第143号  2006.9.25


  皆さん、こんにちは。
  松井孝治です。

  このところ、メルマガ本数が少なく、
  ただいったん書き始めると長すぎるということで、
  「もっとこまめに」、「もう少し短く」という
  ご意見を何人もの方からいただきました。

  今日は短く(とはまいりませんでしたが少なくとも単一項目で)
  まとめてみました。

 ★官邸スタッフ公募

  安倍新政権の正式発足を 明日に控えておりますが、
  新聞報道にある 官邸スタッフ公募について
  申し上げたいと思います。

  結論から申し上げると、この構想に私は賛成です。
  というより、これこそ、岡田政権500日プランや
  菅政権300日プランなどで
  私がずっと主張し続けた点のひとつであります。

 ★国益追求集団の必要性

  今の官僚組織には優秀な人物は多数存在しますが、
  残念ながら その多くが所属する省庁の 
  「省益」「局益」の追求に
  精を出さざるを得ない状況におかれています。

  このことが本来、国益の追求にいそしむべき
  政治・行政が、個別利益追求に堕している、
  大きな原因となっていると私は考えています。

  国家中枢でもある官邸は、
  まさに そのような個別利益追求と一線を画し、
  真の国益を 追求すべき場であるべきことは当然です。

  しかし、官邸・内閣官房周りにいる人材であっても、
  出身省庁の意向を優先するような仕事ぶりの方々が
  少なからず存在し、
  国家戦略立案の場としての官邸が
  十分機能していないのが現実です。


 ★岡田政権500日プラン

  政治・行政の中枢には、
  政権の政治課題への対処方針に共鳴し、
  賛同した人材を一定数集める。

  それも官界、経済界、学界、さらには市民セクターなどから、
  政権が重視する分野ごとのすぐれた能力・識見と、
  改革にむけて協働する志をもった人間を集める。

  そうした集団が、
  あるときには霞が関と対峙し、
  あるときは協力関係を持ちながら、
  政権の重要課題に取り組んでいく。

  これが、民主主義国家では当たり前の手法であり、
  そうした集団が 
  政権初期にきちんとした重点課題を国民に示しながら、
  問題解決のロードマップを描き、
  順次それらを解決する司令塔となることを
  岡田政権500日プランでは、
  マニフェストとしてお示ししたつもりです。

  岡田政権500日プランに ご関心の方は下記をご覧ください。
  《岡田政権500日プラン》

 ★真剣に進めるなら賛成

  ですから、安倍政権が、官邸スタッフを公募することは、
  これまでの内閣官房は 
  各省庁のルーティーン人事の一環
  というおかしな慣行を崩すという意味では注目に値するし、
  たかだか10人20人というレベルでなく
  もっと大規模に抜本的に進めてほしいものです。

  (民主党政権を樹立しましたら
   少なくとも200人から300人規模で行いたいと思っております。)

 ★避けて通れない問題点

  私が、本件について、現時点で感じている
  極めて重要な問題点を三つ指摘いたします。


 ★政策理念はどこに?

  第一に、本来官邸スタッフを公募するに当たっては、
  どのような政治理念や政策方針に賛同するスタッフを
  募集するのかが極めて重要です。

  私の考えでは、本来マニフェストで責任ある政権政策を示し、
  マニフェストが国民の信託を得て政権が樹立され、
  それに賛同する人材が 政権に入るというのが筋道のはずです。

  しかるに今回の公募に当たって、
  それに相当するものが公募対象である国民各層に
  明らかにされているのでしょうか?

  少なくとも内閣官房が公募対象としている行政官には
  明らかにされているのでしょうか?

  要するに、何を成し遂げるための「官邸スタッフ公募」なのか
  が明らかでないということです。

  この点は 官邸チームの結合の中核理念の欠如を意味し、
  のちに 決定的な問題となりうる点だと思います。

 ★民間や地域(草の根)からの人材は?

