京都新聞 2002.03.04

「政論」 2002 通常国会

与党の事前審査


与党の政策決定システム「事前審査」をめぐる議論が高まっている。自民党政調会の部会、総務会の承認なしに、内閣は法案が提出できない仕組みで、「族議員をうむ温床」とも指摘される。小泉純一郎首相は、「政策決定の内閣一元化」をめざすが、党内には異論も根強い。

松井こうじ の意見

政官の癒着を生む

与党の事前審査は、権力の二重構造を生んでいる。党政調会が先に結論を出すから、首相や大臣よりも製作への影響を持ってしまっている。

議会制民主主義では、予算や法案の意義を政策立案者が国会で説明するのが不可欠である。ところが、日本では説明責任のない自民党政調会長や部会長が政策を事実上決定し、しかも、途中の議論は非公開。その構造が政官の癒着などの腐敗を生んだ。鈴木宗雄氏の問題はその典型だ。

官僚も事前審査を利用してきた側面があった。与党合意さえ得たら国会審議で法案修正の心配もない。自民党部会には官僚経験者や族議員が並ぶから、すぐに交代する大臣より、党部会の方を向いて仕事をする弊害も目立つ。

内閣への一元化を

これらを改めるには、政策決定を内閣に一元化するしかない。党の政策責任者を入閣させ、国会で説明させれば、責任の所在は明白になる。議会制民主主義を生んだ英国では当然のことだ。

事前審査の廃止は、何より国会審議の形がい化を防ぐことになる。今の国会は政策より政局絡み、採決時期をめぐる日程闘争が大半だ。「首相の独裁になる」とはナンセンスで、非公開の場で十分な意見を聞けというのなら、国会で開かれた議論をすればいい。

 


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