|
皆さん、こんにちは。松井孝治です。
いつの間にか、京都市内や東京都内では
ソメイヨシノは終わってしまい、青葉の季節になりました。
ゴールデンウィークも間近です。
◆永田町では、
政府与党内での、郵政法案の調整が話題を集めていますが、
ここ2週間のもっとも本質的な動きは
衆参両院の憲法調査会において
報告書が取りまとめられたことだと思います。
◆私は、参議院議員に当選させていただいて以来、
4年間ずっと、参議院憲法調査会に所属し、
特にこの2年間は、
調査会でも最も多く発言の機会を頂いた議員の一人として、
多少の感慨は抱いておりますが、
現実はようやくスタートラインに立ったという程度です。
◆京都新聞が、
月曜日の「政論」で取り上げていただけるようですので、
ご関心の向きは、お読みいただきたいと思いますが、
私にとっての憲法改正の最大の意義は、
この国の統治構造の変革にあります。
◆内閣総理大臣が、
各省庁の御輿(みこし)の上に乗った形でしか
指導力をふるえないこと、
そして、中央官僚が、
地方自治体の箸の上げ下ろしまで統制する権限と
財源を地方に渡さないことの根源は、
現行憲法の、
内閣と地方自治の章の規定(あるいは規定の欠如)
にあると思っています。
◆私は、
行政権の主体は、合議体としての、
あるいは、各省庁連合体としての内閣にあるのではなく、
国民から選挙で選ばれた
国会議員の指名に基づく
総理大臣及び総理を中心とするチームとしての
内閣にあることを、
憲法上に明確に位置づけるべきであると考えています。
具体的な改正内容は下記をご覧ください
http://www.matsui21.com/kokkai/2005/04_06.html
◆また、
国と自治体の役割分担の基本は、
憲法に明確に位置づけることが不可欠です。
現在は、それらが
地方自治法や個別立法に、ゆだねられてしまっているので、
地方分権や三位一体改革の大騒ぎをしても、
バナナの叩き売りのようなものです。
結局のところ、
官僚や利権配分をする国会議員にとっては、
地方分権そのものが、
自らの権限(利権)の縮小を意味するわけです。
したがって、
国会議員や官僚の強い影響力のもとで、
(裏を返せば一般国民にとって
わかりにくい個別法案の処理と言う形になり)
抜本的な地方分権を行うことには、限界があります。
◆その点憲法は、
最終的に国民投票で担保をされているわけですから、
そこでわかりやすく大まかに
国と地方の責任分担を規定してしまうほうが
結局は、近道だと思うのです。
国の責任は、
外交・防衛、通貨、国家財政、
エネルギー・食料安全保障・技術開発などの国家戦略、
教育や社会保障の枠組み作り、
競争政策・知的財産政策などの
ルール作りなどに限定する。
福祉や教育、社会資本整備、まちづくり、
中小企業政策などの実施は、
すべて財源ごと地方にゆだねるという趣旨が
きちんと憲法に規定されていれば、
あの中身の薄い三位一体騒動のようなことを
繰り返す必要はなくなります。
その意味では、
改革派知事や市長さんのような方々が、
もっと憲法上、国と地方の役割分担を明確にせよ
と言う論陣を張って頂いても良いのではないかと
思うのですがいかがでしょう。
◆また、
違憲立法審査権を有する最高裁が
統治行為論のもとに、
国の立法政策についての判断を、
消極的にしか行わないことも問題です。
かといって、
国会も改憲・護憲のイデオロギー対立のみで
憲法解釈についての議論を、ほとんど行ってこなかった。
結果として、
政府の一部局である内閣法制局の解釈のみが
唯一の公式解釈として権威を持ってきたことも、問題です。
この場合も内閣法制局を
諸悪の根源のように言いふらすのは責任転嫁です。
内閣が内閣としての憲法解釈部門を持つのは当然であり、
都合のいい部分は、その解釈に依存し、
都合の悪い部分は、法制局の悪口を言う政治の姿勢のほうが
問題なのです。
ドイツのように国と地方の権限紛争を、
司法が解決するような風土を、
作っていかなければならないでしょう。
そのためには、
最高裁の機能を強化するか、
憲法裁判所の設置まで、検討すべきだと思います。
◆財政規律の確保のための憲法規定も強化すべきです。
塩川前財務大臣の、
「母屋(一般会計)で、おかゆをすすっているのに、
離れ(特別会計)で、すき焼きを食べている」
という発言は名言ですが、
現在の財政状況は、
将来世代の財産をかたに借金をして、
現在の世代が、ステーキを食べて、
将来世代は、サラ金地獄で飢え死にの恐れがある
というようなものです。
やはり、
憲法の財政規定を抜本的に強化して、
中長期的な財政規律の確保のための内閣と
国会の責務を、明確化すべきだと思います。
私にとっては、以上が憲法改正の主たる動機です。
◆憲法9条についてはどうなのか
というご質問もあろうと思います。
私は、
やはり9条についても手を加えるべきだと考えています。
不戦条約から国連憲章にまで流れる平和主義に
手を加えるべきという意味ではありません。
むしろそれを強化する必要があると考えています。
最大の理由は、
現実に自衛隊が存在しているのに、
それをどのようにコントロールするか
という規定が現行憲法に存在しないことに
問題であると考えるからです。
過去の教訓に照らしても、
文民統制(シビリアンコントロール)の規定や
