|
165-参-内閣委員会-7号 平成18年12月07日
平成十八年十二月七日(木曜日)
午前十時開会
─────────────
略
─────────────
本日の会議に付した案件
○道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律案(第百六十四回国会内閣提出、第百六十五回国会衆議院送付)
─────────────
○委員長(藤原正司君)
ただいまから内閣委員会を開会いたします。
道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律案を議題といたします。
本日は、本案につきまして七名の参考人の方々から御意見を伺います。
午前御出席をいただくのは、第二十八次地方制度調査会委員松本英昭君、新潟大学大学院実務法学研究科助教授田村秀君、同志社大学法学部教授市川喜崇君及び北海学園大学法学部教授横山純一君、以上四名の参考人の方々でございます。
この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
参考人の皆様方から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の議事の進め方について申し上げます。
まず、松本参考人、田村参考人、市川参考人、横山参考人の順序でお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
御発言をいただく際は、その都度、委員長の指名を受けてからお願いいたします。
また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いをいたします。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、松本参考人からお願いいたします。松本参考人。
途中省略
○松井孝治君
民主党の松井孝治でございます。
四人の先生方、それぞれに貴重な御意見ありがとうございました。質問項目も結構ありますので、簡潔にそれぞれお答えいただければ大変有り難いと思います。
まず最初に、道州制に対して比較的積極的な御意見というふうに私が理解をいたしました松本先生、田村先生にお伺いをしたいと存じます。
国から道州への権限移譲が必要だと、これはまあ各参考人共通の御意見でありましたが、具体的にどこまでの権限移譲をするのかという意味において御意見を伺いたいわけですが、国の責任を持つ領域と例えば道州を筆頭とした自治体の責任を持つ分野を明確にするということになりますと、場合によっては部分的な立法権限まで道州に持たせるべきかどうか。立法権限を持たせるということになりますと、司法機能をどうするのか。こうなってくると、道州というよりはどちらかというと連邦制に近づいていくわけでありますが、その辺り、どこまでの強い道州を持つべきかというふうにお考えになられるのか。
それとも多少影響するんですが、国が例えばナショナルミニマムとしてどこまでの責任を確保するかというときに、先ほど横山先生の方からは一括交付金のような話もありましたが、例えば今問題になっておりますような生活保護、これはもう典型的なナショナルミニマムですが、これが今地方にある程度法定受託事務として委任されていますと、財源的には交付税措置はなされていますけれども、それがナショナルミニマムとしての本当の、例えば現業員の充足率が満たされているかというと、必ずしも地方で満たされてないような現状があるわけですね。
これを権限移譲していくと、本当の意味でのナショナルミニマムというのはどういうふうに確保されていくのかという、そういう疑問もあるわけでありますが、その辺りも含めまして、道州はどういう権限を担っていくのか、そしてその権限をどういう責任で果たしていくのか、その辺りについて両先生の御意見をいただきたいと思います。
○委員長(藤原正司君) じゃ、まず松本参考人、お願いします。
○参考人(松本英昭君) 二十八次の地方制度調査会の答申におきまして、「国と道州の事務配分に関するメルクマール」というのを書いております。この中で、今おっしゃいましたようなナショナルミニマムに相当するようなものはこれからも国の役割としてこれは国が行っていく。ただ、ナショナルミニマムが何なのかというそこの判断は、これは確かにこれから大いに論議していかなきゃならないことです。
おおむねそういうことを前提に、道州制の下で道州制が担う事務のイメージというのを出しておりまして、これに、答申ではゴシックで書いております、付けておりますが、例えば国道の管理でも、本当に骨格的な道路はこれは国が行っていくとして、本当に骨格というのは国土の骨格的という意味ですけど、これは国が行うとして、現在の多くの国道と言われているようなものは、これは道州が管理する。河川も、大体道州ぐらいの単位になりますとその圏域の中で収まりますから、一部は例外ありますけれども、これも大体道州以下で管理していく。
それから、大きいのは環境問題の中の有害化学物質とか大気汚染とか水質汚濁、こういうものも道州になると。あるいは、産業経済振興、これはもう観光などを含めまして大幅に道州にいくだろうと。それから、いわゆる労働関係の法制の問題、これも道州にいく。こういう感じで、以下省略しますけれども、考えております。
