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皆さん、こんにちは。松井孝治です。

■まず、先週土曜日の第1回のアカデミーヒルズポリシースクール統治構造研究会
 には大勢の皆様がご参加いただき、シリーズ受講の皆さんに加え、とりあえず
 初回のみ聴講の方々も含めて、アカデミーヒルズにご用意いただいた
 セミナールームは満席になりました。

 ご参加いただいた皆様やアカデミーヒルズ
 (六本木ヒルズ内の会員制図書館を中心とした文化施設です)関係者の皆様方に
 御礼を申し上げます。

 同時に、人数が予想外に増えましたので(といっても30名あまりですが)テーブル
 をご用意できなかった皆様にお詫びを申し上げますとともに、次回はもうひとまわり
 大きなセミナールームをご用意いただけることになりましたので、新規聴講や
 追加申し込みも歓迎いたします。

 今回はまず私の問題意識を知っていただくオリエンテーションを兼ねた研究会
 でしたが、次回は政策シンクタンク「構想日本」代表で、慶應義塾大学教授でも
 ある加藤秀樹さん(大蔵省OBです)や米国議会・米国政府での予算編成の
 専門家の友人(調整中)をゲストに招き、

 日本の官僚組織の意思決定の問題(予算や税制など)と国際比較、政策
 シンクタンクの役割などについて掘り下げたいと思います。

 今回の研究会の内容はいずれアカデミーヒルズのウェブにも掲載されると思い
 ますが、私のウェブでも何らかの形で概要をアップしたいと思っています。

☆巻末の「おしらせ1」で
 「統治構造研究会のご案内」詳細をご覧下さい。

■さて本日は、前号にて申し上げました、
 「七夕演説について思う」について記述します。 

 「七夕演説」って、一体何のことかとお思いでしょう。

 各省庁の要望が七夕の願いのように短冊となって散りばめられている演説と
 でも申し上げましょう。

 書いてあること自体は、多くの場合間違いではありませんし、経験者には苦労
 の跡もわかりますので、決して演説編集者の個人を責めるわけではありません。

 しかし、いい加減こういう演説のつくり方で本当に一国の総理の年頭の施政方針が
 国民に伝わるのかどうか考え直すべき時期に あるのではないかと思います。

◆自分自身が担当していたときの経験で申し上げますと、官邸に勤務する
 演説担当者は施政方針演説の作成に先立ち、各省庁に演説に盛り込んで
 ほしい内容の登録を求めます。

 そうすると省庁によっては、薄いファイル一冊分くらいの内容を提出してくるところも
 ありますし、また数行の文章だけを一枚紙で提出してくるところもあります。

 演説担当者の腕前は、総理や総理周辺と調整しつつ、総理のコアメッセージを
 読み取り(或いは作り上げ)、そのメッセージに整合的に、上手に各省庁から
 提出された「盛り込むべき事項」を編集し、

 場合によっては各省庁が嫌がる事柄を説得し呑み込ませて、全体として
 メッセージを明確化し、説得力ある文章を練り上げることにあります。

 と言葉で言うのは簡単ですが、これがなかなか容易ではありません。

 当然のことながら、 総理の国会演説で自らの省庁が担当する政策分野が
 どのように記述されるかによって、 今後の各省庁の政策のあり方に大きく影響し
 ますから、各省庁の担当者は少しでも自分たちの政策が 思い通りの表現で採用さ
 れるように
 (同時に都合の悪い政策については極力盛り込まれないように)
 必死になって官邸の演説作成担当者に攻勢をかけてきます。

 今国会で当該省庁が実現したい政策については 少しでも多くの記述を勝ち取る、
 都合の悪いものは落とす。

 一定の重要性をもつ政策について一言も触れないと与党・野党・業界団体などから
 その政策を軽視しているといわれるので、 一行でもよいから触れてくれという
 要望(陳情)の嵐。

 各省庁に演説案の全体を相談すると 他省庁の部分へのけちツケまで含めて蜂の巣
 をつついたようになりますし、必ずどこかの役所から未調整の文案が メディアに
 明らかにされますので、

 当該省庁に関連する部分のみ (私の頃には「短冊」のように薄く切った文書で)協議するのですが、この「短冊」をめぐる協議だけでも、文章調整は極めて大変なものになります。

 官邸の担当者は基本的に一人で、 全省庁を相手に、あるときは恫喝したり、
 あるときは無視したり、あるときは証券ディーラーのように別々の省庁との電話を
 二本同時に相手したり、

