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第164回国会 行政改革に関する特別委員会 第5号
平成十八年五月九日(火曜日)
午前九時開会
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= 松井孝治 =
民主党の松井孝治でございます。
今日は、四人の参考人の先生方、本当にお忙しい中、貴重なお話をいただきまして、ありがとうございます。二十分という限られた時間ですので、すべての参考人の先生方に御意見を伺えるかどうか分かりませんけれども、順次お話を伺ってまいりたいと思います。
まず最初に、加藤参考人に御質問をさせていただきたいわけでありますが、資料の中でも御説明いただきましたように、この事業仕分という考え方を与党の中でも非常に強く主張された政党もあり、我々も、昨年の総選挙の際に民主党としてもマニフェストの中に取り入れさせていただいたわけであります。そして、この法案の中にも事業仕分という考え方が総論の部分にも入ってございますし、総人件費改革に当たっても、そういう考え方を、検討を踏まえた上で総人件費改革を行うべきだという考え方が入っていると思います。
私が、この担当省庁、内閣官房の方に、この事業仕分ということと総人件費改革、あるいはこの法案全体の考え方を、その関連を伺いましたら、総人件費改革でいうと、五年五%の削減というのをこの法案の一つの目玉として掲げておられたわけでありますが、そのうちの一・五%部分、五年間での一・五%部分は定員合理化計画の実施によって確保すると、残りの三・五%分をこの事業仕分の考え方で国の仕事を見直しをして五年間で三・五%分の人員削減ということにつなげていくんだという御説明がございました。
今ほど加藤参考人のお話を聞いておりますと、もう少し大胆に、基本的に国そして地方、そしてもっと幅広い、民間であったり中間団体であったり、そういったところの役割分担、要不要というものをしっかり見直して、抜本的な業務の見直しを行うということをまず行うのが行政改革の本筋というふうに私には受け止められたわけでございますが、加藤参考人から見られて、この法案における事業仕分の考え方というのがどの程度先ほどお話をされた事業仕分の考え方を取り入れたものなのか。逆に言えば、この法案が今後どういう扱いになるかまだ分かりませんけれども、もしこういう法案が成立した場合に、どういうふうに具体的に事業仕分を行わなければ本当の意味での行政改革にならないとお考えなのか、もう少し詳しく御意見を伺いたいと思います。
○参考人(加藤秀樹君)
今、五%あるいは三・五%という数字が出ました。私は、なかなか人件費の削減にしてもあるいは財政全体の削減にしても、元々だれも要らないと思っている予算が付いているわけではないわけですから、これを削っていくのは大変に難しい。その中で、何とかここまでやらないと何ともならないという言わば最低限の数字が、しかもいろんな利害が錯綜する中でぎりぎりの数字として出されたものだと思います。ですから、そのこと自体は最低限のターゲットということで、これはまあ常にそういう数字はあっていいものだと思いますけれども。
ただ、先ほど私の話の中でも申し上げましたように、戦後六十年たっているわけですね。それで、この間、予算についても毎年の査定という中でいろいろ各省庁ぎりぎりの折衝はしてきてはいたんだと思いますけれども、よく考えてみますと、やはり五十年前からずっと継続している事業、十年前から継続している事業、いろんな事業がある。それらが本当に今の時点で見て、あるいは今後将来的に見て必要なのか必要でないのかということについての根本的な議論というのはやはり行われていないんではないか。
先ほどこれは作業ですと申し上げました。それから、ある県での青少年育成事業ということの例を申し上げました。こういう中でよく分かったのは、最後はそこの県とか市のお役人とやり取りしていますとけんかみたいになってくるんですね、何だおまえ、よそ者が来て四の五の言うなみたいな話で、我々もついかっときたりするんですけれども。ただ、それでもやっぱり忍耐強く話していると、ううん、そうやって言われるとまあ確かにこれは要らないかも分からないですねと。あなたは県の職員の前にここの県民でしょう、県民の一人としてちょっと本当に虚心坦懐に考えましょうよ、これは要るんですかねということを言うと、まあそう考えると要らないかも分からないですねと言う。