先ほどおっしゃいました、その次の、これちょっと切り分けが違うんですけれども、立法権限の問題ですね、これは私はこれから論議のあるところだと思います。
それで、これよく、この間もある研究会でそういうことを言った人いるんですけれども、いわゆる道州制になれば立法分割をするのかといいますけれども、私はこれは、まず立法分割の概念のとらえ方が非常に関係してきますけれども、いわゆる立法分割というのは、国がかかわってはならないような立法権限を道州に認めていくと、そういう意味だったら、これはもう連邦制ですから、単一国家の下ではそれは認められない。しかし、国がその立法の在り方を大幅に道州に任せるものとする、すなわち国が決めても大枠のものにする、そういうものだけにしていく、こういうことはあり得る。このことは私は立法分割で両方を表すには不適切だと言っているんですけれども、前者は立法分割かもしれません。これはしかし、連邦制との関係で言われるもので、後者は、私は立法分割じゃなくして、これは分権的な立法権を地方分権によって地方に大いに任せていくという、こういう制度だと言っているんです。
それで、後者でなければならない、連邦制じゃない以上は後者であるべきであると、こういう考え方を持っています。
○参考人(田村秀君) 基本的には、インフラですとか経済政策ですとか環境ですとか、やっぱりそういうものが道州の中心になろうかと思います。逆に言えば、やはり国というものは、外交、防衛を中心として国家の枠組みをしっかりと示すといいますか、そちらの議論をしていくのが国で、それをベースにしつつ地域の独自性を踏まえて地域の魅力ある施策をやっていく主体が道州であるべきだと思っています。ナショナルミニマムはどこまでかというのは、またこれもなかなか難しい議論で私もあれですが、まあそれも基本的にはある程度枠組みを国は示すということがよろしいのではないかと。
また、法律のことですけれども、今、松本参考人がおっしゃられたようなことでございます。ある意味では、現在、国の法令というのは、がんじがらめとは言いませんけれども、いわゆる規律密度が高いといいますか、いろんなところのしがらみがあります。そういうものが一定程度上乗せができるとか対象を加えることができるとか等々、様々な弾力的な、正に地域の独自性に応じてできるような仕組みが必要かと思っています。
ただ、連邦制という話でありますが、今すぐということではありませんけれども、私は、数十年先を見据えるとそれも一つの考え、もちろんそれが日本として、単一主権国家の日本でそれがなじむかという議論はありますけれども、準連邦制的な考え方も五十年、百年先にはあるかもしれませんし、そのころはEUのように東アジアも変わっているかもしれませんので、そのときはまた大きな議論が必要かと思っています。
○松井孝治君
ありがとうございます。
次に、これは四先生にそれぞれ簡潔にお答えいただきたいんですけれども。
財政調整機能は、それは財政調整しないという考え方もありますけれども、現実的に言うと、何らかの財政調整が必要になってくるというのは、これは間違いのないことだと思うんです。問題は、その財政調整をどこが責任を持ってやるのか。例えば、ドイツの連邦参議院のようなやり方もあると思うんですけれども、その例えば財政調整を水平的にどういう組織が責任を持ってやるべきだというふうにお考えなのか。
ひょっとしたらこれは、横山参考人は先ほどの御意見の中で、ある程度そこは国が引き続き従来のように一括交付金の交付というような形でやるということであれば、もうそれで結構ですが。
それと同時に、今のような若干、部分的に立法機能、実質的な立法機能を付与するということになりますと、財政的な調整だけじゃなくて法制度上的な調整というものがどうしてもそれは州間、道州間で出てくると思います。ここについても、どういう調整の在り方がふさわしいのか、四先生に簡潔に御意見をいただきたいと思います。
○委員長(藤原正司君) それでは、今度は横山参考人からお願いします。簡潔にお話しください。
○参考人(横山純一君) 私は、基本的に垂直的財政調整という形で国のやり方がいいというふうに思っております。
それで、これはドイツでよく州間財政調整ということがよく話題になるんですけれども、やはり州と市町村の関係でいえば、これは全く垂直的財政調整なんですよね、ドイツの場合も。州の中でのやり取りは、これはまあ州間財政調整というのはありますけれども、基本的には垂直的財政調整なんですよ。やはり、そういう面でいうと、ドイツの場合の連邦制国家の場合の州というのは、ある面でいえば国なんですよね。そういうふうに考えてもいいんですよ。そうすると、その国である州と市町村の関係は、全くこれは垂直的財政調整です。
そういうふうに考えても、やはり道州制になってもこれは国の役割は大きいというふうに私は思っております。
○参考人(市川喜崇君) 私も、今の点については垂直的財政調整でいくべきだと考えております。
○参考人(田村秀君) 基本的にはやはり垂直的かと思いますが、そういうものをどういう場でとなるときには、やはり国と地方の、第三者的なと言ったら変ですけれども、そういう外の組織をつくるというのも一つ考えられるかと思います。
