =

 いやいやいや、やめてください。これはちょっと、理事、これはおかしいです、これはおかしいですよ。おかしいですよ。だって、聞いてないもの。

○委員長(尾辻秀久君)
 
いや、私が指示をしたんですから、指名しましたから、答弁は聞いてください。
(発言する者あり)
分かってます。いや、それは分かっているけれど、私が指名したんだから、この答弁だけは聞いてください。この答弁は聞いてください。
(発言する者あり)


○国務大臣(杉浦正健君)
 
お示しの資料がございますが、資料八に記載されている、間違っていることがございます。おおむね合っておりますが。
 まず、資料八の理事十五名中OB九名となっておりますが、OBは三名でございまして、あと六名は裁判官と検事であります。これは内閣の方針でOBに入らないことになっておりますので、OBとしては三名でございます。監事二名中法務局OB二名となっておりますが、これも裁判官、検事でありますので、監事のOBはございません。その余の記載は間違っておりません。
 恐らく、この民事法務協会に業務委託いたしましたのは、コンピューター化を進める、コンピューター化を進めるために特別会計ができまして、この金額は合っております、平成十六年度。十五年、随意契約を結んでおるわけでございますが、そこに、そこに随意契約した理由は、法務省OBの専門家を活用して、つまり現在の法務局の陣容では膨大なコンピューター化の事業はできませんので、長年この民事法務協会は出版とか研究調査をやってきた財団ですが、そこへOBを集めまして、そしてそのOBでそのコンピューター化の仕事を進めたわけであります。
 そして……


○委員長(尾辻秀久君)
 
答弁は以上にしてください。

○国務大臣(杉浦正健君)
 
はい。

= 松井孝治 =

 私は、竹中大臣に、この公益法人の指導監督基準、閣議決定を見直すおつもりがあるかないか。見直す方向で検討するというなら、それだけでもいいですよ。それだけお答えいただけませんか。

○国務大臣(竹中平蔵君)
 
ちょっと大きなお問い掛けでございますので、少し包括的な答弁をさせていただきたいんでございますが、先ほど委員御指摘のように、これ公益法人は民でございます。その民との関係というのは大変重要であります。しかし、特別の公益を担って特別の位置付けを与えられたということで、これは正にそのような形で我々としてもその存在意義というのは認めているわけです。そこに必要な事業があるということでいろんな契約がある。
 委員の先ほどからの御指摘は、その随意契約とそして天下りとの間で非常に国民から見て不透明なところがあるのではないかという観点からの御指摘でありますので、そうした点については、我々常にいろんな観点から検討しているところでございます。
 まず、随意契約については、これはもう既に総理からも我々大臣に厳しい指示が出ておりまして、六月を目途に、めどにですね、点検しろと。
 それで、もう一つ、この天下りの問題については、これは公益法人の理事、特別な関係にありますので、御指摘あった指導監督基準というのを平成八年に作っているわけです。で、各大臣はその指導監督基準に基づいてしっかりとやっておられるわけです。
 ところが、今の委員の御指摘は、そこの天下りの定義について、やっぱり考え方が実情に即さない点があるのではないかという点で問題の提起をしてくださっているんだと思います。
 委員御自身もおっしゃいましたように、これどこかで線引きをしなきゃいけませんですから、これ例えば、それが、なかなか百人が百人納得いく線というのはないわけでございますけれども、しかしこの点については、先ほど総理からもしっかりと見直すべきものは見直すということを言っておられますので、これは一体、いろんな意見を聞きながら、しかし一方で官民交流をやらなけりゃいけないという別の要請もございますし、職業の選択の自由もありますから、そういう問題との均衡を図りながら検討すべきことは検討してまいりたいと思います。


