|
京都新聞 2002年11月2日 |
|
政 論 |
|
京滋国会議員緊急インタビュー 松井孝治氏(民主・参院京都) |
デフレと共生の思考を ――日本経済低迷の原因をどう考えるか。 「政治のリーダーシップの欠如であり、歴代の政権与党の責任は重大だ。官僚機構や、銀行を中心とする貸し手サイドの責任も重い。ただ、今は失策を責めるのではなく、いかにこの危機的状況を迅速に適正処理するかが問われている」 ――その中で、政府の「総合対応策」が出されたが、どう見るか。 「不良債権処理という方向性は間違っていないが、具体策が中間段階で骨抜きにされ、竜頭蛇尾となってしまった。税効果会計導入や不良債権処理に伴う無税償却などの問題は先送りされた。セーフティネット(安全網)への踏み込みも足りない。従来型であり、この十年間の繰り返しだ」 ――竹中平蔵金融相の原案与党により調整が図られた。 「首相主導のトップダウン方式である経済財政諮問会議を設置した意味がない。政府、与党の二元的な意思決定の過程で、原案が後退しスピード感のないものになった。すべてを竹中氏に投げてしまった小泉首相のリーダーシップ不足は否めない」 ――民主党の若手議員が(2002年10月)31日に「経済危機突破研究会」を設立した。経済再生の処方箋は。 「不良債権処理は緊急を要するが、処理すべきはバブル型不良債権であり、経営者の個人保証がついているようなまじめな中小企業は保護する必要がある。この区別を明確にすることで連鎖倒産を防ぐことができる」 「自己資本比率を上げようとする銀行の貸し渋りや貸しはがしが進んでいる。銀行本来の機能を回復するため、問題銀行には必要ならば公的資金を注入して即時に一時国有化し、経営陣の世紀にNを問うべきだ」 ――セーフティーネットや需要喚起はどうする。 「個人の能力開発、スキルアップを重点的に行う。職業訓練給付金として一人当たり年間200万円かけても、300万人で六兆円だ。公共事業カットで財源は捻出できる。財政出動で景気回復を図る二十世紀型のやり方は捨て、コンクリートへの投資から人への投資へと予算の使い方を変えるべきだ」 「社会的需要は結構ある。たとえば介護現場や環境保全などの面では人手が不足している。それまで公共が独占してきたサービスを民間に開放することで雇用は創出できる。歴史的にみても世界経済は緩やかなデフレ傾向にある。デフレと共生する新しい思考が求められている」(党総務局長代理)
|