私は、ですから、もう一度、政治家あるいは役人、もちろん我々含めて、日本人としてあるいはその住民として要るのか要らないのかということを本当に謙虚に考えるという作業なんだろうなと。これをやりますと、そこの県とか市のお役人も最後はやっぱり納得してくれるんですね。それで、いやいや、自分は十五年間ずっと県に働いてきたけれども、こうやって考えたのは初めてだなと、いやいや、いい勉強になりましたというふうに。ですから、これは結果的にお役人の頭の中の構造改革というんでしょうかね、にも随分なっている。ここが、副産物でしたけれども大事だと思いますし、そういう作業だと。ですから、六十年間のあかを削ると申し上げました。
それで、それと同時に、その中で固まってきたお役人の頭を柔らかくする。同時に、やはり国と地方の中のいろんな細かいがんじがらめのルールも見直していく。そこに意味がある。ですから、細かい数字を超えて是非やっていただきたいなと、こんなように思っております。
= 松井孝治 =
ありがとうございます。
私も、この加藤参考人が配付された資料の六ページの、たまたまなんですが、千葉県での作業で、この小規模事業経営支援事業費補助金が必要かどうかというところをたまたま私、傍聴に伺っておりまして、堂本知事もそのときに陪席しておられて、非常に激しい議論がこの事業仕分のこの補助金の要否について行われていて、県庁の職員の方が非常に青ざめた表情をされながら、何で必要なのかということを、まあはっきり言ってちょっとなかなか御説明になっていなかったような説明をしておられて、最終的には今の議論の中で人件費補助は不要という判断になったという部分を目撃をさせていただいて、こういう形で個別の事業についてゼロベースで見直しを行っていくという作業は非常に有益、しかも外部の視点、一般の市民の方々の視点も交えてこういう議論をするのが非常に重要だというふうに実感いたしました。
翻って、今のこの法案の中身をやや先取りして、行政減量・効率化会議ですか、セコムの飯田さんが座長になって議論をしておられると思うんですが、これ国の事業全体を、それこそ一般会計のみならず、最近問題になっている特別会計まで含めて議論をするということになると、相当膨大な作業をやっていかなければいけない。今の事業見直し、事業仕分というものを行うに当たっては、仮にサンプリングでやったとしても相当な部分をやっていかなければいけない。従来財務省の主計局が予算の査定作業ということでやってきたというようなことを、もっと根っこから、一般人の本当に良識ある視点から、サービスの受益者の視点を交えてやらなければいけないと思うんですが、果たして今、政府はそれを六月までにこの行政減量・効率化会議においてやるというふうな姿勢だというふうに伺いましたが、今、加藤参考人が仄聞されている限りで結構ですけれども、それは十分加藤さんが今おっしゃったような形で行われている、あるいは行われていくような体制にあるというふうにお考えでございましょうか。
○参考人(加藤秀樹君)
この資料の三ページ目に「「事業仕分け」が国レベルで採用されるに至った経緯」というものを付けております。先ほども少し申し上げました。この中の真ん中に、与党にプロジェクトチームが設立されたと書いてあります。ですから、私はこの作業は政府・与党、きちんとやっていただけると確信しておりますし、国会のせんだっての答弁の中でも、総理もその具体的なやり方をちゃんと示してくれというお答えをなさっておりますし、それから北側大臣も事務事業仕分というのは重要でこれはやるんだという御答弁をなさっております。ですから、確実にやっていただけるし、これは正にその国益にとって非常に大事なものだと思いますけれども。
ただ、少しやっぱり心配がありますのは、先ほどの県とか市のときも、やはり自分たちがこの予算を作ってきたという立場の方は、まあ、いい悪い含めて、これでいいんだと、本当にそう思い込んでいるんですね。ですから、外からの声というのは何か余計なやつが、素人が何言っているんだみたいなところがあります。これは国についてもやはり同じことが言えるんだと思います。ですから、そこはこの際、国益のためにちょっとやってみようよと。
