●京都から、この国のかたちを変える。●
  第19幕  2001.12.12(水) 
   ★ 臨時国会報告 パート1 ★
 皆さんこんにちは。松井孝治です。

 12月7日を持ちまして、9月末からの70日間に及ぶ臨時国会は閉幕しました。

 国会中は、国会での委員会や本会議出席、

それ以外にも多くの民主党が主催する、政策関連会合、
  • 地方分権WT次長として、道州制の研究、
  • 税制調査会次長として、来年度税制改正要求検討、
  • 総務部門会議での、地方自治法修正協議、
  • 行革・規制改革PTでの、特殊法人改革や、規制改革についての改革案作りなどや、
          注・WT=ワーキングチーム=作業部会
              PT=プロジェクトチーム=特別部会

民主党のいわゆる党務

  • 新人発掘や
  • 文化団体局関連の研究会など、

に追われており、国政報告がままなりませんでした。

その分を、取り戻すつもりで、これから数回に分けて、
今国会の報告をさせて頂きます。

 その一回一回が、長いメールマガジンになることをどうかお許しください。

 ■私は、国会では、
  総務委員会、
  行政監視委員会、
  憲法調査会に所属し、活動を行いました。

  今回は、総務委員会での質問を中心にお伝えします。


 ■まずは「行政評価」の問題です。
  行政評価とは、例えば、諫早湾干拓事業のように何十年も前に決定した政策や事業で現在もまだ残り、時代遅れになってしまったものを客観的に見直そうという動きのことです。

 ◆つじつま合わせの政策◆
  そもそも行政というのは、
  過去の失敗した政策を認めず、
  20年前、30年前に閣議決定した政策や、法律の見直しをせず、そのままを受け継ぎ、

  その上に、またそれとは矛盾する政策を、
  上乗せしていく事例が
  (何とかつじつまを合わせるような形で)、
  多数存在します。

  そうした残骸が、
  例えば14000kmの高規格自動車道路整備計画
  (これは道路公団の高速道路見直しも含みますが、
  それ以外の、例えば東京湾アクアラインとか、
  本四架橋など)や
  諫早湾の干拓事業などです。

 ◆次から次へ天下りと高コスト構造◆
  そして、過去の政策ごとに政府は、
  特殊法人や特別認可法人、
  さらには公益法人を作り続けてきました。

  そして、そこには大量の官僚OBが天下り、
  そうした団体がさらにファミリー企業を無数に産んで、

天下りが天下りを産み続ける、恐ろしい構造を作り続けています。

  その多くが税金で養われていたり、また各種の団体が、いろいろな事実上の規制などを行うことによって、
  日本経済の高コスト構造の一因を作り続けています。

   たとえば道路公団の子会社に、施設協会というのがあり、そこがパーキングエリアの管理を一括して運営しています。その会社がまた、パーキングエリアの食堂にカレーを納入する会社、トイレットペーパーを納入する会社など、諸々 のファミリー企業を作って利益をピンはねしています。

   だからパーキングエリアの食堂の値段とかがべらぼうに高いのです。

   同じことがいろんな分野の特殊法人、公益法人(公益法人にはまじめなところも多いですが)で行われている結果、日本の物価水準が、世界で最も高くなる大きな要因を作っています。

   もちろん、特殊法人以外にも、
   電力会社を頂点とする民間業の過剰品質追求や、
   関連子会社作りなどもすさまじいものがあり、

   元をただせば、
   官民ともに終身雇用の中で、
   無理やり雇用の場を作らざるを得ない、
   そのためには生産性の低くなった人が、高い給料を   維持しながら働ける、トンネル的子会社を作って、
   処遇しなければならないという悩みの中で、
   発生した構造です。