 関係省庁を一箇所に呼んで調整したり、 苦労に苦労を重ねながら、場合によっては
 「霞が関文学」の粋を凝らして、各省庁を押さえ込みます。

 (余談ですが私はこの作業を通じて随分日本語や 作文の勉強をさせていただき
 ました自らの熱意・パッションをどう文章に落とし込むかという表現技術に加えて、
 玉虫色の文章加工技術も生き抜くために身につけました。そのことにはある
 意味では真面目に、ある意味では皮肉な副産物として感謝をしています。)

 官邸としては、 簡潔で、総理(及びその周辺)の問題意識に沿って、メリハリを
 つけ全体のストーリーが整合的になるように頑張るのですが、

 一つ間違うと閣議が紛糾する事態になるので 非常に神経を使いながら、
  全省庁相手に徹夜続きの調整をしながら演説をまとめていくわけです。

◆結果として多くの場合、
 特に通常国会の冒頭になされる施政方針演説は、 その国会に提出する予算案や
 重要法案の内容全般についても触れた、政府の国会に臨む基本政策を表明する
 のでなおさらですが、極めて網羅的かつ羅列的、しかも結局何が言いたいのかが
 不明確なものになりがちであります。

◆今回の演説もこの陥穽(わな)に陥っています。
 項目と項目が理念やストーリーでつながるのでなく羅列的で内容がないものが
 やはり多すぎます。

◆ご関心がおありの方は以下の官邸ホームページから第159回国会における
 内閣総理大臣の施政方針演説をクリックして必ず全文をお読みください。

 (URL:http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2004/01/19sisei.html

◆演説編集者は
 私も個人的に存じている優秀な官僚(後輩)です。

 彼自身は非常に熱意と意欲があり優秀な人物であり、 苦労して仕事をしている
 のですが、いかんせん政府として演説を作成する手法がもはや現代に通用する
 手法になっていないことに気付くべきでしょう。

◆私がまとめた民主党政権準備委員会報告書や、
 党の政権公約(マニフェスト)では、 選挙勝利後ただちに総理予定者、官房長官
 予定者を中心に政権移行チームを発足し、組閣前に政権の重点政策(すなわち
 演説骨子)の作成にとりかかり、

 政治主導かつ総理の意向を中心とした 演説作成にあたることを決定しています。

 官邸には当然総理の意向と政策課題を熟知し、 政策の方向性や優先順位を
 整理し、いわゆるスピーチライターをつとめるスタッフも必要です。(バッジをつけて
 なければ当然私が志願します)

 ◆私がかかわった政府のスピーチや文章で、
 自分自身が自信を持って世に出せたものの代表は、 行政改革会議最終報告の
 「行政改革の理念と目標」、橋本総理大臣の96年9月11日の日本記者クラブに
 おける演説からはじまる一連の演説などですが、いずれも申し上げたような政府
 演説の作られ方とは全く違うやり方で作成されました。

 http://www.kantei.go.jp/jp/gyokaku/report-final/I.html
 http://www.kantei.go.jp/jp/hasimotosouri/speech/1996/0914.html
 http://www.kantei.go.jp/jp/hasimotosouri/speech/1996/kisya-1002.html
 http://www.kantei.go.jp/jp/hasimotosouri/speech/1996/kisya-1115.html

 ご関心のある方はお読みください。

◆内容的には異論のある方もおられるかもしれませんが、
 私が原案を作成し、 当時の内閣外政室長の谷野氏が、週末にがらりと書き変え
 られた村山内閣の戦後50年談話なども極めて印象的なものです(残念ながら
 官邸ホームページに見当たりませんでした)

◆私は、政府(総理大臣)が国会の冒頭で国民に向けて 語りかける演説の
 作られ方が、現在のようなやり方であること自体が、 この国の意思決定のあり
 方の根本的な間違いであるとおもっています。

 皆さんのお力をいただいて何とか 「国のかたち」を変える第一歩として総理演説の
 あり方を変えて行きたいと考えています。

◆次号のメールマガジンではその演説を扱う
 本会議のあり方について申し上げます。

 皆様のご意見・ご感想を歓迎いたします。

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 ●おしらせ1●

 ■アカデミーヒルズ ポリシースクール開講
 統治構造研究会 国のかたち再考
 ナビゲーター:松井孝治 (民主党・参議院議員)

 激しい国際競争のもと、 意思決定のスピードと質が企業の運命を握る。
 国においてもトップの意思決定はその存亡に関る問題です。

 戦後長きに渡って定着した政治経済諸制度が 制度疲労をきたしている今日こそ、
 思い切った改革が必要であるのに、肝心の「政府」、つまり「内閣」の意思決定の
 メカニズム自体が疲労していることにわが国の最大の問題があります。