= 松井孝治 =

 要するに、天下り規制はやれない、強化できない、そういうことですね。
 これだけの疑惑があって、国民から不信を買っていて、随意契約、天下り、迂回天下りが議論されていながら、天下り規制をきちんと強化できるというふうにこうやって答弁できないというのが実態なんですよ。総論は同じと言われても各論が全然違うということは、皆さん、国民の皆さん方が十分御理解いただけたと思います。(発言する者あり)いや、それだったら、閣議決定見直すんですか。もう一度答弁してください。閣議決定を見直すかどうかです。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 松井さんの指摘もいいところあるんだけれども、間違っているところあるから法務大臣も訂正したいといって答弁しているんですよ。一方的に言って、答弁要らない要らないと言って、間違った資料だと困るから訂正したいということで答弁している。
 私は、それは別にして、今言った指摘で基準というもの、これは松井さんが言ったとおり疑念を抱かせるものもある。だから、基準はどういうことがあるべきかというのは、役所だけじゃなくて、ほかの一般の人の意見も聞いて、基準が、ああこのとおりの基準だというふうによく見直すようにします。


= 松井孝治 =

 文句付けられた部分は余計でしたが、最後の部分は評価します。
 ただ、文句付けられた部分の天下りの基準というのは、例えば法務省の検察部局の人たちを法務局のOBにカウントするかしないかということなんですね。私の数字はそれはカウントしていたわけです。だけれども、法務省の数字はそれにカウントしなかったということですから、これは見解の相違なんです。
 それはともかくとして、そういう見解の相違がたくさんあるわけですよ。それで、天下りの数をできるだけ少なくして、そのさっきの閣議決定をすり抜けようというのが役所の常じゃないですか。御存じのとおりでしょう。だから、そこにメスを入れる勇気があるかということで、勇気があるという御答弁でしょう、やるということですね。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 それはいい指摘だから、すり抜けないようにきちんと見直します。

= 松井孝治 =

 分かりました。
 それともう一つ、さっきのクーリングオフ、総理、そこまで言っていただいたんだから、クーリングオフ、公益法人を経由して民間企業に天下りする。だけれども、その公益法人は非常にその民間企業とも密接な業務がある。そこを経由していけば、今の公益法人の天下り、公益法人というか今の天下り制度、大丈夫なんです。このパネルを見せてください、十五ページ。
 要するに、公益法人に行って二年在籍すれば、さっきのように事実上その公益法人が公共事業の発注管理をしたり積算補助をしていても、今の状況ではゼネコンに天下りできるんですよ。
 これを総理、見直すべきじゃないですか。私、法案まで作った。直嶋議員と一緒に法案を参議院に提出させていただきました。これも検討すべきじゃないですか。今申し上げたようなこの公益法人というのは、クーリングオフで、全く役所の元々の権限と離れたところに行くんなら別ですよ。むしろ、密接に関係して公共事業の発注に関与しているところに行っても、二年たったら自動的に民間企業に、発注受ける民間企業に行ける。やっぱりこれはおかしいんじゃないかと、私たち法案まで出しました。総理が対案出せ出せと言うから出しましたよ。これ議論をしてくださいよ、議論をしてこれのいいところ取ってくださいよ。どうですか、総理。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 
それはいいところは取りますよ。
 ただ、この協会とか弘済会、確かに随意契約九〇%以上なっております。この点についても既に、こういう点については、随意契約でしかできないものは随意契約やるべきであって、随意契約でないものは競争入札にするようにと指示を出しておりますし、この弘済会にしても協会にしても、確かに天下り行ったから仕事を取ると、こういう慣例というのはやめるべきだと指示出しております。
 ただ、この天下りにしても、今の退職制度にしても、官民交流にしても、本来定年まで働けるような慣例にした方が望ましいということで、退職年齢を今の五十代前半からもっと三歳上げるということについても、今まで、公務員の身分とかありますから、急に一挙にできないんです。それを五年間掛けて三歳退職勧奨制度を遅らせろということを既にやっているわけですね。
 これは時間が掛かりますけど、今まで、今資料で、確かに今言われればね、弘済会なんてどこの役所もあるんだよ、これ、国土交通省だけじゃない。弘済会と名の付いた協会は見直さなきゃいかぬ。慣例的な天下りいるから仕事を取れるのなんか、これはよくない。だから、そういう点は随意契約を、それしかできないものは随意契約、それ以外は競争入札にすれば自然に解消するんですよ。
 それで、総合的な見方からこれを正していきたいと、すり抜けることを役所にもあんまり考えるなと、よく注意しておかなきゃいけないです。