    ところが、民間企業は、連結決算の導入や、リストラ   の中 でこういう動きを、今、大幅に改善しようとして   おり、

    一向に反省の色がないのが、特殊法人です。

 ◆行政改革◆
  こうした構造をただすには、

  個別の特殊法人見直しもさることながら、

  行政のあり方をかえる。

  従来では、
  新しい法律を作成し、予算をぶん取って来ることに価  値を置き、役人の出世もその尺度で決めるというやり  方(私も昔はそれが得意でしたが、官邸勤務を境にそ  れではだめだと痛感しました)から、

  従来行政の見直しをし、
  不要な補助金や団体をつぶしていくこと、が
  税金の無駄遣いをやめることになり、

  そして、それを現在必要性があるもの、具体的には、

  環境の保全、
  少子高齢社会における福祉政策の充実に、

  重点を置くものにしなければならないのです。


 ◆総務委員会での質問◆
  そのような意味を込めて、政策評価の重要性を、道路  公団問題を中心にして、片山大臣に、質問しました。

  バブル崩壊前の計画に基づいて、見直しをすることも  なく際限なく道路を造り続けることが本当に必要なの  か?

  過去に国民に約束した事業であっても、
  その事業によって、多くの天下り役人や、関連事業者  の方々のなりわい(それで生活している・飯が食える状  態)であっても、

  現在の財政危機、
  将来の道路交通需要の見通しを見極めて、
  思い切って事業の見直しをするべきではないのか?

  と片山大臣や、国土交通省の道路局長に迫りました。

  道路局長の答弁が、意味不明なのは予想通りでした  が、片山大臣もが、道路問題は政治的に重要な問題  なので、と歯切れの悪い答弁に終わったのは、残念で  した。


 ■公務員制度

 ◆巨大官庁と弱小官庁◆
  公務員制度、すなわち、中央官庁の人事の仕組みに  ついても、質問いたしました。

  従来、国家公務員は、各省庁ごとに採用になり、
  その「本籍」を越えて異動することはまず皆無です
  (一定期間の出向は別です)。

  結果として数万人単位で職員がいる、
  国土交通省、農林水産省のような、巨大官庁がありま  す。

  その反面、
  環境省などは、職員が千人たらずで、
  およそ、時代の要請とはかけ離れたものになっていま  す。

 ◆行政管理局◆
  総務省行政管理局は、各省庁には、何人の職員が必  要である、と毎年査定して、
  これこれこういう仕事に、どれくらいの手間がかかるか  ら、何人の職員が必要だ、という計算は、それこそ緻  密に行っています。

 ◆超えられない◆
  でも、本来その緻密な計算の前提として、

  その計算の根拠になっている仕事が、
  本当に必要なのかどうかの判断が、必要なことは当然  ですよね。

  そうした、政策の評価(本当に必要なのか!)がほとん  ど行われていないのです。

  もうこれ以上、道路の整備に国がかかわらなくてよい、
  地方に任せて、
  その部分を森林整備に回そうとか、
  環境パトロールに回そうとか、
  そうした役所を超えた発想
  (上記の場合は、国土交通省から環境省へ)は
  全くといっていいほど出てきません。

  これと似たようなことが、予算の査定にもあるのです。

  役人の定員配置を査定する総務省の査定官も、各省  ごとに担当 が分かれていて、その役所の面子をつぶ  すまでの人員再配置はできない仕組みになっているの  です。

   すなわち、A省の人数が2割も3割も減って、B省の   人員が倍増なんて言うことになると、A省の面子はつ   ぶれることになりますし、総務省のA省担当査定官   も、評価上、バツがついてしまうのが、現状の仕組み   になっているのです。

 ◆無駄な仕事を創ってする省もあれば、
              猫の手も借りたい省もある◆

  その結果、いらない(無駄な)仕事に大量に人員が配  置される。

  国家公務員は比較的まじめですから、彼らは余計な  (役所がしなくても良い、無駄な)仕事を作り、地域や  民間の事業に介入しているようなケースも存在するわ  けです。

