官主導から政治主導の政権運営へ。今回の政治決戦の最大の眼目は「政」と「官」の関係をどう変えていくか、という官僚制度創設以来の大テーマかもしれない。
民主党が論争を仕掛けた。マニフェストに「脱官僚」を掲げ、小泉構造改革が官僚との妥協に終始している、と主張、自民は「官僚を使いこなすことこそ政治の力。敵視するだけでは改革は進まない」と応戦する。
この問題について、自民、民主両党から官僚出身で若手の論客2人が激論、2人の有力な官僚OBにそれぞれの応援席からコメントしてもらった。
■民 主■
- 党幹事長・政調会長が入閣
- 基本政策の企画立案は首相官邸と各大臣官房で閣僚と政策スタッフが行う。霞が関は行政実務と執行に特化
- 官邸と大臣官房の政策スタッフに若手官僚、民間人を起用。事務次官会議は廃止
- 内閣財政局設置し、省益を超えた予算編成を推進
「国益官僚」を育てたい
〜「橋本行革」失敗 自民は学べ 〜
■民主党政権準備委事務局長 松井孝治■
――橋本龍太郎首相の時、当時、通産官僚だった松井さんは首相の下で行革を担当しましたね。
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橋本さんは官邸主導にしようとした。それは正しかった。中間報告までは良かったが、
最終報告をまとめる段階でひっくり返された。全部骨抜きにされるのを僕は目の前で見てきた。
骨抜きになったのは、縦割りの役人組織と、政府・与党が別々になっているためだ。
――縦割りの弊害は昔から指摘されています。
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我々の言う「脱官僚」は、官僚が嫌いだということではない。
狙いは縦割り行政からの脱却だ。官僚たちは自分が国益を代表していると思っているが、
そこがズレている。いまだに道路、ダム、石油開発、農村集落整備事業などが国益だと思っている。
ある時代までは、お前は道路建設で突っ走れ、ダムで走れ、でうまくいってきた。
しかし、もう「省益、局益」官僚は要らないということだ。少ない資源をどこにシフトするのかを
考える国益官僚を育てなければならない。そのためには内閣主導と政治任用が必要だ。
――自民党政権は、内閣と与党も一体化していません。
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橋本行革では、官僚組織が族議員をフルに使い橋本龍太郎案を覆した。
閣僚と(自民党政調)部会の有力議員は、霞が関の応援団になってしまっている。
本来、内閣と与党は一元化していなければならないし、首相と閣僚の関係も一緒に働く
チームのはずだ。官僚も内閣に従わない。この三つの二重構造を解消しないといけない。
――官僚を内閣に従わせるのが政治任用の狙いで、そのために事務次官に辞表を書かせると。
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辞表は出せません。岡田克也幹事長のそういう発言もあったが、マニフェストからは外した。
官僚を敵視して官僚バッシングをするのは、菅直人代表も趣味ではないと。
意外かもしれませんが・・・・。官僚組織の中から人材を抜てきしたい。年功序列も崩す。
――どういう分野で政治任用を進めますか。
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財務省の主計局長、主税局長とか、予算編成をどうするかとか、正に政治そのものの
分野にかかわるところでしょう。今の首相秘書官は各省の幹部を集めては、
「首相がこんなことを言っているぞ。もうちょっとこうやって振り付けろ」と
二重スパイになっている。本当に首相や閣僚に忠誠心を持つ人を置く。
――自民党内からは、政治任用では官僚に優秀な人材が集まらなくなるとの批判も出ている。
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優秀な人材は官僚に来なくて良い。なんで官僚である必要があるのか。
政策形成能力に秀でた人を官邸、内閣に集め、死ぬほど働くという国にすれば良い。
優秀な官僚が今の枠の中では全く働けていないことが問題なんだ。
すでに20歳代の優秀な人材は官僚になってませんよ。自分たちの政策がダイレクトに
首相に反映される職場を官邸に作ったら、政治任用でもそこにみんな集まってくる。
生れ抜き官僚を作ろうという発想自体が、グローバルスタンダードから遅れている。
――小泉純一郎首相が本部長を務める自民党の国家戦略本部も政治任用は言っています。
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国家戦略本部なんて自民党内で相手にされていないでしょう。
本当に自民党にできると思いますか?
――事務次官会議の廃止も言っていますが。
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前官房副長官の古川(貞二郎)さんが言う通り、全く形式的なもの。
カレーライス食べながら一応決裁して、あとは雑談しているだけ。
だが、「チョット待った」という伝家の宝刀がある。
一人でも次官が異議を唱えると閣議に案件が上がらない。そのシンボルだ。
だからなくせば良い。
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