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第163号 2007.10.12
皆さん、こんにちは。
松井孝治です。
この間、民主党「次の内閣」で内閣府担当大臣を拝命し、
同時に
行政改革調査会事務局長(調査会長:松本剛明衆議院議員)
にも着任し、独立行政法人・特殊法人廃止民営化法案の
とりまとめなどに追われて、メールマガジンの発行が
このところ随分ご無沙汰になってしまったことを
お詫び申し上げます。
☆ 意外にしたたかな福田総理
さて、あっけなく安倍政権が崩壊し、
福田さんが総理に就任されました。
官房長官時代、何度か参議院内閣委員会などでも
質問させていただきましたが、
その際も、非常に地味で手堅い印象の福田さんでしたが、
先週の所信表明演説も福田さんらしい、
キャッチフレーズなどの少ない、地味なものだったと思います。
福田総理が、低姿勢で手堅く、
「生活者・消費者重視」、「自立と共生」、「温もりのある政治」
など、民主党が掲げてきたコンセプトをそのまま使い、
「対話路線」を訴えられるのには、
対話に応じない民主党路線=原理主義、反対のための反対、
というレッテルを貼るための
したたかな布石とも読み取ることが出来ます。
テレビには真面目で誠実、そして好々爺然たる
福田さんの表情が映されますが、
なかなかどうして、したたかな総理大臣のような気もいたします。
われわれも気合を入れて政策論争に挑まなければなりません。
☆ 「過去の人?」安倍総理に学ぶ
さて本日は、退陣後、マスコミ的には、
あまりに急速に「過去の人」になりつつある、
安倍総理、安倍政権の評価について触れたいと思います。
安倍総理の「最大の功績」は、
突然の政権の投げ出しによって
国政に3週間の空白を作り出し、
しかも、その間自民党の総裁選挙一色で報道を塗りつぶし、
参議院選挙前後の自民党に対する逆風を 見事に止めたこと
という、うがった見方もできますが、
私としてはもう少し真剣な安倍評価が、
ほかならぬわれわれ民主党、
特に中堅・若手政治家にとって必要だと思えるので、
以下に多少字数を割いて その評価を行いたいと思います。
われわれにとっては、
安倍さんの政策や政治姿勢に賛同するかどうかはともかくとして、
そう簡単に、貴重な実験をして、
見事にそれに失敗して敗れ去ってくれた
安倍さんを過去の人として
「棺に納めて」しまうわけには行かないわけです。
それは安倍さんの名誉のためでもなく、
われわれの政治的利益のためでもなく、
日本の政治・行政システムの刷新のための議論です。
今日は(も?)、少しばかり堅い話になりますがご容赦ください。
安倍政権の評価を行うためには、まずその前に
5年間にわたる小泉内閣の評価からはじめなければならないと思います。
安倍さんの不幸の始まりは、
小泉さんの直後の総理を務めるという、
その運命にあったように思います。
つまり、
あの個性的な小泉総理と何かにつけ比較されるという思いが
安倍さんの「りきみ」になり、
そのことが 安倍政権の失速につながった一因ではないか
と考えるからです。
☆ 「奇人宰相」小泉さんの功罪
小泉さんほど功罪のはっきりした総理大臣は近年珍しいかもしれません。
その功(成果)として挙げられるのは、
○ 政=官=業のトライアングルの一辺(政=業)
の破壊に着手しつつあったこと
すなわち、郵政、道路といった、自民党(特に旧田中派)を
支える集票マシンの改革に着手したこと
○ その点も含め、派閥政治に大きな打撃を与えたこと
○ 閣議や自民党総務会の全会一致原則に
少数ながら例外を切り開いたこと
○ 経済財政諮問会議を活用し、官邸主導の政治手法を発揮したこと
○ 細部にとらわれず、図太く、改革の基本部分のみを
国民にわかりやすく伝えたこと
○ ワンフレーズポリティクス、キャッチフレーズ政治により
国民の政治への距離感を大幅に縮めたこと
といった諸点だと思います。
罪(又は課題)はその裏表ですが、
○ 政・官・業のトライアングルのうち、
政=官の関係、官=業の関係は堅持されていること、
すなわち、
政官関係では政策のほとんどは各省庁の官僚に丸投げで、
官・業関係では、天下りについて
ほとんど有効な規制を行い得なかったこと
○ 一定の改革を着手した政=業の関係についても、
例えば
道路公団民営化のように、表面上は改革を標榜しつつも、
その詳細設計にほとんど関心を持たず、
結果としては、キャッチフレーズのみが先行し、
全く本質的な改革には至らないものが大多数であること
○ 特に、私の専門である、行政改革については、
いわゆる公務員制度改革を見ても、
特殊法人・独立行政法人改革を見ても、
また、税金の無駄遣いが多数残存していることから見ても、
改革についての踏み込みの明らかな不足が見られること
○ 小泉改革には、歴史の評価に耐えうるほどの
理念的裏づけが存在しないこと
○ 問題の単純化やキャッチフレーズ政治は、
テレビなどでの政治のワイドショー化の進展とも相俟って、
有権者の政治課題の受容力の減衰を加速したと思われること。
といったところでしょうか?