○参考人(松本英昭君) 垂直的財政調整とか水平的財政調整かという定義の問題はあるんですけれども、まあ私はその真ん中みたいなやり方があるんじゃないかという気がしているんです。もうこれは、ちょっともう時間がありませんから詳しく申し上げません。
それから、同じような政策調整、これもそれは必要です。ですから、政策調整のそういう仕組みも考えなければいけないと思っています。
○松井孝治君
松本参考人、よろしければその中間的な考え方というのは、少しだけ御説明いただけませんでしょうか。
○参考人(松本英昭君) いわゆる道州ですね、道州が相当な影響力を持つ国と一緒につくるような組織、そういう組織の中でその配分決めていく、調整を進めていく、そういう仕組みが考えられるんですね。だから、私はそういう仕組みになっていくのがいいのではないかなという感じがしております。
○松井孝治君
松本先生、それは第三者機関的な、田村先生がおっしゃったような、そういうものに国の代表も入るし、道州の代表も入ると、そういう意味ですか。
○参考人(松本英昭君) その第三者制の濃度、その程度、それはいろいろ考えられますが、まあそういうふうに理解していただいていいんじゃないかと思います。
○松井孝治君
ありがとうございました。
もう恐らく、ひょっとしたらこれが最後の質問になるかもしれませんけれども、二層制、三層制という話が出ています。
多くの先生方は、三層制とおっしゃったときに、現行の都道府県をイメージして三層制というふうにおっしゃった方が何人かいらっしゃったような気がしますけれども、別の観点で、非常に今市町村合併が進んでいて、旧市町村といいましょうか、場合によってはもっと小さな単位ですね、公立の小学校区とか中学校区的な単位というのが、割と住民が本当に身近にいろんな教育であったり福祉であったりに参画する単位として私は実は注目をしておりまして、そういう本当の地域のコミュニティーに根差したような単位、これは行政単位ととらえるべきかどうか、あるいは自治単位としては当然とらえられないのかもしれませんが、そういうやや、道州制の議論をしますと、ちょっと大きな国と道州の関係ばかりが問われるわけですが、この自治組織の再編というときに、本当の身近な、人口例えば一万人とか二万人ぐらいの単位、これも人口密度によっても違いますけれども、例えば全国の小学校区の平均で言うと人口一万人ぐらいですよね、そういう身近なコミュニティーをどう位置付けていくか。住民のその行政、公共的なことへの参画の主体の場としては非常に貴重な場だと思うんですけれども、それについて四先生、一言ずつコメントいただければ有り難いと思います。
○参考人(松本英昭君) 今の御指摘は私どもは二十七次の地方制度調査会で取り上げまして、そのときの答申を踏まえまして、現在地域自治区という制度を法制化しております。これはやはり今先生おっしゃったような観点でして、その範囲をどの範囲でなければいけないかというようなことは一切なく、自分たちが住民で、市町村の中でそういう地域自治区を構成していけるような、そういうものを考えております。
この制度、何もこの制度が今一番いいという意味じゃありませんが、これから運用の実態を見ながら発展的に改善していくことによって、先生御指摘のようなことも期待できるんではないかというように考えております。
○参考人(田村秀君) 私は新潟で幾つかのそういう地域協議会的なところのアドバイス的なこともしたことありまして、かなり各地域、試行錯誤でやっております。うまくいっている、いってないというのはなかなか評価分かれますが、やはりそういう前向きな動きがありますから、それをうまくサポートできるような、そういう仕組みがもっと必要かと思っております。
○参考人(市川喜崇君) コミュニティー単位の自治の話ですが、私はこれは積極的に進めていくべきだと思います。ただ、その場合に、先ほど試行錯誤というお話がありましたように、これ自治体によって、また自治体の中でも地域によってそういう条件を備えているところとそうでないところと、これかなり違いがありますので、一律に法制化してやるというよりも自治体独自の措置として進めていくということが重要かと思います。
○参考人(横山純一君) 私も、やはりコミュニティー単位の自治体を、これ自体は進めていくべきじゃないかというふうに思っております。
ただ問題は、道州制ということになったときに、北海道を除いた地域や都道府県の合併などが伴う広域連合という手もあるんでしょうけれども、なってまいります。そうしたときに、国、道州、市町村とあって、実際に都道府県合併など伴うと、結局今度はその真ん中に、都道府県というものが実質的には、形としては残んないかもしれないけれども、実際にはそういう形で、いろんな形で機能せざるを得ないから、三重行政になるんじゃないのかなと、そういうちょっと心配をしていますけどね。
○松井孝治君
ありがとうございました。
以下、省略。
○委員長(藤原正司君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、貴重な御意見をお述べいただきまして誠にありがとうございました。当委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。
本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会します。
午後三時一分散会
※全議事録はコチラからご覧ください。
|