●京都から、この国のかたちを変える。●
        第22幕  2001.12.20(木)
国政報告第二弾
石原伸晃大臣 VS 松井孝治パート1
みなさんこんにちは。

本格的な冬の到来で結構冷え込む毎日ですがお元気ですか。

松井孝治です。

本日は国政報告第二弾です。

11月19日の行政監視員会では、主として道路公団問題、

そして国有地の政党への不適切な貸与の問題を、取り上げました。

道路公団問題については、皆さんもご承知のように、結論から言えば極めて不透明な形で、決着がつきました。

道路公団の廃止・民営化がうたわれているものの、その内容については、法律で設置される第三者機関での検討に、余りにも多くの事柄が委ねられ問題が先送りになってしまった、としか言いようがありません。

11月の中旬は、丁度、特殊法人改革が、水面下で骨抜きにされようとする動きが、強まった時期であり、自民党内部で、反小泉議員連盟が発足し、いわゆる道路族が、非常に活発に動いていた時期でした。

私は、当時、橋本派幹部に詫び状を送った、と叩かれていた石原大臣に、小泉改革を支える補佐役としての、意気込みのほどを伺う予定にしておりました。

ところが、まるでタイミングを計ったように、質問前日(月曜の質問であり私は、前週の金曜日には質問通告済みでした)の日曜日に、小泉総理がタウンミーティングで、

高速道路計画についての見直し、

道路四公団の民営化、

そして、道路公団ほかの特殊法人への国費の出捐の見直し

などの、思い切った発言をされました。

そうした中での、私と石原大臣のやりとりを、私の責任で要約して以下に記載させていただきます。要約といっても長文になりますので本日はそのパート1です。

■「石原伸晃大臣VS松井孝治パート1」

自民党の政策新人類といわれ、将来の総理候補という呼び声も高い石原伸晃大臣との、かなりつっこんだやりとりですので、お時間があるときで結構ですので、できればじっくりとお読み下さい。

◆松井:

石原行革担当大臣が党内の抵抗にあって、ちょっとぐらついているのではないかとの見方があるけれど、大臣は、昨日のタウンミーティングにおける小泉さんの発言、これを、行革担当大臣として強く支持するんだとの立場でよいのか?

●石原大臣:

総理が私に御指示されたことを、私は、的確に受けとめ、当初からの考え、全然ぐらつきもしていない。

ただ、関係者が役所も含め多数あるので、国土交通省を初めとする関係各位と議論を深めて、総理の指示どおり、月内に方向性を明示できるように、今、鋭意検討を進めている。

さらに、年内の整理合理化計画には、すべての法人の方向性を明示すべく、最大限の努力を行っている。

◆松井:

行革担当大臣に対しては、いろんなところの抵抗勢力が反発をする。私も、過去に橋本行革に携わったが、橋本元総理が描かれた行革像に対する反発、九七年の秋、非常に激しい自民党内の反発があって後退を余儀なくされた思い出が、よみがえる。

ぜひ、石原担当大臣には、立場を明確にして、総理の基本的な方針を堅持するんだ、とのお立場で、御努力をいただきたい。

 道路公団の改革の前提として、プール制の問題が、非常に大きな問題。道路は、整備に非常に長期間を要するし、その後供用されるのも長期間に及ぶので、プロジェクトファイナンスという考え方自体は否定しないけれども、それとプール制が併用して導入されることは大問題。

※(松井注)プール制というのは、例えば、東名や名神で収益が出ても、料金を安くする形でそれを利用者に返さず、その利益をプールして、地方の高速道路建設に充てる考え方のことです。

このプール制の導入により、もう今頃は、本来ならば、無料化されるとのふれ込みで、30数年前に作られた高速道路の料金は上がり続けています。

収益が上がっても、上がった収益はそっくりそのまま、地方の採算性の悪い道路に、どんどんつぎ込まれる、しかも地方の高速道路計画は作っても作っても、まだまだ新しく出てくる、

したがって、名神も首都高も阪神も、収益がでているのに、いつまでたっても料金が下がらない、おそらく「永遠に無料にはならない」と言われているのが、現状です。(注終わり)※

(松井質問続き)

 ある時点での収支の見積もりがあり、償還計画が立てられるが、また別の時点になると、またその道路が延長されて別の道路につながることによって、また収益性の見通しが変わってくる。

そうする中で、

・どの道路がどれだけの収益性があるのか、

・その時間時間ごとの収益性の見通し、

・それから個別の道路道路の収益性の見通し、

・そしてコストの見通し、

そこが極めてあいまいになり、「どんぶり勘定」になっている。

それが、道路公団問題の大きな諸悪の根源。

 この際道路公団の改革に当たってプール制を廃止するおつもりがあるかどうか、見解を承りたい。

●石原大臣:

