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   皆さん、こんにちは。
  松井孝治です。

 ◆通常国会も序盤を終え、中盤に入りつつあります。

  小泉首相は、郵政民営化に非常に熱心ですし、
  これから政局の焦点は、
  郵政民営化法案が、いつ閣議決定され
  国会に提出されるかにかかってきそうです。

  私は、一部の方々の批判とは異なり、
  郵政民営化自体は、
  重要なテーマのひとつだとは思っています。

 ◆もっとも、私の考えは、政府の案とは少し異なります。

  私個人の考え方は

  ○郵貯・簡保の機能は結局のところ民間と競合するので、
   段階的に縮小する。

  ○民営化会社は、郵便業務を中心にしつつ、
   介護を中心とする福祉や、子育て、
   そして市役所や町役場などの行政が
   これまで担ってきた公共サービスを、
   より民間の発想を取り入れて行う組織に変革する。

  ○要は、地域に信頼されている郵便局の全国ネットワークを
   郵便、福祉、子育てに活用した地域公共サービス株式会社
   のようなものへ転換してはどうかというものです。

 ◆政府は、
  小さな政府にするために郵政公社を民営化し、
  公務員の数を減らすのだといっていますが、
  実際は、
  郵便局の職員には一銭の税金も使われていません。

  だからといって公務員身分を守る必要性が
  どこまであるかについては別の議論ですが、
  郵政公社は、
  政府の一般会計や多くの他の特別会計のように
  赤字を垂れ流しているわけではなく、
  はるかに健全な経営が行われていることは、
  フェアに申し上げなければなりません。

  他方、職員が公務員身分を持たなくても
  多くの独立行政法人や特殊法人などは
  税金(交付金)でまかなわれており、
  むしろそちらに手をつけることが
  「行政改革」的には先決だと思います。

 ◆しかし、私が本日申し上げたいのは、
  郵政も重要だけれども、それよりも重要なことが
  今国会には存在するでしょうということです。

 ◆ひとつは、
  年金をはじめとする社会保障改革の問題であり、
  もうひとつは
  税制を含めた財政の抜本改革です。

 ◆年金については、詳細は未決着ですが
  ようやく与野党協議の場の設定が合意されました。
  いずれ取り上げたいと思います。

 ◆今日問題にしたいのは、
  来年1月1日から所得税等の1割増税を
  衆議院で議決してしまっていることです。

  これは
  99年に施行されたいわゆる「恒久的減税」というものを
  景気回復に伴い二年がかりで元に戻す
  (多くの方々にとって所得税は2割増税になります)
  というものです。

 ◆前回のメルマガでも申し上げたとおり、
  私は、未来世代からの借金で
  現世代が減税を謳歌するような現状は
  おかしいと思っています。

  したがって、
  増税だからこの法案に反対というものではありません。

 ◆問題は、
  きちんとした税制論議や、
  増税の前提となる行革のあり方を議論せずに
  この増税法案を国会で通してしまうそのやり方です。

 ◆99年に制定された
  「経済社会の変化等に対応して早急に講ずべき所得税
   及び法人税の負担軽減措置に関する法律」

  第1条には、
  「個人及び法人の所得課税の在り方について、
   税負担の公平の確保、税制の経済に対する中立性の保持
   及び税制の簡素化の必要性等を踏まえ、
   この法律が施行された後の我が国経済の状況等を
   見極めつつ抜本的な見直しを行うまでの間、
   所得税法及び法人税法の特例を定める」

  と明確に書かれています。

 ◆この定率減税が「恒久的減税」と呼ばれたのは、
  まさに、この減税が税制の抜本改革まで続く
  ということによるものであったわけです。

  政府は、
  2年がかりでこの恒久的減税を廃止する意向ですが、
  いつ、どこで、税制の抜本改革の議論がなされた
  というのでしょうか?

  今回の増税の規模は、2年間で約3.3兆円に上ります。
  基本的に多くの納税世帯においては
  所得税の2割増税になりますし、
  消費税に換算すれば
  約1.4パーセント分の増税になるわけです。

 ◆最近も街頭でこの増税の問題を訴えましたが、
  多くの国民の皆さんはこうした増税法案が
  国会で審議されていること自体をご存知ありません。

  そのことは野党(政権準備党)である
  われわれの責任でもあるのですが、
  ひょっとしたら、
  郵政民営化に国民やメディアの注目を集めて、
  増税法案は、ひっそりと国会を通すという、
  どなたかの高等戦術なのかもしれません。

  少なくとも国民にこれだけの税金の負担を求めるのであり、
  法律の条文にも税制の
  「抜本的な見直しを行うまでの間、
   ・・所得税法・・の特例を定める」と
  書かれているのですから、

  抜本的な税制の見直しなく

  この特例を
  縮減・廃止するのは法律違反です。

 ◆将来の年金、社会保障負担のあり方を早急に検討し
  (これに伴い追加的な財政負担が必要になると予想されます)、
  徹底した行政改革による歳出削減を行い、
  どうしても財源が足りない場合、
  どのような税で
  どれだけの財源を確保するのかを
  議論するというのが正道です。

  行財政改革で、
  どれだけの歳出が削減されるかにもよりますが、
  おそらくは、
  一般会計約80兆円のうち国債費など除いた中で、
  必死にがんばっても
  10兆円程度の歳出削減が限界だとすれば、
  いずれかのタイミングで
  消費税の議論は、避けられないと考えています。

  しかし、小泉さんは、
  はなから、
  消費税には手をつけない、とおっしゃっているので、
  抜本的な税制改革も、行政改革も、進みようがありません。

 ◆繰り返しますが、
  これだけの財政赤字を抱えている中で、
  所得税減税の縮小・廃止自身に
  私は、反対しているのではなく、  

  税制の抜本改革や、その前提としての
  抜本的行財政改革に手をつけずに、
  きちんとした議論を経ずに
  増税を行うという姿勢に、疑問を呈しているわけです。

  皆様のご意見をお待ちしています。

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<第111号: 2005.03.18発行>

     
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