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皆さん、こんにちは。松井孝治です。

本日は立春。暦の上では春を迎えました。
とはいえ、今、この文章を書いているのぞみ号が通過中の関が原付近は、一面の銀世界で新幹線にも遅れが出ており、 まだまだ、季節は冬真っ盛りというところでしょうか。

■さて、前回のメールマガジンでは国会における内閣総理大臣演説の、作られ方に
ついて申し上げましたが、本日は、総理演説の舞台である、国会の本会議のありか
たについて申し上げます。

  1. 本会議は、衆議院、参議院ともに全議員が構成メンバーとなっており、内閣総理大臣の施政方針演説、所信表明演説やそれをめぐる質疑、予算案や決算案、法律案の審議や国会同意人事の承認 などを取り扱います。

    衆議院本会議は、原則として、火曜、木曜、金曜日に、参議院本会議は、原則として、月曜、水曜、金曜日に開催されます。


  2. 本会議における各議員の政府への質問は原則として、前日までに文書にして政府側に提出することとされております。

    総理の国会演説への質問などは質問時間が30分以上に及ぶ場合もありますし、一般的な重要法案への本会議質問にしても質問時間が15分程度ありますので、 おのずと議員の質問は、演説調を帯びることになります。


  3. 質問も答弁も、ひな壇と呼ばれる、議場より2,3m高い壇上で行われ、予算委員会など、各常任委員会とは異なり、政府側の陪席は、1名しか認められません。

    答弁は、答弁漏れがない限り、原則として1回限りです。

    結果として、どのような事態が生じているかといえば、本会議での質疑、特に答弁は、紋切り型が多いといわれる国会答弁の中でもとりわけ形式的なものが多くなります。


  4. 考えてみればおわかりのように30分の質問時間で多い方は、60問とかの質問を、総理に浴びせかけられます。

    総理は、それを全部聞いたうえで、まとめてそれらすべてに答弁漏れがないようにすべて答えなければならないわけで、はっきり言って、事前に文章を提出してもらわないと いかな優秀な総理でもすべてに答えるというわけにはいかないと思います。


  5. 私が、官邸や国会議事堂内の内閣参事官室で国会答弁の質問取りや、総理答弁の各省庁への作成の割り振りやとりまとめをしていた頃の経験では、野党の質問数があまりに多いので、 与党の理事が、本会議の時間を短縮するため、政府側には、極力簡潔な答弁を求め、極めてばかばかしい、答弁8行ルールなどというものを、作らされた記憶があります。


  6. 答弁書は、総理に読みやすいものでなければならないので、一行の字数は10数文字。

    しかも、雨あられと降る質問すべてに答えたという証拠を残すために、答弁冒頭には、例えば

    「米国のイラク攻撃の国際法上の正当性についてのご質問につきましては」

    というふうに質問を引用しなければならず、それだけで2行程度使ってしまうと、あと残り6行で総理はその問題についての政府見解を述べることになります。

    これでまともな答弁が出来ると思いますか?


  7. 出来るだけ多くの案件で本会議質疑を行い、与えられた質問時間内で、目一杯質問しよう(その際議員心理としては、どうせ政府側の答弁はそっけないのだから、 自分の聞きたい項目をできるだけ網羅したいという気分になります)という野党側。

    他の委員会や、総理の超多忙な国会以外の公務との日程調整もあり、できるだけ本会議の時間を押さえ込もうという政府・与党側。

    結果として総理答弁はひたすら棒読みで、質問に答えた」という既成事実を作るための「消化試合」的なものになりがちであります。


  8. ありきたりなストーリーで申し上げれば、こういう形式的な答弁書で喜んでいるのは役人だけということになりますが、事実は違います。

    中にはそういう官僚もいるかもしれませんが、多くの役人は答弁書を作るからには、仮に結果的に一般の国民の皆さんからは 官僚答弁とみなされるような答弁になるにしても、少なくとも質問者の指摘については、きちんと反論も盛り込んだ誠意ある答弁を 作成したいと思っていることだけは理解してあげてください。

    役人にしても、毎晩遅くまで、ものすごい分量の形式的答弁書を作らされて疲労困憊しているのです。


  9. では、こういう国会(本会議運営)で一体誰が得をしているのでしょうか?

