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皆さん、こんにちは。
松井孝治です。
本日は韓国旅行の紀行文です。
長文ですし、趣味にわたる部分が多いことを
あらかじめお断り申し上げます。
政治家としてのメールマガジンとしては
番外扱いかもしれません。
でも親しい方々には是非お読みいただきたい、
そんな文章です。
◆11月23日から24日にかけて、
純粋に私費、赤い色の民間パスポートで
一泊二日、韓国滞在25時間ほどの
駆け足で行って帰ってまいりました。
日韓国交正常化40年を記念して、
日本の文化庁が主催し、
日本の特定非営利法人映像産業振興機構と
韓国のメガボックス・シネコンプレックスが共催する、
日本映画祭「日本映画:多様な展開」
(今回は邦画を45作品上映)の
2週間にわたる最終日のシンポジウムと上映会
に参加するためです。
◆金浦空港に到着して、すぐに「模範タクシー」に乗り込み、
渋滞もあったのでほぼ一時間車に揺られて会場に到着です
(料金は日本円で4000円余り)。
意外と時間がかかったので
会場となりの、ホテルへのチェックインをするひまもなく、
会場入り口で、
京都市から文化庁に出向している河合さんに荷物を預け、
まず一本目を鑑賞。
★「櫻の園」 中原俊監督 90年公開作品。
うつろいやすい思春期の少女達の心と表情をとらえた逸品です。
以前から観たいと思っていた作品で、
少女の内面の繊細な表情を見事に描いていると思いますし、
何と言っても、ともかく映像がきれいな作品です。
聞けば、監督がこの映画を撮影されたのは
ちょうど今の僕くらいの年頃で、
中年男性の感性で描いた少女像だからこそ
今の私にとって共感できるのかもしれません。
それにしても、
さすがこの年のキネ旬1位だけのことはあります。
続いて二本目は
★「早春物語」 澤井信一郎監督
野菊の墓で松田聖子、
Wの悲劇で薬師丸ひろ子主演映画のメガホンをとった
澤井信一郎監督のアイドル主演ものの第三弾。
原田演ずる17歳の高校生の、
林隆三演ずる42歳の中年男へのあこがれと恋を描写する物語。
シンポジウムにおいてイ・チュンジク中央大学教授が
看破されたように、
実は、たくましい高校生と
意外と純情な中年男の物語なのでしょう。
◆それぞれ終演後に監督が舞台挨拶をされ、
文化庁の寺脇さんがコーディネーター役を務められながら
韓国の観衆との一問一答もあり、興味深く拝聴しました。
例えば、澤井監督が、
「「時をかける少女」で大林宣彦監督が限りない愛情をもって
原田知世の魅力を描いたのに対して、自分は憎しみをもって
原田知世の別の魅力を描き出した」
とおっしゃったのには参りました。
◆会場に足を運んだ若い韓国の方々の中には、
非常に日本映画に詳しい人も散見され、
日本人以上に邦画についての理解が鋭いのに感心しました。
そもそもこの二年の映画祭で
90本以上の邦画をすべて見られた、
観衆の○○さんの熱意には脱帽です。
◆そして、午後4時から6時まではシンポジウム。
澤井信一郎監督、
韓国中央大学教授で韓国映画振興委員会委員長、
釜山国際映画祭審査員などを歴任されている
イ・チュンジク氏、
この催しの仕掛け人である寺脇研文化庁文化部長に、
観客代表のお二人が加わり
パネルディスカッションが行われました。
日本の映画ファンでもある私が聞いていても、
戦後の日本映画の撮影所のシステムは
なるほどそうだったのかとか、
寅さんや若大将などシリーズものが
映画会社にとってはどういう意味があったのかとか、
単に映画を観ているだけではわからないお話も多く、
また、韓国の映画ファンが45本の日本映画に
どのような感想を抱いたのかも
とっても興味深いものでした。
韓国の観衆代表の方が、
「日本の日常に触れる沢山の映画を観ることができて
うれしかった、この映画祭は日本を見る「窓ガラス」
のような機会を提供してくれた」
とおっしゃっていたのが印象的でした。
★そしていよいよこの映画祭の閉幕式を終え、
最終上映「いつか読書する日」(緒方明監督)。
メガボックス・コエックスという
韓国最大規模のシネコン(こんな大きなシネコンは
おそらく日本にはないのではないでしょうか)の中でも