= 松井孝治 =

 そうやって、総理が勇ましく特殊法人、政府系金融機関の天下りもやめますよと言って、二年前におっしゃったんだけど、何か一週間ぐらいしたら官房長官が、ああ半分にしますという、あるいは定型的なものはやめますという意味で総理はおっしゃったんですという話になる。総理は、こういうところでは歯切れいいことをおっしゃることがある。しかしながら、それをまたいつの間にかどっかで、さっきの閣議決定と幹事会決定ですり抜けができるようなことが、もうこれの繰り返しなんですよ。竹中大臣、笑っておられるけど、そうでしょう。急に厳しい顔しても駄目ですよ。
 要するに、こういう構造、ほとんどの事業発注を握るようなところを無競争でつくるようなことは、これは本当に根絶していただかなければいけない。
 それから、今の早期勧奨退職制度、これがやっぱり根っこで問題なんですよ。それは総理も認めておられるからいいんですけど。
 それで、今の早期勧奨退職制度の五年間で三年遅らせます。でも、それは段階的なものだし、早期勧奨退職制度をやめさせますということではないですね。しかも、総理御存じないと思いますが、あの五年で三年遅らせるというのは、いわゆる幹部職員だけなんです。早期勧奨退職制度の実態を総理御存じない。だから、十四ページ見てください。
 これは、今回初めて私、人事院や総務省に御協力をいただいて資料をいただきました。集計していただきましたが、この早期勧奨退職というのを、勧奨と書いてあるのがその表の中で早期勧奨退職のことであります。早く辞めろというんですから、私も役所の出身ですから、役所が早く辞めろと言うからには就職あっせんするというのが常識であります。
 それを見てください。実際、合計で二千二百二十五人の方が平成十六年度に早期勧奨退職されています。そのうち、十級以上、一般的に幹部職員と言われているのはここですが、三百五十九人なんですよ。九級以下、千八百六十六人。これは、さっきの天下りの数に入らないというのはここの方々なんです。この方々は、多くの場合定年まで働きたいんです。だけれども、途中で肩たたきに遭って、あっせんされて行かれているんです。ここは基本的に天下りの定義に入っていない。ここは見直させるというふうにさっきおっしゃいましたから、きちっと見直していただけるんだと思いますけれども。
 例えば、早期勧奨退職で、これは事務方でもいいんですけれども、時間がないからいいですけど、五年で三年遅らせるというのは、もう私、確認しましたから明確でありますが、これは幹部職員だけ。多くの早期勧奨退職は手が付かない。もっと言えば、総理が早期勧奨退職について、即日廃止とは言えないけれども段階的に縮小するとおっしゃるんなら、この総枠で、むしろこの一般職の方々はちゃんと定年までしっかり仕事をしたいんですよ、多くの役所は。そうじゃない役所もありますよ、一部、一、二。だけれども、多くの方々は最後まで勤めさせてください。
 この前、私はこの間いろんな役所の方々のレクチャーを受けても、こんなことやりたくてやっているわけじゃないんですと。さっき法務大臣が御答弁されたけれども、法務省なんかそうでしょう。まじめに仕事されている方多いんですよ。そのときに肩たたきで、これは級別定数管理とかいろんなことがあって役所も出さざるを得ないところがある、だからそこも直さなきゃいかぬのですけど、三年後は一部のキャリアだけ早期勧奨退職を見直して少し遅らせればいいということじゃなくて、この全体を、しっかり公務員が公務を全うできるような体制でこの総枠を管理して、早期勧奨退職を一年でも早く見直すように総理の御決断で判断していただけませんか。そういう閣議決定なりしていただけませんか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 
私は、この九級とか十級とか実態は分かりませんけども、特別な不祥事を起こしたり、特別の事情がない限り定年まで働けるような、そういう慣例とか制度をつくっていかなきゃならないと思います。そういう点を含めてこれを見直していきたいと思います。