日本道路公団の改革の検討の過程の中で、現行のプール制の問題点、このプール制があることによって、全国の道路の整備が、高速道路の整備が行われた成果もあるけれども、

その反面、松井委員が指摘された、いわゆる「どんぶり勘定」の言葉に象徴される問題が、出ていることも十分認識し、現行プール制による整備のあり方を含めて十分検討してまいりたい。

◆松井:

ぜひともプール制廃止の方向で議論をしていただきたい。

というのは、

すべての道路について需要の見通しの甘さ、

それをまたあいまいに隠してしまう、

今の制度的な枠組みが、やはり根っこにある、大きな問題点だから。道路公団問題の大きな論点が、総理が打ち出された民営化の内容である。

先週の新聞報道で、一部では、これは自民党案とも言われているが、道路の保有は独立行政法人が行い、道路の建設、そして管理をいわゆる特殊会社が行う、上下分離でこの民営化を行う記事を拝見したが、これは非常に危険な発想。

実際の道路を保有する独立行政法人は、今の道路公団の事務をそのまま引き継ぐので、そこについては国の意思が強く働く。

要するに、独立行政法人が道路を保有するといいながら、実際どこにどういう道路をつくって保有するかは、政府の言いなりになる存在である。

そして、その上物を管理する、あるいは建設発注を行う特殊会社は、言ってみれば単に民間に事業を発注するだけのトンネル会社のような存在になってしまう、そんな事態になることは明白である。

今の道路公団を、そのままいわば衣がえをして、存続させる上下分離案は疑問。

この上下分離案についての見解如何。

●石原大臣:

実際には、この建設判断を独立行政法人が行って、地域に分割されたいわゆる特殊会社は、発注の仕事だけを行うことになり、これじゃよくないというご意見が、松井委員の御指摘だと思う。

私も、松井委員の御指摘は的を射ている部分が十分あると思うのは、仮に、地域の特殊会社が発注をするとすると、この地域の会社がどのように分割されるかによって、また地域がどうなるかは別としても、かなり地域に近いものになってしまうと、どうしても地域の建設主体と距離が近づいてしまう問題も考えられる。

道路公団の組織形態のあり方については、上下一体方式や上下分離方式、さまざまな意見が出ているが、どの組織形態が国民のために一番よいのかという観点から検討したい。

◆松井:

大臣の上下分離の弊害についての御発言は、私の認識と、基本的に軌を一にするもの。今の独立行政法人と、特殊会社の上下分離の問題点を、はっきり御指摘いただいたのは率直に評価したい。

次に、先ほど、需要見通しの問題を申し上げたが、

例えば、東京湾アクアラインの需要見積もりがいかに行われたか、具体例を出すまでもなく、従来の計画の前提となる需要見通しが、非常にずさんであったことは、多くの方が、今、認めているところである。

今回の高速道路整備計画、9,342kmが決定され、既に約7,000kmが供用されているので、残り2千数百kmを今後どういうふうに建設していくかを、総理は見直す、と明言されている。

この高速道路整備計画、9,342kmの前提となるのは、11,520kmという数字でして、その11,520km以外にも一般有料道路を含めて14,000kmという数字、高規格幹線道が四全総で決められている。

その四全総、第四次全国総合開発計画は、昭和62年に決まった計画であり、その昭和62年と、この今日に至るまでの経済社会環境の変化は、景気の状況を見ても、財政赤字の状況を見ても、明らかである。

私は、ぜひ9,342kmのみならず14,000kmという、四全総でまった高規格幹線道の計画全体を、この際見直すべきと考えている。

私は、道路は全然要らないなんてことを言っているつもりはない。ただ、バブル前の時期に決められた計画を、後生大事に持っていくのが国民との約束なのか。

むしろ、それを、今の経済社会状況、あるいは財政状況に照らして見直すのが、国民に対する誠意ある態度ではないのか。

例えば、半年とか一年の間で、その14,000kmを含めた、

とりあえず、当面高速自動車道路として整備する9,342kmのうち、

どの部分を工事続行し、

どの部分は白紙に戻すのか、

その判断をしていかなければいけないのではないか。

大臣の見解如何。

●石原大臣:

アクアラインを例にとられていたが、

将来予測が全然当たっていないじゃないか、

変動リスクを含め、さまざまな観点から検討しなければならない、との松井委員の御指摘、まさにそこの点については同感である。

いわゆる、道路四公団の未償還、となるおそれがある額の試算は、現在の需要見通しが、年2%という仮定のもとで、仮に、その一割、0.2%交通量が落ちると、どうなるかとの 試算によると、伸びる率の一割が落ちただけで、四公団合わせて五兆八千億円、穴があくわけである。