☆ 安倍さんの自滅の原因
私が見るところ、安倍さんは、
いかに小泉さんが出来なかった課題に取り組むか、
そして小泉カラーに対抗した安倍カラーを出すかということを、
ご本人のみならず、周辺も含めて考えすぎ(時には無意識的に)、
その結果、
自滅への途をたどったようにも思えます。
要は 小泉さんがその独特のキャラクターで
実現した総理のリーダーシップを、
小泉さんほどの個性と指導力に欠ける安倍さんの場合、
「チーム安倍」で実現しようとしたのだと思います。
しかし、「チーム安倍」で周辺を固め、
その官邸が、霞が関や永田町の中で、
小泉さんに希薄であった「保守」の政治理念
(典型的には「戦後レジームからの脱却」)を打ち出し、
「超然」たるリーダーシップを発揮しようとすればするほど
党内や、官僚組織との間では、
歯車がかみ合わない状態が顕在化してきたように
思えます。
小泉さんがいかに自分のリーダーシップで
政策を実現したかのように振舞おうと、
内実、政策の設計においては、
霞が関の官僚たちに丸投げしていたのは、
功罪相半ばする点ですが
(中身に執着しないからこそ、堂々と単純化した
看板だけを主張できたという評価もあります)、
その小泉さんの限界を克服しようと、
自分と気心の通じたスタッフや有識者を官邸に集めて
基本政策を自前で立案しようと焦るあまり、
霞が関も含めた自分の配下組織(霞が関の官僚集団)
や政党集団を使いきれなかった、あるいは反発を招いた
というのが実際のところでしょう。
そこに、閣僚による不祥事、問題発言が相次ぎ、
これらに関する危機管理能力・問題処理能力を
持ち合わせていない官邸は、
さらに急速に求心力を失い、
参議院選挙の大敗へとつながっていきます。
そして参議院選挙後、「お友だち」内閣の解散、改造により、
与謝野官房長官をはじめとした
安定感のある閣僚を得たのと引き換えに
安倍総理は精神的よすがとなっていた「お友達」を失い、
結果として、官邸内で孤立感を深めつつ、
気力、体力の限界に達してしまったのだと想像します。
9月12日の12時半過ぎに、女房役の官房長官が、
安倍総理の辞意を知らずに
13時の本会議開会に向けて早めに国会に出向いておられた事実が、
何よりも雄弁に、安倍総理の官邸内での孤独を
物語っていると思います。
☆ わが身を振り返れば
こうしたことを振り返りますと、
やはり、私の脳裏には、メール問題で退陣を余儀なくされた
前原誠司代表の民主党代表辞任とオーバーラップする
部分があります。
もちろん状況が全く異なりますので
単純な比較をするわけには参りませんが、
前原代表を支える、言わば「チーム前原」の
末席を汚していた者の自己反省も含めて、
今回の安倍さんの辞任には 考えさせられる要素が多々あります。
このメールマガジンの継続読者の皆さんはおわかりのように、
私がかかわった民主党マニフェスト
「菅政権300日プラン」や「岡田政権500日プラン」と
安倍政権における
官邸スタッフ任用のプロセス、構成などは
類似する部分も多く、
塩崎官房長官とは、官房長官になられる以前に
雑誌「論座」で政治任用のあり方などを対談し
意気投合する部分も多々ありました。
その意味で、
○ 塩崎さんを官房長官に起用したり、
5人の首相補佐官を登用するとともに、
従来 ほとんど各省庁からの順送りの出向組だけで
構成されていた官邸職員の
「公募」などを通じて、官邸主導の試みをされたこと
○ 同時に、最初の所信表明演説で、
「教育再生会議」「再チャレンジ支援」「イノベーション25」
「アジア・ゲートウェイ構想」「集団的自衛権の類型別研究」
「日本版NSC設置」 などのテーマ設定を行い、
官邸に多数の有識者会議を設置し、
官邸主導のアジェンダ設定を行ったこと
○ 小泉内閣において極めて不十分であった
公務員制度改革、
すなわち、政=官の不透明な もたれあいの関係に
楔を打ち込む試みに 少なくとも着手したこと
などは、天下り問題などを筆頭に、個々の政策内容に
大いに疑問があるものも含まれておりますが、
官邸主導で困難な問題に取り組むべきとの姿勢については