最大のスクリーン
(マリオンの最大のスクリーンよりも大きかった印象)
での上映です。
緒方監督も、日本ではこんなでかいスクリーンで
上映されることはなかったので
感激だとおっしゃっていました。
私にとっては二度目の鑑賞でしたが、
やはり私の今年のベストワンはこの作品だと思っています。
主人公の親達の事件が、主人公に与えたトラウマと、
単純なボタンの掛け違い
(現実の人生の出来事というのは大体そんなものですよね)
の中で、
押し殺されてきた気持ちと年月が、解放され、昇華する物語。
監督の郷里長崎の町並みを背景に、
児童虐待や痴呆症のような題材も織り交ぜながら、
そうした思いが描かれます。
そして、何より、音が素晴らしい。
「かちゃっ、かちゃっ」という牛乳瓶のぶつかりあう音、
坂道を駆け上がる足音や息遣い、
自転車の車輪の音、点滴の輸液のパックを折る音。
これらの「生活の音」が実に素晴らしく収録されています。
「いつか読書する日」という表題の意味も最後にわかります。
寺脇さんがおっしゃっていましたが、
「余情」がじんわり残るよい映画でした。
◆三本の日本映画を韓国の観衆とともに観て、
そして夜10時頃から翌朝3時頃まで
日本と韓国の映画監督や映画関係者の方々と
酒を酌み交わして、いろんなことを感じました。
・第一に、会場の「笑い」のポイントが違うこと。
日本人では笑わないポイント
(少々滑稽であったり皮肉だけれど哀感漂うシーン)で
韓国の方々は声に出して笑うことが多いです。
最初は「デリカシーがないな」なんて内心思っていたのですが、
三本目の上映の頃に、そうじゃなくて、笑いながら、
韓国の人はその情感を十分に理解されているのだ
ということがわかりました。
「いつか読書する日」のクライマックスへの導入部分で、
田中裕子が岸部一徳を自転車の後ろの荷台に載せて
二人乗りで走るシーン(彼らの高校時代に、その父と母が
交通事故に遭う二人乗りの逆バージョン)で
笑いが起こったのもその一例です。
(モントリオールの上映会でもここが爆笑だったそうです)
・第二に、韓国の人々の映画を観る力。
監督さんによれば、
「いつか読書する日」は日本の若者には
あまり共感を呼ばなかったそうです。
私も、韓国の若い人たちが、
この映画をどう観るかに関心があったので、
終演後しばらく会場の出口近くの通路で、
彼ら彼女らの反応を観察していたのですが、
多くの若者がとてもいい表情をして帰って行きました。
あとの打ち上げで聞いたところ、
若い人たちにもすごく評判がよかったとのこと。
日本の映画監督や、映画関係者の方々とも話していたのですが、
私自身も、限られた機会ではありましたが、
少なくとも日本の若者よりも、
韓国の若者のほうが「映画を観る力」
(多少ダルなシーンがあってもそこに食いついていくような力)
があるような気がいたしました。
映画の値段(日本の三分の一)や、
特にここ数年映画を国民挙げて応援している
社会環境の違いなのかもしれません。
無論、この映画祭にわざわざ足を運ぶような人は
一般的な韓国の若者とは違うのかもしれません。
しかし、このことは、
映画を観る力だけではないような気もします。
最近の日本のテレビ番組はもちろん、
われわれ政治家が、選挙に際して演説をするときでも、
日本人全体が、長い話はたくさんだ、
10秒か15秒で「つかむ」ことができなければ、
もう永遠に彼らの気持ちをとらえられない
というような風潮に陥っているような気がします。
少なくとも情報を提供する側はそう考えているので、
どんどんテレビなどで流れる情報は、
短い時間で「つかみ」がとれるものになり、
人々はそのような情報に慣れ、
回りくどい話や、間接的な表現、論理的な分析などを忌避し、
単純に感情に訴えるものが
支配的になっているのではないでしょうか。
ちょうど現代の日本の子どもたちが
ハンバーグやスパゲッティやインスタントラーメン
のような柔らかいものに慣れ、
かつての目刺しや玄米のような食品をとらなくなって
顎が衰退しつつあるような現象が、
精神的にも起こっているような気がしてなりません。
すくなくとも政治が、
このような風潮に単純に迎合しているとすれば、
議会と言うものは遠からず不要となるのかもしれません。