  第二に、今回の公募が
  主として各省庁の官僚を対象にしていることにも
  問題があります。

  追加的に 民間も対象とするという構想が
  出てきてはいるようですが、
  形式的に経済団体などを通じて民間からの出向者を募っても、
  後に述べるように、
  しばしば 官庁出身者が親元官庁への
  帰属意識を乗り越えられないのと同じような問題
  を抱えることになると思います。

  民間企業や地域社会に 
  優秀で、なおかつ高い志を有した人材が多数存在する、
  そうした人材を 
  改革理念への賛同・共感という点において掘り起こし、
  政権に コミットしてもらえるかどうかが
  最大のポイントだと思います。

  そのためにも 何のための官邸スタッフ公募なのか
  を明確にしなければなりません。

  それが出来てこそ、
  官僚組織にとっては都合が悪いけれど、
  この国の将来にとっては
  真剣に取り組まなければならない課題に、
  官・民・公「オールジャパンで」
  取り組むという体制が出来ると思います。

  残念ながら現時点では そのような気概が見えてまいりません。

 ★ここでも「省庁中心主義」

  第三に、官僚の公募に当たっても、
  省庁別推薦制度をとっているように うかがえる点です。

  9月21日に 内閣官房から各省庁に
  「官邸スタッフの公募について」
  と題する文書が流されています。

  内閣官房に窓口を設け、応募する職員は、
  「所属官庁を通じて応募するものと」されているのです。

  既に各省庁は、
  いかに官邸内部に新たな橋頭堡を築くか
  を念頭に人選を進めているようです。

  要するに 本当の公募ではなく、
  各省庁のスクリーニングがかかり、
  なおかつ 省益確保のための人材を送り出すための
  「公募」もどきとなるわけで、
  各省庁にとって都合の悪い人物は
  公募対象からはずされてしまうおそれが強いのです。

  当然、こうしたプロセスを経て
  各省庁から出向する人物は「往復チケット」で
  官邸勤務後 また所属官庁で
  働くことを約束された方々ですから、

  形は 公募でも 
  実態は従来の出向制度と なんら変わるものではありません。

  後々の出世のためを考えれば、
  結局のところ出身省庁の意向を受けて、
  仕事をせざるを得ない職員が、
  また 多数生み出されることになるのではないでしょうか。



  私は、安倍さんやその周辺におられる方々の、
  官邸スタッフ公募の考え方自体を
  否定しようというのではありません。
  むしろもっときちんとそれを行うべきという意味で、
  彼らの背中を押したい気持ちを持っています。

 ★看板倒れ

  問題は、しかし、ここにも
  小泉政権と同じ状況がすでに生じ始めていることです。

  要は「官邸スタッフ公募」という看板だけは生かしてあげる、
  しかし、その実態は、
  内閣官房の人事部局が各省庁の人事部局と相談して、
  かたちの上では「公募」という体裁を整えつつ、
  見事に管理された 
  省庁別出向体制を維持しているということが、
  事柄の本質であるということです。

 ★形式ではなく、「同志的結合」を作れるのか?

  民間人の採用についても同様のことが言えます。

  単に経団連会長・副会長会社に依頼して、
  一定期間の職員の出向をお願いして
  官邸にスタッフを集めることで
  問題が解決すると思ったら大間違いです。

  確かに優秀な人材は揃うかもしれませんが、
  そうした形で出向した方々が、
  出身企業や業種の利害を超えて
  政権の政策課題の解決に 
  向き合える体制を作り出すことなしには、
  成果を得ることは困難だと思います。

  確かに官邸スタッフの公募や政治任用の拡大は
  やらないよりはやったほうがよいでしょう。

  でもこれでは物事の抜本的解決にはなりません。

  要は 出身官庁とか出身企業・業種といった
  「所属」による利害関係を超える、 
  総理が行いたい政策理念を基軸にした
  「同志的結合」抜きには政治的任用は
  機能しないということを申し上げたいわけです。


 ★「やったふり」「小細工」でない本物の改革を

  私は、この5年間、この手の、
  「やったふり改革」「改革もどき」を何度となく
  みてまいりました。

  政権の立ち上がり期ですから
  あえて建設的に批判を申し上げているつもりです。

  安倍政権の方々にも申し上げたいのは、
  折角「官邸スタッフ」公募という形で、政治と行政の結節点に、
  霞が関人事に対する楔を打ち込む好機なのです。

  さきほど申し上げた、公募に応募したい職員は
  所属官庁を通じて応募しろと指導するような、
  いかにも官僚的な小細工を許していたのでは、
  結局この政権は 従来の延長線上にしか 
  立ち得ないのではないかということです。