そのことを考え合わせると、松井委員の御指摘は的を射ているし、総理も、同じ観点から御発言をされていると考える。

後段の部分の質問、いわゆる四全総についてどう考えるかは、私は行政改革担当大臣であり、特殊法人である道路公団において、どのような高速道路を整備していくのか、の観点から、検討をしているので、9,342kmについても、総理も具体的な言及をしており、私も、整備計画を見直すべき、との発言をしている。

四全総とか、予定道路の見直しは、私がこれを行う立場にはないことは、御理解いただきたい。

◆松井:

前段の答弁は、率直に私としても評価したいが、後段の答弁は納得いかない。

石原大臣は(単に行革担当ではなく、国政全般をあずかる)国務大臣である。

また、行革の中には、従来の過去の政策、この過ちを認めて、それを素直に評価をして、新しくよりよいものにしていく、という概念が含まれている。今のような御発言ではなく、大胆にメスを入れ、切り込んでいってほしい。

むしろ、逆に言えば、国土交通大臣は、国土交通省という大きな組織を抱えている中で、そこをなかなか自分からは、見直す、とは言えない。その中で石原大臣が、それはおかしいんじゃないか、前提がおかしいんじゃないかと、むしろ舌鋒鋭く攻め込んでいただきたい。

私は、それが国民の、石原大臣に対する期待であるし、そこはぜひ裏切らないでいただきたいと考える。

それとも関係するが、高速道路整備計画の見直しを、国土交通省に任せていたんでは、しょせんお手盛りで、大した見直しはしないのではないか、これはもうマスコミ、言論界通じたコンセンサスである。

まさに、石原大臣は、今、私的な諮問機関として行革断行評議会をつくっておられるが、高速道路計画の見直しについても、有識者を入れ込んで、第三者機関がその1,4000kmあるいは9,342kmを個別に精査すべきではないか。

国土交通省の傘下で、今も「研究会」と称されているものがあるが、しょせん、国土交通省のもとに置かれた研究会では、客観的な過去の国土交通省の政策の過ちを、糾弾できるようなものにはならないと、私は考える。

その意味で、今後、高速道路の整備計画、これを見直す際に、ぜひとも、石原大臣のもとに第三者機関を置く、あるいは小泉内閣総理大臣直属で第三者機関を置いて、関係者の利害にとらわれないで思い切った改革を行っていただきたいと、私は思うが、

石原大臣の御見解如何。

●石原大臣:

前段の激励は、激励として感謝申し上げたい。

松井委員の側からばっかり、激励されると、私の立場も微妙なので、

ほどほどに激励を、お願いを申し上げたい(笑)。

※(松井注)自民党議員団はこのとき憮然とした表情でした。※

 松井委員は今、行革担当大臣のもとに、第三者機関を置けばどうか、と御指摘であったが、これは松井委員も、過去の行政改革で実際御経験されたことだが、私は、規制改革担当大臣と、行政改革担当と二つの辞令を拝命しているが、行政改革の方は無任所で、私のスタッフは内閣官房の人間であり、規制改革の方は内閣府のスタッフという、設置に非常に無理がある部分もある。

そんな中で、松井委員の御指摘を仮に実現するとすると、多分内閣府に第三者機関を設置することになるのではないか。

今の段階ではこんなふうに考えている。

◆松井:

ただいま内閣府に設置すると具体案が、石原大臣みずからの口から示されたのは、私は非常に有意義なことだと思う。

ぜひそういう方向で御議論いただきたい。

※(松井注)このやりとりでの石原大臣の発言が、翌日新聞に報道され、第三者機関の内閣のもとへの設置が、方向付けられました。内閣法制局は、相当反発したらしいですが、そこは大臣の発言、重みがあります。※

 

相当長文になりましたので、今回はここまでにさせていただきます。

石原大臣の答弁についての、皆さんのご感想はいかがでしょうか。

石原さんが、この頃、元気がない、といわれていたが、私は、苦しいお立場の中ではありましたが、それなりの答弁はされているなと思いました。

また、今は気の毒な立場かもしれないが、なんとかあきらめずに、こういう政治家を勇気づけて、将来の改革勢力として、ともに闘わなければいけないとも感じています。

続きは、また次回をお楽しみに(近日中、できれば今日明日中に配信させていただきます)。

 

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 ●京都から、この国のかたちを変える。●

22幕  2001.12.20(木)発行  (配信数:814部)


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