= 松井孝治 =

 総理は今日は、ちょっと時々、時々相変わらず人のあらを探されるところもあるけれども、まあでも前向きな答弁をしていただいたことは評価を率直にさせていただきたいと思います。
 時間がなくなりましたが、同僚の和田議員がもうちょっとやっていいよというふうにおっしゃっていただいたんで、和田議員に感謝をしながら、国有財産の売却について一つ二つだけ伺いたいと思ってます。
 このパネル、これ二年前、私、この参議院の決算委員会で提案したこの資料、大きなパネルがありますからごらんください。(資料提示)谷垣大臣には、ここのホテルのパンフレットまで先ほどお渡しをいたしました。今、ヒルトン小田原リゾートなんですね。これは、四百五十五億円掛けて昔の雇用促進事業団、今の雇用・能力開発機構が小田原に造った施設なんです。これを四百五十五億円掛けて造って、六年間使って八億円で雇用・能力開発機構は小田原市に売却をいたしました。その積算について、実は十六億円という積算をしているんです。これについても私は疑義がありますが、しかしそれを公共減額ということで半値で売っているんです。
 何で公共減額なのか分からないんですが、公共減額というのは、国有財産特別措置法という法律がありまして、それに倣った制度だというふうに伺っておりますが、これ事務的に以前に決算委員会でも答弁をしていただいたんで、谷垣大臣、答弁資料をお持ちだったら、大臣、お答えいただきたいんですけど、こういうホテル、別にスパウザ小田原とかヒルトン小田原リゾートのことを言っているわけじゃないですよ。個別じゃなくて、この手の施設、パンフレットまで今見ていただきました。(発言する者あり)こういう宿泊施設は和歌山にはないらしいですが、(発言する者あり)ああ、ある、ある。ああ、たくさんある。あるらしいですが、こういう高級リゾートホテル、リゾート・アンド・スパですよ、これは、例えば国有財産をこういうところに売却するときに、国有財産特別措置法で公共減額の対象になりますが、公共減額になると半分で売れるんですよ、正当な価格の。それは、この手の施設が国有財産特別措置法に基づく公共減額の対象になりますか、なりませんか。

○国務大臣(谷垣禎一君)
 
今おっしゃった減額の対象は、国有財産特別措置法の中で限定列挙をされておりまして、その中には、いわゆる通常のホテルとして使用することを目的として普通財産が譲渡される場合には含まれない、だから含まれないんです。
 ただ、このスパウザ小田原は、雇用保険の雇用福祉事業として旧雇用促進事業団が設置した施設でございまして、国有財産ではないという扱いになっておりまして、今の法律の適用対象外ということです。