・第三に、しかしながら、
日韓の共通点を感じた一日でもありました。
先ほどの笑いのポイントのように、
もちろん韓国人と日本人の感覚は全く同じではありません。
でも「いつか読書する日」の「余情」は
確実に韓国の人々にも伝わっていたと思います。
これは日韓に限らず、日米でも日中でも、
もっと言えば日本国内でもそうだと思いますが、
違う文化に属していても、
違う部分よりも共感する部分のほうがはるかに多いし、
お互いの異なった感覚のすり合わせは
とっても貴重であるし、
それこそが人間の喜びであるような気がしています。
居酒屋では、私自身相当飲んでしまったので
細かなことを覚えてはいませんが、
韓国の人々のより率直な感覚に意気投合した数時間でした。
◆多少話題がそれますが、
この感覚は、私の経験で申し上げますと、
日本でいえば大阪の人と話した感覚に一番近いと思います。
平均的な京都人ではないかもしれないけれどでも
厳然たる京都人のDNAを持つ私が一緒にお酒を飲んで楽しい
と思うのは大阪人です。
韓国の人と飲んでいて楽しいと思った感覚は、
大阪人と飲んでいて楽しいと思った感覚に
極めて似ています。
先日、大阪の千日前の
鳥居ホールというところに呼んでいただいてお話をし、
その後、10数人で近所の居酒屋で飲んだのですが、
これも楽しかった、
その感覚とソウルの焼肉屋というか居酒屋で感じた感覚が
極めて似ているのです。
京都人と大阪人は文化が違うのですが、
でも実際は1割違って9割同じ。
その1割の違いを酒の肴にしながら飲めるのも
9割同じという安心感があるからだし、
でも逆に言えば全部同じだったら面白くもおかしくもない、
1割の違いがあるから人生の楽しみがある
と言った感じがするのです。
違っているから面白い、
でも根っこはみんなつながっていて、共感をする。
それこそ人間の交流なんだな、
そんな当たり前のことを感じさせられた
韓国滞在25時間でありました。
☆御礼
11月18日の第11回政策対話には
大勢の皆さんにご参加いただきまして
誠にありがとうございました。
おかげさまで大好評でした。
また次回をお楽しみに。
なおその際もリクエストいただいたのですが、
下記のとおり、今年を総括する意味でも、
国政報告会を開催させて頂きたいと存じます。
皆様のお越しをお待ち申し上げます。
◆松井孝治国政報告会◆
日時:12月15日(木)18時30分から
会場:ハートピア京都 4階 第4会議室
(烏丸丸太町下ル東側)
※終了後、会費制で懇親会を開催致します。
お問合せは 松井孝治 京都事務所
E-mail:info@matsui21.com
電話:075-213-6648 FAX:075-213-6645 まで
○イベントお知らせ○
★民主党シンクタンク設立記念シンポジウム
私が理事・事務局長を務める民主党シンクタンク
「公共政策プラットフォーム(プラトン)」の
設立シンポジウムが開催されます。
日時:12月10日(土) 12時30分開会
会場:東京/六本木ヒルズ
お問合せ プラトン
E-mail:info-platon@sirius.ocn.ne.jp
電話:03-3539-2152 FAX:03-3593-3411 まで。
★「京都からこの国のかたちを変える会」シンポジウム
日時: 来年の2月18日土曜日の午後4時から
ゲスト:竹中ナミさん(プロップステーション代表)
村尾信尚さん(関西学院大学教授)
をお招きして、
堀場雅夫堀場製作所最高顧問(同会代表世話人)
とともにシンポジウムを開催します。
会場:蹴上のウェスティン都ホテルです。
お問合せは 松井孝治 京都事務所
E-mail:info@matsui21.com
電話:075-213-6648 FAX:075-213-6645
までお願い致します。
来年のことですが、カレンダーをチェックください。
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●京都から、この国のかたちを変える。●
第127号 2005.12.06 発行 (配信数:1654部)
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