それと、一つ間違ってならないのは、これはあくまでも国会での審議、予算の審議とは違いますから、何らかの権限を持ってやるわけではないんですね。あくまでも外の人たちの意見を虚心坦懐に聞いてみようという作業なんですね。ですから、それを受けた上で、それを大いに参考にして実際の予算の編成審議に生かしていただこうということですから、ここが実は、あれはあれでこっちはこっちでというふうになると生きないわけですから、きちんと生かしていただきたいなと。
もう一つ大事なのは、やはりオープンなところでやるわけですね。それで、これは残念なことに、最初の我々が主張していたところ、それから閣議の決定、それから法案になる、この過程の中で公開の場所でやるという言葉が実は抜けております。透明性を確保というようなだんだん抽象的な言葉になっておりまして、しかし、やはりこれはどうしてもオープンな場所でやるというところが不可欠でありますので、その辺のところは今後是非国会審議の中でも確実にしていっていただきたいなと考えております。
= 松井孝治 =
加藤参考人に最後の質問をさせていただきたいと思うんですが、今おっしゃっていることをお伺いしますと、財務省の主計局なんかの予算査定作業、あるいは総務省には今行政評価局というものがございます。ここが行政評価を行うという作業自体を、むしろそこのプロセス自体を全く変えていって一般の行政サービスの受益者をそこに参加させるとか、あるいはそこをもっと透明度を上げていくとか、そういった工夫自身も必要ではないかというふうにも考えられるわけですが、この法案だけではなくて全体の、そもそも国がどういう仕事をするべきか、どこまでのことはむしろ地域に任せるべきだ、民間に任せるべきだというような査定プロセス自身を変革することについて、どのような必要性があるとお考えでしょうか。
○参考人(加藤秀樹君)
今、松井議員のお話の中の査定プロセスを含めて制度的なことも考えるべきだと、これはこれで私は一度大いに議論をすべき話だと思っております。実際にこれはいろんな専門の方がニュー・パブリック・マネジメントという言葉の下で財政制度あるいは予算の組み方について研究をなさっております。
実際にイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダといったような国では、ある意味では大いにこの査定当局が各省、要求官庁に対して自由度を与える。ただ、自由度を与える一方で、それは査定は細かいことは言わないけれども、自由度を与えて、しかしそれを実際に使っていくときに年じゅうきちんとモニターをしていくという意味でなかなか、財政当局がむしろ主導に結果的になっております。これは一つ大いに参考になることでしょうし、こういうことは、やはりこれはこれとして大いに御議論していただきたいなと私も考えておりますけれども。
今回の作業はむしろそれとは別に、やれるあるいはやらないといけない話であって、こんなことは私は本当に数十年に一遍やればいいと思うんですね。取りあえずあかがたまったらぶるぶるっと振るってやる作業でありまして、毎年毎年、毎年の作業はそれとして、これはこれとしてやって、ですから、先ほどの御質問の中に膨大な作業になるだろうということですけれども、まあこれは六十年ぶりのことですから少々膨大になってもこれはこれとしてやっていただきたいなと、それぞれを並行してお考えいただきたいなと、こんなふうに考えております。
= 松井孝治 =
今おっしゃったように、六十年に一回のあか落としということですから、これからこの法案がどういうふうに審議されるかにもよりますけれども、少なくとも政府側は今の参考人の御意見も踏まえて作業をされるものと私は期待はしたいと思っておりますが。
稲継参考人と田中参考人にちょっと共通することがありますので御質問をさせていただきたいんですが、先ほど田中参考人が、この公益法人制度も、これもそれこそ六十年どころではない制度でありますが、負の遺産も多々あったと、それの清算も今回の制度改革に当たって行わなければならないということをおっしゃいました。
この委員会でも議論をされてきたことでもありますが、非常に中央官僚の天下りが公益法人に多数行われていて、業務も公益法人にアウトソースするという形で、そこを、しかし公共的な業務をアウトソースするから役人の関与が必要だということでたくさんの天下りがなされていて、そこに非常に多額の補助事業などが無競争随意契約で行われているという実態は、これは与野党を超えて指摘が行われているところでありますが、こういうことを本来民間法人である、民がパブリックを担っていくという、そこの担い手である公益法人を官がむしろ支配しているという実態も、それがすべてではありませんが、現実には行われているわけです。