    結論から申し上げれば誰も得をしていません。日本国民全体が不利益を被っています。


  10. さすがに、ここ数年、あまりに本会議が形骸化しているので、場合によっては、質問持ち時間内での再質問を認める慣行 (事前に議院運営委員会理事会で、質問時間を何分か残しておくので答弁が不十分な場合、再質問するという事前通告をして、 それが認められた場合は、再質問できることになっています)も定着しましたが、

    それにしても、本会議質疑が実質討議の場に程遠いことは国会議員なら誰もが本音では認めていることだと思います。


  11. 最近の事例では、先月(2004.01)の小泉総理大臣の施政方針演説に対するわが党の代表質問に立った松本剛明議員 (私が最も尊敬する親友であります)が

    小泉総理に対して8項目の再質問をいたしました(ルールに則って、事前に答弁不十分の場合は再質問する旨を議院運営委員会理事会に申し入れ承認されていました)が、

    その場で、8項目確認の質問をされても本会議場ですから壇上にはメモを書く役人も(内閣法制局長官をのぞいては)おらず、そんな中で、何とか総理には、 官房長官経由で、途中まであわてて何枚かメモが差し出されていたようですが、

    小泉総理は、おそらく途中から面倒くさくなられたのか、本会議場は、再質問などの議論をする場ではないと突っぱねられて、議場は大混乱になりました。

    これなど、本会議の性格について、総理自身が公式の場で本音を表明した事例と言ってもいいでしょう。


  12. 昨年秋に、参議院の議員派遣で英国議会を訪ね、クエスチョンタイムを見学いたしました。

    主として、保守党党首が、ある程度事前通告に従いブレア首相に質問するのですが、党首以外の野党議員・与党議員も、 事前通告のない関連質問を行うのには、驚きました。

    議会事務局の方に、議長はどういう基準で質問者を指名しているのかと聞いたところ、ある程度は事前に登録を受け付けているが、 議長の裁量の部分が大で、極端に言えば、たまたま目が合ったので指名するということもあるということでした。 そういう意味では、限られたクエスチョンタイムの時間内に党首のみならず、議場の議員の問題意識も引き出し、 与野党間でいかに活発な議論を展開するかについての議長の役割の大きさにも、目を見張ったものでした。


  13. それに引き換え、わが国議会の本会議・議長のあり方はどうでしょうか?

    日本の、現職衆参議長・議長経験者の個人的識見を疑うわけではありませんが、歴代議長は、議長席に座り、淡々と議事進行をしておられて何を感じておられるのでしょうか。

    両院議長の本会議での役割を見るにつけ、場合によっては、総理を狙うとまでいわれた方が、唯一スポットライトを浴びるのは、与野党が乱闘し、 本会議開会のベルを押す押さないで、せいぜい国対委員長レベルの調整をしているということで本当によいのでしょうか

    (現に、先週末の河野衆議院議長の調停案は、わが党の野田国対委員長が、党本部に持ち帰り、菅さん・岡田さんに一蹴されています)。


  14. ここに、わが国政治における決定的な議会軽視、すなわち「通過儀礼」(文字通りの意味で)としての議会に、国会がおとしめられていること、 しかも、そういう事態を作っているのは他ならぬ国会議員であることに、本当に情けなさを感じます。

    例えば、法案の作成・審議に当たり、いかに国会が「通過儀礼」化しているかは、また次回申し上げます。
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☆3月7日午後1時から山井和則衆議院議員と共催で、第8回政策対話
  ガイヤシンフォニー上映会・龍村仁監督特別講演会を開催しますが、
  実は16mm映写機(二時間あまりのフィルムを上映できるもの)が
  会場になくて困っています。

低廉な料金で貸し出ししていただける方にお心当たりがおありならご一報ください。

 ■お知らせ■
☆前回、今回のメルマガに記載しているような
  霞が関や、国会の実態と今後の課題、地方自治体の現状、
  NPOや民間のチャレンジ、などを通じて
  この国の統治構造を考えるのが、
  アカデミーヒルズポリシースクール「統治構造研究会」です。

  次回は、2月21日(土)午前11時から午後1時まで

  民間シンクタンク「構想日本」代表加藤秀樹さん、
  元米国上院予算委員会スタッフ(連邦政府職員)で
  経済産業研究所研究委員の中林美恵子さん、
  を招いて、予算編成プロセス、政と官の役割などの日米比較を行います。
  (終了後懇談あり)

