第133号  2006.2.21


  皆さん、こんにちは。
  松井孝治です。

  本日は、子どもの安全について、
  少しお話をさせていただきます。

◆先週の滋賀県・長浜における事件は、
  児童の母親による事件であっただけに
  ショックは大きいものでしたが、

  そんなショックが覚めやらぬ中で、
  昨日の朝、
  京都市左京区の第四錦林小学校区の
  学童の通学の見守り運動を、

  前原誠司代表や福山参院議員、泉衆院議員、
  滋賀県選出の林参院議員、
  地元・左京区の北岡府議、鈴木市議、隠塚市議、
  などとともに見学させていただきました。

  民主党ホームページにて紹介記事あり

◆同校の取り組みは、
  5年前に学区内で起こった、
  児童連れ去り未遂事件に端を発します。

  グループ登校の取り組みやパトロールから始まって、
  見守り隊の人数は、現在370名にまで広がっています。

◆この学校の取り組みの開始にさかのぼることさらに1年前、
  今から6年前に、京都では伏見区のある小学校で、
  突然乱入してきた男性が2年生の男児を殺害する
  という凶悪な事件が起こりました。

  京都市では河合隼雄・現文化庁長官を会長に、
  同事件に関する専門家会議が設置され
  1年間かけての議論の後、報告書がとりまとめられました。

  その報告書から少々引用させていただきます。

  ■「・・委員すべてが考えたことは、
    今回の事件は京都市教育委員会が努力してすすめてきた
    「開かれた学校」に対するある種の挑戦であり、
    それをいかに受け止めるかということであった。

    もちろん、学校における安全確保は極めて大切である。

    しかし、だからと言ってこの事件におびえて、
    学校を「閉じる」ことを考えたとしても、
    それは異常な攻撃に対する万全のまもりになるはずはない。

    物理的な閉鎖により守ることによって、
    かえって失うものの大きいことを考え、
    むしろ「開かれた学校」の考え方は促進しつつ、
    これを守るのは、心の結びつきによる守りではないか、
    とわれわれは考えた。

    学校を取り巻く人々の心のつながりが、
    目に見えぬ防壁をつくり出すのだ。

   (中略)

    地域全体の大人も子どもも通じての心のつながりこそ、
    このようなことに対する強い防壁と言うべきであろう。
                         ・・・」■

◆この報告書の精神が、
  第四錦林小学校区のそして京都市の学校安全についての
  考え方を貫いているように感じます。

◆もう少し具体的に、この学区の運動の特徴はいくつかあります。

◆第一には、
  さすがに5年の蓄積があり、多くの人たちが、
  無理のない範囲で継続的に見守りを行っておられることです。

  朝夕の散歩や門掃き、花木の水やり、商店の掃除、
  買い物などをできるだけ、子ども達の登校時間や下校時間に
  合わせて行う運動を5年間続けておられるのです。

  例えば、
  あるお寿司屋のご主人は開店前の掃除を
  2時間早く行われていますし、

  また、ある方は、犬の散歩を1時間遅らせるとか、
  夕ご飯の買い物を少し繰り上げるとか、
  といった、ちょっとした努力
  (といってもそれを継続させるのは結構大変なものです)
  の積み重ねなのです。

  私達が見学させていただいたときも、
  さりげなく、多くのご近所さんが子ども達に声をかけたり、
  一緒に通学されていました。

◆第二に、
  この学区には京都大学のキャンパスがあり、
  この見守り運動にも多くの学生さんが参加されていることです。

  京都大学の青少年ボランティアサークルが中心になって、
  見守り運動に参加したり、休日にスポーツを行ったり、
  木曜日の放課後に、校庭で大学生が小学生と一緒に
  遊ぶような活動も展開されています。

  最近「小中」連携という言葉を聞きますが、
  この学区では「小大」連携が行われているのです。

  そのサークルに限らず、
  運動サークルのロードワークを
  子ども達の通学時間帯に、通学経路に合わせて行う
  などの協力が行われているということです。

  第四錦林小学校に限らず、
  京都市では各地のコミュニティスクールに
  多数の大学生がボランティアスタッフとして参加されています。

  例えば、私の事務所に
  最近インターンとして手伝っていただいている
  立命館大学3回生の太田瑛子さんは、
  後で聞いた話では、御所南小学校でボランティアスタッフ
  として活動しておられ、そのことを知らなかったPTA活動中の
  私の妻とばったり会って、
  「あらま」なんて偶然に驚いているといった具合です。

◆第三に、
  見守り運動がひとつのきっかけになり、
  子どもたちの安全の問題以外にも
  非常に大切な良い影響が広がっていることです。

  見守り運動が展開されて、
  多くの方々が見守りに参加されるにつれ、
  子どもたちの遅刻がほとんどなくなった事例もそのひとつです。

  また、毎日見守りをしていただいていた
  お年寄りが亡くなってしまい、そのお葬式に、
  毎日見守っていただいていた子ども達が参列して、
  その子ども達が、給食の時間に涙をためながら、
  その話をクラスの友人にするという風景が現実になっています。

