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「穏かなデフレ傾向は当分続く。IT(情報技術)化が進み、グローバリゼーションが拡大し、特に世界貿易機関(WTO)加盟で勢いづく中国が世界経済の枠組みに本格的に参入してきたからだ」
景気の見通しを聞くと、極めて厳しい現状認識が返ってきた。国会議員になって日は浅いが、通産官僚時代、橋本内閣の行政改革会議事務局を取り仕切った「逸材」(同僚議員)だけに説得力がある。
小泉内閣が打ち出す不良債権処理の加速自体には賛成だ。だが、「デフレ下で不良債権の処理を進めれば、失業率が急騰し、銀行の貸しはがしで優良な中小企業の連鎖倒産が起きる。この対策が急務だ」と訴える。
失業者対策では、「公的ワークシェアリング」を提案。少人数の高齢者がケアを受けながら共同生活を送る「グループホーム」など、これまで不十分だった公的サービスを民間に担ってもらうことで、生活にうるいを持たせるとともに、新たな雇用を創出しようというものだ。
財源は、公務員給与のカットや公共事業費の削減でひねり出せる。三十兆円を超える公務員の総人件費を一割削減すれば、三兆円余りの財源が生まれる。公共事業費は、無駄を省けば十兆円規模が浮く。「これだけの財源があれば、相当思い切ったことができる」。失
業者に年間百万円単位の職業能力開発費を投入するアイデアもある。
中小企業の連鎖倒産防止策としては、企業の借入金を株式に切り替える「債務の株式化」を提案する。この方式は、問題の先送りにしかならないとの批判も根強いほか、既存の株主にとっては株の価値が下がるという短所も指摘される。だが、「構造的な問題を抱えた中
小企業を保護する発想ではない。将来性のある中小企業を残すことが目的だ」と強調する。
民主党内の政策論議に物足りなさを感じる時も少なくない。「公共事業は自民党の聖域だが、(自治労などの支援を受ける)民主党にとっては公務員給与が聖域だ。国難の時期に、聖域を取り扱い、みんながどれだけ血を流せるか。つらい話だが、若手議員が声を上げな
ければならない」と覚悟を決める。(文・佐藤圭) |