海外派遣の基準は
最高法規である憲法に明確に規定すべきです。
同時に
世界唯一の被爆国としての核廃絶への取り組みなども
憲法(前文を含む)に明確に記述すべき
であると考えています。
◆私は、
改憲か護憲かというイデオロギー論争の時代は
終焉したと思っています。
私がいつも申し上げる、
「国のかたちを変える」ということは、
中央集権型官僚統制国家モデルを変えるということに
他なりません。
そのためにも、
コンスティテューション=国のかたち、
である憲法の議論を
まじめに行っていかなければならない
と考えています。
◆さらにご関心のおありの方は、
例えば、以下の、国会における私の発言もご参照ください。
05年4月6日憲法調査会:
http://www.matsui21.com/kokkai/2005/04_06.html
04年10月27日憲法調査会:
http://www.matsui21.com/kokkai/2004/10_27.html
02年4月10日憲法調査会:
http://www.matsui21.com/kokkai/154/020410.htm
◆おくやみ◆
フォークシンガーの高田渡さんが
今月16日に亡くなりました。
私は、同時代で高田渡を聴いたというよりも、
最近になって年長の友人・安藤文隆さん
(東京都品川区在住・居酒屋研究会会長)から
その素晴らしさをおそわった口です。
生活の柄、ブラザー軒、夕暮れ、自転車に乗って、
といった名作や、
自衛隊に入ろう、値上げ、のような皮肉の効いた曲など、
素晴らしい唄を残してくれた
高田さんのご冥福をお祈りします。
小金井市公会堂にて
28日午後1時から送る会があると
昨日の日経夕刊が報じています。
ちなみに京都新聞の16日夕刊のおくやみの記事は
どの新聞よりも早く、かつ愛情のこもったものでありました。
◆最後にひと言◆
バンドン会議で小泉首相は村山談話を引用されたそうですね。
でも1月のメールマガジンで私が申し上げたことの
総括がなされているとは思えません。
世代でレッテルを貼る必要もないけれど、
戦争を自ら体験された方々がお元気なうちに
しっかりとした戦争の総括が必要なのではないかと
あらためて感じました。
1月のメールマガジンは
戦後50年「村山談話」について記したもので
http://www.matsui21.com/melma/05/108.html
からお読みになれます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
■お知らせ1■
学生・若手勉強会
先週、関西統治構造研究会
(代表:久野潤氏、代表代理:青木純平氏)の勉強会に
出席させていただき、とてもよい刺激になりました。
たまたま昨日、共通の知人とともに役人時代から個人的に親しい
石破前防衛庁長官と会食の機会があったのですが、
5月の関西統治構造研究会の勉強会には石破さんも
出席されるということで楽しみにしておられました。
若い方々と党派にとらわれない勉強会を
今後とも続けていきたいと考えています。
具体的には、
私の主催する政策対話や個別勉強会への
シリーズ参加をしてくれる学生さんなどを募集します。
詳しくは京都事務所木元までお尋ねください。
■お知らせ2■
民主党京都府連では5月21日から政治スクールを開講します。
初回には、私が役人時代からお世話になっている
北川正恭早稲田大学教授(前三重県知事)にお願いして、
講師をおつとめいただくことになりました。
おかげさまで定員を大幅に上回る、
多くの受講の申し込みがありました。
その前日の20日の夜には久々に
第10回政策対話を下記のとおり開催します。
第10回松井孝治政策対話シリーズ
ゲスト:平田オリザ氏(劇作家・演出家)
「芸術文化振興とまちづくり」
平田さんは演劇人として
全国的、国際的に有名であるのみならず、
文化振興やまちづくりについて
大変鋭い視点をおもちの人物です。
今年からは阪大でも教鞭をとられています。
日 時:5月20日(金) 開場18:00 開会18:30
(20:30頃には終了予定)
場 所:ハートピア京都(4F/会議室)
京都市中京区烏丸通竹屋町北東角
地下鉄烏丸線「丸太町駅」5番出口上
参加費:1口 1000円(学生 1口 500円)
■お知らせ3■
最近の私の論文
明日4月24日付けの毎日新聞「発言席」に
「官僚にも市場化テストを」という表題の
寄稿をさせていただく予定です。
毎日新聞定期購読者以外の皆様、
明日の毎日新聞をお買い求めの上お読みください。
なお、論座5月号の塩崎恭久議員と
私の対談も是非お読みください。
今なら大手書店で発売中です。
・幹部公務員の民間登用を中核とした
公務員制度改革を提言する「発言席」、
・シンクタンクでのポリシーコミュニティーの
形成を提言する「論座5月号」、
・若手人材の養成のためのガバメントスクール提案の
「論座1月号」は、
日本の政治変革のための三点セットとして
私が最近力説しているものです。
■お知らせ4■
新しいコラム
フィナンシャルジャパンのレギュラービデオコラムニストを
お引き受けしました。
初回のビデオコラムは来週から
http://www.financialjapan.co.jp/politic/politic_movement/
にてご覧いただけます。
|