  一方、「環境保全」のような、どう考えてももっと人員が  投入されるべき仕事が、極めて手薄になっているわけ  です。

  民間企業ではおよそ考えられないことでしょうが、
  これが現実です。

 ◆総務省の仕事◆
  私は、総務省は、各省の業績を査定し、細かな各省内  の人員の貼り付けは、むしろ、もっと各省に任せ、
  大きな配分の変更(人員配置)に
 「大鉈(おおなた)を振るう(大改革する)」べきだと思いま  す。

  環境省などは、5年計画ぐらいで、人員を10倍にして  もよいのではないでしょうか。

  そんなことを、片山大臣や、昔の上司でもある総務省  の行政管理局長に要望いたしました。

 ◆よくぞ言ってくれた!◆
  局長も、内心ではそう思っている、ということでしたし、
  内閣官房にある、行革推進本部の公務員制度改革チ  ームの方々(彼らは、霞ヶ関の各省庁としょっちゅう喧  嘩をしています)からも、よくぞ言ってくれたと喜ばれま  した。


 ■電子政府

 ◆500万円の補助金の申請の為に300万円の経費◆
  各省庁の縦割り行政は、電子政府(今後、いろんな行  政の手続きを電子化する)を作ろう、といった場面でも  根強く生き残っています。
 
  お役所関係の事業を行われた方は、お分かりでしょ  う。
 
  事業を始めるにあたり、
  いろいろな書類を
  いろいろな役所に提出しないと、
  事業の許可をもらったり、
  補助金をもらったりできません。

   笑い話のような話ですが、ある企業が500万円の補   助金をもらおうと、必要な書類を作り、各省庁や出先   機関に何度も足を運び、幾度となく書類を作り直した   ら、その経費が300万円ほどかかり、結局補助金をも   らっても、事業は大幅赤字になってしまった、なんて   いう話は山ほどあります。

 ◆社会的コスト◆
  電子政府というのは、そういう無用な社会的コストを減  らすことを目的としたものです。

  ところが、なんと各省は、そのような行政の電子化に  関する法律を、各省ごとに作ろうとしていたのです。

  まさに省あって国なし。

  これでは事態は改善しないばかりか、かえって各省ご  とに作られる、電子化の様式や、手順の違いなどで  混乱を招くこと必定です。

 ◆共通ルール◆
  私は、こんなところにまで、各省庁の縦割り主義を持ち  込むのは反対であり、共通ルールを、総務省が、音頭  をとって作るべきと主張し、
  片山大臣からは、非常に前向きな答弁をいただきまし  た。

  このときのやり取りが決め手となって、共通ルールを  作るべきという議論に至ったそうです。
  (各省ごとに法律を作らせようというグループは敗退)

  これも、
  真剣に日本に電子政府を作りたいといっていた「革新  官僚」や今後の行政の情報化を進めようという有志の  方々からは、大変感謝されました。

 ◆破壊と再構築◆
  以上申し上げてきたように、

  霞ヶ関に根強く残る各省中心主義、
  そして、自分たちのやってきた行政は間違いないとの  思い込み、

  これをいったん打ち砕かないと、新しい行政はありえま  せん。

  これからも破壊だけではなく、建設的な行政の再構築  めざして、皆さんのご意見を伺いながら、活動を行って  まいります。


 ■ミニ集会

  どうしても書き始めると長くなりますし、それでも思いは  尽くせません。

  このメールをお読みの方々で、
  「5人でも10人でも人を集めてやるよ」とおっしゃる方  は、
  是非ともご連絡ください。

  ミニ集会を数多くやりたいし、できると思うのですが、
  いかんせん、私、松井にはそのような組織がありませ  ん。皆さんのご要望にこたえて、可能な限り、草の根国  政報告会を開催したいと願っています。是非とも、
   info@matsui21.com
  までご連絡ください。

  なお、総務委員会における私の質問全文は、
  私のホームページの議事録から、お読みになれます。
   http://www.matsui21.com/gijiroku/1/011018.htm

================================================
 ●京都から、この国のかたちを変える。●
       第19幕  2001.12.12(水)発行  (配信数:804部)


前へ メルマガ目次へ 次へ