= 松井孝治 =

 これも同じことなんですよ。国有財産特別措置法の基準に倣って、雇用・能力開発機構、雇用促進事業団はルールを決めて、財務大臣に許可をしてルールを決めているんですよ。そのときに、国有財産特別措置法を倣っているんだけれども、微妙に表現を変えて、こういうのは公共減額の対象になるというふうな解釈を取っているんです。ただ、これは参議院の決算委員会で警告決議を付けました、これはおかしいということで。だけれども、こういうことが現実には行われていて、国有財産じゃないですよと言いながら実は特別会計で全部出資しているんですよ、このホテルは、元々造るときに。で、元々の労働省の事務次官やられた方が天下りをされて、このホテルになった施設を理事長として管理しておられたんです。全部同じ構造なんですよ。
 最後のページ、十七ページ見てください。もうこれで私の質問終わりにしますけれども。
 これは、今のスパウザ小田原を含めて二千七十の施設、勤労者福祉施設、基本的に廃止か全部売却をされました。厚生労働省がおっしゃっている数字で四千二百七十九億円の損失があるわけでありますが、こういう二分の一減額とか控除方式でいろんな算式を作って、よく分からない難しい算式が作ってあるんですが、見てください、総理。一万五百円で売っているのが八百六十一、これは体育館とかいわゆる研修施設とか箱物ですよ。一万五百円で売っているのが八百六十一、十万五千円で売っているのが六百三十八。何千億円と掛けて造った施設を一万円とか十万円とか、物によっては千円で売っている。
 さっきのスパウザ小田原の例で言うと、四百五十五億円掛けて、どういう計算をしたのか知らないけどそれが十六億円になって、それを更に半値で、いや、これは公共目的だったということでああいう高級リゾート、別に私はヒルトンに恨みも何もないですよ、だけど、ヒルトンがほとんど居抜きで使うような施設を公共減額で売っている。要するに投げ売りしているんですよ。
 私が総理に申し上げたいのは、こういうコスト意識、要するに一円でも高く回収する、国有財産だったら納税者の視点で一円でも高く回収する。そして先ほどの、大臣は、いや、これは国有資産じゃないと言われましたけど、全部中小企業のおやじさんの給料分から保険料として払って、それを特別会計で出資して、国が出資して造ったこのスパウザ小田原、こんな値段で売ってしまっている。半額で更に売っている。
 こういう方針で国有財産を投げ売りされたら、今回の行革推進法の中にも国有財産を圧縮するというのがありますけど、いろんなところ、公務員宿舎も圧縮するということもある。それは公務員宿舎が都心の一等地にあって問題だという議論もあるけど、とにかく売り急げばいいということでこういう損失を出しては僕は絶対いけないと思うんです。その点について総理に最後に御答弁いただきたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 
これは今譲渡価格だけの問題にしてますけど、そうじゃないんです。根が深いんです。元々これ、やる必要なかった仕事なんです。それを私は前から指摘されたけれども、地域の振興だ、地域が地元負担をしなくてもいい、過疎地だ、過疎地の人は喜ぶ、しかし私はこれ役所がする仕事じゃないんじゃないかと。
 勤労者福祉施設だけじゃありませんよ。かんぽの宿だってそうですよ。旅館がある、ホテルがあるのに、何で郵政省関係の簡保事業団が、福祉と名が付けば何でもいい、地元の人は近所の旅館よりも安く、サービスはいい。メルパルク、都会のホテルはあるのにメルパルクみたいなの造って、都市ホテル造って安くする。これみんな役所、私はこんなのやる必要ないと言ってたじゃないですか。ようやく最近分かってきたんですよ。
 しかしながら、今これを譲渡したら買ってくれない、どこも。元々自分たちは負担しないからいい、地域の住民、過疎地の住民であればあろうほど、自分たちお金を負担しないんだから、国がお金使ってくれるんだから、簡保福祉事業が金使ってくれるんだから、勤労者福祉施設が金使ってくれるんだからやってくれればいい、みんな歓迎するんですよ。
 しかし、これは本当に役所がやる仕事なのかと。そうじゃないだろうということで、私は郵政民営化なりやってきているわけでしょう。それは郵政省に関連する、福祉と付けば労働省に関連する、福祉施設を付ければ、還元融資なんて言ったって野球場まで造っているところがある。年金の保険料を使ってそんなところを造る必要あるかということ、私はもう厚生大臣のときから言ってきた。だから、厚生省のときに厚生関連の福祉廃止させたでしょう。それでも抵抗があったんだ。
 そういう根の深い、与野党を通じて、過疎地振興、地域振興という名をかりて、私たち地元は負担しないんだから、地元の人だってみんな歓迎しますよ。役所でやってくれるなら、税金使ってくれるなら、おれたちの地域は発展するなら助かる。しかし、ここにそのツケが来ているんです。安く買う、買う人がいないんだから。それをこのまま、じゃ、買う人がいないから、高く買ってくれないからほっておいたら、ますます余計な負担が掛かる。早く、一時的に損しても将来の負担を少なくするために撤退した方がいいということでやっているんですよ。
 買ってくれるところ言いなさい。地元は残してくれという陳情が来る。民間じゃ買ってくれない。地元は是非とも残してくれと。役所は雇用を考えてくれと。与野党を通じて、野党の皆さんだってそうですよ。首切らないでくれと。特殊法人でも、この雇用を是非とも維持してくれと、すぐなくしていくなと。そういうのを考えて、それでも今残ったならば将来どんどん負担が増えるから、安くても早く損を少なくしようということで、安いところ、買ってくれるところ、地元が負担しているところで、何億掛かって造ったけれども、何百万、何十万、何万円でも今早く売れるものは売った方がいいということでやっているんですよ。
 これは単なる譲渡価格だけの問題じゃないんです。そういう徹底的な行政改革やろうと。役所がやらない仕事はやるなと、余計な仕事をやるなと。役人だって仕事を少なくするのを考えろということで行政改革やっているわけでしょう。これはいい指摘で、私がもうあなたより前から指摘しているところなんです。