◆ありきたりな言葉になってしまいますが、
  地域と学校や子ども達の絆が強くなっているということです。

◆例えば、
  祇園祭の山鉾のルーツと言われる、
  この学区の存在する吉田地区に伝わる伝統祭具である
  「剣鉾」の保存活動が、この学校で行われています。

  地域の「吉田剣鉾保存会」の方々の指導の下、
  学校に伝統剣鉾部が設立され、毎週水曜日の放課後、
  「子供剣鉾」の練習が熱心に行われ、
  子供剣鉾は、いまや市内のいろいろなお祭りに
  招かれるまでになっています。

  地域と学童の交流は、これに限らず、どんどん広がっています。

  学区の児童の父親で作られる「四錦おやじの会」の皆さんが、
  子どもたちとともに
  学校からほど近い鴨川の水質や生物調査を行われ、
  非常に有意義な成果をあげられました。

  それがひとつのきっかけとなり、
  次に、児童とPTAや地域の人々、青年会議所など
  計300名で、校庭の一部を使ってビオトープを作られるに至り、

  さらに、そのビオトープ用に、
  環境教育を支援するNPOからの助成をもらって、
  校庭に井戸を掘られ、

  さらに、せっかくできた井戸を有効に活用しようではないか
  と言うことになって、

  地元の吉田学区自主防災会の方々と学校が、
  その井戸を災害時の住民の生活用水として役立てる旨の
  覚書を結ぶなどの協力関係を作るといった具合に、

  地域と学校や児童との交流が、連鎖的に広がっているのです。

◆先週の水曜日に、
  民主党シンクタンク「プラトン」の第一回BBL
  (昼食持ち込み形式の無料セミナー)で
  犬山市の石田市長がその講演
  (「わがまちの子どもはわが手で」)の中で、

  「学校は実は子ども達のためだけでなくって、
   大人達のためにあるんだ」とおっしゃっていました。

  今回もお世話になった、
  京都市の教育改革の立役者である門川教育長は、
  「子どもは地域のかすがい」とおっしゃっています。

  その意味は、
  まさに上で申し上げた点にあるのではないでしょうか?

◆地域の絆を取り戻す、最高の舞台は、
  私達の未来そのものである
  子ども達の学びの場である学校であり、
  「子ども達のために」という大人達の思いが、
  子供達を媒介にして、地域の信頼の絆をつくる。

◆この循環を強化していくために、
  学校運営のルールを見直したり、
  国と都道府県と市町村と学校の役割を見直したり、
  教育や生涯を通じた学びのために、
  もう少し財政支援が行き届くような予算配分の見直しを行う
  ことが政治の役割だと、

  確信を抱いた月曜の朝でありました。

  この見学では、
  海原校長をはじめとした
  京都市立第四錦林小学校の教職員の方々、
  山崎美三郎 吉田自治連合会会長、
  山田栄一 安心・安全委員会事務局長はじめ地域の皆様、
  また門川大作教育長をはじめとした京都市教育委員会の皆様、
  そしてこの見学をアレンジ頂いた
  地元の鈴木マサホ市議(第四錦林小学校卒業生)など
  多くの方々に大変お世話になりました。
  ありがとうございました。

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  ● 御礼 ●

  第3回「京都からこの国のかたちを変える会」、
  ナミねえこと竹中ナミさん、村尾信尚さん、堀場雅夫さんの
  ご参加のもと、大勢の皆さんにご出席いただきまして
  ありがとうございました。

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 ☆お知らせ☆

  私が理事を務めております公共政策プラットフォーム
   (プラトン)のBBLご案内

  皆様、ご興味お持ちの方はご参加ください。
  以下についてお問合・お申込はプラトンまで

  ※BBLとは…Brown Bag Lunch(BBL)形式
      昼食持込型のディスカッション・セッション

  ●プラトン第2回BBL

  □日 時:2月22日(水)11:45〜13:15
  □会 場:参議院議員会館 第一会議室
          東京都千代田区永田町2丁目1番1号
  □講 師:山本良一氏(東京大学生産技術研究所教授)
  □テーマ:「科学的知見に基づいた公共政策の立案への期待
       −サステナビリティの科学的基礎に関する
                調査報告書を公表して−」
 
  ●プラトン第3回BBL

  □日 時:3月1日(水)11:45〜13:15
  □会 場:参議院議員会館 第一会議室
         東京都千代田区永田町2丁目1番1号
  □講 師:飯尾 潤氏(政策研究大学院大学教授)
  □テーマ:「信頼総合型改革について」

  ●プラトン第4回BBL

  □日 時:3月14日(火)11:45〜13:15
  □会 場:参議院議員会館 第一会議室
         東京都千代田区永田町2丁目1番1号
  □講 師:山下一仁氏(独立行政法人経済産業研究所 上席研究員)
  □テーマ:「グローバル化と人口減少時代の農政改革」


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  ●京都から、この国のかたちを変える。●
    第133号  2006.2.21 発行  (配信数:1668部)

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<第133号  2006.2.21発行>

     
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