 大胆かつ迅速スピーディーな意思決定と結果を 問うことができる新しい国の
 かたちとはいかなるものか。

 官僚として与党を支えた経験を踏まえて、 国政野党として政権交代を訴える
 若き改革派の論客、松井孝治が、あえて政治的立場を超えて、ナビゲーター
 となって、政と官、中央と地方、官と民、「公」のありかたを議論し、あるべき
 「統治構造」を探ります。

 議論は、国会議員や中央官僚、地方自治体の長、 研究者などまさに第一線で
 活躍する多彩な専門家を招き、メディアには出てこない政局や官界の舞台裏を
 討議するとともに、参加者も一体となって構造改革について本質的な議論を行
 うこととします。

 ■期間:2004年1月24日(初回)から毎月1回全8回シリーズ
 (初回はご案内の通り、無事終了しました)

 第2回は2月14日土曜日11時〜13時
 (ゲスト・構想日本代表加藤秀樹氏)

 その後原則的には第2土曜日・11時〜13時に開催予定。

 ■会場:六本木アカデミーヒルズ(六本木ヒルズ森タワー49階)
 ■参加費用:40,000円
 (全8回/税込み/各回参加・分割支払いも可)

 ■内容
 1 この国のかたち(わが国の現状)/松井孝治

 2 意思決定のメカニズム/現状と課題
 │ 1:霞が関の現状と課題
 4 各省庁の意思決定システム、
 「内閣」とは、
 財務省・総務省、
 政策評価機能
 「政府・与党一体原則」のもつ日本固有の意味
 2:国会の現状
 3:地方自治体の現状

 5 改革の方向性〜マニフェストを吟味する〜/
 │ 「競争力ある政策」とは
 7 1:NPM(「新行政経営」)とは
 2:政策評価の導入と検証
 3:予算編成のあり方
 4:地方行政単位と財源再配分
 5:直接投票制導入
 6:憲法改正試論

 8 まとめ 「国のかたち」を変えるために

 ゲスト(知事または市長、政治学者、行政官、衆参議員など、 専門家を招聘)を
 招いたレクチャーおよび参加者とのディスカッションを通して、今日の統治構造の
 現状を学ぶとともに、今後の課題を分析・検討します。

 なお別日程での会費制懇親会、フィールドワーク、 インターンシップなども参加者
 と相談しながら企画してまいります。

 基本的にシリーズでの参加が原則ですが、 ご都合のつかない方には各回ごと
 の参加もお受けします。

 シリーズを通して受講され、 必要な論文を提出された方には、修了証を発行させ
 ていただくことも検討中です。

 ■お申込・お支払い方法

 (1)FAXにて申込・参加費用を振り込む
 (2)アカデミーヒルズのホームページ
 http://www.academyhills.com/
 にて必要事項入力後、受講料お支払い手続きを。

 お申込締切日: 2004年1月16日(金)
 定員になり次第締め切り
 入金後のキャンセルはお受けできません

 ■お問い合わせ

 アカデミーヒルズ総合事務局まで
 (松井孝治ポリシーセミナー担当まで)
 電話番号 03−6406−6649
 受付時間 10:00〜19:00(土日祝日除く)

 ■企画内容についての問い合わせは
 参議院議員松井孝治事務所
 (03-3508-8613:担当、松井本人又は坂田)
 でも受け付けております。

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 ●おしらせ2●

 ◆第8回政策対話の御案内◆
 (山井和則衆議院議員事務所と共催)
 日時: 3月7日(日曜日) 
 午後1時から5時頃まで(終了予定)
 会場: 宇治市生涯学習センター

 ◆題名: 地球交響曲 ガイアシンフォニー上映会
 &龍村仁監督講演会
 第一部「ガイヤシンフォニー第1番」上映会
 第二部ガイヤシンフォニー監督 龍村仁氏 講演会

 【講師紹介】
 1940年兵庫県生まれ。
 63年京都大学文学部美学科卒業、NHKに入局。
 主にドキュメンタリー番組を演出。

 74年退職後はドキュメンタリーの他、
  ドラマ、コマーシャル等、数多くの作品を手掛ける。
 76年「シルクロード幻視行」でギャラクシー賞、
 87年「セゾングループ3分CMライアル・ワトソン編、
  野口三千三編」でACC優秀賞。
  サイエンスファンタジー「宇宙船とカヌー」で
  ギャラクシー選奨。
 92年「NTTDATAスペシャル宇宙からの贈りもの
  〜ボイジャー航海者たち〜」ギャラクシー選奨、
 95年「NTTDATAスペシャル未来からの贈りもの
  〜この星を旅する物語」でギャラクシー奨励賞。
 他受賞多数。

<第91号:2004.01.26発行>

         
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