共感を感ずる部分のある取り組みです。
問題は、
○ そうした正しい試みを、
現実の政策運営に活かせなかったアマチュア的手法
○ 具体的には、閣内や党内で利害調整に汗をかいてくれる人材
を確保できなかったこと
○ 「政=官」関係改革への焦りによる霞が関コントロールの失敗
すなわち、
官邸として官僚組織との適切な間合い
(緊張関係と協力関係のバランス)を
維持できなかったのではないか
という諸点であり、
これは、官房長官以外の閣僚経験のない総理と
初入閣の官房長官コンビ に代表される
チーム安倍の経験不足の悲劇とも言える部分です。
というのも官房長官は、
内閣の調整役、官邸の取り回しという意味では
最重要閣僚ですし、10年前、20年前とは
比較にならないほど重要度を増している ポジションですが、
一方、各省を担当する大臣と異なり、
プロパーの官僚群をほとんど持たない
特殊な閣僚であり、行政組織として、
何千人、何万人という官僚組織を 掌握・管理する経験には
つながらないポストであるからです。
民主党は、現在、経験豊富な小沢一郎代表
トップにいただいているわけで、
安倍政権の経験不足とは
対極的なポジションにいるのかもしれません。
しかし、われわれが政権を獲得した後に、
従来どおりの 政官の相互依存関係に基づく政権運営
を期待する有権者は
ほとんどいないと私は確信しています。
その意味では、党内的にはベテランの経験や知恵を、
中堅・若手がしっかりと吸収した上で、
やはり中堅・若手が中軸を担って行く意気込みで、
政権獲得に向けての、そして政権獲得後の政権戦略を
練り上げていかなければなりません。
要は、安倍政権の失敗の検証をしっかりと行い、
同時に、われわれと彼らの共通の問題意識
すなわち
・官邸主導の各種取り組み、
・官邸スタッフへの民間専門家・意欲ある官僚の積極的な登用、
・安倍政権の当初の問題設定の正しさと
その後の運営の失敗の典型である公務員制度改革の
具体案の策定
などを含めて
さらにバージョンアップをした政権運営戦略、
政官関係を構築する必要があると考えています。
特に、私は、これから半年ほどの間で、
天下り根絶策にとどまらず、
総合的かつ本質的な公務員制度改革案を
作り上げていくことが 自分の任務だと考えています。
現役の官僚諸氏も含めて多くの方々の
具体的なご意見にも耳を傾けながら、
官僚が、
真に国益(さらにはグローバルな公益を含めて)のために
存分に働けるような制度改革の議論を行っていきたい
と存じますので、
皆様の積極的なご意見をお待ちしております。
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京都事務所 075-213-6648 国会事務所 03-3508-8613
◆ お知らせ 2 ◆
民主党京都府連パーティ「京のつどい2007」のおしらせ
例年のことではありますが、本年ももうじき京都で
民主党京都のパーティを開催します。
今年は皆様のご支援のおかげで統一地方選挙での議席倍増、
そして参議院選挙での全国的な議席増を受け、
近い将来の政権奪取に向けた決意表明の会となります。
そのためにも多くの皆様のお励ましを頂きたく存じます。
厳しい経済状況の折、本当に申し訳ありませんが、
ご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。
日 時 11月22日(木) 18時00分開会予定
会 場 リーガロイヤルホテル京都 2階
ゲスト 民主党代表 小沢一郎衆議院議員
参加費 10000円(恐縮です)
詳細・お申込は…京都事務所
電話 075-213-6648 FAX 075-213-6645
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●京都から、この国のかたちを変える。●
第163号 2007.10.12 発行 (配信数:2896部)
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