  ご案内は末尾をご参照ください。

 ☆なお、前回の研究会の内容が、京都新聞に掲載されまして、
  京都でも何人かの方々が、事務局をやってあげるから
  是非、類似内容の研究会を立ち上げてはどうか
  というご提案をいただいております
  (京都市東部と西部にて各々月一度ずつ)。

  ご関心のおありの方は京都事務所にご一報ください
  (メール又は電話075−213−6648)

 ■アカデミーヒルズ ポリシースクール開講

  統治構造研究会 国のかたち再考
  ナビゲーター:松井孝治 (民主党・参議院議員)

  激しい国際競争のもと、
  意思決定のスピードと質が企業の運命を握る。
  国においてもトップの意思決定はその存亡に関る問題です。

  戦後長きに渡って定着した政治経済諸制度が
  制度疲労をきたしている今日こそ、
  思い切った改革が必要であるのに、
  肝心の「政府」、つまり「内閣」の意思決定の
  メカニズム自体が疲労していることに
  わが国の最大の問題があります。

  大胆かつ迅速スピーディーな意思決定と結果を
  問うことができる新しい国のかたちとはいかなるものか。

  官僚として与党を支えた経験を踏まえて、
  国政野党として政権交代を訴える若き改革派の論客、
  松井孝治が、あえて政治的立場を超えて、
  ナビゲーターとなって、政と官、中央と地方、官と民、
  「公」のありかたを議論し、あるべき「統治構造」を探ります。

  議論は、国会議員や中央官僚、地方自治体の長、
  研究者などまさに第一線で活躍する多彩な専門家を招き、
  メディアには出てこない政局や官界の舞台裏を
  討議するとともに、
  参加者も一体となって構造改革について本質的な議論を
  行うこととします。

 ■期間:2004年1月24日(初回)から毎月1回全8回シリーズ
     (初回はご案内の通り、無事終了しました)

     第2回は2月21日土曜日11時〜13時
      (ゲスト・構想日本代表加藤秀樹氏)

     その後原則的には第2土曜日・11時〜13時に開催予定。

 ■会場:六本木アカデミーヒルズ(六本木ヒルズ森タワー49階)
 ■参加費用:40,000円
      (全8回/税込み/各回参加・分割支払いも可)

 ■内容
 1 この国のかたち(わが国の現状)/松井孝治

 2 意思決定のメカニズム/現状と課題
 │ 1:霞が関の現状と課題
 4  各省庁の意思決定システム、
    「内閣」とは、
    財務省・総務省、
    政策評価機能
    「政府・与党一体原則」のもつ日本固有の意味
   2:国会の現状
   3:地方自治体の現状

 5 改革の方向性〜マニフェストを吟味する〜/
 │                「競争力ある政策」とは
 7 1:NPM(「新行政経営」)とは
   2:政策評価の導入と検証
   3:予算編成のあり方
   4:地方行政単位と財源再配分
   5:直接投票制導入
   6:憲法改正試論

 8 まとめ 「国のかたち」を変えるために

  ゲスト(知事または市長、政治学者、行政官、衆参議員など、
  専門家を招聘)を招いたレクチャーおよび参加者との
  ディスカッションを通して、
  今日の統治構造の現状を学ぶとともに、
  今後の課題を分析・検討します。

  なお別日程での会費制懇親会、フィールドワーク、
  インターンシップなども参加者と相談しながら
  企画してまいります。

  基本的にシリーズでの参加が原則ですが、
  ご都合のつかない方には各回ごとの参加もお受けします。

  シリーズを通して受講され、
  必要な論文を提出された方には、
  修了証を発行させていただくことも検討中です。

 ■お申込・お支払い方法

  (1)FAXにて申込・参加費用を振り込む
  (2)アカデミーヒルズのホームページ
      http://www.academyhills.com/
     にて必要事項入力後、受講料お支払い手続きを。

  入金後のキャンセルはお受けできません

 ■お問い合わせ

  アカデミーヒルズ総合事務局まで
  (松井孝治ポリシーセミナー担当まで)
  電話番号 03−6406−6649
  受付時間 10:00〜19:00(土日祝日除く)

 ■企画内容についての問い合わせは
  参議院議員松井孝治事務所
  (03-3508-8613:担当、松井本人又は坂田)
  でも受け付けております。

<第92号:2004.02.04発行>

         
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