 ★政治家が責任を持つ覚悟で

  本来、この課題(政権中枢への政治任用の拡大)は、
  現在の与野党の枠を超えて、
  この国を、官僚主導の国から、政治主導の国、
  もっと言えば国民主導の国とするために、
  かならず やり遂げなければならない課題なのです。

  本気で 
  政治主導の政治・行政運営を作ろうとしているのであれば、
  中途半端に 官僚組織と馴れ合うのではなく、
  彼らとの対立を恐れず、凛とした緊張感を持って 
  官邸スタッフの登用を行っていただきたいと思います。

  もし本気でそれを行うつもりであれば、
  内閣補佐官の権限・定員及び補佐官付きスタッフの充実や
  国会議員の兼職制限の緩和(内閣副長官補への任用)や
  官邸を中心としたライン職、重要スタッフ職の増員など、
  あわせて体制整備に至急取り組まなければなりません。

  国会法や内閣法、国家公務員法などの法令改正も
  必要不可欠でしょう。

  しかし、何より大切なのは、
  しかるべき政治家で、
  こうして集めたスタッフの後ろ盾になり、
  彼らが思う存分働ける環境を作り、
  必死に働いた人間の「骨を拾う」ような人物が
  存在するかどうかであると思います。

  私は この問題の今後の展開を
  誰よりも関心を持って見つめて行きたいと考えています。


 ★蛇足(若手官僚の皆さん向けの個人的アドバイス)

  以上厳しいことを申しましたが、
  しかし、若手の官僚で、われこそはと思わん方は、
  是非 官邸スタッフに応募されたら良いと思います。
  (明日が任用の締め切りのようですから
   もう遅いのかもしれませんけれど)

  自分の二度の「官邸」
  (それに準じた行革会議を含む)勤務の経験は、
  いずれも所属する通産省からの出向ではありましたが、
  貴重な同僚や上司、後輩に恵まれ、
  悔いのない経験をさせていただきました。

  これらの出向体験がなければ 今日の自分もありません。

  制度的には
  今の内閣官房出向制度がよいとは思いませんが、
  よくない制度の中でも貴重な体験はつかめます。

  是非勇気ある後輩の皆さんがこの制度を活用され、
  活躍されることを個人的には期待しています。

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 ◆◆ お知らせ1 ◆◆

  9月度 国政報告会

  名 称 松井孝治と座談会
  テーマ 「安倍政権の最初の5日間 
        〜安倍総理の所信表明演説を聞いて〜」
  日 時 9月30日(土) 16時から
  会 場 四条烏丸FTスクエア 7階 会議室

      ※地下鉄烏丸線「四条」・阪急京都線「烏丸」駅19番出口直結
       1階・四条通沿いに「みずほ銀行」があります。

  で行わせていただきます。
  なお今回は都合により懇親会は行わない予定です。
  ご了承下さい。
  皆様のご参加をお待ちしております。

  詳細・お申込は…京都事務所
          電話 075-213-6648 FAX 075-213-6645


 ◆◆ お知らせ2 ◆◆

  民主党京都府連「躍進のつどい」のご案内

  例年、京都府連主催で開催させて頂いておりますが
  本年も来月に迫ってまいりました。

  今回は通例にもまして 高額な会費で恐縮ですが、
  来年の 参議院選挙・統一地方自治体選挙を視野に入れた集いで、
  私どもとしても、一人でも多くの皆さまに
  ご参加いただきたい催しでございます
  (今後は 当面このような会費での会合は予定しておりません)。

  ご協力頂ける場合、
  下記、松井事務所までご連絡のほど、お願いいたします。
  厳しい経済状況の折、本当に申し訳ありませんが、
  何卒よろしくお願いいたします。

  日 時  10月20日(金)
        講演17時45分 懇親会18時45分
  会 場  リーガロイヤルホテル京都 2階

   講師として枝野幸男衆議院議員、
   ゲストとして福岡正行教授もおいでいただけます。

  参加費  20000円(恐縮です)

  詳細・お申込は…京都事務所
          電話 075-213-6648 FAX 075-213-6645


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  ●京都から、この国のかたちを変える。●
   第143号  2006.9.25 発行  (配信数:1710部)

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<第143号  2006.9.25発行>

     
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