ここについて、先ほど田中参考人は蛇口を閉める改革が必要だというふうにおっしゃいましたし、こういう今回の制度改革は、若干その蛇口を閉める方向にも働くんだと私は思いますけれども、しかしこの委員会でもあるいは衆議院でもいろいろるる議論をされてきたような、その公益法人を官が支配する構造というものを、本当にこの制度改革だけで十分そういう弊害を、あるいは負の遺産を取り除けるというふうにお考えなのか、あるいはそのためには何らかのもう一歩進んだ措置が必要だと考えられるのかどうかを田中参考人に。
それから、稲継参考人には公務員制度の関係で、この早期勧奨退職制度というのが非常に問題になって、総理も是正するというふうにおっしゃっていますが、この早期勧奨退職制度というものを、まあ制度というか慣行というものがここまで来たというのは、私は一つの大きな要因として級別定数の管理というものが行われていて、これも年功序列制度と一体のものでありますが、ある年限に来た人たちのもう定数が存在しない、したがって外に出さざるを得ないというような省庁側の反論といいましょうか、そういう説明もあるわけでございまして、この公務員制度自体がこういう今の制度的な枠組みの中では早期勧奨退職を余儀なくしている部分があるんじゃないかという意見もあるわけですが、その点についてこういう天下り制度をどういうふうに是正するか、その背景としてある現状の公務員制度をどう変えるべきかということについて稲継参考人の御意見も伺いたいと思います。
○参考人(田中弥生君)
貴重な御質問をありがとうございます。
まず、今回の公益法人制度改革で先ほどおっしゃられた天下りの問題、それからそれと対になっていますが、補助金、不必要に多い補助金の問題が、また随意契約等々の事業委託、これが解決されるかということなんですが、先ほど御説明もさせていただいたんですが、主務官庁制度を廃止したということは予防策にはなると思います。ですが、蛇口と申し上げたのは、これはやはり公務員制度、それから国家公務員法、こちらの方でやはり処理をしていただく必要があると思います。
ただ、私は公益法人側の自助努力というものもかなり問われていると思いまして、やはりこれはNPOの方のアンケートを取りましたけれども、私たち自身がお上に知らぬうちに依存をしている意識が非常に強いんです。自分たちは民間のイニシアチブで頑張っていると言いながらも、どこかで頼りにしているところがあります。そこをやはり自立したその規律に基づいて自分たちの組織を経営するというマインドセットと、それから具体的な努力が必要になってくると思います。
この法案では検討がされてはいませんけれども、そういう意味で先ほど申し上げた寄附を、民間からどれだけ自分たちに必要な資金を調達できるかということは一つその試金石になるのではないかと個人的には考えております。
○参考人(稲継裕昭君)
どうも御質問ありがとうございました。
従来の、特にキャリア官僚たちでありますけれども、同期採用同時昇進で、同期の者の一部が局長になった時点で他の課長たちは、昇進できなかった者は外に出ていく、大部分は公益法人とか特殊法人に出ていくというアップ・オア・アウト型の昇進競争がずっと続けられてきました。これが早期退職慣行を生んできたわけです。
さらに、同期の局長の中で事務次官が出れば他の局長は退職する、公益法人あるいは特殊法人に天下りするという、こういう退職慣行があったわけですが、これは一方で官僚たちの中に相当激しい出世競争を導く。まあ一生懸命働くというプラス面がありましたが、他方で不透明な天下り先との関係が指摘されているところであります。これは、その同期の中での競争を生み出しつつ、じゃどうやって不透明な関係を是正していくのかという非常に総合的な見地に立った検討が必要なことかなというふうに思います。
= 松井孝治 =
時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
※全議事録はコチラからご覧ください。
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