= 松井孝治 =

 大変熱のこもった答弁をいただいて有り難いですけれども、だれがこういうものを造ったんだという責任が一切問われないのが役所の仕組みじゃないですか。総理が今おっしゃった。でも、総理も大臣やられていたけど、そのときにストップされてないじゃないですか。役人は、役人は止まってなかったじゃないですか、実際現実に。それで、役人が、それを要するにだれが責任取りました。こういうもので損失を出したもの、それをやっぱり責任を問うようにしなければいけない。それから、地方も、おっしゃるとおりですよ、何でも欲しい。要するに自腹感覚がないから、もらえるものは何でももらおう。この発想も変えなければいけない。そして、さっき申し上げたように、随意契約もちゃんと適正化しなきゃいかぬ。そういうことがこの法律に入っていますかというんですよ、私が言いたいことは。
 総理、今非常に雄弁に語られたけれども、そういうこと、法律に入っていないんですよ。だから、閣議決定見直します、そういうことを本当にやるんなら法案に入れればいいんですよ。私たちは、そういう対案を衆議院で提案した。参議院では、衆議院で廃案になっていますから来ていませんけれども。
 今日は政府案の質疑でありますが、もう私はやめますけれども、そういう法案の修正をきちんとしなければいけない。そのことを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 
法案に入っていることがすべてじゃないんですよ。行政改革の法案は法案。法案以外にやるべきことはたくさんありますよ。役所は責任取らないという。政治が要求しているからです。国民が要求しているからです。役所の責任取らせるというのは別の問題なんです。

= 松井孝治 =

 委員長、じゃ一言だけ。
 じゃ法案に入っていないものを、法案に入っていないものを含めてちゃんとやるんですね、天下り規制も含めて。そのことをちゃんと最後に答弁してくださいよ、そこまでおっしゃるんなら。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 法案やっていることは法案にやるべきことを書いてあって、政治というのはこの法案だけじゃないじゃないですか。今まで全部いろいろやって、行政改革に終わりはないと言っているんです。いい点はやる、直すべきは直すと言っているんです。
 しかし、一か月や一年でできる問題じゃありません。それはよく分かっているでしょう。施設も明日なくせと言ったら、従業員どうするんですか。そういう点もあるから、よく政治は考えて、地域の人たちの雇用も考えて、地域の振興も考えて、そしていかに無駄遣いをなくすかということでやっているのが行政改革でしょう。この法案だけじゃありませんよ。これがすべてなんて言っていませんよ。


= 松井孝治 =

 もうやめますけれども、私たちは、だから法案にして、その天下り規制も官製談合防止法も、一番根っこはそこですよ、それを法案にして提案しているんですよ。あなた方は批判するだけで案出さないと言うから、ちゃんと案出しているんですよ、条文化して。だからこれを議論してくださいよ、総理、そのことだけ約束してください。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 
議論をして、いい点は取り入れますし、三年間で二〇%公務員削減すると言っているんだから、具体的に出してくれれば十分検討します。

= 松井孝治 =

 再質問を終わります。ありがとうございました。終わります。


※全議事録はコチラからご覧下さい。

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